カードキャプターさくら『苺鈴外伝』   作:狼と踊る男

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何とか先週からこの時間の納期に間に合いました。(笑)

実はビューティー戦のブリザード・アローのやり取りの伏線は『騎士達の学園(はなぞの) 後編』に作っていたんです。苺鈴対神楽戦です。やっと伏線回収出来た・・・


『苺鈴対レジェンドプリキュア』後編

 

 

苺鈴 「ぅっ?うぅっ~ん・・・」

 

ことは「あっ?起きた?」

 

視界がことはの笑みで埋まっていた。後頭部に柔らかい感触が・・・これって状況を察するにことはの膝枕ってところかしら?

 

ことは「大丈夫?起きれる?」

 

苺鈴 「何とか・・・ぁぃっ!?」

 

きっついなこれは?そういえば私確か・・・ビューティーに一発入れたような・・・あぁ~駄目だわ。記憶が曖昧ね?

 

みらい「苺鈴すごいよ!?あのキュアビューティーに勝ったんだよ!?」

 

苺鈴 「あれ?そうだったっけ?」

 

れいか「覚えていないのですか?」

 

苺鈴 「あぁその・・・ごめんなさい。なんか必死だったせいか記憶が飛んで・・・」

 

れいか「あなたの最後の一撃で、私は気を失ってしまったんです。私との勝負は苺鈴さんの勝利です」

 

苺鈴 「私が・・・『勝った』?」

 

れいか「はい」

 

そっか・・・私勝てたんだ?あのプリキュアに?・・・あれ?おかしいな?何(なん)か頬が熱い?

 

ことは「苺鈴泣いてる?」

 

苺鈴 「えっ?・・・ほんとだ?あれ?何で私涙流して?」

 

れいか「きっと、嬉し泣きだと思いますよ?」

 

苺鈴 「何で嬉し泣きなんか?」

 

れいか「苺鈴さん自身、正直な処プリキュアに変身した私達に勝てるとは思っていなかったのでは?」

 

苺鈴 「まぁ・・・」

 

れいか「それがまさか自身でも想像していなかった勝利を勝ち取ったんです。恐らくそれで?」

 

苺鈴 「そう・・・ですか・・・」

 

なのは「おめでとう!!苺鈴ちゃん!!」

 

苺鈴 「ありがとう。なのは」

 

リコ 「それにしてもさっきは驚いたわね?まさか『ブリザード・アロー』に突っ込むなんて?普通やらないわよ?」

 

れいか「それは私も驚きました。一つ間違えれば確実に串刺しでしたよ?」

 

苺鈴 「それは・・・相手がキュアビューティーだってわかっていたから?」

 

れいか「それはどういう意味でしょうか?」

 

苺鈴 「ジョーカーやあのヤモリならともかく、プリキュアはただの一般人に敵意は無い。だから殺される事はありません。だから必ず寸止めになるように技を使うって読んでいました」

 

れいか「成程。私達の事を逆手に取った戦術だったんですね?」

 

苺鈴 「それともう一つ。私が誘導した通り、あの氷の矢を撃ってくれたじゃないですか?」

 

れいか「確かに撃ちましたね?」

 

苺鈴 「撃つ直前、目線を下に向けて、本当に撃つ直前の一瞬の間に弓も矢も若干下に向けたのを見て間違いなく私の足元を狙ってる!!って確信したんです」

 

六花 「あの一瞬でそこまで見てたの!?」

 

マナ 「すごいね!?しかも『確信してる』とまで言い切っちゃうんだもん?もしかして前に弓をやる人に何か教わったとか?」

 

苺鈴 「はい。昨日話した『ジュエルシード事件』を通して知り合った『神楽(かぐら)』さんって弓のエキスパートの巫女さんから教わったんです」

 

マナ 「へぇ~そうだったんだ?私も弓を使う技があるから教わってみたいなぁ?」

 

六花 「どんな人なの?」

 

苺鈴 「そうですね・・・キレイで長い黒髪で無口で大食いで後・・・着やせするタイプですごく胸が大きかった・・・」

 

六花 「そこまでの情報はいいわよ?」

 

苺鈴 「そういえば・・・」

 

マナ 「んっ?どうかしたの?私をじぃ~と見て?」

 

苺鈴 「私マナさんと昨日会った時、誰かに声が似てるような気がしてたんですけど思い出しました。な~んか神楽さんと声が似てるような気がしたんですよね?無口だったし、喋ってもそんな元気一杯な感じはしませんでしたけど?」

 

マナ 「そうなんだ?なら尚(なお)の事会ってみたかったなぁ~」

 

れいか「ところで苺鈴さん。次はどうしますか?」

 

