天下一武道会の当日。悟空達は大型スカイカーで武道会の会場である島に向かっていた。道中での話し合いで天下一武道会ではスーパーサイヤ人は禁止となった。テレビに映る事や会場に来ている者達にセルゲーム時の悟空達の正体がバレない為の処置である。ピッコロも所用があり,悟空の所を訪ねていた為に共にスカイカーに搭乗していた。
そしてスカイカーの中ではギニューが簀巻きにされ固定されていた。
「まったく桃香に会えるからって一晩中、踊ってれば倒れるわよね」
「フ、ハハハ……俺の情熱はこんな物では……」
ブルマが呆れた様に言うとギニューはピクリと反応する。数年ぶりに、それもマトモな体で会えるギニューはテンションが上がり過ぎて日に日に奇行が目立つ様になり、昨晩に至っては再会のダンスやスペシャルファイティングポーズの特訓をしたりと不眠不休で動き続けて明け方に動けなくなる事態となった。それでも踊ろうとするギニューをロープで縛って動けなくする事で落ち着かせて武道会場に連れて行く事となったのだ。
「しかし、今回の天下一武道会の参加メンバーを改めて考えると凄いよな。悟空、悟飯、ベジータ、ピッコロ、ギニュー、クリリン、それにあの世から帰ってくる桃香だろ?地球どころか宇宙一が決まるんじゃないか?」
「それを決めるんなら宇宙のどっかに居るフリーザの兄貴のクウラを呼ばなきゃなんねーぞ」
「それに桃香が言っていたらしいが過去に界王に封印されたと言うボージャックとやらも地球に来ているらしい。マトモに武道会が進めば良いがな」
ヤムチャの何気無い一言に悟空が最強の一角であるクウラの存在を思い出し、ピッコロがスーナがあの世から現世に戻ってくるもう一つの理由を口にした。嘗ては世間を騒がせ、この世を混沌に陥れようとしたピッコロ大魔王の生まれ変わりが世界を気遣うなど立場や生き様が変われば考え方も変わるのだと思い知らされる次第である。
そして武道会場に到着した一行はスーナを探すが姿は見えず、もう受付を済ませて控室に入ってしまったのだろうかと思っていると会場がワーッと湧き上がる。そちらに視線を移すとミスターサタンとビーデルが天下一武道会に到着したらしくファンやテレビのアナウンサーが集まってきているのだ。ミスターサタンは「絶対に優勝は俺だ!」と宣言しており、ビーデルは呆れ顔になっていた。
そんな最中、悟空達の背後にスタッと何かが着地する音が聞こえる。
「皆さん、やはり変わりましたね。七年も経過すると印象も変わるものですね」
その声は悟空達にとっては馴染み深く、そして誰よりも会いたかった者の声だった。
「皆さん、お元気でしたか?」
「と、桃香ちゃん……」
「桃香」
「姉さん……」
その場の全員が振り返り、その者の姿を確認する。そこには綺麗な黒髪をポニーテールにして黒のスーツを身に纏っているスーナが笑みを浮かべて立っていた。
「ね……姉さん!……ねぇさん……ううっ……」
「あらあら……すっかり背も追い越されちゃったと思いましたが……泣き虫さんは治りませんでしたか?」
グレートサイヤマンの姿をした悟飯が真っ先にスーナに駆け寄り、スーナを抱きしめた。変装しているとは言えどスーナは悟飯の変装を見抜いた上で悟飯を抱き返す。
今ではスーナよりも悟飯の方が背が高く体格も良いので抱きしめられれば、その体にスッポリと収まってしまう程である。姉弟の感動的な再会に打ち震える者も居れば……
「な、何よ……悟飯君が抱き締めてる、あの女の子は……」
事情を知らないビーデルは遠目に悟飯が見知らぬ女の子を抱きしめていると嫉妬の炎を燃やし……
「スゥゥゥゥナァァァァァァァッ!」
簀巻きにされ身動きの取れないギニューがスーナに駆け寄ろうとしたが動けずに芋虫の様になっていた。本来であるならばスーナが帰ってきた段階でロープを解く予定だったのだが皆がスーナ帰還の感動にすっかり忘れ去られていたりする。