スーナがドドリアに鍛えて貰うようになってから二ヶ月。スーナの戦闘力は向上し、今は戦闘力200まで来ていた。
スーナ自身の努力とドドリアのコーチが思った以上に上手く行ったらしい。実力は着々と付いていたのだが、ここで問題発生した。
「ほーう、お前が生き残りの一人か?」
「へっ、低い戦闘力だな」
スーナはベジータとナッパと対面していた。今までは簡単な挨拶程度しかしていなかったのだが、ギニュー特戦隊の書類仕事を纏めていたスーナの下に二人揃って集まったのだ。
しかも間の悪い事に現在はドドリアもザーボンも居なかった。
スーナには知らされていない事だが、実はフリーザの指示でスーナを一人でベジータやナッパ、ラディッツとの接触をさせないようにと命令が出ていた。
ベジータ達がスーナに何かを吹き込ませない為の処置で、スーナにサイヤ人としての反抗心を持たせない為である。
そんな事は知らないスーナは、書類仕事をしていた際に事務室に似合わない二人が入ってきた事に驚き、ベジータとナッパはスーナを品定めする様にジロジロと見ていた。
「あ、あの……」
「ふん、不完全な戦闘力にサイヤ人の誇りも無いとはな」
「まだガキなんだぜ、ベジータ。その辺りはこれから教えてきゃいいんじゃねーか?」
怯えた様子でベジータやナッパに話しかけようとしたスーナだが、ベジータ達はスーナを無視して会話を続ける。
そしてナッパの手がスーナに伸ばされた。スーナは怯えて思わず目を瞑った。
「何をしている貴様等!」
「お父さん!」
その直後、事務室にギニューが駆け込んできた。ギニューが現れた事でナッパはスーナに伸ばした手を引っ込める。
「おやおや、ギニュー隊長のお出ましか」
「能書きはいい。スーナに何をしようとした?」
挑発的なベジータの態度にギニューは怒りを露にしたまま睨み付ける。
「……なんて事はない。スーナはサイヤ人の僅かな生き残りだ。今までは任務でろくに話も出来なかったが直接会って確かめたかったんでな」
「ほぅ……そうか」
睨み合うベジータとギニュー。一触即発の雰囲気に冷や汗を流すナッパ。その二人をオロオロと見詰めるスーナ。
そんな中、スーナが動いた。
「あ、あの……本来なら若輩の私から挨拶に行かねばならないのに足を運んでいただいて、ありがとうございます。ベジータ王子、ナッパさん。サイヤ人の生き残りのスーナです」
スーナはスッとベジータの前に立つとベジータに頭を下げた。言葉使いも丁寧でベジータをサイヤ人の王子と呼んだのも礼儀正しかった。
「お、おう!まあ、俺達も任務で星を離れてたからな。お互いサイヤ人の生き残りなんだ、仲良くしようや!な、ベジータ?」
「…………ふん、そうだな」
ナッパは場の雰囲気を変えるチャンスとスーナの挨拶に乗った。そしてベジータにも助け船を出して、話を終えようとする。
「他にもサイヤ人の生き残りにラディッツって言う奴もいるからよ、今度会ってやってくれや」
「はい、ありがとうございますナッパさん」
ナッパの助言にスーナは素直に返した。スーナ自身も他のサイヤ人の存在が気になっていた様だ。
「そ、それじゃ俺達はこれで。行こうぜベジータ」
「…………ふん。サイヤ人ならもっと強くなっておけ」
ナッパは囃し立て、その場を後にした。ベジータはスーナをチラリと見てから最後に一言残して去っていく。
「はぁぁぁ……緊張した」
「スーナ!?」
ベジータとナッパが去った後、スーナはその場にペタンと座り込んでしまう。その様子を見たギニューは慌ててスーナを支えた。
「大丈夫……少し緊張しただけだから」
スーナはベジータと相対して緊張していたのだ。既に滅んだとは言っても相手はサイヤ人の王族。前から存在は知っていたが、話をした事も無い為の緊張とベジータとナッパの高圧的な態度に話が終わると同時に気が抜けたらしい。
「無理をするな全く……しかしベジータめ!スーナを怯えさせるとは許さん!」
「お父さんは少し落ち着いて。本当に何も無かったんだから」
ギリギリと怒りを露にするギニューをスーナが落ち着かせていた。