カードキャプターさくら『苺鈴外伝』   作:狼と踊る男

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『苺鈴対レジェンドプリキュア』前編

 

 

 

早朝・・・なのはは目を覚ます。今日は週に一日の魔法の訓練の休息日だ。なのはは魔法の練習が「楽しい」からもあってよくするのだが、何事もやりすぎは逆効果になりかねず、オーバートレーニングを防ぐために苺鈴とレイジングハートが相談して決めたのだ。武道の世界では『1日の遅れは3日掛けてようやく取り戻せる』と言われている世界ではあるがまだまだ幼いなのはへの配慮であろう・・・

 

それはそれとして、早朝トレーニングの影響でこの時間で起きる癖がついたことで目が覚めてしまったのだ。2度寝出来そうにもないので起きていき廊下へと出ると、苺鈴の部屋が開いていたのに気づき、何気なく部屋へと入るとそこには苺鈴の姿はなかった・・・

 

苺鈴は苺鈴で普段は早朝に鍛錬で出かける事を知っていたため普段なら気にすることもなかったが、ふと開いていたクローゼットを見た途端少しの間の後、なのははただならぬ予感を感じとった・・・

 

なのは「知世さんの作った服がない?・・・」

 

『知世が作った服』・・・それはかつて『時の庭園』・ブリジットの故郷で『アルハザード』の正体である『PRISM ARK』の世界を冒険した時に着ていた『超次元ゲイム ネプテューヌ』のキャラ『IF(アイエフ)』のコスプレ衣装の事であり、冒険から帰還してブリジットの衣装とともに一度返したのだが、修繕を済ませ送りなおしてくれていた。「また何かあった時のために」・・・

 

しかしあれから一月以上・・・そんな事が起きる事もなくたまに袖を通ししておくぐらいしかなかったが、その服がないということは「何かあった」という事になる・・・一応家中を探し回ったが姿が見えずなのはは一本の電話をある人物にかける。朝早いというのに相手はちゃんと電話に出てくれたが、すごく眠そうにしていて悪いとは感じたがそのままなのはは要件に移った

 

???「ぅぅっ~・・・どしたのなのはちゃん?こんな朝早くに・・・」

 

なのは「みらいさん!!苺鈴ちゃんそっちにいますか!?」

 

みらい「ふぇ?・・・」

 

電話の相手は『朝比奈 みらい』であった。みらいはなのはから事情を聴き事の重大さを感じ取ったためかすっかり眠気も覚め、みらい・リコ・ことはは合流しやすい空中でなのはの学校『聖祥大付属小学校校』の上空で待ち合わせをして合流してから苺鈴を探すように打ち合わせをする。「また後で」とみらいは電話を切ると、まだ半分寝ていることはとモフルンを無理やり起こして、自身の支度とことはの服を取り出し、リコも起こしに行き三人に事の事情を説明して急ぎ支度を済ませ箒にまたがり自宅を後にしなのはとの合流地点へと急行したのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「皆さんも来てたんですか?」

 

マナ 「いおなちゃんも呼ばれてたんだね?」

 

早朝の海鳴市・・・いおな・マナ・六花・れいかの4人は昨日苺鈴達と出会った森に来ていた。いや『呼ばれた』のだ

 

六花 「それにしてもこんな朝早くに集合だなんて、一体どんな用事なのかしら?」

 

れいか「そうですね?会って直接話したい事があるとメールに書いてありましたけど・・・ぁっ!?」

 

れいかが気付き、一同も視線を向ける。そこには太い木の陰(かげ)からゆっくりと姿を現した苺鈴がいた。しかもこの暑い中、コスプレ衣装としか思えないコスチュームを着て・・・

 

苺鈴 「待ってましたよ?来てくれてありがとうございます」

 

れいか「どうしたんですか?その衣装?」

 

苺鈴 「まぁその・・・私の勝負服みたいなもんです。大切な友達が私のために作ってくれた物なんです」

 

マナ 「へぇ~そうなんだ?似合ってるよ?」

 

苺鈴 「ありがとうございます」

 

六花 「それで?そんな勝負服着て、私達を呼び出した要件ってなんなの?」

 

いおな「そういえばみらい達は一緒じゃないのね?」

 

