「戦闘力4000!?」
「まさか、スーナの戦闘力がそんなに上がっているとは……」
スーナは自分自身の戦闘力を改めて計測していなかった為に驚き、ギニューは愛娘の成長に驚きつつも喜んでいた。
「スーナの戦闘力向上は喜ばしい結果ですね。それはさておき……ギニュー特戦隊はベジータさんを半殺しにして私のところに連れてきなさい」
「は、畏まりました。ベジータと共にいる二人組は如何いたしましょう?高い戦闘力の持ち主の様ですが」
フリーザの発言にギニューはベジータ以外の二人の事をどうするか問う。
「二人……ああ、以前ドラゴンボール探しを邪魔しに来た連中ですね。大した戦闘力の持ち主ではないようですし殺してしまいなさい」
「は、畏まりました!」
フリーザは少し思案するが、自分になんの得もないと考えると切り捨てる考えをする。
「お待ち下さいフリーザ様。ベジータ王子と共にいる以上、彼等も何か有力な情報を持っているかもしれません」
「ふむ……なるほど、スーナの言うとおりかもしれませんね」
スーナの発言に、フリーザは失敗続きのナメック星での事を考えると、スーナの意見も聞くべきかと考え始めていた。
「ふ……戦闘力の成長は見えたが戦士としては成長していないなスーナ。フリーザ様のお考えに逆らうなんて、これではギニュー特戦隊のマネージャーは務まらんぞ」
ジースがドヤ顔でスーナの甘さを指摘すると、スーナはスッと顔を上げた。
「ジースさん……以前の任務の前に貸した四万キャッシュ。返してもらえませんか?」
「流石はスーナだな。サイヤ人でありながら、その優しさを持つとは素晴らしい考えだ。奴等も有力な情報を持っているかも知れないという慧眼はフリーザ様に匹敵する」
スーナの一言にジースはスーナに媚を売り始めた。戦闘力の差はあれど立場的には弱いギニュー特戦隊である。
「おふざけもそのくらいにしなさい。確かにスーナの言うとおりかもしれませんね。ならば、その二人も半殺しにして連れてきなさい。ただし抵抗したら殺してしまいなさい」
「は、ではその通りに致します」
『殺す』から『半殺し』になったのはフリーザがスーナの意見を聞き入れたからであるが、自身に反発する者を許さないのがフリーザだ。抵抗したら殺すのは変わらない事だった。
「では、行くぞ貴様等!ギニュー!」
「「「「ファイトォォォォォッ!!」」」」
ギニュー特戦隊はスペシャルファイティングポーズとは別のポーズを取りながら、体育会系の学生のように声を張ると次々に飛び立っていく。
「貴女も一緒に行きなさいスーナ。貴女がベジータ達を尋問すれば有力な情報を引き出せるでしょう」
「はい、承知しましたフリーザさ……きゃあっ!?」
「ようし、一緒に行くぞスーナ!」
飛び立つ寸前に話を聞いていたバータはスーナを背後から抱き締めると、そのまま飛び立っていった。
「頼みましたよギニューさん、スーナ」
フリーザはギニュー特戦隊のノリにタラリと汗を流しながら、ギニュー特戦隊を御せるのはスーナだけだと再認識していた。
「それはそうと……スーナに抱きつくとは……バータさんには後でオシオキですね……」
フリーザはギニュー特戦隊とスーナが飛んでいった方角を眺めながら呟いた。