苺鈴 「えっ?『次』って?」

 

れいか「私には勝ちましたけど、当初の予定では私達4人と戦うつもりでしたよね?」

 

苺鈴 「あぁその『次』ですか?それなんですが・・・皆さんはまだ私と戦ってくれますか?」

 

マナ 「良いよ?」

 

六花 「まぁ理由が理由だし、胸を貸してあげる」

 

いおな「私も、受けた挑戦をこのまま投げ出すのは嫌ね?もちろん無理強いはしないけど?」

 

苺鈴 「皆さんありがとうございます。このまま続行をお願いします!!」

 

苺鈴は感謝の気持ちも込めて深く頭を下げる。それから苺鈴の体の休息も考えて数分はまだ休憩を挟み、苺鈴はその間にリコが近くの自動販売機で買って来ていたスポーツドリンクを飲んで水分補給も済ませ、休憩終了の時間が来ると苺鈴と次の対戦相手がフィールドに出てくる。その相手は『菱川 六花』であった

 

六花 「プリキュア!!ラブ・リンク!!」

 

ダイアモンド「・・・・・・」

 

苺鈴 「次はキュアダイアモンドなんですね?」

 

ダイアモンド「さっきの休憩中にくじ引きで決めたの。それじゃあやるわよ?」

 

苺鈴 「お願いします!!」

 

いおな「はじめ!!」

 

いおなの号令の後、両者は構え・数秒は距離を保ったままであったが、数秒後両者は『二』の字を描くように駆け出し、先に仕掛けたのは人差し指を向けたダイアモンドであった

 

みらい「あぁそっか!?ダイアモンドにはあれがあったんだ!?」

 

リコ 「まずいわ!?苺鈴には飛び道具なんて無いのに!?」

 

ことは「うぅぅっ~~そんなのずるいよ!!」

 

ダイアモンドは指先から自身の必殺技の一つ『トゥインクルダイアモンド』をいつもの連続発射ではなく一発~二発ずつ放ち苺鈴はそれを避け続けていた。

その様子を見たみらい達は接近戦しか出来ない苺鈴に対して友人だから贔屓目(ひいきめ)もあってつい『卑怯』と思ってしまった

 

なのは「いえ。そうとも言えないと思いますよ?」

 

リコ 「どういう事?」

 

なのは「私もジュエルシード事件の時、フェイトちゃんと戦った時はフェイトちゃんは私には無いスピードと経験の差を駆使して戦っていました。『使える技』と『相手よりも強い部分』を最大限に利用して戦う・・・それってむしろ当然の事かもしれません。なにせこれはスポーツで競い合ってる訳じゃないんですから?」

 

みらい「そんな・・・」

 

ことは「苺鈴」

 

みらい・リコ・ことは・モフルン・なのはが不安げな視線を向けている間も、二人の対決は続いていく・・・

 

左右に避けていた苺鈴であったが、方向転換して多少斜めになりながらもダイアモンド目掛けて突撃を仕掛ける。多少でもジグザグに避けることでダイアモンドの技を受け流しやすいようにするためだ。そしてついにダイアモンドとの距離が歩幅1歩分まで縮まると苺鈴は拳の連撃を仕掛けていったが、それをダイアモンドは受け流すように避けていき当る気配が全く無い・・・

 

苺鈴 「ふっ!!」

 

ダイアモンド「よっ!!」

 

突如苺鈴はしゃがみこみ、そのまま回し蹴りを仕掛け、ダイアモンドの足をとろうとしたが、後方に向かってジャンプされてかわされてしまい折角詰めた距離を詰め直す羽目となってしまうが、そんな隙を作らせてはくれないようだ

 

ダイアモンド「プリキュア!!ダイアモンドシャワァァーー!!」

 

ダイアモンドは『ラブハートアロー』を召喚し『ダイアモンドシャワー』を放つ。苺鈴は距離の都合もあってか反射的に両腕を顔の前で重ねて防御する。ホンの数秒眼を閉じてしまっていた間に苺鈴の状況は一気に悪くなっていた

 

苺鈴 「しまった!?足が!?」

 

ダイアモンドシャワーによって苺鈴の足首と足元・更にその周り半径5メートルほどは凍りつきそのせいで苺鈴はその場から一歩も動けなくなってしまっていた

 

それによって苺鈴は隙を見せてしまい、ダイアモンドはジャンプして苺鈴の背後に着地し、左腕で苺鈴の首を閉める形を取り、右指を苺鈴の頭部に数ミリ離して突きつける。指先にはほんのり青白い光・・・トゥインクルダイアモンドを放つ時の光を灯しながら・・・

 

ダイアモンド「・・・・・・」

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

いおな「それまで!!勝負ありよ!!」

 

