カードキャプターさくら『苺鈴外伝』   作:狼と踊る男

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こちらはひとつ前の話の原作です。チャットGPTより、最初に作成した方のお話です。


読み切りの章『苺鈴争奪!?知世邸スマブラ大乱闘大会』(原作)

 

大きなスクリーン。

磨き上げられた床。

几帳面に並べられた人数分の座布団。

そして、その中央に置かれた一台のニンテンドースイッチ。

 

 

 

場所は大道寺知世の自宅。

 

 

 

普段ならば、さくらの活躍を撮影するための機材が整えられている部屋である。

しかし今日だけは違った。

 

 

 

知世「皆さん。本日はお集まりいただき、ありがとうございます」

 

 

 

穏やかな微笑みを浮かべる知世の前には、見知った顔、異世界からの来客、魔法使い、プリキュア、魔導師、そして空から来た少女達まで、何故か大人数が勢揃いしていた。

 

 

 

さくら「知世ちゃん、今日は本当にゲーム大会なの?」

 

 

 

知世「はい。せっかく皆さんが集まったのですから、たまには平和な遊びもよろしいかと思いまして」

 

 

 

ケルベロス「おおっ! ええやんけ! ワイ、こういうの好きやで! ほな、最初から全力でいかせてもらうでぇ!」

 

 

 

小狼「……ゲームでまで騒がしいな」

 

 

 

苺鈴「ま、まあいいじゃない。たまにはこういうのも悪くないわ」

 

 

 

苺鈴は軽く肩をすくめた。

 

 

 

しかし、その一言が合図だったかのように、室内の空気が変わった。

 

 

 

なのは「……苺鈴ちゃん」

 

 

 

ことは「苺鈴!」

 

 

 

ここね「苺鈴さん……」

 

 

 

ブリジット「李苺鈴さん!」

 

 

 

四方向から、妙に真剣な声が飛んだ。

 

 

 

苺鈴「な、なによ?」

 

 

 

なのは、ことは、ここね、ブリジットの四人が、まるで決戦前の戦士のような顔で立ち上がる。

 

 

 

なのは「今日の大会、わたし負けないよ」

 

 

 

ことは「わたしも! 苺鈴と一緒に過ごすんだから!」

 

 

 

ここね「……勝負事に私情を持ち込むのは本来よくないと思う。でも、今日だけは退けない」

 

 

 

ブリジット「そうですとも! TVアニメ版はおろか、CDドラマでも踏んだり蹴ったりで、ハヤウェイとラブラブ~な展開なんてこれっぽっちも起きやしませんでしたが!! 折角の苺鈴外伝での番外編! ここで私も一花咲かせるのですはいぃ!」

 

 

 

リコ「……最後の人、ものすごく事情が重いわね」

 

 

 

みらい「でも、すごく燃えてるね!」

 

 

 

フェイト「……大会の景品って、何なの?」

 

 

 

その問いに、四人は声を揃えた。

 

 

 

なのは・ことは・ここね・ブリジット「苺鈴ちゃんとの一日デート、または独り占めの権利!」

 

 

 

苺鈴「ちょっと待ちなさい! 本人の許可は!?」

 

 

 

さくら「ほえええええっ!?」

 

 

 

小狼「……お前達、本人の意思を確認しろ」

 

 

 

あまね「それはさすがに道義的に問題があるのではないか?」

 

 

 

しかし、なのは達四人の気迫は尋常ではなかった。

 

 

 

なのは「苺鈴ちゃん。大丈夫。危ないことはしないから」

 

 

 

ことは「楽しい一日にするよ!」

 

 

 

ここね「苺鈴さんが嫌がることはしない。けれど……一緒に過ごしたい気持ちは本当」

 

 

 

ブリジット「私も! 番外編の力を借りてでも!」

 

 

 

苺鈴「だから、そういう問題じゃ……」

 

 

 

知世「まあまあ、苺鈴さん」

 

 

 

知世はにこりと笑い、ビデオカメラを構えた。

 

 

 

知世「これはきっと、後世に残すべき貴重な映像になりますわ」

 

 

 

苺鈴「知世まで!?」

 

 

 

モフルン「なんだか大変なことになってきたモフ……」

 

 

 

