カードキャプターさくら『苺鈴外伝』   作:狼と踊る男

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遂に番外編3部作の3部目に突入します。

これが終わればやっと新章に移れる!!頑張らなければ!!





「苺鈴と透明なカード」(前編)

 

ある日、女の子が生まれました・・・女の子は一族の中でとても強い魔術師の両親でしたが、その子供である女の子には全くと言っていいほどに『魔力』を欠片も感じられませんでした・・・・・・

 

 

 

 

 

ある所に男の子がいました・・・・男の子はとても強い『魔力』を持っていました。その扱いにも長(た)けていました。ある大人達はその少年の力を欲しました・・・少年は特別嫌だという気持ちが湧いてきませんでした。だからそこに行きました・・・

 

 

 

 

 

女の子は一人寂しい日々を過ごしていき・男の子は特に何も『感じない』・『思わない』そんな日々を過ごしていきました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「さくら?どないしたんや?」

 

少女は目覚めた。朝の日差しの助けもあってか週末の休日で普段は重い体が「起きて」と訴えているようで体が軽くなっていた・・・

 

さくら「泣いてたの・・・アリスが・・・」

 

???「アリス?・・・」

 

ここは友枝町の木之本家の『木之本 さくら』の自室である。さくらに呼びかけているのはおなじみのケルベロス(仮の姿)(ケロ)である。さくらは目から涙を流しており眠気で流している物ではなく、表情から見て別の感情から湧き出てきた涙なのであろう・・・

 

 

 

 

 

さくら「お父さん。おはよう」

 

藤隆 「おはようございますさくらさん・・・・・・」

 

一階に降りてきて『木之本 藤隆』に朝の挨拶をするさくら。藤隆もさくらに挨拶を返すが、さくらの顔を見た途端、藤隆の目が変わり「目が赤い」と指摘されて慌てて目尻を手で拭い「何でも無いと」誤魔化すが、藤隆の目は誤魔化せなかったようだ

 

さくらはそのまま今朝見た寂しくて、それが分かっていながら何も出来なかった夢の話を藤隆に話すと「そんなのがあるんだ!?」と思える返答が返ってくるのであった

 

さくら「『明晰夢(めいせきむ)』?」

 

藤隆 「そう。これは夢だな?って夢の中で分かる夢だよ?」

 

さくらは今の話に食いつき、更には「夢だと認識すると、その内容を変化させる事も出来る」と語る。「難しいけどね?」とちゃんと付け加えて・・・

 

しかし「それで悲しい思いをしている人がいたら今度はそうならないように変えてあげられればいいね?」と更にさくらに話してくれたことでさくらの表情は変わっていき、表情は明るくなった。

 

だからこそなのであろう・・・さくらは突然だが急なお願いを藤隆に話す

 

さくら「あのねお父さん。お願いがあるんだけど?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さくら「えっ!?何!?」

 

時は少し進み、家の掃除をしていたさくらは突如書庫から大きい物音が聞こえてきた事に体がビクッ!!っとなり身構えてしまう。それに気付いたケルベロス(仮)も2階から飛んできてさくらの肩ほどの位置にとまり、書庫の方へと二人で近寄っていく。恐る恐る扉を開き二人は出来るだけ音を出さないようにそっと書庫の階段を降りていき更に奥へと進んでいく・・・

 

ケロ 「兄ちゃんはもう出かけたし、お父はんもさっき出よったよな?」

 

さくら「うん・・・誰かいたら・・・警察さんを呼ぼう」

 

ケロ 「魔法でどうにかしたらええやん?」

 

さくら「ぁそっか?」

 

二人は未だ音の発生源を特定できず、更に奥へと進む。そろそろ最深部に到達するころだ。しかし、二人、特にさくらはある違和感を感じていた

 

ケロ 「なぁさくら、気づいとるか?この気配・・・」

 

さくら「う~ん・・・何だろう・・・なんだかなじみがある気配を感じるような・・・」

 

ケロ 「感じよるで?・・・これは・・・『さくらの魔力』の気配や・・・」

 

さくら(私の?へぇ~私の魔力ってこんな感じなんだ?じゃなくて!?何で私の魔力が書庫から感じるんだろう?ってあれ?・・・何か聞こえる・・・女の子の声?それも二人も)

 

???「痛たたた・・・ブリジットさん大丈夫?」

 

ブリジット「はい・・・痛たた、お尻打ちました・・・」

 

さくら(誰なんだろう?何で家に?)

