ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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もう一人のスーパーサイヤ人VSサイボーグフリーザ

 

 

 

 

コルド大王のケンタウロスホイミ推し発言の後、地球を滅ぼすと告げたフリーザに紫髪の青年は笑う。すると紫髪の青年は突如、髪の色が紫から金髪に変貌し逆立ち、瞳も緑へと変わっていた。

 

 

「終わりだ、フリーザ!」

「ほう……これがスーパーサイヤ人か」

「あの目……あの目だ……」

「フリーザ様?」

 

 

叫びながら睨む青年にコルド大王は興味深そうに眺め、フリーザは何処か怯えた様な表情になっていた。その様子にスーナは疑問を感じた。フリーザは常日頃、帝王としての態度を崩さない。そのフリーザが怯えと焦りを帯びた表情をしているのだ。見たこともないフリーザの表情にスーナは戸惑いを感じる。

 

 

「くたばるのは……貴様だ!」

「え、フリーザさ……きゃあっ!?」

 

 

フリーザは青年にエネルギー波を放ち、直撃を受けた青年の周囲に爆発が起きる。その余波でスーナは吹き飛ばされ悲鳴を上げた。

 

 

 

「やりすぎるなよ、フリーザ。星を破壊しては元も子もないぞ」

「手加減はしたさ。大丈夫だったかい、スーナ?」

「は、はい……っ!?フリーザ様!」

 

 

 

吹き飛ばされ尻餅を突いたスーナは立ち上がる最中、信じられない物を見た。先程の青年はフリーザのエネルギー波の直撃を浴びたにも関わらず、悠然とそこに立っているのだから。

 

 

「な、貴様……」

「愚かなりフリーザ。やはり、お前の奢り高ぶりが、その強さを鈍らせていたな。勝負と言うのは一気に決めてしまうものだ」

 

 

その光景にフリーザもスーナ同様に信じられなかった。自身のエネルギー波をマトモに浴びて死ななかったのは、孫悟空のみ。それを地球に居たサイヤ人が事なげもなく耐えたのだから。

 

 

「ならば、一気に勝負を決めてやろう!」

「フリーザ、この星もろともに消してしまう気か?」

「フリーザ様!?」

 

 

フリーザは怒りが頂点に達したのか上空に飛び上がると指先にエネルギーを集中させ、巨大な球体状の破壊を秘めた技『スーパーノヴァ』を形成する。流石のフリーザもこの技を使うには時間がかかるのか数秒のチャージの後に技を完成させた。

 

 

「孫悟空は宇宙で倒せばいい!」

「お止めください、フリーザ様!」

 

 

フリーザがスーパーノヴァを放つと同時にスーナは叫んでいた。地球で一年も過ごした日々はスーナにはかけ換えのない物となっていて記憶が戻ったとしても大切な事に違いはない。それをフリーザは消してしまおうとしている。家族として共に過ごしたチチや悟飯が死んでしまうとスーナは焦燥に刈られるが、既にスーパーノヴァは放たれてしまった。もうスーナにはどうする事も出来ない。スーパーノヴァが地球に着弾し、砂埃が舞い上がるとフリーザとコルド大王は乗ってきた宇宙船に乗り込もうとする。

 

 

「星が爆発する、行くぞフリーザ」

「そうだね、パパ。さ、待たせたね行こうかスーナ」

 

 

コルド大王は星が爆発する前に地球から離脱しようと急ぎ、フリーザはにこやかにスーナを向かえようと手を差し伸べた。その瞬間だった。地球の中心へと押し進んでいたスーパーノヴァが押し戻され始めたのだ。

 

 

「な、なんだ!?」

「ま、まさか……」

「フリーザ様のスーパーノヴァを……担いでる……」

「この程度か?」

 

 

コルド大王とフリーザの困惑した発言にスーナは開いた口が閉じなくなっていた。青年はフリーザの放ったスーパーノヴァを持ち上げ歩いてきたのだ。しかも青年は余裕そうに笑みすら浮かべている。

 

 

「ちぃ……そのまま死ね!」

 

 

フリーザは青年が担いでいるスーパーノヴァに指先からエネルギー波を放ち、スーパーノヴァを破壊し、その爆発に青年を巻き込んだ。再び、その爆発の余波で吹き飛ばされそうになったスーナをフリーザが手を掴み、飛ばされるのを防いだ。

 

 

「やったな、フリーザ!所詮、我が一族に敵は無いのだ!」

「これでスーパーサイヤ人が一人、消えたね。良い運動になったよ、パパ。スーナ、また僕の片腕として、働いてくれるね?」

「フリーザ様……私は……」

 