ゆい「でも、ゲーム大会なんだよね? みんなで楽しめばデリシャスマイルだよ!」

 

 

 

らん「スマブラ大会! これは盛り上がりの味がするよー!」

 

 

 

ソラ「勝負であるなら、私も全力で挑みます!」

 

 

 

ましろ「ソラちゃん、ゲームでもヒーローみたいになってる……」

 

 

 

ツバサ「ですが、ゲームとはいえ戦術は重要です」

 

 

 

あげは「よーし! 大人のお姉さんも本気出しちゃうぞ!」

 

 

 

エル「えるぅ!」

 

 

 

こうして、本人の意思がやや置き去りにされたまま、知世邸スマブラ大乱闘大会は開幕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### 一回戦・組み合わせ発表

 

 

 

知世「ルールはトーナメント制。対戦カードはくじ引きで決めます。使用キャラクターは各自の直感で選んでください」

 

 

 

巨大スクリーンに、参加者の名前が表示される。

 

 

 

苺鈴はリュウ。

小狼はリンク。

さくらはカービィ。

知世はピーチ。

ケルベロスはドンキーコング。

 

 

 

ブリジットはゼルダ。

みらいはマリオ。

リコはルフレ。

ことははパルテナ。

モフルンはヨッシー。

 

 

 

なのははサムス。

フェイトはマルス。

 

 

 

ゆいはカービィ。

ここねはゼロスーツサムス。

らんはピカチュウ。

あまねはルキナ。

 

 

 

ソラはキャプテン・ファルコン。

ましろはしずえ。

ツバサはピット。

あげははベヨネッタ。

エルは、何故かその場で一瞬だけ成長した姿となり、コントローラーを握っていた。

 

 

 

成長エル「わたし、これにする!」

 

 

 

エルが選んだのは、プリンだった。

 

 

 

ソラ「エルちゃん!? いつの間に大きく!?」

 

 

 

ましろ「ゲーム大会限定の奇跡……かな?」

 

 

 

あげは「いいじゃんいいじゃん! エルちゃん、がんばれ!」

 

 

 

苺鈴「……もう何でもありね、この大会」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### 苺鈴対ソラ対ゆい

 

 

 

序盤から、注目のカードが組まれた。

 

 

 

苺鈴。

ソラ。

ゆい。

 

 

 

三人による大乱闘戦である。

 

 

 

苺鈴「相手にとって不足なしね」

 

 

 

ソラ「ヒーローたるもの、正々堂々、全力で戦います!」

 

 

 

ゆい「よーし! お腹いっぱい戦おう!」

 

 

 

画面上で、リュウ、キャプテン・ファルコン、カービィがステージに降り立つ。

 

 

 

開始の合図と同時に、苺鈴のリュウが鋭く踏み込んだ。

 

 

 

苺鈴「こういうのは間合いよ!」

 

 

 

小狼「……妙に実戦の感覚で操作しているな」

 

 

 

リュウが小刻みに前後へ動き、波動拳を撃つ。

ゆいのカービィはそれをふわりと飛んで避け、すぐに吸い込みを狙った。

 

 

 

ゆい「いただきまーす!」

 

 

 

苺鈴「ゲームでも食べるの!?」

 

 

 

そこへソラのキャプテン・ファルコンが突っ込む。

 

 

 

ソラ「正面突破です!」

 

 

 

キャプテン・ファルコンのダッシュ攻撃がリュウとカービィの間に割り込み、三者が一気に混戦となった。

 

 

 

らん「うおー! ゆいぴょん、食欲操作! ソラちゃん、直進ヒーロー! 苺鈴ちゃん、格闘家の間合い!」

 

 

 

ここね「実況が妙に的確ね」

 

 

 

苺鈴は冷静だった。

波動拳で牽制し、接近された瞬間に昇龍拳を合わせる。

 

 

 

しかしソラは突進力で押す。

ゆいはカービィの軽さと復帰力で粘る。

 

 

 

ゆい「まだまだー!」

 

 

 

ソラ「ここです!」

 

 

 

キャプテン・ファルコンが横から強烈な一撃を放ち、苺鈴のリュウが吹き飛ばされる。

 

 

 

苺鈴「くっ、やるわね!」

 