 

ブリジット「ここは・・・書庫・・・ですかね?苺鈴さん」

 

苺鈴 「・・・どうやらそうみたいね?でも図書館って感じでもなさそうだし・・・」

 

ブリジット「これからどうしましょうか?」

 

苺鈴 「とりあえず外に出ましょう。早くなのはや『さくら』達に会いたいし」

 

さくら「さくら?」

 

ブリジット「誰ですか!?」

 

ブリジットが叫ぶと、さくらはビクッ!!と体を一瞬固めてしまい、苺鈴・ブリジットの方が動きが早かったためすぐに肩を掴まれてしまいさくらは何をされるかわからない状況に体が硬くなってしまい本棚にもたれかかる形になってしまう。さくらの様子に反して苺鈴・ブリジットは肩を掴んで動きを止めた相手を改めてみると、さくらにとっては思わぬ対応を取り、苺鈴はさくらに抱き着くのであった

 

苺鈴 「さくら久しぶりぃぃ~!!帰ってきたわよ!!」

 

さくら「ほぇ!?」

 

ブリジット「何ださくらさんだったんですね?いやぁ~さっそくさくらさんに会えたのは不幸中の幸いです。これでアースラに連絡がとれそうですね?」

 

苺鈴 「ホントホント!!いやぁ~この抱きごごち懐かしいなぁ~」

 

さくら「ほぇぇ~!?」

 

ケロ (なんやねんこいつら!?)

 

ブリジット「・・・あの苺鈴さん。何かさくらさんの様子おかしくないですか?」

 

苺鈴 「へっ?そう?」

 

ブリジット「それ以前にこのさくらさん・・・私達が知っているさくらさん何でしょうか?ほらっローゼンベルグ騎士養成学校やさっきのはなさん達の世界の事もありますし?」

 

苺鈴 「そう言われてみれば・・・ねぇ?」

 

さくら「ぁっはい!?」

 

苺鈴 「あなたって『木之本 さくら』さんでいいのよね?」

 

さくら「えぇっ!?うっうん・・・」

 

苺鈴 「出身小学校って『友枝小学校』よね?」

 

ブリジットの言葉に「言われてみれば」と納得した苺鈴はブリジットと相談して一度さくらと情報を整理するために、さくらに部屋に連れて行ってほしいと頼み込み、4人はさくらの部屋へと場所を移し、そこでこのさくらは確かに苺鈴・ブリジットの持っている情報と『ほぼ』一致している『木之本 さくら』ではあるが、二人が知っている『木之本 さくら』では無い事が判明したのだった

 

ケロ 「確かにこのベルトからさくらの魔力を感じるな?」

 

さくら「私の魔力の気配ってこんな感じなんだ?」

 

苺鈴はさくらに『サイクロード』を渡し、さくらはいろんな角度から見ている。ケロはサイクロードから感じられる魔力は間違いなくさくらの物だと確信して、反対にさくらは自分の魔力の気配はこんな感じなんだ?と初めて知ったようである

 

苺鈴 「今まで知らなかったの?自分の魔力なのに?」

 

さくら「うん」

 

苺鈴 「意外ね?」

 

ブリジット「そうですか?よくある事だと思いますよ?ほら、自分の声って他人の視点から聞いたら私ってこんな声なんだ?ってことあるじゃないですか?それと一緒ですよ」

 

苺鈴 「あぁ~成程」

 

さくら「それで李ちゃん・ブリジットさん」

 

