ブルーハーツ短編集   作:逸般ピーポー

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リンダリンダ

春。

それは、桜が芽吹く季節。

 

春。

それは、新しい旅立ちの季節。

 

春。

それはーーーーー。

 

 

 

ある日の日曜日。

うららかな春の日差しに恵まれ、今日も一日穏やかな天気。

久しぶりにゆっくりと前日に休養を取った僕は、羽を伸ばしに街へと足を運んだ。

やはり日曜日ともなるとどこも人でいっぱいで、駅前の百貨店などは溢れかえるような活気があった。

特に家族連れが多く、普段は閑散としている学用品や文房具のコーナーなどは、子どもから大人まで大にぎわいの様相を見せていた。

少子化や高齢化が進んでいるとはいっても、まだまだこの国も捨てたもんじゃないなと思わされる。

少し外れて衣料品やら軽食やら、パンやポップコーン、ドーナツやら食事処のある階へと赴けば、今度は家族連れ以外にも若いカップルたちが目に入る。

 

(…とは言っても、僕もまだ一応若い方なんだけどな)

 

そう、内面でだけ苦笑しながらのんびりと歩く。

自分自身、まだ三十路まで五年あるけど、なんて。

そうは思いつつも、結婚できるとは思っていなかった。

職場の先輩たちには、お前はまだ若いんだから、ほんと早めに動いておいた方がいいぞーーーーー。なんて言われる。

昔はほっといてくれと思った。

煩わしいとしか感じなかった。不愉快ですらあった。

 

だけど、お世話になった職場の先輩が結婚していることを知ったり(ちょっとショックだった)、仲の良かった同僚が結婚したりするのを見ていると、結婚できるならしてはみたいなあ、とは思うようになった。

 

昔の経験が、女と見れば厄ネタしか持ってこない不愉快な肉塊だとしか思っていなかったこの僕が、今みたいに考えられるようになるというのは、少しだけ面白い。

 

以前、自分は正しいと思っていて。

案外自分以外の正しさもあるのだと知った。

 

かつて、自分はあいつが嫌いだから関わらないようにしていて。

別に必要最低限なら関わっても大丈夫だと分かった。

 

これまで、間違っていると思った意見は否定してきて。

間違っている意見にも、取り入れられる良さがあると気付いた。

 

嫌なところばかり目につくから、この世界はクソだと呟いて。

良いところに目を向ければ、思っていたより良い人はたくさん居た。

 

合わないから、その人に嫌われていると思っていて。

体調が悪くなって病院へ行く時に、僕の持ち物をわざわざ持ってきてくれた中にその人がいたりした。

 

 

 

だからもしも、僕が自分から誰かのために一生懸命になれたなら。

きっとその人には、愛や優しさの暖かさを知っていてほしい。

 

きっとそれは、万人を救うことは出来ずとも。

どこかの誰かの笑顔に繋がることだから。

 

 

 

 

これまで何度も傷ついて、泣いたこともあったけど。

けして負けない、強い力を。

僕らはきっと、たった一つだけ持っている。




久方ぶりに閃きました。
やっぱりブルーハーツはいい…。
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