 

 

だが、ゆいのカービィがその隙を逃さなかった。

ふわふわと近づき、ソラのキャプテン・ファルコンをステージ外へ押し出す。

 

 

 

ソラ「しまっ……!」

 

 

 

ましろ「ソラちゃん、戻って!」

 

 

 

ツバサ「復帰ルートが読まれています!」

 

 

 

苺鈴「今よ!」

 

 

 

リュウの一撃が決まり、ソラが脱落。

 

 

 

ソラ「負けました……しかし、清々しい勝負でした!」

 

 

 

残るは苺鈴とゆい。

 

 

 

ゆい「苺鈴ちゃん、勝っても負けてもご飯は一緒に食べようね!」

 

 

 

苺鈴「それはいいけど、今は勝負!」

 

 

 

最後は苺鈴のリュウが、ゆいのカービィの着地に合わせて昇龍拳を叩き込んだ。

 

 

 

ゆい「あーっ!」

 

 

 

画面に勝利表示が出る。

 

 

 

勝者、苺鈴。

 

 

 

苺鈴「ふふん。実戦で鍛えた反応速度をなめないことね」

 

 

 

ケルベロス「ゲームに実戦持ち込むなや!」

 

 

 

知世「でも、とても凛々しかったですわ」

 

 

 

なのは「苺鈴ちゃん、かっこいい……」

 

 

 

ことは「やっぱり苺鈴すごい!」

 

 

 

ここね「……今の操作、無駄が少なかった」

 

 

 

ブリジット「惚れ直すとはこのことですはいぃ!」

 

 

 

苺鈴「だから、そういう空気にしないで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### 燃える四人

 

 

 

一回戦を進むごとに、会場の熱は増していった。

 

 

 

なのはのサムスは、遠距離からチャージショットを溜める堅実な戦い。

フェイトのマルスは、剣先の間合いを意識した美しい立ち回り。

ことはのパルテナは、本人の感性そのままに不思議なタイミングで攻撃を当てていく。

ここねのゼロスーツサムスは、静かで精密だった。

 

 

 

そしてブリジットのゼルダは、執念だった。

 

 

 

ブリジット「ここで勝てなければ、私はまた脇役のままですはいぃ!」

 

 

 

リコ「そこまで重い大会だったかしら……」

 

 

 

ブリジット「重いのです! これは私にとって、ルート分岐の戦いなのです!」

 

 

 

みらい「ルート分岐?」

 

 

 

ことは「なんだかよく分からないけど、負けないよ!」

 

 

 

準々決勝では、ことはとブリジットが激突した。

 

 

 

ことはのパルテナが光のような攻撃を放つ。

ブリジットのゼルダが魔法で距離を取り、ファントムを呼び出す。

 

 

 

ことは「苺鈴とお出かけするのは、わたし!」

 

 

 

ブリジット「いいえ! ここは私が、長年の無念を晴らす場ですはいぃ!」

 

 

 

苺鈴「だから、私を景品にしないでってば!」

 

 

 

みらい「ことは、がんばれー!」

 

 

 

リコ「でも、苺鈴の意見は聞いた方がいいと思うわよ」

 

 

 

モフルン「リコ、今それを言っても多分遅いモフ」

 

 

 

勝負は長引いた。

ことはは直感で攻める。

ブリジットは気迫で粘る。

 

 

 

最後、ブリジットのゼルダがスマッシュ攻撃を当て、ことはのパルテナが画面外へ飛んだ。

 

 

 

ことは「あーっ! 負けちゃった!」

 

 

 

ブリジット「勝ちました! 勝ちましたよ! これでブリジットルートが一歩近づきましたはいぃ!」

 

 

 

ことは「むー……でも、まだ応援するもん。苺鈴、逃げちゃだめだよ?」

 

 

 

苺鈴「逃げたいのよ、私は!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### なのは対ここね

 

 

 

もう一つの注目カードは、なのは対ここねだった。

 

 

 

なのは「ここねちゃん。手加減しないよ」

 

 

 

ここね「望むところ。私も、勝ちに行く」

 

 

 

なのはのサムス。

ここねのゼロスーツサムス。

 

 

 

同じ系統のキャラクターでありながら、戦い方は正反対だった。

 