苺鈴 「ふぇ?『李』ちゃん?」

 

さくら「うん。『李 苺鈴』ちゃんだから『李』ちゃんなんだけど?・・・」

 

苺鈴 「苺鈴でいいわよ。私の知ってるさくらもそう呼んでるし?」

 

さくら「そっそう?それじゃあ・・・苺鈴ちゃん?」

 

苺鈴 「何?」

 

さくら「二人はこれからどうするの?『海鳴市』ってところに行くの?」

 

苺鈴 「それねぇ~・・・うぅぅ~ん・・・」

 

ブリジット「どうしたもんでしょうね?さくらさんが私達の事知らないとなりますと・・・」

 

苺鈴 「こっちにも『海鳴市』があったとしても、なのはは私達の事知らないでしょうねぇ~っていうかその前に『海鳴市』があるかどうかも分かんないし・・・」

 

二人はさくら・ケロに事情を説明して、これからの事を悩んでいた最中、突如さくらは鼻を動かし、部屋の匂いを嗅ぎ始めた。その様子に苺鈴は思わず「どうかした?」と尋ねてさくらはその問いに答える

 

さくら「何かさっきから海の匂いがするような気がして・・・」

 

苺鈴・ブリジット「『海の匂い』?・・・あぁっ!?」

 

さくらの『海の匂い』という単語に二人は思い当たる節があったようで「あぁっ!?」と声を上げ『このさくら』に遭う前にいた世界『Hguっと!プリキュア』の世界で『パップルオシマイダー』と戦った時の事を思い出す。あの時、『パップルオシマイダー』を苺鈴の強烈なアッパーで海面に叩きつけられた時に発生した海水の雨が二人に降り注ぎその後にも『キュアディケイド』率いる怪人軍団との戦闘もあって髪も服もボロボロ・海水でびちゃびちゃだったのだ。大体乾いているとはいえ二人はそれから体を洗う事も服を着替える暇も無かった

 

苺鈴 「あれのせいよねぇ・・・」

 

ブリジット「でしょうね?」

 

苺鈴 「何とか体を洗いたいところだけどどうしよう・・・着替えも無いし・・・」

 

ブリジット「今度はこっちの世界のお金もありませんから100円ショップで一先ずそろえる事も出来ませんよ?」

 

苺鈴 「・・・地味に詳しいのね?」

 

ブリジット「こっちの世界の物価も勉強しましたから?便利ですよねぇ~100円ショップ?100円は私のいた世界でしたら100シュタインですもん」

 

さくら「あのぉ~・・・」

 

苺鈴・ブリジット「何?」・「何ですか?」

 

さくら「良かったら家のお風呂使う?洗濯機も?・・・」

 

苺鈴・ブリジット「いいの?」・「いいんですか?」

 

さくら「その・・・困ってるみたいだし?」

 

苺鈴・ブリジット「ありがとう!!」・「ありがとうです、はい!!」

 

二人はさくらの手を握り満面の笑みを浮かべながら、さくらの厚意に甘える事にするのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺鈴 「ふぅっ~・・・」

 

ブリジット「生き返りますねぇ~・・・」

 

さくら「二人共。服は乾燥機で乾かしておくからそれまでゆっくり浸かってていいよ?」

 

苺鈴・ブリジット「はぁ~い!!」

 

場所は変わり風呂場にて、さくらの厚意に甘え二人は急遽沸かしてもらったお風呂に浸かっていた。さくらは二人の服を預かり、洗濯機で洗い・乾燥機で急速に乾かしている処だ。

 

ブリジット「気持ちいいですねぇ~本当。命の洗濯とはよく言ったものですよ?」

 

苺鈴 「本当ね?私・・・ホントさくらによく助けられるなぁ~・・・」

 

ブリジット「それは私も同じですよ?それにしても一緒にお風呂何て久しぶりですよね?」

 

苺鈴 「そうね?ローゼンベルグ騎士養成学校だったら大浴場だったからよく一緒に入ってたっけ?代わりにサブルムだと数日に一回ぐらいしかまともに体を洗う事も出来なかったし?」