いおなの宣言の後、ダイアモンドは苺鈴を放し、変身を解く。それと同時に氷も何故か一瞬で溶けたようで、苺鈴も同時に膝と手を地に着け、肩で息をしていた。あれが命のやり取りであれば間違いなく苺鈴に待っていたのは『死』であっただけにヒア汗も何滴も流れていた

 

六花 「大丈夫?」

 

六花さんが私に手を差し伸べてくれたから、私はその手を掴んで立ち上がった。その直後「はぁ~」ってため息吐いちゃった。やっぱり勝ちたかったからなぁ~・・・

 

六花 「やっぱり悔しい?」

 

苺鈴 「それはもう・・・流れに乗って勝利!!って訳には行きませんね?」

 

六花 「ごめんなさいね?でもビューティーとの戦いを見て、私なりにあなたの事は警戒したつもりだったから?それにやっぱり負けたくは無いしね?」

 

苺鈴 「同感」

 

それから六花さんに休憩を取るように言われて10分ぐらいは体を休めたわ。やっぱり連続で戦うのはどうしてもきついし、ダメージは少しでも抜いておきたい・・・

 

休憩中は木陰(こかげ)でまたことはがむしろ誘うように膝枕をしてくれて結構休めたかもね?さっきは一瞬しか感じ取れなかったけどことはの膝枕って結構柔らかいわね?

 

休憩が終わる合図のスマフォのタイマーが鳴って、起き上がると、ことはが体をビクビクさせながらも「頑張ってきてね?」とエールを送ってくれたの。あれ足が痺れたのねきっと?

 

マナ 「プリキュア!!ラブリンク!!」

 

ハート「・・・次は私だよ!!」

 

いおな「それじゃあ双方準備はいいわね?」

 

ハート「OK!!」

 

苺鈴 「お願いします」

 

いおな「それじゃあ・・・始め!!」

 

いおなの号令の後、苺鈴とキュアハートは同時に地を蹴って駆け出す。お互い歩幅が数歩分程度にまで縮むと一度立ち止まって様子を見ていたが、先にその沈黙を破ったのは苺鈴の方だった。せいぜい50cm程度のとび蹴りを放ったがあっさり避けられて、反撃にキュアハートが回し蹴りを二回繰り出してきたが一撃目はしゃがんで、2撃目はバックステップで避けて苺鈴は追撃に拳の連撃を叩き込んだ

 

苺鈴 「ふっ!!ふっ!!やぁ!!」

 

苺鈴は何発も正拳突きをキュアハートに向けて放ったが、すべて苺鈴の動きを良く見て、確実に・最小限の動きだけで避けていき苺鈴はまた一撃、拳を振るう

 

苺鈴 「やあっ!!なぁ!?」

 

ハート「そぉ~れぇ!!」

 

苺鈴の右拳を横に一歩動きかわす。それと同時にキュアハートは苺鈴の足に自身の足をぶつけ苺鈴のバランスを崩し、苺鈴の左腕を掴むと、一周回って遠心力を加えてハンマー投げのように苺鈴を投げ飛ばす。苺鈴は何とか受身を取りダメージを最小限に抑えることには成功したが、キュアハートの追撃がまた激しいものであった

 

ハート「プリキュア!!ハート!!ダイナマイト!!」

 

キュアハートは、苺鈴に向けて『ハートダイナマイト』を放つ。ピンク色のハートの形をした爆弾が苺鈴を襲おうとしたが、苺鈴は咄嗟にその場からジャンプし、苺鈴が居た場所付近には白い煙そして、爆発音と爆風を発生させていた。爆発の規模から見るとどうやら威力は抑えて放たれたようだ

 

苺鈴 「っぅ!?・・・」

 

ハート「それ!!」

 

ハートは再び『ハートダイナマイト』を苺鈴に向かって数発放つ。一発放たれる度に苺鈴はジャンプする。しかし次の爆弾が苺鈴の着地地点付近にまた着弾する。そのループが3回は繰り返されたであろう・・・最後の爆発の後、苺鈴は後ろに跳び引きキュアハートを見つめ、キュアハートも苺鈴を見つめ数秒沈黙が流れる

 

苺鈴 「・・・ふっ!!」

 

突如、苺鈴は90°周り、木の高い位置にある太い枝に向かってジャンプする。キュアハートも他の一同も次々と他の枝に飛び移っていく苺鈴を目で追っていき、キュアハートはその場から動かずに一瞬の隙を狙っている・・・

 

ハート「ふっ!!やあぁぁっー!!」

 

