スーナがフリーザから人事とギニュー特戦隊のマネージャーを任されてから数日。まず最初にスーナは溜まりに溜まった書類の処理をしていた。
部屋を埋め尽くさんばかりの未処理の書類を確認作業込みで数日で終わらせられたのは、スーナの手腕とザーボンや事務仕事が得意な者が数名手伝ったからだろう。
「ふ……あああぁぁぁぁぁぁっ……」
「随分、大きな欠伸だなスーナ。まあ、気持ちは分かるが」
スーナの眠そうな顔を見ながらザーボンは呆れた様な感心した様な表情を浮かべた。なぜなら、ザーボンも書類仕事を手伝ったがそれは数割程度のもので、全体量を考えればスーナが何日徹夜したか推して知るべしである。
「ごめんなさい、ザーボンさん」
「いや、むしろ休めと言いたいんだがな。明日からの任務もあるんだろう?」
スーナの発言に、やれやれと溜め息を吐くザーボン。
「そうもいきません。明日はフリーザ様とギニュー特戦隊の視察に行かなければならないので」
「ああ……惑星ブロッサムだったか」
スーナの言葉にザーボンは納得した。フリーザとギニュー特戦隊が向かう惑星ブロッサムとは、サクラと呼ばれる美しい花が咲く惑星で他の惑星からその花を見に来る者もいる程である。
その星は今まで銀河パトロールが管理していた惑星だが、その花の美しさを気に入り、惑星そのものが欲しくなったフリーザは銀河パトロールを排除して、その惑星を手に入れようと考えたのだ。だが下級兵士や中級兵士では、銀河パトロールを排除する際にサクラの花まで傷つけてしまうかもしれない。故にフリーザは側近のザーボンとドドリア。そしてギニュー特戦隊の少数で侵略しようと考えたのだ。
スーナはそれに同伴しフリーザ監視の下、査察をする事になったのだ。
◆◇惑星ブロッサム◆◇
「うおりゃあ!」
「バカ、バータ!エネルギー波なんか撃ったら星が傷つくだろ!」
バータの放ったエネルギー波が銀河パトロールもろとも地面を抉る。それを見たジースが叫んだ。
「気を付けろ馬鹿者!この惑星はフリーザ様の物になるのだぞ!」
「でも隊長、面倒くさいッスよ。星を傷つけない様に戦うのとか」
「確かに手加減とか俺達向きじゃねーよな」
ギニューの叱咤にバータが頭を掻きながらボヤき、リクームが同意した。
「そんな事を言わずに頑張って下さい。フリーザ様は幹部の皆さんやギニュー特戦隊の力を認めた上で、この任務を任せているんですから」
そんなバータにフワリとスーナが飛びながら近付く。スーナは惑星ブロッサムに降り立った時から各所を見て回っていた。
「お前も来るのかスーナ?」
「勿論ですよ。それに現場を見るのは大切な事です」
ジースの疑問にスーナはメモ帳に何かを書き加えながら答えた。
「ボーナス査定の参考にもなりますし」
「あああ……マイナスの棒が……」
メモ帳を上から覗き見たバータは書き加えられていく評価に声を震わせていた。