 

実は二人は『サブルム共和国』に居た頃、入浴何て数日に一回出来る程度でしか無かった。サブルムは砂漠に位置する国で、元々資源も乏しく、水の使い方も節約が基本であった。

そのため入浴に回せる水なんてあまりなく、サブルムから旅立つ前も満足に体が洗えていなかった・・・その上に二人にとってはついさっき起こった『Hguっと!プリキュア』の世界での戦いでの汚れもあり、今まさにそれらの汚れを一気に洗い流せる絶好の機会であった。それだけに洗い終わった後のさっぱり感も今までにないほどに感じていた

 

ブリジット「それはそうと苺鈴さん一つ聞いてもいいですか?」

 

苺鈴 「何?」

 

ブリジット「何故に私にもたれかかって入浴しているんですかねぇ!?」

 

実は苺鈴・ブリジットは同時に浴槽に浸かっている。「狭いんだから!?」と苺鈴は向かい合うよりも自分よりも身長の高いブリジットに背中を預け、もたれかかっている方が場所も節約できて良いと思ったからである。ただ、どちらかというと『どさくさ紛れ』の雰囲気の方が強い気がするが・・・

 

苺鈴 「やっぱりこう狭いところで裸で向かい合うってのは流石に恥ずかしいもん・・・」

 

ブリジット「成程・・・っで?本音は?」

 

苺鈴 「疑り深いわね?」

 

ブリジット「当然です。学校の寮の大浴場でも、洗いっこしましょう?と言ってどさくさに体中変な風に触ってきたじゃないですか?」

 

苺鈴 「ぅっ!?それを言われると・・・」

 

ブリジット「と言いますか、前から思ってましたけど、触り方がなぁ~んか触られ慣れている人のようにどう触られるのが変な気持ちにされるのかを知っているかのようにベタベタと触ってましたけど、もしかして何か経験でもあったんですか?」

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

ブリジット「って・・・苺鈴さん?」

 

あれ?・・・返事ありませんね?・・・なんかかすかに頭動いてますけど、相槌(あいづち)打ってるようには見えませんし・・・

 

ブリジット「苺鈴さん?・・・ありゃ?やっぱり・・・」

 

ブリジットの予想通り苺鈴は目をつぶり眠っていた。かすかに頭が動いていたのは座っている体勢で寝ていたためであろう・・・風呂場で眠るなんて危険な事だが、今回は大目に見る事にして、そっと苺鈴の体を抱き寄せた。うっかり苺鈴が湯船に口と鼻を浸からせて窒息を防ぐためだ

 

ブリジット「あれだけの事があって、やっと心落ち着かせることが出来たんですもんね?疲れて当然ですよね・・・」

 

 

 

 

 

「お前は近い未来『災い』と、「希望」と戦う」・・・・・・

 

 

 

 

 

あの言葉が頭から離れない・・・『ジュエルシード』や『究極天使』加えて『キュアディケイド』・・・あれだけのことがあってもまだこの人には安らぎは無いのでしょうか・・・

 

細い体ですよね?それに良く引き締まってる・・・さくらさんやなのはさん・・・ハヤウェイさん達のような規格外の力があれば深く考えなかったかもしれませんが、この人は・・・苺鈴さんは本当にただの人間だというのに・・・なんでこんなに身の丈に合わない戦いばかりが起こるんでしょうか?・・・

 

それが彼女の運命だとでもいうのでしたら、今でも『他人から力をもらってやっと合わせられる』彼女はこれからどうなるというんでしょうか・・・

 

ブリジット「苺鈴さん・・・」

 

私は少し力を込めて苺鈴さんを抱きしめる。そして寝ているからこそ普段はこっぱずかしくて言えないような一言を耳元でささやきながら言った「死なないでください・・・私もあなたの事、大好きなんですからね?」と・・・

 

ブリジット「・・・・・・」

 