 

スーパーサイヤ人の青年を倒したとしてコルド大王は喜び、フリーザは再び、スーナに会えた事を喜んでいた。対するスーナの表情は曇っていた。スーナは一年という時間を地球で過ごしていた。その日々はフリーザ軍で働いていた頃には得られなかった時間であり、フリーザと共に行くという事はその日々を手放す事であり、フリーザは地球を破壊するつもりである。それはチチや悟飯を殺されてしまうという事だ。

その行為を止めて欲しいとスーナが願ってもフリーザは聞き入れないだろう。どうしようとスーナが悩んでいた時だった。

 

 

「フリーザ!」

「な、何!?」

 

 

突如、先程の攻撃で倒した筈の青年が離れた崖の上から此方を狙ったエネルギー波を放ったのだ。倒したと思っていた青年が生きていた上に不意討ちをしたとあって、フリーザは驚愕する。放たれたエネルギー波を避けたフリーザとコルド大王。スーナはフリーザが抱き上げていた。

 

 

「この程度で、俺が殺られるか……なっ!?」

「ハァァァァァァァッ!」

 

 

フリーザは再び、驚愕した。先程の青年がエネルギー波を放った後に一瞬で間合いを詰めて、目の前に迫ってきていた。

 

 

「チィ……離れてろ、スーナ」

「フ、フリーザ様!?」

 

 

危険を感じたフリーザはスーナを突き飛ばすように離した。その直後、青年の剣がフリーザを縦に切り裂いた。

 

 

「か……あ、が………」

「ハァァァァァァァッ!ハッ!」

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

フリーザを縦に切り裂いた青年は更にフリーザを細かく切り刻むと最後にエネルギー波で、その細かくした体を消し飛ばした。その光景を目の前で見せ付けられたスーナは悲鳴を上げた。

 

スーナは気を失いそうになり、なんとか意識を保ち地面に着地したが膝から崩れ落ちた。

 

 

「中々やるな。フリーザを倒すとは予想外だぞスーパーサイヤ人。どうだ、フリーザの代わりに我が子にならんか?フリーザを倒したお前こそ、最強の我が一族に相応しい」

「………興味がない」

 

 

コルド大王は青年をスカウトするが、青年は興味ないと返答する。実際に青年の視線は、膝から崩れ落ち絶望した表情で目が虚ろになっているスーナに注がれているのだから。

 

 

「そうか……残念だ。所で、その剣……フリーザの体を切り裂くとは良い剣の様だな。見せてはくれんか?」

「…………」

 

 

コルド大王の発言に青年は漸く、コルド大王と向き合い、無言で剣を投げ渡した。

 

 

「良い剣だ………良く磨き込んである。貴様がフリーザに勝てたのはこの剣のお陰だとは思わないか?」

「何が言いたいんだ?」

 

 

投げ渡された剣を受け取り、眺めていたコルド大王なニヤリと笑みを浮かべた。青年は下らない物を見るような目でコルド大王に問い掛ける。

 

 

「なぁに……簡単な事だ。つまり、この剣が無ければ貴様はワシに勝てんのだ!」

「そうでもないみたいだぜ?」

 

 

コルド大王は握った剣で青年を切り裂こうとするが、振り下ろされた剣を青年は事なきもなく片手で受け止めた。

 

 

「な、バカな……ま、待て……グオァァァァァァッ!?」

 

 

剣を受け止めた青年はコルド大王の胸に手を添える。何をされるか察したコルド大王は青年を止めようとするが無慈悲にも青年の手からエネルギー波が放たれ、コルド大王の胸を貫く。胸をエネルギー波で貫かれたコルド大王は大岩に体を打ち付けられ、動けなくなった。コルド大王が顔を上げるとそこには冷たい目で此方を見下ろすスーパーサイヤ人の瞳と目が合った。

 

 

「た、助けてくれ……お前に当たった万馬券を……いや、星をやろう!いや、この銀河の系の惑星全てを……ギャァァァァァァァァァァッ!!」

 

 

命乞いをするコルド大王に青年はエネルギー波を浴びせてトドメを刺した。青年は更にフリーザが乗ってきた宇宙船を破壊するとスーナに視線を向ける。

 

 

「未来を変える為とは云えど……貴女にとても辛い思いをさせてしまいました。スミマセン、桃香さん」

 

 

青年はスーナの事を知っている様な口振りで謝罪をした。

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