カードキャプターさくら『苺鈴外伝』   作:狼と踊る男

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今回の話を投稿するにあたって『騎士達の旅立ち』の話の内容を少し変更する点が出来てしまいましたことを詫び致します


「苺鈴とさくらの寄り道」

 

翌日。今日は日曜日、苺鈴・ブリジット・さくら・小狼・知世・ケロは月峰神社に集まっていた。理由は一つ。苺鈴とブリジットを元の世界に送り届けるためである。

 

前日さくらが提案したのは『ゲート(門)』のカードを使って平行世界の壁を飛び越えるという事だ。そう思い立ったのにも理由がある。

 

苺鈴が見た『ローゼンベルグ騎士養成学校の制服を着たさくらと知世』の事だ。『ゲート』の影響で見たのが平行世界の光景であるならば実際に世界の壁を越えた事になり、その事があったからこそさくらには確信に近い自信も持ち、今に至る。ただし、平行世界の壁を超えるともなると負担も大きいため、月峰神社の御神木の魔力も使う事が条件となり、ここでそれを実行する事になったのだ

 

知世 「苺鈴ちゃん。これをお持ちになってください」

 

知世は旅立つ苺鈴に一つの箱を渡す。「旅が続くかもしれないから役立つはずです」と災害時に使えるラジオ・懐中電灯・USB差し込みの充電器の機能が付いた発電機とついでにイヤホン・USBケーブルをもらったのだ。

どうやら『大道寺トイズ』の製品の一つで知世も一つ持っているらしい

 

苺鈴 「いいの?こんな高価なモノもらっちゃって?」

 

知世 「昨日のコスチュームとさくらちゃんを助けてくださったお礼です。遠慮は無用です」

 

知世にお礼を一言言ってから、どんなデザインなのか気になったため早速開けてみる事にした苺鈴は箱を開けて中身の災害用ラジオを取り出す。それを初めて見たはずの苺鈴とブリジットであったが、二人は何かに気付き苺鈴はポーチからかつて商業都市『メディアード』で入手した発電機を取り出し、知世からもらった発電機と見比べる。その様子には知世も目を大きく開きながら二つの発電機を見比べていた

 

知世 「苺鈴ちゃんが持っているこれは、まさしく『大道寺トイズ』の製品ですわ!?苺鈴ちゃん一体これをどこで?」

 

苺鈴 「何処って、これは『メディアード』ってところで私がゲームに勝って貰った商品で?・・・まさか・・・あれってそういう事なの?」

 

知世 「『あれ』?」

 

苺鈴 「ねぇ皆、帰る前にちょっと記念撮影でもしない?ほらこんな事滅多にないんだしさ?」

 

さくら「私は良いよ?」

 

小狼 「構わないが・・・」

 

知世 「良いですね!!」

 

苺鈴 「じゃあ人が来ないうちにちゃっちゃとやっちゃいましょう。ぬいぐるみ、悪いんだけど私のスマフォ持っててくんない?」

 

ケロ 「誰がぬいぐるみやねん!?つうかそれが人にもの頼む態度か!?」

 

と抗議しつつもスマフォを預かり撮影はしてくれる。セルフタイマーで撮影するのでスマフォを横に向けて時間が来るまでじっとしている。一枚撮り、さくらも自分のスマフォをケロに預けまたもう一枚撮る事になり、またケロの体ではじっと持つのがつらい状態を続け腕が若干プルプルしている

 

さくら「ケロちゃん!!もう一枚撮るよ!!」

 

ケロ 「おいおい、この体勢結構地味にしんどいんやで!?二の腕がプルプルしよる!?」

 

ブリジット「仕方ないですね?では今度は私が撮りますよ?スマフォお借りしますね?」

 

さくら「ぁっ!!お願いします!!」

 

ブリジットはさくらのスマフォでピントを合わせてから一枚また撮り、今度は苺鈴のスマフォでまた一枚撮るためシャッターを押す。しかし、苺鈴のスマフォにはエラーの表示がでてしまい、どうやら容量が一杯になっていたようだ

 

苺鈴 「また!?仕方ない。またデータを何か消して・・・」

 

知世 「あっ!!でしたらこれを使ってください」

 

苺鈴 「ぇっ!?メモリーカードじゃない!?いいのこんな物までもらって?」

 

知世 「構いません。予備の物なんですが、まだ『予備の』予備を持っていますから」

 

苺鈴 「ぁっそう?『予備の』予備ねぇ~・・・」

 

