ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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帰らぬ悟空・桃香の日常・フリーザ様の地球訪問

 

 

 

 

桃香やナメック星人達が地球に来てから130日後、ナメック星のドラゴンボールが使用可能になり、悟空、クリリンを生き返らせる日がやって来た。

悟空が生き返る事にチチ、悟飯が向かうので桃香もカプセルコーポレーションに顔を出していた。

 

ナメック星のドラゴンボールは願いが三つ叶うので、一つ目の願いで悟空とクリリンの魂を地球に呼び寄せる。二つ目の願いで悟空を、三つ目の願いでクリリンを生き返らせる。この予定だったのだが、一つ目の願いを叶えた段階で予定が狂った。悟空とクリリンの魂を呼び寄せる予定だったのだが、クリリンの魂は呼べたが悟空の魂は呼べないと言う。生きた者の魂を呼び寄せる事は出来ないとポルンガは告げる。つまり悟空はナメック星でフリーザと共に死亡した訳ではないと言う事だ。

どうやってナメック星から脱出したのかと疑問が湧き出たが一先ず置いておき、二つ目の願いでクリリンを生き返らせ、三つ目の願いで悟空を地球に呼び寄せようとしたが、悟空はポルンガに『その内、自分で帰る』と断ったのだ。

その事にチチが一瞬だが淋しそうな顔をしているのを桃香は見逃さなかった。

 

悟飯がクリリンと再会し、喜んでる最中。桃香はチチを気遣っていた。

 

 

「お母さん、大丈夫ですか?」

「ああ……大丈夫だ。悟空さが気儘に生きてるのは、いつもの事だべ」

 

 

桃香がチチに寄り添うとチチは力無く笑った。悟飯や他の皆の前では気丈に振る舞っていたが少なからずショックだった様だ。

 

 

「おい、悟飯……あの娘、確かスーナってフリーザ軍の幹部だろ?なんで地球に居るんだ?それにチチさんをお母さんって……」

「その辺りは後でちゃんと話します。スーナさん……今は姉さんとして僕の家に……」

 

 

その光景を見ていた悟飯とクリリンは桃香が孫家に居る経由を桃香に聞かれないように説明をしていた。

その後、三つ目の願いでヤムチャが生き返った。

 

その際、カプセルコーポレーションにベジータが居る事で一悶着あったが、ヤムチャにベジータがどうこう出来るわけないので納得せざるを得なかった。

 

更に130日後、天津飯とチャオズが生き返り、ナメック星人達は別の惑星へと移住していった。

 

更に一年が過ぎた……しかし、悟空は未だに地球には帰って来ていなかった。桃香はカプセルコーポレーションに出向き、ブルマの仕事をサポートしながら相変わらず、株で儲けていた。

 

 

「桃香ちゃん、お仕事頑張ってるだな」

「仕事と言ってもブルマさんのお手伝い程度ですよ」

 

 

チチが煎れてくれたお茶を飲みながら桃香は謙虚な言葉を出すが、記憶は失っていても頭の回転の早さは変わらず、ブルマの研究に大いに貢献していた。

 

 

「それに……カプセルコーポレーションに居るカエルが懐いていますから、つい行ってしまうんですよ」

「ああ、あのカエルだべか。妙に桃香ちゃんにくっついてただな」

 

 

チチが思い出したのはカプセルコーポレーションの温室で飼われている見た事がないカエルだった。以前、桃香と共にカプセルコーポレーションに行った際に妙に桃香に付いて回っていたカエル。桃香がブルマの仕事を手伝っている時も、お茶している時も、桃香に寄り添うように側に居た。あんなにもカエルに好かれるとは不思議なものだ、とチチは思っていたが実はこのカエルこそ悟空と戦っていたギニューであり、悟空の機転でギニューがボディチェンジを使用した際に投げ込んだナメック星のカエルだった。

ナメック星で『孫悟空とフリーザ除く全ての者を地球に飛ばしてほしい』の願いでカエルとなったギニューも地球へ来ていたのだ。

 

 

「カエルでも慕われるのは嫌ではありませんよ」

 

 

もっとも桃香は記憶を無くしている上に、仮に戻ったとしてもナメック星で死亡したと思われているのでスーナだったとしても気付けた可能性は低いだろう。等と話をしていた最中だった。

 

悟飯がバタバタと自分の部屋からリビングを駆け抜けて玄関へと向かって行ったのだ。しかもナメック星で着ていたフリーザ軍の戦闘服を身に纏ってだ。その戦闘服はスーナとしての記憶を呼び覚ます切っ掛けになるかも知れないからとベジータから着ないように言われていたのだが、悟飯は緊急事態だったので、それを身に纏い飛び立って行ってしまったのだ。

 

 

「なんなんだ!?悟飯ちゃんが行ってしまっただ!?」

「さっき、クリリンさんから電話があったみたいですけど……あんなに慌てていたという事は何かあったんでしょうか……っ痛」

 

 

チチは悟飯が何も告げずに飛び立って行った事に驚き、桃香は冷静に何があったかを考えていたが悟飯が着ていた戦闘服を見てズキリと頭が痛んだ。この痛みは以前、自分が掛けていたひび割れたメガネを見ると起きていた頭痛と同じ痛みだったと桃香は思う。

 

 

「兎に角……後を追いましょう。お母さんは飛べないから私が抱えていきます」

「んだな……もしかしたら悟空さが帰ってきたのかもしれないだ」

 

 

頭痛はするが今は悟飯が心配だからと桃香はチチを抱えて空を飛び、悟飯の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ナメック星で悟空に倒されたと思われていたフリーザは生きていた。半死半生状態だったが体に機械を埋め込み、メカフリーザとして蘇り、悟空に復讐すべく地球が目視で確認出来るほどの距離に宇宙船で来ていた。

 

 

「あれが地球だよ、パパ」

「ふん……小さな星だな。一発で消してしまえば良かろう」

 

 

その宇宙船の窓から地球を眺めているのはフリーザとフリーザの父であるコルド大王だった。

 

 

「それじゃ僕の気が納まらないよ……それとパパ、話は真面目に聞いてほしいかな」

 

 

コルド大王はフリーザの後ろで椅子に座り、手には競馬新聞が握られ、片耳にはイヤホンが付けられていた。

 

 


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