苺鈴 「ちょっと一回深呼吸して、すぅ~・・・はぁ~・・・・・・良し・・・プリキュアとしてのあなた方にお願いです。何も聞かずに私と・・・私と戦って!!プリキュア!!」

 

この予想もしないお願いに4人は驚きを隠す事は出来ず、一瞬だけ冷静さを失くしたが、すぐに落ち着きを取り戻し、当然いおな達はこの願いを断った

 

六花 「私達があなたと戦う理由がないでしょ!?」

 

苺鈴 「そこを何とか!!お願いします!!」

 

いおな「苺鈴さん?あなた『プリキュアとしての私達にお願い』って言ってたけど、それならみらい達はどうしてここにいないのかしら?プリキュアっていう条件なら彼女達も満たしているはずだけれど?」

 

苺鈴 (ギクッ!?)

 

いおな「どうなのかしら?」

 

苺鈴 「ふふふっ・・・」

 

いおな「苺鈴さん?」

 

苺鈴 「おっ~ほほほ!!皆さんおはようございます!!私よ?ジョーカーよ?今はこの小娘の体を借りてあなた達に話しかけています」

 

マナ 「えぇっ!?ジョーカー!?」

 

六花 「ぇっ?」

 

苺鈴 「あなた達の仲間の『魔法つかい!プリキュア』は捕らえました。返してほしければこの小娘と戦ってください。この娘があなた方の誰かを倒せれば無事お返しして差し上げます」

 

いおな「・・・あのれいかさん?『あれ』をどう思います?」

 

れいか「あれは十中八九『ジョーカー』が苺鈴さんを操っている訳ではないと思います」

 

いおな「やっぱり・・・」

 

マナ 「そうなんですか?」

 

れいか「えぇ。何故ならジョーカーは、あんな女王様のような笑い方はしませんからね?それにジョーカーが人を操ってまで決闘という手段を取るなんてありえません。もっと姑息(こそく)な手段を取ってくるはずです。つまりこれは苺鈴さんの自作自演」

 

六花 「やっぱりそうですよね?」

 

マナ 「じゃあ何で苺鈴ちゃんはこんな事を?」

 

れいか「それはわかりませんが、彼女の真意を知るためにもここはまだしばらく話を合わせていきましょう」

 

マナ 「了解」

 

いおな「待たせたわね?」

 

苺鈴 「さぁどうします?」

 

いおな「いいわ。戦ってあげる。でも条件を一つ付けさせてもらうわよ?」

 

苺鈴 「条件?どんな?」

 

いおな「戦うのは一対一。これは譲らないわよ?」

 

苺鈴 「・・・いいでしょう。それでは娘に変わりましょう?・・・ふぅ~・・・という訳です。みらい達のために私はあなた方と戦います!!」

 

などとあたかもジョーカーが苺鈴の体を使って話していたかのように演技するが、バッチリばれてしまっていた事を苺鈴はまだ気づいてない。いや騙せてきれているとは思ってはいないが、一筋の望み+まだはっきりと真実を告げていないのでセーフと都合の良いように心に思い苺鈴は拳を4人に向けて半ば誤魔化すかのように突き出す

 

六花 「それで?誰から行く?」

 

れいか「話に合わせようと言い出したのは私(わたくし)です。私が先に行きます」

 

いおな「分りました」

 

マナ 「苺鈴ちゃん!!頑張ってぇー!!」

 

六花 「いやここはれいかさん応援するところでしょ?」

 

れいか「プリキュア!!スマイルチャージ!!」

 

ビューテー「・・・・・・」

 

苺鈴 「最初の相手はキュアビューティーか・・・手加減はしません!!全力で行きます!!」

 

ビューティー「参ります!!」

 

プリキュアへと変身したビューティー。そして勝負服として着てきた『超次元ゲイム ネプテューヌ』のキャラクター『IF(アイエフ)』のコスプレ衣装を纏う苺鈴・・・

 

両者は同時に地を強く蹴って飛び出し、拳をぶつけ、一筋の光が輝くと同時に両者の戦いは始まったのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのは「苺鈴ちゃん!!何処にいるの!?」

 

みらい「なのはちゃん!?いったん落ち着いて!?」

 

