ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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復活のG

 

 

スーナが居なくなった孫家は暗く鎮まり帰っていた。しかし、いつまでも暗いままではいられなかった。スーナがあの世に行ってから数ヶ月後にチチが妊娠している事が発覚。スーナが予想していた悟飯に弟が出来ると言う予想が見事に的中したのだ。

それからはバタバタと慌ただしく時間が過ぎて行った。

 

チチの出産にクリリンと18号の結婚。そして……

 

 

「そうか……スーナは最後に笑って逝ったか」

「ああ……オラ達を守る為に……」

 

 

パオズ山の孫家。その家の外で焚き火を囲うのは悟空と元の姿に戻ったギニューだった。ギニューはブリーフ博士に作って貰った翻訳機で自身が只のカエルではなくスーナの父ギニューである事を告げ、ベジータやブルマの助力を得て、ドラゴンボールを集めてもらい願いで元の姿へと戻ったのだ。カエルがギニューである事を知ったベジータはカエルギニューを始末しようとしたがブルマから「桃香への義理もあるし、悪さをしない限りはギニューを倒すな!」と叱られ渋々従った。普段ならブルマの言い分に従わないベジータだが、スーナの死にベジータはベジータなりに思う事があったのだろう。

 

元の姿に戻ったギニューはブルマの案内で孫家へ訪れ、悟空やチチに頭を下げた。当初はギニューが悟空への復讐の為に来襲したかと思われたが違った。ギニューはカエルだった頃からスーナの事を見ていた。記憶を無くしている間のスーナは屈託の無い笑顔を見せる様になった。フリーザ軍時代には見せなかった顔である。ギニューはフリーザ軍の戦士としてではなく親としてスーナの面倒を見ていてくれた孫家に感謝を示したのだ。それに対して悟空もギニューに対して頭を下げた。己の不甲斐なさでスーナを死なせてしまった。その事が悟空の心に楔を打っていたがギニューは悟空を殴ると吠えた。

 

 

「仮にもスーナがもう1人の父親と呼んだのであればもっと堂々としろ。スーナはそんなことを望まない」

「オラは……父親失格だと思ったからよ……」

 

 

そんな事もあり、悟空とギニューは家ではなく外で話をしていた。産まれたばかりの悟天も居る事から家の中で長話をする事を避ける為と……姉を失った悟飯がまだ塞ぎ込んでいるからだった。スーナがあの世に行ってから既に一年が経過しているが姉の死は悟飯の心に深い傷を残していた。ピッコロやクリリンも励ましたり様子を見に来ていたがあまり良い状態とは言えないだろう。悟空も子育ての事や自身の不甲斐なさから修行に打ち込んだりしていて悟飯の事にまで気が回っていなかった。

それ故に今回のギニューの復活は孫家にも影響を与える事となる。

 

 

「しかし……不思議なものだな。我等は互いに敵として戦っていたのに今、俺達はスーナの父として、こうして膝を交えて話をしているのだからな」

「オラは父親らしく出来たかはわからねぇぞ……」

 

 

ギニューの発言に悟空は顔を俯かせる。そこでギニューは首を横に振った。

 

 

「スーナは人をよく見ている。そんなアイツが孫悟空お前を親として認めたのだから間違いは無い。俺は娘の見る目を信じる」

「そっか……お、焼けたぞ」

 

 

ギニューの言葉を嬉しく思いながら悟空は焚き火の周りに刺して熾火で焼いていた串焼きを手に取り、ギニューに渡す。

 

 

「桃香は……地獄での問題が片付いたらドラゴンボールで生き返らせる予定だけんどもよ……元々桃香はフリーザの後を追った感じだったからどうなるか、わからねぇぞ」

「死してまでフリーザ様にお仕えしようとするのは素晴らしい心意気だとは思うが……俺が後を追う訳にはいかんな。フリーザ様の事は敬愛しているが俺が地獄に行った所で出来る事は高が知れている。それにスーナもそれを望みはすまい。それにスーナが生き返る日が来ると言うのならば俺はそれを待つとしよう。スーナが第二の故郷と呼んだこの星の平和を願いながらな」

 

 

悟空の発言にギニューは串焼きを食べながら自身の思いを吐露する。今までのギニューであればフリーザの仇や戦士としての誇りで悟空達への復讐を考えたかも知れないがスーナへの想いからギニューは復讐や仇よりも地球の安寧を望んでいた。

孫家を後にする際にギニューは「貴様等は親子で過ごせるのだから、いつまでも沈んでいるな。貴様が姉と慕った者はそんな姿を望むのか?」と悟飯を奮い立たせる一言を残してカプセルコーポレーションへと戻って行った。

 

 

 

 

この日を境に地球の各都市で紫色の超人が人助けをしたり悪人の征伐をする姿が目撃される事となる。その超人は時折、仲の良さそうな親子を見ると寂しそうな笑みを浮かべていたと言う。

 




次回よりブウ編に突入します。
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