知世からもらったマイクロSDカードをセットした苺鈴はブリジットに再びスマフォを渡し、今度こそ撮影に入り、写真を撮り終える。ブリジットからスマフォを預かり、苺鈴は撮ってもらった写真を見て、時間にすれば3~4秒ぐらいであろうか?何かを思い出して、再びメモリーカードをフェイトに渡す予定の物に差し替えてそのマイクロSDカードに入っている一番最初の写真を確認していた

 

苺鈴 「この写真・・・撮ったのブリジットさんだったんだ!?」

 

ブリジットにも写真を見せ、何を言っているのかを理解したブリジットも『アルハザード』の中の都市『メディアード』での事を思い出していた。バイトをした事・平行世界のハヤウェイやルーアとの出会い・影の爪との戦い・そして旅立ちの前に皆で遊んだ事・・・

 

その最中で謎がまだ一つだけ残っていたが、この写真と知世からもらったプレゼントが結びつき、ようやくすべての謎が解けた事を二人は確信していた

 

苺鈴 「ねぇさくら?」

 

さくら「何?」

 

苺鈴 「ちょっと、寄り道してほしい所があるんだけど?」

 

さくら「『寄り道』?」

 

苺鈴はさくらに事情を説明し、さくらは『夢の杖』を具現化させ昨日封印した『ゲート(門)』を発動させ、御神木の前に先が見えない白くて丸い穴が開きここをくぐれば『次元の狭間』に入る事が可能となる

 

苺鈴 「じゃあ皆。元気でね」

 

ブリジット「お世話になりました」

 

知世 「旅の無事を祈っています」

 

小狼 「気をつけてな?」

 

ケロ 「ほななぁ~!!」

 

さくら「じゃあちょっと行ってくるね?」

 

さくらから穴に入り続いて苺鈴→ブリジットの順で入っていく。ブリジットが入り切ると穴は閉じられ、残った知世・小狼・ケロは旅立った二人と送っていったさくらの安否を祈っていたのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さくら「ここが『次元の狭間』ってところなの?」

 

苺鈴 「えぇ。2回も見てるし、間違いないわ」

 

ブリジット「しかし・・・帰る前に『戻らないといけない』になるとは思いませんでしたよ?」

 

苺鈴 「そうねぇ?思えば『メディアードでの出来事』があったからこそ、私達の旅も目的を果たせた訳だからこれって哲学的な話になっちゃうわよね?」

 

ブリジット「あぁ『卵が先か?鶏(にわとり)が先か?』って奴ですね?はい」

 

苺鈴 「そう!!それ!!」

 

さくら「二人共。そろそろ着くよ?」

 

苺鈴 「OK!!」・ブリジット「了解!!」

 

3人は空間を飛び出す。咄嗟にまぶしくて目をつぶっていた3人が目を開けて次に見た光景は、『日本』の光景では無く『外国』の風景であった。ただし、場所は『さくら・苺鈴のいた世界』ではなかったが・・・

 

ブリジット「遂に来ましたね?」

 

苺鈴 「えぇ。まさかまた『メディアード』に戻ってこないといけなくなるなんて思わなかったわ?」

 

さくら「ほぇ~ここが『アルハザード』なんだ?」

 

3人がたどり着いたのは『アルハザード』の商業都市『メディアード』だ。『ゲート』のカードを使って苺鈴達の世界に帰る前にここに寄っておく必要があったためここに来たのだ。

3人は周辺を散策しながら『ある人物』達を探しており、苺鈴・ブリジットのうろ覚えの記憶をたどりながらある店にやってきた

 

ブリジット「ぁっ!?隠れて!?」

 

ブリジットは目の前にあった店から4人の人物達が出てくる前に苺鈴・さくらを押して物陰に隠れる。その4人が自分達に気付く事無く店から離れた事を確認すると物陰から顔を出しこれからの事を相談していた

 

苺鈴 「問題は『あの時のお婆さん』をどうするか?って事よね?」

 

ブリジット「そもそもあの時のお婆さんって結局何者だったんでしょうか?」

 

苺鈴 「そりゃ私かさくらの変装・・・なんじゃない?」

 

さくら「私?」

 

ブリジット「その心は?」

 

苺鈴 「だってあの時戦った動き、ブリジットさんじゃなかったもん?そもそも拳法で戦ってた時点で違うでしょ?」

 

ブリジット「あぁ・・・」

 

苺鈴 「ねぇさくら?なんか見た目を変えられる魔法って無い?」

 

さくら「うぅ~ん・・・ちょっと無いかな?」

 

苺鈴 「そっか・・・参ったなぁ~それじゃああの時のお婆さんってどうやって用意したのよ?」

 