その頃、みらい達と合流したなのはは苺鈴を探して海鳴市の上空を飛び回っていた。なのはは思わず大声で苺鈴の名を空中で叫んでいたため後ろから追いかけるみらい達に止められその場で止まり「だって!!」と冷静さを欠くほど苺鈴の事を心配していたようだ

 

なのは「もうあの時みたいに苺鈴ちゃんを手が届かない遠くに行かせる訳にはいかないの!!」

 

みらい「『あの時』って・・・」

 

リコ 「もしかして昨日話してた『アルハザード』の事?」

 

なのはちゃんが頷いた。そういえば昨日苺鈴が言ってたっけ?「あの時はごめん」・「私がなのはをしょんぼりさせた」って?一か月前の私やリコもみんなから見たらこんな風に危なかったのかな?そりゃそんな事を一度体験すれば必死にもなるよね?・・・

 

ことは「きっと大丈夫だよ?」

 

なのは「ぇっ?」

 

ことは「だって苺鈴だよ?苺鈴がなのはを置いてどっか遠くに行っちゃうなんて絶対無いって?」

 

リコ 「・・・そうね?あの世話焼きがそう簡単にいなくなるなんてありえないし?」

 

みらい「そうだね?私も一年の時、しょっちゅう怒られたけど、なんだかんだで私の事気遣ってくれてさ?」

 

なのは「皆さん・・・」

 

モフルン「きっと見つかるモフ。はーちゃんだって無事に帰ってきたモフ!!だからきっと苺鈴も見つかるモフ!!」

 

なのは「うん!!モフルンもありがとう」

 

なのはちゃんやっと笑ってくれた!!そうだよ!!絶対見つける!!あんな悲しい顔、この子には似合わない。絶対見つけるから・・・でも、こんな顔させたんだから後でちゃんと謝んないとダメなんだからね苺鈴?・・・ん?なのはちゃんの杖がなんか言ってる?確か・・・レイジングハートだっけ?今こんな事思うと不謹慎なんだろうけど、なのはちゃんの魔法の杖もわくわくもんだよねぇ~・・・

 

なのは「『苺鈴ちゃんの生体反応を感知』って!?」

 

リコ 「本当なの!?」

 

なのは「はい!!レイジングハートが言うには・・・ここから2時の方向です!!」

 

リコ 「行きましょう!!」

 

みらい・ことは「うん!!」

 

リコ(全く!!本当に心配かけさせて苺鈴ったら!!でもこの方角って確か・・・昨日れいかさん達と初めて会った森の方よね?何でそんな所に苺鈴の反応があるのかしら?とにかく急がないと!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺鈴 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

ビューティー「どうしました?もう終わりですか?」

 

強い。当たり前だけどやっぱり私とは次元が違う・・・決定打どころか、一撃も当たらないなんて?逆に私は結構受けてもうボロボロ・・・まだ一人目だっていうのに何て様なのよ・・・

 

ビューティー「その闘志は称賛に値します。ですが、もう終わりにしましょう。お互いのために?」

 

苺鈴 「まだ・・・まだぁぁ・・・ぁっ!?」

 

ビューティー「ほら?膝をついてしまっているではありませんか?」

 

苺鈴 「それでも・・・私はまだ!!」

 

ビューティー「仕方がありません。これも神聖な決闘。きちんと決めればあなたもあきらめざるえませんし?・・・覚悟!!」

 

「やられる!?」ビューティーが拳をにぎり、構えるのを見て私は咄嗟にそう思った。でも同時に「はぁぁーー!!」と叫ぶ声とビューティーに向かって突っ込む人影に「助かった」と同時に「何事!?」って私を助けた影を目で追うと、私の前に着地した。のは・・・『ことは』!?何で此処に!?

