ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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人造人間、現れ……少し違う?

 

 

 

スーナはチチに見送られながら悟空、悟飯、ピッコロと共にトランクスから告げられた人造人間が現れると言う島へと向かって飛んでいた。

 

 

「結局……スーパーサイヤ人には成れませんでした」

「気にすんな桃香。悟飯も修行したけど成れなかったじゃねーか」

「それに悟空も簡単には成れなかったんだ。気に病む必要はなかろう」

 

 

スーナは自身の不甲斐なさを感じながら悟空と隣を飛んでいたが、悟空とピッコロから宥められていた。

 

 

「気負いすぎると力出せねぇぞ。悟飯も飛ばしすぎだ。それじゃ戦う前に疲れちまうぞ」

「は、はい」

 

 

スーナ達の前を悟飯が飛んでいたのだが少々気合いが入りすぎている様だった。悟飯を落ち着かせた悟空はピッコロと人造人間との戦いをどう思うか話をする。その最中、クリリンと合流し合流場所へと到着する。合流場所には既に天津飯とヤムチャが居た。そしてもう一人、赤ん坊を抱いたブルマの姿が。

 

 

「言っとくけど俺の子じゃないぞ……聞いたらビックリするぞ、お前等」

 

 

ムスッとした表情で告げるヤムチャに悟空はブルマの抱いている赤ん坊に話し掛けた。

 

 

「父ちゃんはベジータだよなぁ、トランクス」

「な、なんで知ってるの孫君。私、驚かせようと思って桃香以外には話さなかったのに。話したの桃香?」

「いえ……私も秘密してましたから」

 

 

赤ん坊の名前と父親の名を当てた悟空に驚くブルマとスーナ。

 

 

「姉さんは知ってたんですか?」

「私は仕事でカプセルコーポレーションに行っていましたから。ベジータさんが育児放棄をしているのも見過ごせなかったですし」

 

 

スーナを見上げる悟飯。スーナの背は怒りに震えている様だった。

 

 

「しかし……悟空さんがトランクスの名を知っていたのは私も驚きましたが」

「あ、ははは……オラ、超能力でもあんのかな?」

 

 

スーナのジト目に悟空は焦りながら笑う。嘘をついているのは明白だったが悟空なりの理由があるのだろうとスーナはスルーした。

その後、ブルマを含めて談笑していたのだが未来のトランクスが告げた時間から既に10分程が経過していたが何も起きていなかった。

 

 

「何も起きませんね」

「未来から来た彼が私達に過去を告げた事で既に未来が変わり始めているのかも知れませんね。私は専門外ですが未来から過去への干渉には様々な事象が起こると言われています。その為に人造人間が現れる時間がズレたのかも知れません」

「そうね……それに彼が乗ってたタイムマシンだけど、確実に過去と未来へ行き来できる保証なんて無いのよ。それと言うのも……」

「待った待った!専門的な話だと俺達が付いていけませんよ」

 

 

悟飯が何気なく言った一言にスーナが自身の考察を述べ、ブルマがそれに乗る。地球の天才とフリーザ軍の頭脳の会話はその場に居た誰にも理解出来なかった為、クリリンがストップを掛けた。

 

 

「だとしてもだ……10時を回っても現れないって事はやはり人造人間なんていないのかもな」

「そうは言っても今は10時17分よ。またそんな大差ない時間よ」

 

 

専門家の話が終わったのを見計らってヤムチャが口を開く。ヤムチャの発言にブルマが腕時計を見ながら決めつけるのは早計だと告げた。

 

 

「俺達は気を感じる事が出来るのに、その強い奴の力を感じないんだ。そんなに強い奴がいるなら地球の何処に居たってわかるさ」

「戦闘力のコントロールで隠れている可能性も捨てきれませんが……あれ?」

 

 

ヤムチャの発言を否定しようとしたスーナだったが、遠くに何かを見付けて動きを止める。

 

 

「誰かが此方に飛んできますね。あれは……」

「ヤジロベーだ。カリン様から仙豆を届けに来てくれたのだろう」

 

 

スーナが目を凝らして誰が来たのかを確認しようとしたが天津飯がスカイカーに乗ったヤジロベーだと判断する。

その直後、ヤジロベーの乗ったスカイカーが爆発した。

 

 

「な……何が起きた!?」

「ヤジロベーのスカイカーが爆発したのか!?」

 

 

クリリンやヤムチャが驚く中、ピッコロは冷静に事態を見ていた。

 

 

「あれだ!彼処に居る奴等が攻撃したんだ!」

「何者なんだ!?」

 

 

ピッコロの指差した先には空に浮く二人の人影。その二人組はそのまま下の街へと降りていった。

 

 

「街に降りやがった……見えたか?」

「いや、見えなかった。それに気を感じねぇなんて……」

「なるほど……私がかつてフリーザ軍に居た時でもスカウターに反応しない種族が居ました。金属生命体の人なんかが正にそうでしたが……恐らく、人造人間も気を持たない種族なんでしょう」