ブリジット「あの、変装用のメイクでしたら私出来ますよ?」

 

苺鈴 「ふぇ?そうなの?」

 

ブリジット「アサシンですから!!どやっ!!」

 

苺鈴 「『どやっ!!』って口にする人初めて見たわよ?」

 

ブリジット「っで?どちらをメイクすればいいんでしょうか?」

 

苺鈴 「うぅ~ん・・・」

 

さくら「私がなる!!」

 

苺鈴 「へっ?」

 

さくら「私がお婆さんになる!!」

 

苺鈴 「いいのよ無理しなくて?それによく考えたらさくらに拳法は無理だし・・・」

 

さくら「それは大丈夫。昨日苺鈴ちゃんと捕まえたカードがあるもん」

 

苺鈴 「そうか!?『ストラグル(争闘)』!!」

 

さくら「うん!!」

 

ブリジット「でもさくらさん大丈夫なんですか?次元を超えるほどの魔法を使った上に戦闘を行うなんて・・・」

 

さくら「いいんです。やらせてください。ここで私も頑張ったからこの先の未来で私、苺鈴ちゃんとブリジットさんに会えるんですから!!」

 

ブリジット「さくらさん・・・」

 

苺鈴 「はぁ~・・・天然って怖いわ?こういう事恥ずかしげもなく言えちゃうんだから?」

 

ブリジット「ですね?」

 

さくら「ほぇ?」

 

ブリジット「では早速やっちゃいますね?」

 

さくら「お願いします!!」

 

それから少し経ち、ブリジットのメイクが終了してさくらの外見は老婆のようになり、どこに持っていたのかブリジットが渡した手鏡を見るとさくらも変わった自分の姿に驚きを隠せなかった

 

しかし、変装は完璧であったがここである問題を一つ思い出す。『声』である。声を変える手段を考えていなかったのであった。もちろん『透明なカード』にもそんな効果のカードは存在しておらず、これに苺鈴も若干やけになりながら「裏声でも出しながら喋ればいいんじゃない?」と割と適当なアドバイスをさくらにしてそれにはさくらも「それで大丈夫?」と顔と声に出す

 

苺鈴 「まぁぶっちゃけバレなかったのよね?」

 

ブリジット「怪しみはしましたが・・・」

 

さくら「ほぇ~大丈夫なのかな?」

 

苺鈴 「大丈夫よ?向こうにいる『過去の私達』が正体分かるの一ヶ月以上後なんだから?自信もって!!」

 

そうして苺鈴に後押しされて『過去の苺鈴達』に単身向かって行く前に『ストラグル』のカードを発動させ、今度こそ打ち合わせ通りに過去の苺鈴達と拳法の勝負に持ち込んでいく・・・

 

その様子を物陰から見ていた苺鈴とブリジットは結果が分かっていながらも内心ひやひやしながら様子をうかがっていた

 

過去の苺鈴「何ですかお婆さん?」

 

お婆さんのメイクをしたさくら「えぇ。ちょっと腕試しのゲームに参加してみないかい?」

 

過去の苺鈴「腕試し?」

 

お婆さんのメイクをしたさくら「えぇ。どうかな?参加費はたったの100『円』だよ」

 

過去の苺鈴「100『円』?」

 

 

 

 

 

苺鈴 「あっ!?あの子ったら『シュタイン』だって言ったじゃない!?」

 

ブリジット「まぁまぁ!!ぉっ!?何とか勝負に持ち込めたみたいですよ?」

 

苺鈴 「イケッ!!そこよ!!そこで右正拳!!しゃがみまわし蹴り!!」

 

ブリジット「あの動きってカードを捕まえるための伏線だった訳ですね?はい」

 

『ストラグル』を発動させているさくらは過去の苺鈴と戦う前に苺鈴に戦う時の流れを聞いていた。それは昨日『ストラグル』と戦った時、『ストラグル』が見せた動きを出来る限りそのまま真似てほしいとの事であった。苺鈴はこの先必ず過去の苺鈴がさくらと共に『ストラグル』と戦う事を分かっているため、そのための予行練習を兼ねていたのだ。

ストラグル戦でもさくらと一緒に戦った時の動きは何故か動きが読めていたのだが、それがここで繋がっていたのだ。これも歴史上必要になっていた過程なのであろう・・・

 