 

 

なのはは距離を取り、チャージショットを溜める。

ここねは素早く距離を詰め、蹴りとワイヤーで細かく削る。

 

 

 

フェイト「なのは、落ち着いて」

 

 

 

あまね「ここね、相手の大技に気をつけろ」

 

 

 

なのは「大丈夫。見えてる」

 

 

 

ここね「……その一撃は、当たらない」

 

 

 

ここねの動きは静かだった。

しかし鋭い。

一歩引いて、なのはのチャージショットを避ける。

その直後、反撃の蹴りを差し込む。

 

 

 

なのは「上手いね……!」

 

 

 

ここね「苺鈴さんと一日一緒にいるためなら、私は集中できる」

 

 

 

苺鈴「ここねまでそんな顔しないで!」

 

 

 

さくら「苺鈴ちゃん、大人気だね……」

 

 

 

小狼「本人は全然喜んでいないがな」

 

 

 

試合は終盤。

なのはのサムスがついに最大まで溜めたチャージショットを放つ。

 

 

 

なのは「これで!」

 

 

 

ここね「読んでいたわ」

 

 

 

ゼロスーツサムスが跳んだ。

紙一重で光弾をかわし、空中から反撃を叩き込む。

 

 

 

なのは「あっ……!」

 

 

 

勝者、ここね。

 

 

 

ここねは小さく息を吐いた。

 

 

 

ここね「……勝った」

 

 

 

なのは「強いね、ここねちゃん」

 

 

 

ここね「ありがとう。なのはさんも、すごく怖かった」

 

 

 

なのは「うん。でも、まだ苺鈴ちゃんのことは諦めないよ」

 

 

 

苺鈴「諦めて! お願いだから一回諦めて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### まさかのエルちゃん

 

 

 

一方、トーナメントの反対側では異変が起きていた。

 

 

 

成長したエルが、プリンを使って勝ち上がっていたのである。

 

 

 

ソラ「エルちゃん、すごいです!」

 

 

 

ましろ「まさか、あんなに眠るを当てるなんて……」

 

 

 

ツバサ「理屈が分かりません。ですが、タイミングが完璧です」

 

 

 

あげは「天才型ってやつかな?」

 

 

 

エル「えへへ!」

 

 

 

ケルベロス「なんでや! ワイのドンキーがプリンに寝かされて負けたやと!?」

 

 

 

知世「ケルベロスさん、油断大敵ですわ」

 

 

 

ケルベロス「くっそー! もう一回や! もう一回!」

 

 

 

小狼「トーナメント制だ。諦めろ」

 

 

 

エルは難しい理屈を考えている様子はなかった。

ただ、相手が近づいた瞬間にふわりと避ける。

そして、誰も予想しないところで「ねむる」を当てる。

 

 

 

らん「エルちゃん、操作がふわふわなのに、当たる時だけ味が濃い!」

 

 

 

ゆい「すごいね! プリンもかわいいし!」

 

 

 

あまね「無欲の勝利、というものかもしれないな」

 

 

 

苺鈴「……この流れ、ちょっと嫌な予感がするわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### 準決勝・苺鈴対ブリジット

 

 

 

準決勝第一試合。

 

 

 

苺鈴のリュウ。

ブリジットのゼルダ。

 

 

 

ブリジット「李苺鈴さん。私は今日、この時のために全てを懸けます」

 

 

 

苺鈴「いや、懸けなくていいから。普通にゲームしなさい」

 

 

 

ブリジット「普通では駄目なのです! 普通にしていたら、私はいつまで経っても報われないのですはいぃ!」

 

 

 

苺鈴「それ、私に言われても困るんだけど!?」

 

 

 

開始直後、苺鈴は一気に距離を詰めた。

リュウの拳がゼルダに迫る。

 

 

 

ブリジットは慌てず、ファントムを設置して迎撃する。

 

 

 

小狼「苺鈴は攻めが単調になる時がある」

 

 

 

さくら「小狼くん、すごく真剣に見てるね」

 

 

 

小狼「……あいつが妙な景品にされているからな」

 

 

 

苺鈴「小狼! そこまで分かってるなら助けなさいよ!」

 

 

 

小狼「勝てばいい」

 