ハートは次の枝に飛び移ろうとした苺鈴に向かってジャンプし、枝に着地する寸前に回し蹴りを苺鈴に向かって放つが、苺鈴は間一髪その手前の枝に急遽着地し、回し蹴りから逃れるように地上に向かって飛び出し、無事着地に成功する。

 

地上に着地した苺鈴を追うかのようにキュアハートも枝から飛び降り走る苺鈴を追うが、二人は距離を保ったまま再び向かい合いキュアハートから再び仕掛ける

 

ハート「ハート!!ダイナマイト!!」

 

苺鈴 「それ!!」

 

ハート「うぅっ!?・・・何!?ぁっ!?」

 

ハートの放った『ハートダイナマイト』に向けて苺鈴は懐から何かを取り出し、ソレをダイナマイトに向けて投げ飛ばす。投げたソレがダイナマイトに触れると同時に爆発を起こし、白い煙が二人を包み込む。爆風を防ごうとしたためかキュアハートは両腕を顔面に持っていき、防御の体制をとっていた。爆風が止むと腕を下ろし、状況の整理をしようとしたが煙の中、正面から苺鈴が突撃を仕掛けてきて、一瞬の動揺を見せ、苺鈴にとっては最大の好機であった

 

苺鈴 「やあぁっ!!」

 

ハート「ぅ!?ふん!!」

 

苺鈴 「ぅっ!?」

 

苺鈴は煙の中、正拳突きを正面にいるキュアハートに向けて放つ。しかしキュアハートはその一瞬の出来事ですら冷静に対処したのだ。体を横に逸(そ)らして、苺鈴が自身を通り越す前にうなじに向けてチョップを一撃「トンッ!!」っと叩き込むと苺鈴の意識は途切れ、その体はキュアハートの胸に向かって倒れこむのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

みらい「おっ?起きた?」

 

ことは「苺鈴大丈夫?」

 

次に意識を取り戻した時に視界に映ったのは、みらいとことはのアップされた顔だった。もしかしなくても私、また負けたのよね?ことはの膝枕から起き上がった私の疑問はリコが答えてくれたわ。「キュアハートの勝ちだ」ってね?

 

マナ 「いい勝負だったよ?」

 

苺鈴 「こちらこそ。色々学ばせてもらいました」

 

マナ 「いえいえなんの。ところでこれ苺鈴ちゃんのだよね?ハートダイナマイトにぶつかってもう原型とどめてないぐらいボロボロだけど・・・」

 

苺鈴 「あっ!!どうも」

 

六花 「あなたなんでおもちゃのブーメランなんて持ってきてたの?」

 

いおな「って言うか持っている様にも見えなかったわよ?いくらそのコートで体を隠しているとはいえ?」

 

苺鈴 「あぁ私少しですけど『アンキ』が使えるんです」

 

マナ 「『あんき』?」

 

れいか「隠し武器の事ですね?そのような技術一体何処で会得(えとく)したんですか?」

 

苺鈴 「ジュエルシード事件がきっかけで仲間になった『ブリジット』さんって人に教わったんです。なのであれぐらい隠し持つのは朝飯前ですよ?あれで一瞬でも相手の隙を作るための小道具で持っていたんですけどプリキュアである皆さんのような相手なら効くかどうか判らない一度切りの『手』だったんですけどね?」

 

いおな「あのハートダイナマイトにぶつけて煙幕を起こして一撃当てようとしたけど、マナさんには通用しなかった・・・って処かしら?」

 

苺鈴 「まさにその通りです。一度切りの手だっただけにやっぱり残念です。手ダレ相手でも、反射的に対応してしまう処を突こうと思ったのに・・・」

 

六花 「成程ね?」

 

いおな「ところで苺鈴さん。どうする?もうこの辺で止めとく?次は私の番だけど?」

 

苺鈴 「やります!!」

 

いおな「聞くまでも無かったわね?分かった。じゃあもう少し休憩してからね?」

 

苺鈴 「はい!!」

 

それから数分、休憩を挟んで苺鈴といおなはフィールドに立ち、いおなはフォーチュンピアノを取り出す

 

いおな「プリキュア!!キラリン!!スター!!シンフォニィィーー!!」

 

フォーチュン「・・・・・・」

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

両者は互いに構え・今度はれいかの号令を待っている・・・れいかの「始め!!」の号令の後、二人はまだ動かない・・・

 

苺鈴は汗を流し、フォーチュンは汗一つ流していない・・・

 

苺鈴 「はぁ!!」

 

沈黙を破ったのは苺鈴である。5メートルは離れていた距離をあっという間に詰め、拳の連撃をフォーチュンに向けて何度も何度も放っていく

 

苺鈴 「はっ!!やっ!!ふっ!!ふん!!てやぁぁっーー!!」

 

