ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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スーナ、戻るなり説教をする。

 

 

 

 

「おおーっ!待ってたぞスーナ!」

「ちょっ、バータさん!」

 

 

ギニュー特戦隊が居る部屋に足を踏み入れたスーナを出迎えたのはバータだった。バータはスーナを高い高いする様に抱き上げる。

 

 

「ギニュー隊長に聞いたぞ。一段と強くなったそうじゃないか」

「私にその実感は少ないんですよジースさん」

 

 

バータに抱き締められたままのスーナに話し掛けるジース。

 

 

「それよりもよぉ。スーナが戻ってきたんだ、ケーキでも食べようぜ。というわけだ作ってくれよスーナ」

「そうだな、お前が作れよスーナ」

「私の快気祝いなのに私が作るんですか?」

 

 

リクームとグルドはスーナが戻ってきた事を祝うつもりらしいが、その提案はスーナの負担を増やすだけのものだった。

 

 

「スーナも戻ってきたし我等、ギニュー特戦隊も通常になるな」

「……それなんですけどね」

 

 

何処か満足そうなギニューだがスーナは先程の書類を思い出して声のトーンを落とした。

 

 

「なんで私の居なかった半年間にこんなに書類が溜まってたのかな?」

「あ、いや……あのスーナ。いや、スーナさん?」

 

 

スーナから放たれるプレッシャーに抱き上げていたバータだがスッと下ろした。何気に敬語にもなっていた。

 

 

「とりあえず……皆、正座!」

 

 

スーナがビシッと床を指差しながら叫ぶ。その迫力にギニュー達は思わず正座した。

 

 

「さっきね……フリーザ様から直接溜まった書類の事を聞いたんです。不思議ですね、たった半年で未処理の書類が溜まるなんて」

 

 

スーナの言葉にダラダラと冷や汗を流すギニュー特戦隊一同。

 

 

「今後……私はフリーザ様にギニュー特戦隊のマネージャーと人事を任されるから言っておきますけど今後は許しませんからね」

「わかった。わかったから落ち着こうかスーナ」

 

 

ゴゴゴと威圧感のある態度でギニュー特戦隊に説教をするスーナ。その光景を見た一般兵士達は改めてスーナの恐ろしさを感じていた。

 

 

「大体フリーザ様相手に書類を溜め込むなんて何考えてるんですか!ザーボンさんやドドリアさんにも迷惑かけて!」

 

 

ガミガミと叱る、その姿は既にフリーザ軍の幹部の貫禄を出していた。因みに説教は様子を見に来たフリーザが来るまで続き、その様子を見たフリーザは実に満足そうだった。

 

 

 

 

 

◆◇因みにその頃◆◇

 

 

 

「ん?」

「どうしたナッパ?」

 

 

偶々フリーザ軍の星へ来ていたベジータとナッパ。突如ナッパが立ち止まり、ある方向を見始めベジータはナッパを見上げながら質問する。

 

 

「いや……スーナもこの星に来てるから後で会おうかと思ってスカウターをセットしてたんだが奴の戦闘力が1250まで上がってやがる」

「ほう……半年で随分と腕を上げたもんだ」

 

 

ナッパのスカウターに表示されたスーナの戦闘力は1250。スーナは怒りにより更に戦闘力を上げていた。

 

 

「そう言えばラディッツの戦闘力はいくつだった?」

「………この間、計測した時は1300だったな」

 

 

ベジータは生き残った僅かなサイヤ人の一人であるラディッツを思い出す。ナッパは少し前に計測したラディッツの戦闘力を思い出し苦い顔をした。

 

 

「近い内にスーナに戦闘力を追い越されるなラディッツは」

「弱虫ラディッツらしいじゃねぇか。むしろ、その事を教えてやればトレーニングにも身が入るんじゃねーか」

 

 

ラディッツの事は思い出したけど、どうでもいいとベジータとナッパは会話を打ち切った。

 


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