 

 

苺鈴「簡単に言うな!」

 

 

 

ブリジットのゼルダは粘った。

苺鈴が近づけば魔法で拒み、離れればファントムで圧力をかける。

 

 

 

ブリジット「苺鈴さんとのラブラブデートのため!」

 

 

 

苺鈴「ラブラブは付け足さない!」

 

 

 

ブリジット「いいえ、付け足します! ここは読み切りの章! 番外編! 多少の暴走は許されるはずですはいぃ!」

 

 

 

知世「その意気ですわ、ブリジットさん」

 

 

 

苺鈴「知世、撮影しながら煽らないで!」

 

 

 

試合は互角。

だが最後、苺鈴が一瞬の隙を突いた。

 

 

 

ゼルダがファントムを出そうとした瞬間、リュウが懐へ踏み込む。

昇龍拳。

 

 

 

ブリジット「ああああっ! 私のルートがぁぁぁ!」

 

 

 

勝者、苺鈴。

 

 

 

ブリジットは座布団に崩れ落ちた。

 

 

 

ブリジット「また……また報われないのですか……」

 

 

 

苺鈴「いや、だから勝手に報われようとしないで」

 

 

 

さくら「ブリジットさん、大丈夫ですか?」

 

 

 

ブリジット「大丈夫ではありません……ですが、苺鈴さんが強かったので、悔いは半分だけあります」

 

 

 

リコ「半分はあるのね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### 準決勝・ここね対エル

 

 

 

準決勝第二試合。

 

 

 

ここねのゼロスーツサムス。

エルのプリン。

 

 

 

ここね「エルちゃん。相手が小さくても、勝負は勝負。手加減しないわ」

 

 

 

成長エル「うん! がんばる!」

 

 

 

ソラ「エルちゃん、ファイトです!」

 

 

 

ましろ「ここねちゃんも強いから、気をつけて!」

 

 

 

あげは「どっちも応援しちゃうなー」

 

 

 

試合が始まった。

 

 

 

ここねは速かった。

ゼロスーツサムスがステージを駆け、プリンへと迫る。

 

 

 

ここね「まずは距離を詰める」

 

 

 

エルのプリンはふわり、ふわりと逃げる。

攻撃しているのか、避けているのかも曖昧な動き。

だが、ここねの攻撃がなかなか当たらない。

 

 

 

ここね「……読めない」

 

 

 

あまね「ここねが戸惑っている」

 

 

 

らん「エルちゃんの動き、なんか不思議味!」

 

 

 

ここねは集中を高めた。

相手が子供であろうと、勝負は勝負。

苺鈴との一日を勝ち取るため、ここで負けるわけにはいかない。

 

 

 

ここね「ここ」

 

 

 

ゼロスーツサムスの蹴りが、プリンを捉えた。

 

 

 

エル「あっ」

 

 

 

プリンが大きく吹き飛ぶ。

しかし、ふわふわと戻ってくる。

 

 

 

ツバサ「復帰力が高い……!」

 

 

 

ここね「なら、もう一度」

 

 

 

ここねは畳みかけようとした。

 

 

 

その瞬間。

 

 

 

エルのプリンが、何気なく近づいた。

そして、眠った。

 

 

 

ここね「え……?」

 

 

 

強烈な一撃が決まり、ゼロスーツサムスが画面外へ飛ばされた。

 

 

 

勝者、エル。

 

 

 

室内が一瞬、静まり返った。

 

 

 

ここね「……負けた」

 

 

 

成長エル「勝った!」

 

 

 

ソラ「エルちゃん! すごいです!」

 

 

 

ましろ「本当に決勝まで行っちゃった……!」

 

 

 

ここねは少しだけ呆然とした後、静かに微笑んだ。

 

 

 

ここね「完敗ね。苺鈴さんとの一日は惜しいけれど、今の一撃は見事だった」

 

 

 

苺鈴「ここね……」

 

 

 

ここね「でも、普通に遊びに行く約束は、また別にお願いしてもいい?」

 

 

 

苺鈴「……それなら、まあ」

 

 

 

ここね「ありがとう」

 

 

 

その一言に、なのはとことはとブリジットが反応した。

 

 

 

なのは「その手があった……!」

 