私は気付いた。今苺鈴さんは完璧に寝ている・・・それに気づいて色んな事が頭をよぎった。『誰も見てない』・・・『誰にも恐らく気付かれない』・・・そう思うと急に心拍数が上がってきたのが自分でも分かる・・・

 

ブリジット「・・・・・・」

 

私は苺鈴さんの体を支えながらも頭を動かし、顎(あご)をくいっと持ち上げてその寝顔を見つめながら徐々に顔を近づけますが、一度止まってしまいました

 

ブリジット「いつもされっぱなしでしすし、ちょっとぐらい『仕返し』したっていいですよね?こんな時でもないとできませんし・・・でも決して私は同姓が好きとかそんなアブノーマルではなくてですね!?」

 

などど、誰に言っているのやら。私は一人で言い訳をして、一人でこれからしようとする行為への正当性を勝手に主張して、仕返しと言いつつも背徳感(はいとくかん)を覚えながら静かに、それでも確かに私の唇は苺鈴さんの唇と重なり、その感触に柔らかさと強く感じたドキドキに浸っていた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さくら「苺鈴ちゃん達、お風呂長いね?」

 

ケロ 「女の子ちゅうのは風呂は長いもんやろ?」

 

さくら「まぁそんなんだけど・・・」

 

どれだけ時間が経っているのか時計を見ていなかったため分からないが、突然鳴った玄関のチャイムにさくらは足を運ぶ。そこでさくらが見た相手は今日、自分が呼び出した同級生の新しい友人であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブリジット「長風呂になっちゃいましたね?」

 

苺鈴 「もうのぼせたわよ。っていうか起こしてくれてもよかったじゃないですか?お風呂場だし危ないじゃない?」

 

ブリジット「それはまぁ・・・その・・・気持ちよさそうに寝てましたし・・・」

 

言える訳無いですよね?寝ているのを良い事に唇を奪っていたなんて・・・ついでに本当にちょこっといつもの『お返し』に指を射れじゃなかった!?触ったり・擦ったりしていたなんて・・・それにしてもホントよく寝てましたよね?あれだけの事されたというのに?やっぱりそれだけ疲れていたんでしょうね?体はバッチリ反応していた気もしましたけど・・・

 

苺鈴 「え?何?なんか私の顔に付いてる?」

 

ブリジット「へっ?・・・あぁいえいえ!?何でも!?」

 

苺鈴 「そう?」

 

なぁ~んか私の顔をじっとしおらしく見ていた気がしたけど・・・まっいっか?

 

苺鈴 「木之本さんお風呂上がったわよ?服もありがとう」

 

ブリジット「おかげさまでさっぱりしました!!」

 

と言ってリビングに乾燥されて置いとかれていた服に着替えた私達が見たのはキッチンで何か料理中の様子のさくらと・・・あれ?この子ってどっかで・・・

 

???「さくらさんこの方達はどちら様で?」

 

ぬいぐるみがいない所を見ると、この子は多分魔法関係の子ではない訳か・・・それにしてもこの声にこのぽややんとした雰囲気って確か・・・あっ!?

 

苺鈴・ブリジット「秋穂さん!?」・「店長!?」

 

秋穂 「えぇっ!?」

 

さくら「あれ?二人共知り合いだったの?でも、ブリジットさんの「店長」って何?」

 

ブリジット「へっ!?いや・・・その・・・あははっ!!」

 

その誤魔化し方って大抵は無理があると思うわよ?ブリジットさん・・・それにしてもこっちには秋穂さんもいたなんて?しかもこの状況から察するにさくらの友達かしら?