 

リコ 「苺鈴大丈夫!?」

 

苺鈴 「リコ達まで!?どうしてここが分かったの!?」

 

みらい「なのはちゃんのレイジングハートが教えてくれたんだよ!?」

 

苺鈴 「あっちゃ~」

 

リコ 「ところで苺鈴、これどういう状況なの?」

 

苺鈴 「あっいやその・・・」

 

みらい「なんでれいかさんううんキュアビューティーが苺鈴を攻撃してるの?」

 

苺鈴 「それは・・・その、あの・・・」

 

ビューティー「やはりそういう事でしたか?」

 

みらい「やっぱり?」

 

いおな「って言うかあなた達こそどうしてここにいるのかしら?苺鈴からあなた達はジョーカーに捕まったって聞いたんだけれど?」

 

うぅっ!?痛い。みんなの視線が痛い・・・そりゃそうよね?皆を騙してたんだから?どうしたらいいのかしら?

 

いおな「まぁ私達はあなたの演技には気付いていたからいいけど、みらい達にも黙っていたのはどういう事かしら?説明してもらえる?」

 

苺鈴 「それは・・・」

 

いおな「言えないの?皆を騙した上にその説明も無いって言うのは感心しないわね?」

 

六花 「ちょっといおな!?」

 

マナ 「まぁまぁ。ちょっと言い過ぎだよ?」

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

リコ 「もしかして?」

 

みらい「リコ?何かわかったの?」

 

リコ 「苺鈴。あなたもしかしてヨクバールやジョーカーに圧倒された事気にしてる?」

 

みらい「えぇっ!?そうなの!?」

 

苺鈴 「それは・・・」

 

ビューティー「そうだったのですか・・・ですがそれは相手が悪いですよ?仕方がありません」

 

『仕方がない』・・・ですって?・・・

 

ことは「それなら大丈夫だよ苺鈴!!私達があんな人達ガツ~ン!!とやっつけちゃうから?」

 

リコ 「そうよ?これからは私達に任せときなさい?ね?」

 

みらい「そうだよ?そこまで苺鈴が気負う事無いって?だからもう心配しないで?」

 

苺鈴 「・・・じゃない・・・」

 

みらい「えっ?何?」

 

ことは「苺鈴?」

 

苺鈴 「だからじゃない!!」

 

今の怒声に皆、特にことはとなのはがビクッてなってしまったけれど、今の私にはそんな気を遣う余裕はなかった・・・私はつい吐き出してしまった・・・私の心に渦巻いていた想いを・・・

 

苺鈴 「皆はそうやって私を置いて先を走り続けちゃうじゃない!?そうやって私を遠ざけちゃうじゃない!?」

 

そう・・・私は昔から『クロウ・カード』の時から役に立てなかった。魔術師の家系に生まれながら何の力も無いただの『一般人』も同然だった・・・『ジュエルシード』の時だって頑張ったのはなのはとユーノ・・・『アルハザード』の時だって結局パワーアップしたにも関わらず私の力なんてたかが知れてた・・・

 

だから私は私に付けられる力を求めて色んな事をやってきた。勉強も家事もそして拳法も・・・でも・・・それはあっさりと踏みにじられた・・・

 

苺鈴 「私・・・そばにいると邪魔?」

 

みらい「邪魔だなんてそんなこと!?」

 

苺鈴 「私が友達の力になりたいって思う事って、ただの迷惑なの?」

 

リコ 「迷惑だなんて思う訳無いじゃない!?」

 

苺鈴 「・・・ふふっ。やっぱり皆優しいわね?」

 

ことは「当たり前だよ?だって苺鈴は私達の大切な友達だもん?」

 

苺鈴 「そんなの・・・私だってそうよ・・・」

 

今の一言でみらい達の表情が明るくなったけど・・・多分まだ私の気持ちには気付いてないわよね?

 

リコ 「なら分かるでしょ?私達はこんな事で友達が傷つくところなんて見たくないわ?ってどうしたの?急に私とみらいの手を握ったりして・・・ってあなた!?」

 

みらい「震えてる?」

 

苺鈴 「私だってそうよ・・・私だって、こんなに想ってくれてる友達を不安になんてさせたくない。あなた達が傷つくところだって見たくない!!」

 

リコ 「苺鈴・・・」

 

苺鈴 「でも怖いのよ?私はただの人間・・・『魔術師』でも『プリキュア』でもない・・・ジョーカーや目の前のキュアビューティーのような大きすぎる相手に怖くて今にでも逃げ出したい!!って思っちゃってた。ううんそれだけだけじゃない。皆を騙してまで・皆に心配かけてまでこんなことをやってしまった罪悪感が本当に重くて・・・みんなに嫌われるのが本当はすごく怖かった・・・」

