ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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スーナ、フリーザ一族の話を聞く

 

 

 

「フリーザ様の……お父様とお兄様ですか?」

「ああ、コルド大王様とクウラ様だ」

 

 

スーナは事務仕事をする傍らでザーボンからフリーザの一族の話を聞いていた。

 

 

「コルド大王様とクウラ様はフリーザ軍の活動地域には滅多に姿を現さんが時折、フリーザ様にお会いになられる事がある。覚えておくんだな」

「なんでフリーザ軍の活動地域には姿を現さないんですか?」

 

 

ザーボンの教えにスーナは小首を傾げた。

 

 

「コルド大王様はフリーザ様とクウラ様に後を譲られたのだ。そしてより優れた者を宇宙の支配者とするとしてな。故にフリーザ様とクウラ様は常に対立されているのだ」

「な、仲がよろしくないんですね……」

 

 

対立するフリーザとクウラの兄弟にスーナは冷汗を流した。

 

 

「ああ……だが表立って争ってはいないだけで冷戦状態でな。スーナも今後、会うこともあるだろうから気を付けるんだな」

「あはは……肝に命じときます」

 

 

スーナはザーボンの忠告に、いつか出会うだろうコルド大王とクウラに身を震わせた。

 

 

「ついでを言うならフリーザ軍とクウラ軍も仲が悪いぞ。フリーザ軍は兵を常に増やしているがクウラ軍は徹底した少数精鋭でな」

「軍の方針も真逆なんですね」

 

 

ザーボンの説明にふむふむと頷くスーナ。

 

 

「そしてギニュー特戦隊とクウラ機甲戦隊でライバル同士だな」

「クウラ軍にもお父さん達みたいな人も居るんですね」

 

 

スーナはギニュー特戦隊同様にスペシャルファイティングポーズを決めているクウラ機甲戦隊を思い浮かべた。会った事は無いが、実はその想像が間違っていなかったりする。

 

 

「まあな……ん、んぅゴホン!兎に角だ……クウラ様やクウラ機甲戦隊と会う時は細心の注意を払え」

「はい、気を付けます。あ、飲み物持ってきますね」

 

 

ギニュー特戦隊とクウラ機甲戦隊のスペシャルファイティングポーズを同様に思い出していたザーボンは、咳払いをしてからスーナに注意を促し、スーナは頷いた後に飲み物を取りに部屋を出て行った。

 

 

「ふむ……スーナには話さなかったがクウラ様はご自身が認めた者は他勢力でもスカウトされる」

 

 

ザーボンは椅子に座ったまま思案顔になる。

 

 

「スーナの優秀さを考えるとスカウトされかねんな」

 

 

ザーボンはスーナがクウラにスカウトされる事を想像し、その未来が現実になりかねないと思っていた。

 

 

「お待たせしましたザーボンさん」

「ザーボン、スーナがいつも世話になっている様だな」

「……いや、気にしないで結構だ」

 

 

飲み物を取りに行ったスーナは何故か父であるギニューも共に帰ってきた。クウラ軍からスカウトされるだろうが、この親バカが簡単にスーナを手放す訳がないなとザーボンは思った。

 

 


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