 

秋穂 「すみません。あの私、あなた方とは初対面のはずなんですが?どこかでお会いしましたでしょうか?」

 

あちゃぁ~余計なこと口ばしっちゃったなぁ~さくら明らかにおどおどしてるし、あの子嘘はお世辞にもうまくつける事出来なさそうだし・・・何とかしないと・・・

 

苺鈴はブリジットとアイコンタクトを取る。それは数秒にも満たないほどの間で、二人は頷き、苺鈴から口を開く

 

苺鈴 「ごめんなさい。知り合いに瓜二つだったのよ。あなたが?」

 

秋穂 「そうだったんですか?ぁっですが、私の名前は・・・」

 

苺鈴 「その子も『あきほ』っていうのよ?ほら、探せば世の中には同じ名前の人の一人や二人いるもんじゃない?」

 

秋穂 「成程!!確かに!!」

 

うわっ!?あっさり信じちゃったわよこの子!?言った私が言うのもなんだけど、この子山崎君の嘘にも引っかかるタイプ何じゃない!?

 

さくら「じゃあ秋穂ちゃんが『店長』って何?」

 

ちょっとぉぉ~!?何余計な事蒸し返してんのよぉさくらぁぁ~~!!折角それスルー出来そうな流れだったのに!?

 

ブリジット「あぁそれはですね?私が外国でバイトしていた時のお店で店長をしていたのがその『あきほ店長』だったんですよ?苺鈴さんが言っていた『あきほ』さんと私が言った『店長』は同一人物って事ですね、はい」

 

さくら・秋穂「成程~・・・」

 

ナイス!!ブリジットさん!!流石はアサシン!!嘘の達人!!

 

さり気にけなさないでください!!って言うか嘘でもないですよね!?

 

などとアイコンタクトでそんなやり取りが行われながらもしっかり秋穂は納得した様子を見せ、二人とさくらはこの設定を貫くことにして今度は二人の紹介となる

 

ブリジット「ブリジットと申しますです、はい」

 

苺鈴 「『李 苺鈴』よ。よろしく」

 

秋穂 「『篠本 秋穂』と申します。ところで李さん?」

 

苺鈴 「苺鈴でいいわよ?」

 

秋穂 「ぁっはい。では苺鈴さん。あの『李』って・・・」

 

苺鈴 「・・・もしかして、『李 小狼』って男の子の知り合いがいる?香港から転校してきた」

 

秋穂 「ぁっはい!!という事は苺鈴さん達も香港から?」

 

苺鈴 「まぁそんなところ」

 

さくら「呼んでおいてごめん秋穂ちゃん。秋穂ちゃんに電話した後急に二人がちょっと困ってて家に来たもんだから」

 

秋穂 「えっ!?どうなされたんですか!?」

 

さくら「ぁっ!?それがね・・・そのぉ~」

 

苺鈴 「あぁそれね?私達この辺に来たばっかりで地理に詳しくないのよ?それでちょっと木之本さんの家で道を尋ねるついでに一休みさせてもらおうと思って?」

 

秋穂 「そうだったんですね?」

 

さくらが私を見てるわね?まぁ言いたい事は何となくわかるけど、とりあえずそういう事にして置いてよね?

 

ブリジット「ところでさくらさん・秋穂さん。お二人は何をされてるんですか?」

 

ナイス!!話題転換!!まぁ私も二人がしてることが気になってた訳だけど・・・キッチンにいた訳だし、何か調理器具も食材も置いてあるから料理・・・よね?

 

さくらが説明するとどうやらさくらが秋穂に料理を教えていたらしい。どうやら以前から約束はしていたのだが、さくらが急に呼び出して今に至る。説明が終わると同時に苺鈴・ブリジットのお腹から腹の虫が鳴り二人は赤面しながら慌ててお腹を押さえて苦笑いを浮かべる

 

さくら「一緒に食べよう?」

 

苺鈴 「ぇっ?いいの?」

 

さくら「勿論!!」

 

ブリジット「私達は助かりますけど、秋穂さんは?」

 

秋穂 「はい!!私も皆さんと一緒に食べたいです!!」

 

ブリジット「そういう事でしたら・・・」

 

苺鈴 「お言葉に甘えちゃいましょう」

 

さくら「じゃあ秋穂ちゃん。早速続き始めちゃおう!!」

 

秋穂 「はい!!」

 