しかし、その拳の連撃はすべてフォーチュンは右手を構え、まるで関西人が「ちゃうちゃう」と腕を振るかのように苺鈴の拳をいなしていく・・・

 

苺鈴 「ふっ!!ふんっ!!えいっ!!ぁっ!?っぅ!?はっ!?」

 

苺鈴は左正拳突き→左裏拳→右正拳突きの順番で攻撃したが、フォーチュンは苺鈴の右腕を掴み背負い投げを決め、背中に地を付けた苺鈴が次に見たのはかかと落としを掛けようとするフォーチュンの姿であり、間一髪横に転がる事で回避に成功するが、立ち上がった苺鈴は肩を抑えながら痛みをこらえる様子を見せていてもう余裕は無いようだ

 

そんな苺鈴に向かって余裕があるからか、ゆっくりとフォーチュンは距離を詰め、歩幅1歩分の距離になると、先に苺鈴が右拳を振るって仕掛けてきた

 

苺鈴 「ふっ!!」

 

フォーチュン「ふっ!!ふっ!!はぁ!!」

 

苺鈴の振るった右腕を左腕を引っ掛けて受け止め、フォーチュンは右拳で苺鈴の腹部を2回→胸部に張り手を一撃放つ。その張り手で苺鈴はゆっくり後ろに後ずさっていき胸を抑えながら膝から倒れ、四つんばいになってしまい、顔は地面を向いていた

 

苺鈴 「うぅっ・・・ぶはぁっ!?ごほっ!?ごほっ!?」

 

フォーチュン「なっ!?」

 

リコ 「吐血!?」

 

みらい「苺鈴!?」

 

しまった!?最後の張り手は力が強すぎた!?ここまでするつもりなんてなかったのに!?今までのダメージがそこまで蓄積されていたのね?って嘘でしょ!?あの子まだ立とうとしてる!?なんて執念なの!?

 

苺鈴 「はぁ・・・はぁ・・・うっぷっ!?はぁ・・・まだ・・・まだぁぁぁっ~~!!ぁっ!?」

 

もう限界なんてとうに超えてるはずなのに・・・眼だってもう虚(うつ)ろで、また倒れかけて座り込んじゃったじゃない?・・・ここまで頑張ったのなら本当にもう十分よ?同じ武道家としてあなたに敬意を払わないとね?

 

フォーチュン「ここまで本当に良く頑張ったわ。でももう終わりにしましょう・・・」

 

マナ 「あの構えって!?『フォーチュン・スターバースト』!?」

 

れいか「フォーチュン!?それはやり過ぎでは!?」

 

フォーチュン「かもしれません・・・けれど、私はこの子に同じ武道家として!!そしてここまで友達を想える尊敬出来ると感じた一人の人間として、最大限の敬意を表(ひょう)したい!!だから私はこの技でこの決闘を終わらせる!!」

 

六花 「でもその子の体はもうボロボロなのよ!?これ以上は!?」

 

フォーチュン「下手な手加減なんてこの子はこんな状況でもきっと望まない・・・手加減なんてしたらそれこそこの子の・・・苺鈴の想いを踏みにじる事に成る。そんな事、私はしたくない!!」

 

マナ 「フォーチュン・・・」

 

フォーチュン「・・・行くわよ?・・・・・・フォーチュンスタァァーバァァースト!!」

 

キュアフォーチュンの技が放たれた直後、私『高町 なのは』を除いた全員が顔を伏せ、眼を閉じてしまっていた。そして私はその瞬間声を大にして叫んでいた

 

なのは「苺鈴ちゃん!!」

 

 

 

 

 

フォーチュンが技を放つ直前。苺鈴の意識はかろうじて残っていたが周りの話が聞こえている余裕は無く、消えかける視界にキュアフォーチュンの姿が映っているのがかろうじて分かる程度であった

 

頭がボ~とする・・・・・・キレイな光・・・そっか・・・あれフォーチュンの技ね?もう体が動かない。あれを喰らったら流石にもう駄目ね?・・・

 

もう・・・十分戦ったわよね?ここまでやったんだもの?きっとこれで、私も皆の力になれるって、証明出来たのかな?・・・

 

あれ?おかしいな?なんか頬が熱い?私・・・涙流してる?・・・・・・あはは・・・悔しい・・・悔しい!!悔しい!!悔しい!!悔しいぃぃ~!!・・・やっぱり・・・勝ちたかった・・・でもそんなの無理よね?無謀だって言うのは私が一番わかってたはずなのに・・・キュアビューティーに勝ったからって高望みした罰が当ったのかもね?・・・皆・・・ごめんね?やっぱり私じゃ勝てないや?

