???「ようこそ、いらっしゃいませ。恭弥様・苺鈴お嬢様・なのはお嬢様。」
恭弥 「ああ、邪魔するよノエル。」
苺鈴 「ご無沙汰してますノエルさん。」
なのは「こんにちは。」
あの事件から一週間後・・・次の休みになり、私はなのはと恭弥さんと一緒に、なのはの友達の「月村 すずか」の自宅にお茶会に呼ばれてやってきました。
今私達を案内しているのは、すずかの家のメイド長である「ノエル」さんと言う女性。ほどなくして、すずかとアリサ・そして、すずかのお姉さん「月村 忍」さんとすずかの専属メイドの「ファリン」の待っている部屋に辿り着く。恭弥さんと忍さんは付き合っているからか、お茶をノエルさんに部屋に運ぶように頼むと、忍さんの部屋に行ってしまった。
残された私達は、お茶が来るまでの間、先に来ていたすずか・アリサと、あのカップルの事をはなしていた。
アリサ「しかしほんと、なのはのお兄さんとすずかのお姉ちゃんはラブラブよねぇ~」
すずか「うん。お姉ちゃん、恭弥さんと知り合ってから、本当に幸せそうで・・・・・・」
なのは「家のお兄ちゃんは、どうかな?・・・何だか・・・前より優しくなった感じがする。それに・・・良く笑うようになったと思う。」
苺鈴 「・・・人は、誰かを好きになると、色々と丸くなるのかもね」
なのは「苺鈴ちゃん?」
すずか「あの・・・それってどういう・・・・・・」
苺鈴 「まぁ、あなたたちにはまだ分からないわよね。ごめんなさい。忘れて。」
すずか「あっ・・・はい・・・・・・」
アリサ「ところでさぁ~」
すずか「うん。」
なのは・苺鈴「ん?」
すずか「今日は、お二人共元気そうだなぁ~と思って。」
なのは「えっ?」
苺鈴 「どういう事よすずか?」
すずか「はい。・・・最近二人共、特になのはちゃんが何だか元気が無いような気がして・・・もし、心配事があったのなら、お話を聞けないかぁ~と思って・・・・・・」
アリサ「なのははあたしたちの大事な友達で、苺鈴さんは、尊敬するあたしたちのお姉さんだから、何か悩みがあるのなら、力になりたい。って思ってたんです。」
なのは「すずかちゃん・・・アリサちゃん・・・・・・」
苺鈴 「二人共・・・ありがとう・・・・・・」
アリサ「まぁ、それはそれとして・・・好きな人と言えば・・・・・・」
なのは「ん?・・・どしたのアリサちゃん?」
突然、アリサが何かを企んだかのような、小悪魔チックな笑顔を浮かべて、そのいやらしいとも言えそうな笑みの視線を感じ取った苺鈴は若干引いていたが、アリサは以前から気になっていた事を苺鈴に問いただす。
アリサ「苺鈴さん・・・・・・」
苺鈴 「なっ何かしら、アリサ?・・・・・・」
アリサ「ズバリ!!苺鈴さんには今、彼氏っているんですか!!」
なのは・すずか「えっ!?」
苺鈴 「えっ!?」
アリサ「どうなんですか!?」
苺鈴 「あ・・・えっと・・・・・・」
アリサ「じぃ~~・・・・・・」
なのは・すずか「じぃ~~・・・・・・」
苺鈴 「うっ!?」
「今はいない」・・・言うと、やっぱり寂しさがあるからあまり言いたくは無かったが、苺鈴はアリサ・なのは・すずかの三人の視線に負けて、観念して、話してしまおうとしていた。
しかし、それは一匹のフェレットの叫び声で中断した。
ユーノ「キュ~~!!」
何事かとユーノを見ると、ユーノがすずかの家の猫に追い回されていたのだ。このままじゃ「食われる!!」それは避けようと懸命に逃げ回るユーノの前には、なのは達の分のお茶とお菓子をトレーで運んできたファリンが丁度現れた。
ファリン「は~~い!!お待たせしましたぁ~~!!」
ファリンの足下を回り始めたユーノと猫に動揺したファリンは、次第に目を回して、後ろに転倒しそうになった。それを見たなのは・すずか・苺鈴は咄嗟に体が動いた。
なのは「・・・ふぅ~セ~フかなぁ?・・・・・・」
すずか「何とか・・・・・・」
なのはとすずかは、ファリンが誤って放り投げてしまったトレーをキャッチして、ティーカップとスプーンとティーカップ用の小皿が数個、床に散らばった程度で済み、肝心のお菓子とお茶は死守できた。そして、ファリンはと言うと・・・・・・