 

みらい「嫌われるのを怖がらない人なんていないよ?」

 

ことは「苺鈴がこんな事してまで私達の力になりたいって思ってくれただけで十分だよ?」

 

リコ 「そんなに私達の事を想ってくれてるなら嫌いになれる訳無いじゃない?」

 

苺鈴 「私じゃプリキュアであるあなた達が戦うような敵にはただの足手まといだって事は分かってるし、今だってプリキュア達と戦うのは怖い・・・それでもさ?・・・」

 

みらい・リコ(ぅっ!?)

 

苺鈴 「『仕方がない』に甘えて友達無くしちゃう方がもっと怖い!!」

 

苺鈴の握る手の握力が増した!?苺鈴も涙目になりながらううん、もう私達に泣きついちゃってる・・・考えてなかった。苺鈴の気持ち・・・私もリコもはーちゃんも、力を持ってたから自然と苺鈴の事も『守るだけ』の存在にしちゃってたのかもしれない・・・だから苺鈴はこんな無茶しちゃったんだ・・・

 

苺鈴はみらい・リコ・ことはに抱かれながら泣き続けた・・・心の底に溜まっていた様々な気持ちが溢れ、流しきるまで止まる事が出来ずにいた・・・数分後、気持ちが落ち着いたのか涙を手首で拭(ぬぐ)って4人は立ち上がりみらい・リコ・ことははいつもの笑みを、苺鈴は多少ぎこちない感じがあったが笑みを浮かべていた

 

ビューティー「それでどうしますか?まだ続けますか?」

 

みらい「それはもちろん!!」

 

苺鈴 「続けます!!」

 

みらい「ってあれ!?」

 

リコ 「やるの!?」

 

苺鈴 「それとこれとは別よ?現実問題としてジョーカーやあのヤモリの事があるし?そういう意味ではプリキュアは私が超えなきゃいけない壁なのよ・・・」

 

みらい「・・・そっか?」

 

リコ 「分ったわ。行ってきなさい!!先輩プリキュア達にあなたの力を見せてやりなさい!!」

 

苺鈴 「えぇ!!」

 

ガッツポーズをみらい達に向けて振り返り、苺鈴はビューティーに向かって歩き出していく。互いの距離が約5メートルほど離れたところで苺鈴は立ち止まり、ビューティーはそんな苺鈴を真っすぐ見つめていた

 

ビューティー「よろしいのですか?このまま続けて?」

 

苺鈴 「えぇ!!お願いします!!」

 

ビューティー「そうですか・・・私、あなたの事誤解していました」

 

苺鈴 「誤解?」

 

ビューティー「えぇ。あなたが私達を騙してまでこのような事をしたのは自分勝手な思いから来たものではないという事が分かって安心しました。大切なモノのために

それほどの想いを抱えていたのであれば、私も、全力でそれに応えます!!参ります!!」

 

苺鈴 「来い!!」

 

再開した苺鈴対ビューティーの戦いであったが、飛び出した苺鈴が放った右正拳突きを左手で受け止めたビューティーの心境は中断する前と変わらない処があった

 

苺鈴さんの拳・・・やはりもう限界が来ている。みらいさん達に本音を話して気持ちは高ぶっているようですが、これではやはり先と同じようにすぐに終わらせた方がよさそうですね?彼女には申し訳ありませんが、すぐに終わらせます!!

 

苺鈴 「くぅぅっ・・・やあっ!!」

 

ビューティーの次の攻撃の前に苺鈴はビューティーに右手を掴まれている事を逆手に取り、その場でバックステップをする要領で反転し、ムーンサルトキックを放つ。それを咄嗟に掴んだ左手を離して距離を取り、苺鈴のキックを寸(すん)でで回避したビューティー・・・

 

苺鈴も掴まれた事で動きに制限が出来てしまったが、咄嗟の機転で放ったムーンサルトキックでビューティーから距離を取ることに成功し、数メートルは離れる

 

ビューティー「プリキュア!!ビューティィィーー!!ブリザァァッーード!!」

 

ビューティーは反撃に必殺技の『ビューティーブリザード』を放つ。距離が離れていた事が幸(さいわ)いし、すぐに『逃げ』の体勢に入り、背後にあった太い木々に身を隠し吹雪をやり過ごすが、その冷たさに夏だというのに真冬の中、薄着でに放り出されているかのようであった

 

苺鈴 (寒い!?本当に凍えちゃう!?)