 

 

 

 

 

 

ーーーーー「苺鈴ちゃん!!」ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

フォーチュン「ぐっ!?うああぁぁっぁぁっぁぁ~~!?」

 

次に一同が視界に入れたのは叫ぶフォーチュンの姿であった。ただフォーチュンの様子がおかしい・・・フォーチュンは『スターバースト』を放った右腕を押さえながら苦しんでいた

 

みらい「えっ!?何!?何が起こったの?」

 

リコ 「何でフォーチュンが苦しんでるの!?」

 

なのは「苺鈴ちゃんがやったんです・・・」

 

みらい・リコ「えぇっ!?」

 

ことは「なのはどういうこと!?」

 

なのはは一同が見ていなかった出来事を説明し始めた。それは一瞬の出来事ではあったが、当の苺鈴本人にとってはそれ以上の長い、長い出来事であったのかもしれない・・・

 

ーーーーーーーーーー

 

なのは「苺鈴ちゃん!!」

 

私が叫んだ苺鈴ちゃんの名前・・・その直後、キュアフォーチュンが技を苺鈴ちゃんに叩き込もうとしたその瞬間、苺鈴ちゃんの目がカッ!!と開いてキュアフォーチュンの右拳を避けるように体を左によじったの・・・

 

でもそれだけでは終わらなかった。キュアフォーチュンがそれに一瞬動揺して、拳を引くまでの一瞬の間、苺鈴ちゃんはその右腕に向かって左肘をぶつけて、まるで肘で肘をへし折るかのような・・・

 

それほどまでに感じた強い肘打ちをキュアフォーチュンの右腕に放ったの。その結果、キュアフォーチュンはそのダメージに耐えられなかったのか腕を押さえながら叫んで、皆一斉にキュアフォーチュンへと視線を移したの・・・

 

ーーーーーーーーーー

 

なのは「それが私が見たあの一瞬の出来事なんです」

 

みらい「そんな事が・・・」

 

一同が見つめる中、苺鈴は徐々にふらふらになりながらも立ち上がろうとしている・・・

 

何バカやってるんだろう私?・・・なのはやことはの前で何考えてるのよ?こんなピンチ、前に幾らでもあったじゃない?敵対してた頃のブリジットさんやプレシアさん・・・

アルハザードで戦った血桜やジョーカー達に比べたら殺気の無いこんな勝負で立ち止まっている暇なんて無い!!

 

苺鈴 「うおおおぉぉぉっっぉぉーー!!」

 

私は声が枯れそうな勢いで叫んだ。叫び声をBGMにしながら目の前のキュアフォーチュンにこれまでに無い勢いで拳の連打を放っていた。

 

風に風穴(かざあな)を空けるように・・・大地を蹴るように・・・拳を数えてられないぐらいの回数と空気が震えるほどの威力を出して・・・

 

でも流石はキュアフォーチュンね?その拳の連打を左腕だけで受け止めてる?

 

フォーチュン(何て威力なの!?動きもさっきとはまるで別人じゃない!?急に何なのよこの子!?本当にただの人間なの!?こんなボロボロの体の何処にこんな力が残ってたの!?)

 

苺鈴 「やあぁぁっーー!!」

 

叫びと共に放たれた苺鈴の右張り手もフォーチュンは左腕だけで受け止めるが、踏ん張っても後ろに吹き飛び、地面に線が出来るほどの威力が出ていたようで、それを何とか防ぎきったフォーチュンはヒア汗を流すと共に笑みを浮かべ、何故か急に笑い始める始末だ。とても清々(すがすが)しい表情で・・・

 

フォーチュン「良いわ?あなた本当に良い!!私、まだまだあなたと戦いたい!!拳を交(まじ)えたい!!そして勝ってみせる!!『李 苺鈴』!!このキュアフォーチュン、あなたに全力で挑む!!」

 

苺鈴 「うああぁぁっぁっぁぁっーーー!!」

 

フォーチュン「はあぁぁっぁぁっーー!!」

 

そこから繰り広げられた戦いは防御を捨てたと言っても過言で無い戦いが繰り広げられていた・・・

 

苺鈴 「やぁっ!!」

 

フォーチュン「ぐぅっ!?・・・はぁ!!」

 

苺鈴 「うぅっ!?・・・だぁっ!!」

 

苺鈴が攻撃を放てば、フォーチュンは受ける。フォーチュンが反撃すれば苺鈴はその反撃を受ける。そんな光景が繰り返されていた・・・

 

そんな光景を見つめていた他の一同はこの光景を喉を鳴らしながら見ている者もおり、思わず無言になっていたが、そんな沈黙を破ったのはなのはとことはが最初であった

 