ファリン「きゅうぅぅ~~・・・・・・」
苺鈴 「あの~ファリンさん大丈夫ですか?後、そろそろ起きてくださ~い。」
ファリン「・・・ん?」
苺鈴は、転びそうになったファリンを苺鈴が床に膝を付けていたが、お姫様抱っこに近い抱き方をしていて、目を覚ましたファリンが苺鈴を見て妙なキラキラが見えたような気がし、最初に言った言葉はと言うと・・・・・・
ファリン「王子様・・・・・・」
苺鈴 「・・・はい?」
顔を赤らめながら、つい苺鈴の事を王子と呼び、我に返った後、更に取り乱し、懸命に苺鈴達に転んだことや、その他もろもろの事を謝っていた。
そのやり取りが忍の部屋でも聞こえていたため、ノエルが頭を抱えていたのは言うまでもない。
それから、庭へと移動して、お茶会を再開させていた4人だったが、なのはとユーノは近くで「ジュエルシード」の気配を感じ、すずかとアリサにどう言って、この場を離れようか模索していると、ユーノが動き出す。
ユーノ「(・・・そうだ!!)」
ユーノは突然、林に向かって走り出した。なのはは直ぐにその意図(いと)に気付き、ユーノを追いかけると言って林の中に向かって行く。
アリサ「なのは!?」
すずか「私達も・・・・・・」
苺鈴 「待って二人とも、私が行くから、二人はここにいて。」
すずか「あっ・・・・・・」
アリサ「行っちゃった・・・・・・」
なのは「・・・ユーノ君、ここなら大丈夫そうだね。・・・・・・」
ユーノ「うん。でも、誰かに見られるといけないから、結界を張っておくよ。」
ユーノは、結界を張り、周りの空間と切り離し、誰にも気づかれないようにした。苺鈴は出遅れてまだなのはと合流していないが、時期に追いついてくるので、とりあえずバリアジャケットを装備してジュエルシードの下に向かった。
なのは「な・・・何・・・アレ?・・・・・・」
ユーノ「ぉっ・・・ぉぉ・・・・・・」
二人の目の前には、巨大な猫がいた。すずかの家で飼っていた猫で、ユーノが言うには「大きくなりたい。」という願いがかなった姿なのではないかとのことだった。とりあえず封印しようとレイジングハートを猫に向けるが、その直後、猫に向かって幾つかの閃光が向かって行った。
なのは「何!?」
ユーノ「今のは、どこから!?・・・・・・」
二人は、閃光の発信源を探した。なのは達が探す間にも更に猫に向かって攻撃が放たれる。
苺鈴 「あら?・・・あの子達、こっちに来たと思ったんだけど」
その頃、ユーノが何も無しに動く事など無い事を分かっていて、追いかけてきた苺鈴だったが、どこで道を間違えたのか、今だに合流できておらず、探し回っていたが、猫に向かって放たれた閃光に気付き、拡散した位置に何かあるとみて、急いでそこに向かう。
そうこうしている今、遂に猫が倒れて、なのはとユーノの前に、金髪のなのはと似たような系統の黒い衣装に身を包んだ少女が姿を現す。二人は、状況から見てこの少女が猫に向かって閃光を放った張本人だと確信した。
その頃なのはは、飛行魔法「ファイヤー・ヒィン」で猫の前まで飛び、「プロテクション」の魔法で、更なる砲撃を防ぐ。砲撃を放った金髪の少女は初めは自分と同じ「魔導士」の出現に少し驚いていたが、一瞬目を大きく開いた程度で済ませ、更なる砲撃を今度は猫の足下に向けて放つ。これに驚いた猫がのけぞったことで、飛んでいたなのはのバランスもずれて、よろける。そして、遂に猫が倒れて、地上に降りたなのははレイジングハートを構えながら、こちらに近づいてきていた金髪少女を見つめる。反対に金髪少女も、なのはを観察するかのように見つめてきて、自分と同系統の魔導士と「ジュエルシード」を集める者だという事を察知した。
ユーノ「あの子、間違いない・・・僕と同じ世界の魔導士・・・それに、ジュエルシードの正体も知ってる!?・・・・・・」
金髪少女「・・・バルディッシュと同じ・・・「インテリジェント・デバイス」・・・・・・」
なのは「バルディッシュ?・・・・・・」