勝負は予想通り過去の苺鈴の勝ちのようで、手はず通りさくらは過去の苺鈴に知世からのプレゼントを渡す事に成功して、過去の苺鈴達の注意が一瞬途切れた隙を狙ってさくらは物陰に隠れ過去の苺鈴達をやり過ごす。物陰に隠れたと同時に姿を隠すため『ルシッド』(透過)のカードも使用して完全に姿を消したのでこれで簡単には見つからない。過去の苺鈴達が離れた事でさくらも『ルシッド』のカードを解除して姿を現し、苺鈴・ブリジットも合流する

 

さくら「無事に渡せたよ。こっちにも気付いてないみたい?」

 

ブリジット「まぁですよねぇ~この結果を知っている訳ですからして、はい・・・」

 

苺鈴 「そうね。しっかしこうして見ると『私達』ってまぬけよねぇ~こんなに簡単に巻かれちゃうなんて・・・」

 

ブリジット「言ってくれますねぇ~でもこの場合彼女の力がすごいんじゃないですか?」

 

褒められたさくらは照れ臭そうに片手を後頭部に運び、上下に動かし頭をかく。そして苺鈴は過去の苺鈴とブリジットの様子を一通り見届けた後、苺鈴はまた少しだけ寄り道を言い出し、ブリジットとさくらも「少しだけ」という言葉に付き合う事にしてうっかり過去の苺鈴達に遭遇しないよう気も使いながら、少し歩いた先にある露店の市場で高すぎず・かといって安すぎないおいしそうなお菓子の詰め合わせを4箱購入してそれをさくらに渡す

 

さくら「いいの?」

 

苺鈴 「わがまま聞いてくれたお礼よ?それと昨日のお礼。後で知世と小狼それと篠本さんに渡してあげて」

 

さくら「ありがとう!!」

 

露店でお見上げを買った後、苺鈴は最後にこの国で一番お世話になった場所に足を運ぶ。さくらに頼んで苺鈴をルシッドのカードで姿を消してさっと建物の玄関に袋と手紙を置いてさくら・ブリジットの元に戻り小石をひょいっと投げて玄関の横の壁にコツンと当てて中にいると思われる人物を外におびき寄せる。ドアが開き一人の人物が出てきて足元の袋と手紙に気付いたのを確認すると3人はこっそりとこの場を後にするのであった

 

???「手紙?・・・『寄付です。子供達のために使ってください』・・・一体誰が?・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブリジット「ここまでくれば大丈夫でしょう?」

 

さくら「ねぇよかったの苺鈴ちゃん?お金全部置いて来ちゃって?」

 

苺鈴 「良いのよ。もうこの世界で買い物する事無いし?それに『テレサ』さんにはお世話になったもの?」

 

先の袋の中身は苺鈴が『アルハザード』で稼いだお金である。元の世界に戻ったら使えないであろう事から折角なのでお世話になった『テレサ・ティレット』に孤児院のための寄付をしてきたのだ。

 

だが流石に顔を合わせると面倒な事になりかねないので顔を合わせずに引き上げて来たのだ。

 

苺鈴 「そろそろ行きましょうか」

 

とさくらに促すと再び『ゲート』のカードと夢の杖を取り出し、それを発動させると三人の目の前に今度は神社にある鳥居が現れその中で光っていた空間に歩み寄っていくと三人の姿は完全に消えてしまった

 

苺鈴 (頑張ってよねブリジットさん・・・『私』・・・)

 

鳥居に消えていく最中、一度だけ振り返り何処にいる過去の苺鈴とブリジットに心の中からエールを送り、三人が鳥居をくぐると、鳥居は完全に消えてしまうのであった・・・

 

それから思ったよりも時間が掛かり、再び次元の狭間を移動している最中、目的地に近づいてきたのか一際大きな光の穴が見え苺鈴とブリジットはさくらに一言お礼を告げ、さくらも手を振りながら二人がその穴に入るのを確認して、さくらも自分の世界に戻るためその場を後にするのであった・・・

 

そうして二人は今度こそ『元の世界』に戻ってきたのだが、出口の設定がされていなかったのか?それとも次元移動に無理があったのか?苺鈴・ブリジットの降り立った足場は悪く尻餅をつくという閉まらない帰還になってしまったのであった

 

苺鈴 「あ痛たたた・・・もう~なんで最後はこんな雑なのよ!?」

 

ブリジット「そりゃまぁ限界だったからじゃないですか?結構無理があったんだと思いますよ?」

 

 

 

 

 




ようやく番外編も終了した訳ですが、もう一つの執筆中作品『真・仮面ライダー-----終章-----  仮面ライダーワールド序章(プロローグ)』も佳境の所でほったらかしにしているのでそっちにも取り掛かりたいので一旦休止させていただきます。

この後すぐクリアカード編の没ネタ集の投稿です
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