苺鈴 「手伝うわ」

 

さくら「いいの?お客さんなのに?」

 

苺鈴 「『タダ飯喰らい』なんて出来ないわよ?」

 

ブリジット「そういう事です、はい」

 

という訳で4人はさくらの指示のもと料理を始めていくのだが、やけにジャガイモが多い・・・皮むきが大変な作業だ。ブリジットは率先してジャガイモとナイフを持ち、皮を向いていく。そのナイフさばきは見事なモノであった

 

さくら「ほぇ~・・・ブリジットさんジャガイモの皮むき上手ですね?」

 

ブリジット「ナイフの扱いは任せてくださいよ?」

 

苺鈴 「本当刃物系の扱いはすごいわよね?」

 

ブリジット「それほどでもないですよぉ~」

 

普段料理はあんまり得意じゃないっぽいけど、アルハザードで旅していた時は野外調理の料理は結構おいしかったのよねぇ~やっぱりニンジャとして動くことが多いから外での簡単な調理とかも必須科目なのかしら?まぁそれは良いんだけど、一つ心配な事があるのよねぇ~

 

ブリジット「あ痛っ!?」

 

あちゃ~言わんこっちゃって、言ってないか?案の定指切っちゃってるじゃない?ブリジットさんってば肝心な時にドジやる事が多いのよねぇ~

 

ブリジットはすっかり忘れてしまいがちだが『ドジっ子』なのだ。確かに刃物の扱いは戦闘以外でもかなり熟練しているが、そこはそれ。やってしまう時はやっぱりドジってしまうのだ。

そんなブリジットを見た苺鈴はブリジットの手を取り、切った指を自身の口に咥えだし、突然の事に苺鈴以外の3人は目を大きく見開いていた

 

苺鈴 「んっ・・・んんっ・・・んちゅっ!!・・・」

 

前からブリジットさんが、後ろでは二人が私のしている事を顔を真っ赤にしながら瞬(まばた)きも忘れて口を押さえたり、両手で隠しているけどちゃっかり指の隙間から凝視している・・・・・・

でもそんなこと今は関係ない。私はそのままブリジットさんの指を咥え続けて、舐め続けた。私の口の中でブリジットさんの細くて私よりほんのちょっと長い指が時々(ときどき)何かに反応するかのようにビクンッ!と動く事もあったけど、構わず指を舐め続けていくうちに次第に私が舐める力も強くなって、音も大きくなっていった・・・・・・

 

苺鈴 「ぶっ!!じゅるっっ~~!!・・・んっんっ!!・・・」

 

舐めるのを中断して思いっきり吸った。その音は静まり返った部屋の中ではまるで大音量でつけたTVのように響き渡っていて、その後はゆっくりと何度か頭を前後させてまた指を舐めた・・・

 

苺鈴 「・・・んっ・・・ぷぁっ~・・・」

 

ブリジット「ぁぁぁっぁぁ・・・ぁわわわっ・・・」

 

ゆっくりとブリジットさんの指を口から離して、ちょこっとだけ出した舌の先とブリジットさんの指先には糸を引くかのように私の唾液が伸びていた。ブリジットさんは顔を真っ赤にして、目も大きな点にして固まっちゃってる。何か色々想像しちゃったのかもね?さくらも手で顔を隠してるけど指の隙間からちゃっかり見ちゃってるじゃない?ふふっ何か皆初々(ういうい)しくて可愛い

 

ブリジット「苺鈴さん!!指切った時の処置じゃないですよ!?」

 

苺鈴 「やっぱり?」

 

さくら「ふっ二人って・・・どういう関係なの?」

 

苺鈴 「ふふふっ聞くだけ野暮よ?」

 

さくら「ほぇ~~!?」

 

ブリジット「誤解を生むような事言うなぁー!!」

 

苺鈴 「ってあれ?篠本さんは?」

 

ほぇ?そういえば秋穂ちゃんいない・・・何処行っちゃたんだろう?さっきまで私の横にいたのに・・・ぁっ?