なのは「苺鈴ちゃん頑張って!!」・ことは「苺鈴頑張って!!」

 

フォーチュン「やあぁぁっーー!!」

 

苺鈴 「うぅぅっ~~!?・・・ふっ!!やあぁぁっーー!!」

 

フォーチュン「ああぁぁっぁぁっ~~!?」

 

フォーチュンは一回転して勢いをつけたキックを苺鈴の腹部に叩き込む。それによって4メートルは地面に線を作りながら後ずさってしまうが、苺鈴も反撃でその場からジャンプして両腕でフォーチュンの両肩に空手チョップを叩き込むと、フォーチュンは悲鳴を上げ、かなりのダメージを追ったのは言うまでも無い状態であった

 

みらい「頑張れ!!苺鈴!!」

 

リコ 「頑張って!!」

 

モフルン「頑張るモフ!!」

 

れいか「苺鈴さん・・・フォーチュン・・・」

 

六花 「これどっち応援すればいいのよ!?」

 

マナ 「・・・頑張って!!キュアフォーチュン!!」

 

六花「マナ!?」・れいか「マナさん!?」

 

マナ 「私もどっち応援すれば正直わからない・・・苺鈴ちゃんに勝ってもらいたいって気持ちもある。けど・・・そしたらフォーチュンは誰が応援するの!?」

 

れいか「マナさん・・・」

 

六花 「・・・そうね?マナの言う通り。苺鈴にだって勝って欲しい!!でもそれでフォーチュンを応援しちゃ駄目な訳じゃないものね?」

 

れいか「審判としてはどうかと思いますが、私も同じプリキュアとしてキュアフォーチュンを応援します!!」

 

外野では応援合戦も繰り広げられている中、当の本人達も限界は当に過ぎていた・・・

 

二人は組み合っていた状態から一度距離を取り、苺鈴は右拳を・フォーチュンは左手に『フォーチュン・スターバースト』の光を宿しそれぞれ構え、ホンの数秒の沈黙を破り両者同時に相手に向かって駆け出していく

 

苺鈴・フォーチュン「やああぁぁっぁぁっーー!!」

 

互いの最後の一撃が遂に決まった・・・

 

両者の拳が互いの頬にめり込み掛けていて、そこから動く気配が無い・・・

 

一同が息を飲む中、二人はゆっくりと拳を引いていき、いや後ろに向かって大の字に倒れたのだ。しかもキュアフォーチュンにいたっては変身が解け『氷川 いおな』へと戻っていた

 

れいか「これは・・・」

 

マナ 「『引き分け』・・・」

 

六花 「そうみたいね?ってじゃなくて!?二人共大丈夫!?」

 

一同が駆け寄り、二人の体を支えながら起こしていく。この中で医学の知識がある六花は二人の状態を見て険しい表情を浮かべ、悠長にしている暇は無い様子であった。そんな中、いおなが意外と早く目を覚まし痛む右腕を押さえながら自信の怪我よりも苺鈴の事を気に掛けていた

 

六花 「状態は良いとは言えないわね?」

 

いおな「そうですか」

 

六花 「とにかくここじゃ処置出来ないわ?すぐに救急車を呼ぶから待ってて!!」

 

いおな「それには及びませんよ?」

 

六花 「何言ってるのよ!?あなたが良くても苺鈴はどうなるのよ!?」

 

いおな「いえ、違うんです。もう来る頃なんです?」

 

六花 「『来る』って?」

 

いおな「それはですね?あっ!?噂をすれば?」

 

六花 「えっ?・・・あぁっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺鈴 「うっ?うぅっ~ん・・・」

 

いおな「目が覚めた?」

 

苺鈴 「あれ?いおなさん?」

 

今回目を覚ました時に視界に映ったのは私の顔を覗き込むいおなさん・・・って事は今度はいおなさんの膝枕って訳ね?

 

いおな「どうかしら?私の膝枕の寝心地は?」

 

苺鈴 「えぇ~その・・・硬いですね?ことはに比べますと?」

 

いおな「『余計なお肉が付いてない』って意味の褒め言葉として受け取っておくわ?」

 

苺鈴 「私・・・最後どうなったんでしたっけ?」

 

いおな「もしかしてまた覚えてないの?」

 

苺鈴 「ごめんなさい。何かもう頭がぶっ飛んでいたって言いますか?」

 

いおな「それはもうすごい戦いだったわ・・・最後は引き分けで終わってしまったけれど、本当に良い勝負だった・・・右腕がまだ使い物になっていれば勝負はわからなかったかもしれないわね?」

 

苺鈴 「そうだった!?右腕大丈夫ですか!?私思いっきり肘打ちしちゃって!?」

 

いおな「あぁあれ?あれならもう完治したわ?」

 

苺鈴 「えぇっ!?もう治ったんですか!?」

 

いおな「えぇ。って言うか、苺鈴さんの方こそもう大丈夫?」

 

苺鈴 「えっ?」

 

そう言われてみれば、なんか痛みがキレイさっぱり無くなってる様な・・・っていうか傷まで消えてる!?どうなってるのよこれ!?