 

 

ことは「苺鈴! わたしも!」

 

 

 

ブリジット「私も通常ルートで申し込みますはいぃ!」

 

 

 

苺鈴「全員一斉に来ないで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### 決勝・苺鈴対エル

 

 

 

ついに決勝。

 

 

 

苺鈴のリュウ。

エルのプリン。

 

 

 

景品は、苺鈴との一日デート、または独り占めの権利。

 

 

 

つまり、苺鈴本人が勝てば、景品そのものが無効になる可能性が高い。

 

 

 

苺鈴「ここで勝てば、全部終わる……!」

 

 

 

小狼「負けるなよ」

 

 

 

さくら「苺鈴ちゃん、がんばって!」

 

 

 

ケルベロス「自分自身の自由を賭けた決勝戦やな!」

 

 

 

苺鈴「言い方!」

 

 

 

成長エル「苺鈴、勝負!」

 

 

 

苺鈴は深く息を吸った。

 

 

 

相手はエル。

好意だのルートだの、そういう意図はない。

ただ純粋に、ゲームを楽しんでいる。

 

 

 

だからこそ、読みにくい。

 

 

 

試合開始。

 

 

 

苺鈴は序盤から攻めた。

波動拳で牽制し、近づいたところを的確に殴る。

エルのプリンは軽く、吹き飛ばされやすい。

 

 

 

ソラ「エルちゃん、落ち着いて!」

 

 

 

ましろ「戻れるよ!」

 

 

 

ツバサ「上から戻ると読まれます!」

 

 

 

あげは「エルちゃん、ふわっといこ!」

 

 

 

エル「ふわっと!」

 

 

 

プリンはふわふわと復帰する。

苺鈴はそれを追い詰める。

 

 

 

苺鈴「逃がさない!」

 

 

 

リュウの拳が当たる。

プリンが飛ぶ。

だが落ちない。

 

 

 

ゆい「エルちゃん、すごい粘り!」

 

 

 

らん「ふわふわなのに、もちもち!」

 

 

 

あまね「食べ物の表現から離れなさい」

 

 

 

苺鈴は勝ちを急がなかった。

相手の動きを見て、確実に削る。

格闘家らしい冷静な操作だった。

 

 

 

なのは「苺鈴ちゃん、すごく集中してる」

 

 

 

フェイト「でも、エルもまだ何か狙っている」

 

 

 

その言葉通りだった。

 

 

 

エルのプリンは、何度も眠るを狙っていた。

苺鈴はそれを警戒し、近づきすぎないようにしている。

 

 

 

苺鈴「その手はもう見たわよ!」

 

 

 

成長エル「むー……」

 

 

 

苺鈴のリュウが最後の一撃を狙う。

プリンは崖際。

ここで決めれば、勝ち。

 

 

 

苺鈴「これで終わり!」

 

 

 

リュウが踏み込んだ。

 

 

 

その瞬間、エルのプリンが小さく跳ねた。

攻撃ではない。

逃げでもない。

ただ、ほんの少しだけ位置をずらした。

 

 

 

苺鈴の攻撃が空を切る。

 

 

 

苺鈴「しまっ……!」

 

 

 

プリンが、すぐ隣で眠った。

 

 

 

画面が揺れた。

 

 

 

リュウが勢いよく吹き飛ばされ、画面外へ消える。

 

 

 

勝者、エル。

 

 

 

一瞬の静寂。

 

 

 

そして――

 

 

 

ソラ「エルちゃんが勝ちましたぁぁぁ!」

 

 

 

ましろ「すごい! すごいよ、エルちゃん!」

 

 

 

あげは「優勝じゃーん!」

 

 

 

ツバサ「予測不能の勝利……!」

 

 

 

ゆい「おめでとう、エルちゃん!」

 

 

 

らん「これは大番狂わせ味だよー!」

 

 

 

知世「素晴らしい結末ですわ……!」

 

 

 

ケルベロス「まさかの赤ちゃん枠が優勝やと!?」

 

 

 

苺鈴はコントローラーを置き、がっくりとうなだれた。

 

 

 

苺鈴「……負けた」

 

 

 

エルはにこにこと笑いながら、苺鈴の方を向いた。

 

 

 