 

苺鈴・ブリジット「ぁっ?」

 

秋穂ちゃん!?顔真っ赤にしながら倒れてる!?

 

苺鈴 「あちゃ~刺激が強すぎたかしらね?」

 

ブリジット「こっちの秋穂さんは純情なんですね?じゃなくて!?」

 

それから秋穂が目を覚ますのを待ちながらブリジットの指の手当ても済ませ、今度こそ料理を進めていき、今はオーブングリルで焼けるのを待っている処だ。因みに血を舐める行為はエイズ等の危険性や傷口から口内の雑菌が侵入する危険性もあるため現実では止めましょう。

 

グリルから取り出し、焼き加減を見ていたさくらは頷き料理が完成した事を確認したようだ

 

さくら「揚げないコロッケの出来上がり!!」

 

秋穂 「わぁっ!!」

 

ブリジット「おいしそうです、はい」

 

苺鈴 「ほのかに香るオリーブオイルがまたいい香りねぇ~」

 

さくら「いきなり揚げ物は怖いから、これなら使う油の量も少なくていいから作りやすいと思って」

 

苺鈴 「おまけに普通に作ったコロッケよりカロリーが抑えられているっていうのがまた嬉しい所よね?」

 

秋穂 「頂いてもよろしいですか?」

 

さくら「勿論!!」

 

ブリジット「待ってました!!」

 

4人はテーブルに着き、早速盛りつけた揚げないコロッケを一口だいに切り分けて口に運ぶ。次に発した言葉は全員一致で「おいしい!!」であった。

 

さくら「海渡さんにも食べさせてあげてね?」

 

秋穂 「はい!!・・・海渡さん最近お疲れのようなので、これで少しでも良くなっていただければいいのですが・・・」

 

『海渡』さんって・・・もしかしてあの海渡さんの事かしら?っていうかあの二人ってこっちでも一緒なんだ?でも海渡『さん』ってな~んか他人行儀な気がするけど、兄妹よね?

 

さくら「食べ終わったらもう一つの約束だよ?」

 

苺鈴・ブリジット「もう一つ?」

 

秋穂 「それってもしや!?」

 

さくら「うん。お父さんの書庫を見せてあげるって約束。私も探そうと思ってる本があったから一緒にと思って」

 

秋穂 「ぜひ!!」

 

さくら「うん!!」

 

苺鈴 「篠本さんって本が好きなの?」

 

秋穂 「はい!!大好きです!!」

 

苺鈴 「へぇ~」

 

それからそんなに時間もかからずコロッケを完食した4人は皿やフォーク等を片付けてさくらと秋穂は早速書庫へと向かい、苺鈴・ブリジットはリビングのソファーでくつろいでいた

 

苺鈴 「おいしかったわね?あのコロッケ」

 

ブリジット「ですね?それにしてもさくらさんってお料理上手だったんですね?知りませんでしたよ?」

 

苺鈴 「そっか?アースラじゃ私やさくらが料理する機会無かったもんね?」

 

ブリジット「苺鈴さんは結構作れますよね?確か?」

 

苺鈴 「ふふ~ん。中華料理ならお手の物よ?まぁその他の国の料理はまだ勉強中だけど・・・教えよっか?中華料理だけだけど?」

 

ブリジット「ぇっ?いやぁ~私どっちかって言いますと食べる専門の方が・・・」

 

苺鈴 「そう・・・はぁ・・・他にも色々食べて見たかったんだけどなぁブリジットさんの手料理・・・」

 

ブリジット「ぅっ!?ずるいですよその言い方?」

 

苺鈴 「あらそうだった?」

 

ブリジット「もぉ・・・」

 

二人はさくらと秋穂が戻るまでの間、何でもないような話をしながらのんびり待っており、時間はまた過ぎ去る・・・・・・

 

 

 

 

 

しかし・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・盟約の元に  が  っていく・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 







次回『苺鈴と透明なカード(後編)』


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