クウラの孫家訪問の次の日。
「これで、よし……っと」
スーナは長い髪を後ろ手一本に結ぶとチチと共同で家事の大半を済ませる。
「今日から桃香ちゃんも修行に参加するだな」
「クウラ様からの指示ですから……」
チチの発言にスーナは深い溜め息を吐いた。単なるトレーニングなら兎も角、クウラの言い分ではスーナの眠っている潜在能力を目覚めさせれば悟空にも匹敵する力を持っていると言う。
そんな事はないとスーナはクウラに抗議しようとしたのだが……
「貴様はフリーザ達に甘やかされて戦闘に参加しなかったから潜在能力が眠ったままだ。貴様は他者の事には目を向けているが自分自身の事が分かっていない」
との事だった。元上司の兄にして実力的にも絶対に逆らえない人物に言われたら逆らえないスーナ。そんな訳で本日から家事を一通り済ませた後に修行に参加する運びになったのだ。
「桃香ちゃんは気乗りしないみたいだけんどもオラは少し安心しただ。桃香ちゃんはこの家に来てから働きすぎだべ。もっと他の事にも目を向けるべきだべ」
「………お母さん」
チチの言うとおり、スーナは孫家に居候を始めてから働きづめだった。チチの家事を手伝った後、悟飯の勉強会を見て、カプセルコーポレーションに赴いてブルマの手伝い、合間を見て株をして、時にはチチの畑仕事を手伝い、山の伐採作業の指示を出したりと凄まじい仕事の日々を過ごしていた。
そんなスーナに普段から悟空には仕事しろ、悟飯には勉強しろと言っているチチですら引いていた。明らかに仕事のし過ぎである。
「その……フリーザ軍でもそんな感じだっただべか?」
「主に仕事が6割、ギニュー特戦隊の尻拭い3割、トレーニングが1割ですね」
ブラック企業もビックリなスーナのかつての日常に、チチは孫家に居る間は優しくしようと決意を新たにしていた。
そんな仕事中毒のスーナに少しでも違うことをさせようと悩んでいたチチには渡りに船だった。
「でも、トレーニングウェアはどうしましょう?私がフリーザ軍の頃に着ていた物は無いし、私には亀仙流の胴着を着る訳にはいきませんし」
「それならオラが胴着を用意しておいただ。」
トレーニングウェアが無い事にどうしようかと悩んだスーナだがチチは胴着を用意していた。その胴着は上が空色、下が黄色のズボンに白い帯。ピンクのリストバンドにカンフーシューズといったデザインの胴着だった。
「昨日、クウラさんから今日から桃香ちゃんが修行に参加するって聞いてから用意してただよ」
「お母さん……ありがとうございます」
スーナはチチから手渡された胴着を胸の中でもギュッと抱き締める。スーナは胴着に手早く着替えると悟空達が修行している場所へと向かった。
スーナが着ている胴着はGT悟空の衣装です。