 

ビューティー(出来ればこれで降参してくれれば・・・いくら力を押さえたビューティーブリザードでもこのままでは苺鈴さんに深い凍傷(とうしょう)を追わせてしまうかもしれません・・・お願いですからこれで降参して!!)

 

数秒は『ビューティーブリザード』を放ち続けたが、ビューティーは技を放つのを止め、苺鈴が降参を告げるのを待つつもりでいたが、苺鈴の選択はその真逆であった

 

苺鈴 「キュアビューティー!!あなた本気出してないでしょう!?」

 

ビューティー「何を言うんです!?現に私は必殺技をあなたに向けて放ちましたよ!?」

 

苺鈴 「昨日ヨクバールに向けて放った威力が出てないんじゃないですか?それにあの氷(こおり)の矢も使って無い。それって私を見くびっている証拠じゃないですか?」

 

ビューティー「それは違います!!」

 

苺鈴 「なら・・・撃ってみてくださいよ?あの氷の矢を?私を見くびっていないと言うのでしたら!?」

 

そんな事・・・出来る訳無いじゃありませんか?アカンベェやサイアークならともかく・・・でも壁にしていた木々から出てきて、体を広げて「撃ってみろ」なんて一体どういうつもりなのでしょうか?・・・

 

ビューティーの頬にはヒア汗が一滴流れた・・・ビューティーは唇を噛みしめながら氷の弓と矢を生成し、構えていた

 

マナ 「ビューティー!?」

 

六花 「ちょっと待って!?流石にそれはやり過ぎですよ!?」

 

なのは「苺鈴ちゃん!!逃げて!?」

 

ことは「あれは駄目だよ!?苺鈴!?」

 

ビューティー(私だって、苺鈴さん相手にここまでしたくはありません・・・だからここは・・・)

 

ビューティーは目線を下に向け、心の中で「ここっ!!」と叫びながら遂に『ビューティーブリザード・アロー』を放ってしまう。だがここで苺鈴は一同が予想出来なかった行動を取る

 

ビューティー「なっ!?ぅっ!?なぁっ!?」

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

ビューティー「はぁっ!!なっ!?」

 

苺鈴 「やああぁぁぁぁっーー!!」

 

ビューティー「がっ!?ぁぁっ・・・ぁっ・・・」

 

苺鈴が取った行動とは『ブリザード・アロー』が放たれたと同時に駆け出し、数歩走ると宙にほんの1メートル跳び、体をドリルのようにひねりながら1~2回転し、なんと氷の矢を抱き抱え、素早く持ち替えて氷の矢を投げ返す。そのあまりにも予想外の動きに苺鈴を除いた全員が驚愕し、矢を投げ返されたビューティーは持っていた氷の弓に氷の矢をぶつけられ、手放してしまいその隙に苺鈴はすでにビューティーとの距離を歩幅1歩分ほどにまで縮めて、ビューティーは右拳を反射的に放つ。だがそれは横の線をビューティーの腕。縦の線を苺鈴の手としたT字の形になるように苺鈴がビューティーの手首をつかみ防ぎ、叫び声と共に渾身の右正拳突きがビューティーの腹部に手加減無しで命中する。しかも苺鈴が右腕を掴んでいるため、衝撃が逃げる先が無く、放たれた攻撃の衝撃がすべて来てしまったため、その威力にビューティーも少量のよだれを垂らしながら体重を苺鈴に掛け、次の瞬間『青木 れいか』へと変身が解けてしまっていた。これが意味する事はたった一つである

 

いおな「・・・はっ!?それまで!!この勝負、苺鈴の勝ちよ!!」

 

苺鈴 「勝った・・・」

 

その一言を言った後、苺鈴はれいかと共に倒れてしまい、意識もそこで途切れてしまって、倒れた二人を心配して一同が駆け寄っていくのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 




次回『苺鈴対レジェンドプリキュア』後編(仮)
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