 

苺鈴 「一体どうなって・・・」

 

???「あっ?目が覚めたんだね?」

 

苺鈴 「えっ?」

 

誰だろうこの人?何かぽややんとした雰囲気ね?

 

???「お近づきの印に『ハニーキャンディー』どうぞ?」

 

苺鈴 「あっどうも?」

 

あっ!?蜂蜜と煮詰めた砂糖の合わさった丁度良い甘味(かんみ)が口一杯広がっていく・・・この飴おいしい

 

苺鈴 「じゃなくて!?どちら様ですか!?」

 

ゆうこ「あぁっそうだったね?自己紹介しなくっちゃ?私は『大森(おおもり) ゆうこ』。そして何を隠そう私が『キュアハニー』なのです!!」

 

苺鈴 「えっ?えぇぇっーー!?」

 

キュアハニー!?このぽややんとした人が・・・そう言われてみればこの雰囲気確かにキュアハニーに似てる?まぁ本人なら似てるって言うのもあれだけど?でも何でここに?

 

いおな「私が最初の休憩の時に連絡したの。お弁当の出前と癒しをもらおうと思ってね?」

 

苺鈴 「お弁当と癒し?」

 

いおな「えぇ。ゆうこ・・・キュアハニーには治癒の力もあるからそれで治療してもらおうと思ってね?」

 

苺鈴 「そうだったんですか」

 

ゆうこ「私もいおなちゃんに頼まれてお弁当の準備して『飛んで』来たらあなただけじゃなくていおなちゃんまですごい怪我だったんだもん?事情を聞いて本当に驚いたんだから?」

 

いおな「ご心配をお掛けしました」

 

ゆうこ「ほんとそうだよ?二人共、あんまり無茶しちゃ駄目だよ?」

 

いおな・苺鈴「はぁ~い」

 

ゆうこ「さっ!!二人ともお腹すいたでしょ?冷めちゃったけど『大森ご飯』特製のから揚げ弁当。た~んと召し上がれ!!」

 

いおな「ありがとう」

 

苺鈴 「いいんですか?頂いても?」

 

ゆうこ「もちろん」

 

いおな「私のおごりだから遠慮しないで食べて?お腹すいたでしょ?」

 

『ぐぅっ~』ってタイミング良く鳴っちゃった!?あぁ~もう行儀悪いし!?恥ずかしいったら!?ってそういえばいおなさんとゆうこさん以外誰も話しかけないと思ったら皆『大森ご飯』のお弁当食べてたんかい!?

 

ゆうこ「あらあら?空腹は最大の調味料だから今、最高においしく食べられるよ?」

 

いおな「ふふっそうね?さぁ!!頂きましょう?」

 

苺鈴 「あれ?いおなさんは待っててくれたんですか?」

 

いおな「一緒に食べたくてね?嫌だった?」

 

苺鈴 「是非!!ご一緒に!!」

 

いおな「良かった・・・ゆうこの家のお弁当は絶品よ?」

 

苺鈴 「はい!!私『大森ご飯』のお弁当大好きなんです!!今お世話になってる家でもたまに買ってきてくれるんですけど、特にから揚げ弁当が大好きで!!」

 

ゆうこ「それは良かった!!さぁさぁどんどん食べて!!」

 

苺鈴 「いただきます!!」

 

いおな「いただきます・・・ところでさ?」

 

苺鈴 「はい?」

 

いおな「これからあなたの事『苺鈴』って呼んでも良い?」

 

苺鈴 「へっ?いいですけど急に改まってどうしたんですか?」

 

いおな「まぁその・・・なんとなくね?」

 

苺鈴 「はぁ?」

 

いおな「まぁそういう訳だからさ苺鈴?お茶のペットボトルでなんだけど今日のこの対決を祝して乾杯しない?」

 

苺鈴 「はい!!」

 

苺鈴・いおな「乾杯!!」

 

コツンッ!!そんなペットボトル同士の軽い接触音を聞いた後、二人はペットボトルのお茶から口にして『大森ご飯』特製のから揚げ弁当をほおばっていく。その様子はまるで心から信頼し合っている先輩と後輩と言うのがしっくりきそうな雰囲気であった・・・・・・

 

 

 

 

 




次回『苺鈴とことはとわくわくリフォーム』
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