成長エル「苺鈴、あそぼ!」

 

 

 

苺鈴「……それだけ?」

 

 

 

成長エル「うん!」

 

 

 

苺鈴は目を瞬かせた。

そして、思わず小さく笑った。

 

 

 

苺鈴「そっか。なら、いいわよ」

 

 

 

なのは「……平和な景品の使い方だね」

 

 

 

ことは「うー、でも苺鈴と遊べるの、いいなぁ」

 

 

 

ここね「エルちゃんが勝者なら、納得するしかないわね」

 

 

 

ブリジット「くっ……ブリジットルートはまたしても遠のきましたが、赤ちゃん相手では文句も言えませんはいぃ……!」

 

 

 

さくら「よかった……のかな?」

 

 

 

小狼「少なくとも、一番問題の少ない結果だ」

 

 

 

知世「では、大会の締めくくりに皆さんで記念撮影をいたしましょう」

 

 

 

苺鈴「……今度から、景品を決める時は私の許可を取りなさいよ」

 

 

 

全員「はーい!」

 

 

 

苺鈴「本当に分かってるの!?」

 

 

 

その日、知世のカメラには、勝者のエルを中心に、悔しがる者、笑う者、まだ諦めていない者、そして少し疲れた顔の苺鈴が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

### 後日

 

 

 

大会から数日後。

 

 

 

公園のベンチ近くで、苺鈴は小さなエルと遊んでいた。

 

 

 

今のエルは、いつもの赤ちゃんの姿である。

 

 

 

エル「えるぅ!」

 

 

 

苺鈴「はいはい、こっちよ」

 

 

 

苺鈴が両手を広げると、エルは嬉しそうにとことこと歩いてくる。

途中で少しよろけると、苺鈴はすぐに手を伸ばして支えた。

 

 

 

苺鈴「危ない危ない。まったく、ゲームの時はあんなに強かったのにね」

 

 

 

エル「える!」

 

 

 

エルは意味が分かっているのかいないのか、得意そうに胸を張った。

 

 

 

苺鈴は苦笑する。

 

 

 

苺鈴「まあ、約束は約束だものね。今日はあんたの勝者特権ってことで、いっぱい遊んであげる」

 

 

 

エル「えるぅ!」

 

 

 

エルは苺鈴に抱きついた。

 

 

 

その小さな重みに、苺鈴の表情が柔らかくなる。

 

 

 

苺鈴「……こういう独り占めなら、悪くないかもね」

 

 

 

少し離れた場所では、ソラとましろとあげはが微笑ましそうに見守っていた。

 

 

 

ソラ「エルちゃん、嬉しそうです」

 

 

 

ましろ「苺鈴ちゃんも、なんだか優しい顔してるね」

 

 

 

あげは「これはこれで、優勝者らしい最高の景品って感じじゃない?」

 

 

 

ツバサ「平和で、よかったです」

 

 

 

その頃、少し遠くの木陰では――

 

 

 

ことは「次はわたしもゲーム練習する」

 

 

 

なのは「わたしも。次こそ勝つよ」

 

 

 

ここね「次回があるなら、対策を立てる必要があるわ」

 

 

 

ブリジット「次こそ……次こそブリジットルートを……!」

 

 

 

小狼「……またやる気なのか」

 

 

 

さくら「ほええ……」

 

 

 

知世「次回大会用の衣装も用意しませんと」

 

 

 

苺鈴は遠くから聞こえた不穏な声に、ぴくりと肩を震わせた。

 

 

 

苺鈴「……今、何か嫌な予感がしたんだけど」

 

 

 

エル「える?」

 

 

 

苺鈴はエルを抱き上げ、そっとため息をつく。

 

 

 

苺鈴「まあ、今日だけは考えないでおくわ」

 

 

 

春の風が、公園をやさしく通り抜ける。

大乱闘の熱気は過ぎ去り、そこにはただ、穏やかな午後があった。

 

 

 

ただし、苺鈴争奪戦が本当に終わったのかどうかは――

 

 

 

まだ、誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 




今回は、細かい箇所の修正は一切無しのお話なので、特定のキャラの名前の呼び方や語尾等が原作と違う箇所が多々ありますが、今回は気にしない方向でお願いします。



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