次の瞬間、バルディッシュと呼ばれたデバイスが、まるで雷を帯びたかのような鎌(かま)へと形状を変え、律儀に「ジュエルシードを頂いていきます。」と言いながら、なのはに鎌を振り落とす。なのははそれを再び飛行魔法で上空へと避けるが、金髪少女は更に鎌を振り上げ、思いっきりバットを振るかのようにスイングすると、鎌の刃の部分だけを飛ばしたかのようなエネルギー波をなのはに放つ。
ユーノ「なのは!?」
なのは「・・・ぎりぎり避けられ・・・あっ!?」
金髪少女「・・・・・・」
エネルギー波を、直前でぎりぎり避けたなのはは更に上空に飛ぶが、なのはが気付いた時にはもう既に金髪少女が眼前に迫って、鎌を振り上げる。それを、間一髪レイジングハートで防ぐ。
なのは「・・・何でいきなりこんなことを!?・・・・・・」
金髪少女「・・・多分・・・答えても・・・意味が無い・・・ふっ!!」
なのは「きゃあっ!?」
金髪少女が強引に鍔競り合いを振りほどき、なのはは地上に、金髪少女は木の枝の上に降り立ち、それぞれデバイスの形状を変化させる。なのはの方はこの間の長距離砲撃の時と同じ、金髪少女の方は、現れた時と同じ形状に変化させて、それぞれの技を繰り出そうと発射体制で構える。なのはは目の前の金髪少女の事を色々考えながら見ていたが、猫が意識を取り戻したのをようで、それに気を取られていた一瞬のスキをつかれてしまう。
バルディッシュ「フォトンランサー」
なのは「あっ!?」
ユーノ「なのは!?」
隙をつかれたなのはは、直撃こそ逃(のが)れたが、宙を飛び、地面に激突する寸前にユーノが魔法陣のクッションを張ってくれたおかげで、目立った外傷は無かった。
その隙に、金髪少女は猫に近寄り、雷系統の魔法を浴びせて、猫からジュエルシードを分離させる。分離したジュエルシードを回収しようと歩き始めたが、金髪少女の足下に、ピンク色の魔法弾が当たる。金髪少女が振り返ると、尻餅付きながらも上半身を何とか起こして、ジュエルシードを渡さないように奮闘しようとしていたなのはがいた。
なのは「はぁ・・・はぁ・・・」
金髪少女「・・・・・・」
なのははもう立ち上がる力も残っていないような状態で、息を切らしていた。そんななのはに、念のためもう一度魔法弾を当てて、自身の目的の邪魔をさせないように更なる追い打ちをかける。
なのは「うっ・・・・・・」
金髪少女「・・・ごめんね・・・・・・」
なのは「えっ?」
ユーノ「なのはー!?」
小声で謝っていたように聞こえたが、金髪少女が倒れたなのはに向かって、魔法弾を一筋放った。だが、その閃光はなのはに当たる事は無かった。
金髪少女「ぇっ!?」
苺鈴 「・・・・・・」
苺鈴が、茂みの中から姿を現し、手刀で閃光を叩き落としたからだ。いきなり現れ、自分の放った閃光を素手で叩き落とされた事には驚いた表情を見せたが、直ぐに表情を元に戻し、目の前のお団子ツインテールの年上の少女を見つめる。
反対に苺鈴も、なのはを痛めつけた目の前の少女は、確実にジュエルシード狙いだと確信し、尚且つ、経験が浅いとはいえ、潜在能力が未知数のなのはをこうも圧倒している様子の少女に、全く気は抜けなかった。なのはは、苺鈴の姿を確認すると、遂に気を失ってしまった。
ユーノ「苺鈴さん!!」
苺鈴 「ユーノ。なのはをお願い!!」
ユーノ「分かりました!!」
金髪少女「・・・・・・」
苺鈴 「あなた・・・何者?」
金髪少女「・・・・・・」
苺鈴 「・・・答える気は、無いようね。・・・じゃあ、質問を変えるわ。あなた、ジュエルシードが狙いなの?」
金髪少女は頷き、苺鈴は「やっぱり・・・」と頷き、更に質問をしていく。
苺鈴 「なのはを攻撃した理由はまぁ分かるとして、あなた・・・なんでジュエルシードを集め」
金髪少女「それ以上、答える必要はありません。・・・私は、ジュエルシードを持って帰らないといけない。絶対に」
苺鈴 「そう・・・だったら、仕方がないわね。・・・・・・」
苺鈴が構えると、少女も鎌にも見える杖を構える。しばらく続いた睨み合いは直ぐに破かれる。
金髪少女「はぁー!!」
苺鈴 「・・・ふっ!!よっ!!ちぃっ!!」
