ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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絶望の未来から

 

 

 

 

「桃香さんは未来で悟飯さんや俺の師匠の様な存在でした。未来でも桃香さんは悟空さんの家に家族として居たと聞いています。フリーザを倒したアナタを一時期恨んでいたと聞いていましたが、関係改善はされていたと……そして悟空さんが心臓病でこの世を去った後、人造人間が現れ、ピッコロさん達が死んだ後、桃香さんが悟飯さんを支えていました。戦闘力では劣るけど年上で悟飯さんを叱咤する役割をピッコロさんから受け継いだと悟飯さんから聞かされました」

「そうか……オラやピッコロ達が死んで悟飯が師事する人間がいなくなったんか」

 

 

トランクスの説明に悟空は何処か納得する。悟飯はキレた時は凄まじいパワーを発揮するが普段は心優しく穏やかな人格だ。それを修正するかの様にピッコロやベジータの様な厳しい人間が悟飯を叱る事があったが、未来においてはスーナがその役割を担っていたらしい。

 

 

「俺の母さんやチチさんでは悟飯さんに甘くなってしまった様です。特にチチさんは悟空さんがこの世を去ってから茫然自失となって、より悟飯さんに対して過保護になってしまったと聞いています。それで誰も悟飯さんを叱咤する事がなくなったから自分が怒らねばならないと……その流れで俺も叱られてましたけど」

 

 

ハハッと苦笑いで頬を掻くトランクス。スパルタではあったがスーナの存在は悟飯やトランクスにはかけ換えのない存在だったのだろう。

 

 

「ですが桃香さんは悟飯さんを人造人間の攻撃から庇って……亡くなりました……それで悟飯さんはスーパーサイヤ人に覚醒したと言っていました。俺は、その時はまだ悟飯さんと一緒には戦えなかったので……」

「オラがスーパーサイヤ人に目覚めた時と同じ感じだったちゅーことか」

 

 

スーパーサイヤ人への覚醒の切っ掛けは『怒り』。

悟空はクリリンをフリーザに殺された事でスーパーサイヤ人に目覚めたが、未来で悟飯はスーナを殺された事を切っ掛けに目覚めたらしい。

 

 

「桃香さんはスーパーサイヤ人にはなれなかったんですが、素での戦闘力の高さと日常での事で俺達に色々なことを教えてくれました。特に家事の事に関しては鬼姑と呼べる位に……」

 

 

これは悟空もトランクスも知らない事だがスーナは元々、身内に対して容赦ない部分がある。長年においてギニュー特戦隊の面倒を見ていたスーナの下地は、身内に容赦しないスタイルで言いたいことはハッキリと言うし、時には体罰すら与えていたのだ。それが地球に来てから対象が悟飯やトランクスにシフトしただけである。

 

 

「悟飯さんはいつも言っていました。桃香さん……姉さんはもっと幸せに生きても良かった筈だと……俺が未来から来た理由は三つ。人造人間の倒し方を探る事。悟空さんを死なさない事。そして……桃香さんに幸せに生きてもらう事……ですが、三つ目は叶わないかもしれません。さっきフリーザを倒した事で桃香さんは確実に傷付いてしまった」

「そっか……でもよ、未来のオラも桃香と仲良くなってたんだろ?きっと大丈夫だ」

 

 

トランクスは悟飯からスーナとフリーザの関係性も聞いていたが自身が考えていた以上に繋がりが深かった。それ故にトランクスはスーナの絶望した表情に自分の考えが甘かったと思っていたが悟空の一言に救われていた。

 

そしてトランクスから心臓病の薬や自身の母親がブルマである事を告げられ、驚きを隠せない悟空。一頻り驚いた後、人造人間が最初に現れた島の位置なども教えられ、トランクスは未来のブルマに早く、今回の結果を教えたいと帰る事を告げた。

 

 

「変わるといいな……未来」

「はい。未来は変わる……変えられると確信できましたから」

 

 

悟空の言った言葉にトランクスは再び、希望を抱く事が出来た。絶望の未来を変えられるのだと……しかし……

 

 

「この時代の桃香さんには……嫌われちゃったかな……」

 

 

トランクスの心にも少なからず傷が刻まれていた。

 

 

 

 


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