ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

44 / 118
崩壊するナメック星・崩壊するスーナの……

 

 

 

「このフリーザを不老不死にしろー!!」

 

 

フリーザは限界まで張り上げた声でドラゴンボールによって呼び出された願いを叶える龍『ポルンガ』に叫ぶ。

既にドラゴンボールが効力を失ったと聞いたフリーザはそれを切っ掛けにベジータ達との戦闘を開始した。しかし、どういう事かは分からないがドラゴンボールの効力は再び発揮されていたのだとフリーザは確信し、願いを叶えようと必死になっていた……なっていたのだが、ポルンガの口からはフリーザの望み以外の言葉が出てきた。フリーザは気付くのが遅れた。ポルンガを呼び出しているドラゴンボールの近くにナメック星人の子供『デンデ』が居た事に。デンデが何かを叫ぶとポルンガは頷いた。

 

 

『良かろう……このナメック星に居る孫悟空とフリーザ以外の者を地球へと送る』

「なっ!?」

 

 

自身の望んだ願いは叶えられず、ドラゴンボールは空に浮き、何処かへと飛んでいってしまった。呆然とするフリーザの背後で悟空は安堵の声を出す。

 

 

「お前の願いは叶わなかったな」

「あのガキは俺が殺した筈だ……何故生きている!それに何故俺の願いが叶わなかった!」

 

 

フリーザは苛立ちを隠せずに叫ぶ。

 

 

「あのナメック星人の子供が生き返ったのは地球のドラゴンボールの力だ。そしてこの星のドラゴンボールはこの星の言葉で喋らないと意味がないらしい……焦ったぜ」

「お、おのれ……」

 

 

悟空からの説明にギリッと歯軋りをさせるフリーザ。

 

 

「星が縮み始めた……おそらく爆発まで後僅かだろう。俺に殺されるのが先か、星の爆発が先か……どちらにしても、宇宙空間で生存できない貴様には死しかない……」

「かもな……」

 

 

 

自身の言葉を聞いても、焦り一つ見せない悟空に、フリーザは一つの答えに辿り着く。忘れた訳ではないがサイヤ人は戦闘民族なのだ。目の前の伝説の戦士とて、それは例外ではない。

 

 

「死を覚悟してまで、どうやらこのフリーザと決着をつけたいらしいな!」

「………ふ」

 

 

フリーザの言葉に肯定の意を返す様に、不敵な笑みを向ける悟空。そして、ゆっくりと地上へ降りていく。その光景を見て、フリーザも愉快そうに笑みを浮かべた。

 

 

「肉弾戦か……そこまでとことん決めたいか、いいだろう」

 

 

悟空同様、地上へ降り立つフリーザ。星が崩れ落ちる中見つめ合う両者。最期の戦いが今始まろうとしていたが、その前に悟空が口を開く。

 

 

「さっき貴様が部下の命を惜しんだ事は意外だった。幾つもの星を壊して、人を殺しておいて、貴様は腹心の部下を失ったと叫んだな」

「あの親子は特別だよ。ギニュー隊長はその強さを、娘のスーナは頭脳を。甘さはあるが、彼女の知謀は僕をも上回っていたかも知れないからね。彼女の存在は価値の無い貴様の仲間のゴミ共の命やその辺の惑星なんかよりも遥かにあったよ」

 

 

 

その言葉を聞いて悟空は更に怒りを燃やす。

 

 

「貴様にも慈悲が僅かにあったかと思ったが……やはり貴様は許せない」

「それは……こっちのセリフだ!」

 

 

その言葉を皮切りに悟空とフリーザの最後の戦いが勃発した。

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

一方その頃、地球ではポルンガの願いで生き返ったナメック星人や悟飯、ピッコロ、ベジータ、ブルマが三つ目の願いで地球へと瞬間移動されていた。

 

 

「さ、最長老様……此所は?」

「どうやら地球と言う星に来たらしいですね……ゴホッゴホッ」

 

 

崩壊していくナメック星からの脱出が叶ったナメック星人は嬉しさ半分、困惑半分といった様子だった。最長老がナメック星人達に何が起きたかを説明している最中、事件は起きる。

 

 

「あ、ねえちょっと!大丈夫なの!?」

 

 

何かに気付いたブルマが声を上げ、地面に転がっていた人物に声をかける。声を掛けられた人物は重傷だった上に意識もなく返事も出来ない状態だった。

 

 

「あ、この人……!」

「なっ……生きていたのか!?」

「………誰だ?」

 

 

ブルマの声に気付いた悟飯、ベジータ、ピッコロがブルマの傍で倒れている人物に視線を移した。それを見た悟飯達は三者三様のリアクションをする。

そこに倒れていたのはフリーザの宇宙船で辛うじて生きていたスーナだったのだ。

 

 

「悟飯君、知り合いなの?見た感じナメック星人じゃなさそうだけど……」

「この人、フリーザ軍の幹部……でしたよね?」

「ああ、俺が殺した筈だが……あの時、兵士共が庇いやがったからギリギリ死ななかったらしいな」

 

 

ブルマの問いに悟飯がチラリとベジータを見ながら確認する。ベジータは殺したと思っていたスーナが生きている事を不思議に思っていたが、エネルギー波を放つ直前に兵士達はスーナを庇った。諸共に始末したつもりだったが、ギリギリ生きていたスーナは死にかけだった事もあり、その僅かな気を悟飯やベジータ達にも感知されなかったらしい。

 

 

「ちっ……手間が増えやがったな」

「や、止めてくださいベジータさん!」

 

 

ベジータがスーナにトドメを刺そうと一歩踏み出した段階で悟飯がそれを阻んだ。

 

 

「コイツはフリーザ軍の幹部だ!ギニュー特戦隊のマネージャーであるのを貴様も見ただろう、忘れたか!?」

「そ、それでも……無抵抗の人を……まして怪我人を痛め付けるのは見過ごせません!」

 

 

ベジータが用心の為にスーナを殺そうとしているのを悟飯が食い止める。騒ぎに最長老の話を聞いていたナメック星人達もざわつき始めていた。

 

 

「デンデや……その娘さんを治してあげなさい」

「ええっ!?でも最長老様……」

 

 

そんな中、騒動を見ていた最長老がデンデにスーナを治すようにと指示を出す。

 

 

「彼女から悪しき心は感じられません……それに少々気にかかる事があります」

「わ、わかりました」

 

 

最長老の願いにデンデはスーナの傷を治す。そして傷が癒えたスーナの閉じていた瞳が開き始める。傷を治した事で意識を取り戻した様だ。

 

 

「此所は……?」

「此所は地球だ。ナメック星からドラゴンボールの願いでこの惑星まで飛ばされたそうだ」

 

 

この面子の中で唯一、スーナの事をちゃんと知っているベジータが率先して答えた。するとスーナは考える様な仕草を見せた後……口を開く。

 

 

「あの……私は誰なんでしょうか?あなた方は私をご存じなんですか?」

 

 

スーナの発した言葉に、その場に居た全員が凍り付いた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。