金髪少女は、鎌を何度も振るい、苺鈴を切り裂こうとして来る。苺鈴も慎重に相手の太刀筋を見極めて、寸(すん)でのところで何とかいなしている状態であった。そして、金髪少女が大振りで鎌を頭上に持ち上げて、苺鈴に切りかかろうとしたが、苺鈴もそれを真剣白刃取りで、刃と思われる部分を掴む。しばらく膠着状態が続いたが、力押しでは長引くと踏み、金髪少女は苺鈴の腹部を踏み台にして、苺鈴から飛び引き、再び苺鈴と距離を取った。
ユーノ(すごい・・・苺鈴さんには魔法の素質が無い代わりに、なのはには無い闘いの経験がある。)
金髪少女(この人、さっきの子と比べたら、戦い方が上手い。私の攻撃をギリギリの状態みたいだけど、どれも確実にいなされた。)
苺鈴 (やっぱりこの子、速いし強い。心なしか、手加減されている気もするし、さて、どうしたものか・・・・・・)
二人は硬直しておりながらも、相手がどう動くかを見極めようとしており、金髪少女の周りには、見た雰囲気から雷の属性が付加された球体の魔法弾が、いつでも発射できるように展開されていた。しかし、反対に苺鈴は拳を降ろしていた。その様(さま)には、金髪少女も、ユーノも「何故!?」と顔に書かれていた。
ユーノ「苺鈴さん何で!?」
金髪少女「・・・何の真似ですか?・・・・・・」
苺鈴 「簡単よ。多分・・・私じゃあなたには勝てない。それに・・・私には、なのはを庇いながら、ジュエルシードも守りつくせるほどの力は無い。それだけよ・・・・・・」
金髪少女「・・・・・・」
ユーノ「苺鈴さん・・・・・・」
苺鈴 「・・・採るなら早く採っちゃいなさい。」
金髪少女は「罠」の可能性を考えたが、対する苺鈴はその場に腕を組みながら胡坐(あぐら)をかき、目をつむりながら座り込んだのだった。それを見た金髪少女もこの人物が嘘は言っていない事を確信して、「ジュエルシード」を回収する。
金髪少女「・・・・・・」
回収を終わらせて、依然座り込んでいた苺鈴に近寄る。苺鈴はまだ目をつむっていた。
苺鈴 「・・・・・・」
金髪少女「あの・・・」
苺鈴 「答える必要、無いんでしょ?」
金髪少女「それは・・・」
苺鈴 「今日のところは私達の負けだし、おとなしく引き下がるわ。だけどね」
苺鈴は目を開け、苺鈴の右横に立っていた金髪少女を目だけ動かして見つめると・・・・・・
苺鈴 「次は「勝つ」わ。」
そう言い放った。
金髪少女「・・・・・・」
ユーノ(苺鈴さん・・・)
苺鈴 「・・・早く行きなさい。」
そう言われて金髪少女は、半分譲ってもらったような流れにもなったため、苺鈴に一礼してから、飛行魔法で飛び立ち、この場から消え去った。
苺鈴 「・・・・・・」
ユーノ「苺鈴さん・・・」
苺鈴 「ごめんなさいねユーノ・・・ジュエルシード・・・あの子に渡しちゃって」
ユーノ「いえ。なのはもやられて、苺鈴さんが敵わないと思っての事なら仕方がないと思いますし、そもそも僕がもっと強ければ」
苺鈴 「あなたには魔法があるだけマシでしょ。それに比べて私には・・・何も・・・」
二人は、今回の事で、自身が本当になのはの役に立てているのかを自分で疑ってしまうほど、自身の力のなさを痛感していた。ユーノには魔法があるが、戦闘は得意でもなく、なのはのように魔法の素質に優れている訳でも無かった。苺鈴には、拳法があるが、魔法は使えない・魔力を持っていない・・・ここまで非力な自分に流れている血は本当にあの「クロウ・リード」の家系の者なのかと疑っていた。
それからしばらく、なのはを抱えながら屋敷に戻って来た苺鈴は、「転んで頭を打っていた」と適当にごまかし、なのはが目を覚ましたのは、夕方になってからの事だった・・・・・・
なのは「『お手伝い』から『やりたい事』へと変わった矢先の私よりも強いライバルの出現」
ユーノ「そして、休暇を楽しむためにやって来たある場所で苺鈴はなのはにとってのフェイトと同じ存在に出会う。」
なのは「次回『カードキャプターさくら外伝第5話「再開。そして、再戦」』」
苺鈴 「リリカル・マジカル頑張るわよ!!」
なのは「あっー!!苺鈴ちゃんそれ私のセリフ!?」
苺鈴 「あははっ一度これ言ってみたかったのよねぇ~」