 

 

クリリンと悟空が驚愕している中、スーナは冷静に分析をしていた。

 

 

「悟飯はヤジロベーさんを助けに行って下さい。生きている筈ですし、仙豆の回収を。私達は街に降りて目視で人造人間を探すしか無いですね」

「そうだな……だが、桃香は此処に残れ。ブルマの事も心配だし、悟飯がヤジロベーを助けたら話を聞いて判断してくれ」

 

 

スーナが指示を出し、人造人間を探しに行こうと提案するが悟空がそれを止めた。確かにブルマと赤ん坊をこの場に放置する訳にもいかない。

 

 

「分かりました……皆さんもお気をつけて下さい」

「ああ、人造人間の事は俺達に任せろ」

 

 

スーナが頭を下げるとピッコロがスーナに返事をして、次々に街へと降りていく。悟飯もヤジロベーと仙豆の回収に海の方へと飛んでいった。

 

 

「なんか……とんでもない事になってきたわね」

「ブルマさんはナメック星で、もっととんでもない目に遭ってるでしょう?悟空さんとピッコロさんが揃っていれば心配はないと思います。それにベジータ王子も来ていた様ですし」

 

 

ブルマがヤジロベーのスカイカーを落とされたのを見て呟くがブルマの言葉をスーナが否定する。それどころかベジータが居る事を指摘した。

 

 

「嘘……気付かなかったけどベジータも居たの?」

「悟空さん達が街に降りたのを追うように人影が見えました。恐らく、気を消して後を追って人造人間の強さを把握してから戦う気なんでしょう」

 

 

未だに姿を見せないベジータにブルマは不振に思っていたがスーナはベジータの事を見付けていたらしく、ブルマはスーナの洞察力に驚いていた。

 

 

「それと……招かれざるお客様が他にもお越しの様です。こんな時は本当に悟空さんの勘は良く当たります」

「え……な、なんなのアイツ等……アレも人造人間の仲間なの?」

 

 

スーナが突如、振り返るとブルマの居る位置から離れた場所にゾロゾロと何者かが姿を現す。

 

 

「サイバイマン?いえ、似てはいますが違いますね」

「彼等はバイオマン……過去にサイヤ人が用いたサイバイマンを解析して産み出したバイオ戦士だよ、聡明なお嬢さん」

 

 

現れた者達がサイバイマンに似ている事からスーナは首を傾げるが、その答えをバイオマンの群れの中から現れた老人が答える。

 

 

「どなたですか?」

「おっと、これは失礼。私の名はDr.コーチン。Dr.ウィローに仕える科学者じゃよ」

「Dr.ウィロー!?Dr.ゲロと並ぶ程の天才って言われて、外道な実験が神の怒りを買ったって言われてるマッドサイエンティストの!?」

 

 

スーナが老人に名を訪ねると老人は自己紹介を始める。その自己紹介に驚いたのはブルマだった。

 

 

「ふん、低俗な者共の下した評価など我等の思想が理解出来んと見える。ワシが開発したバイオマンはサイヤ人のサイバイマンとは比べ物にならない高性能の戦士じゃ!」

「その高性能の戦士とは、そこで機械に戯れている奇っ怪なナマモノですか?」

 

 

ブルマの発言に激昂したDr.コーチンは自身のバイオ戦士であるバイオマンの自慢をするがスーナに指摘されてバイオマンに視線を移す。そこにはヤジロベーの乗っていたスカイカーの破片やバッテリーを弄って戯れているバイオマン達の姿が。

 

 

「ええぃ!恥を掻かせおって!」

「ギギィ!?」

 

 

Dr.コーチンはバイオマン達の頭を持っていた杖で叩き始め、叩かれたバイオマン達は逃げ惑っていた。

 

 

「確か……Dr.ウィローはDr.ゲロと並ぶ程の天才だったんですよね?助手のレベルが低い様ですが」

「少なくとも50年以上前の話だし、その間に彼等の高性能の定義が崩れたのかもね」

 

 

バイオマン達を怒るDr.コーチンを無視してブルマにDr.ウィローの事を聞くスーナ。ブルマの話ではDr.ウィローは危険な思想の持ち主で周囲からは認められていなかったらしい。そしてDr.ウィローの研究所は永久凍土の中に埋もれてしまい、『神の怒りを買った』『危険思想の報いを受けた』と言われていたらしいが自力で脱出したらしい。

 

 

「なるほど……それで地球に来た時のベジータ王子がサイバイマンを使った時にその細胞を研究して劣化版のバイオマンを作り上げたと」

「劣化版とは言ってくれるな……お嬢さん程度では相手にならん程の強さを持った戦士に……」

 

 

スーナの考察にDr.コーチンはクククっと笑いながら右手を上げる。するとバイオマン達が揃ってスーナとブルマに襲い掛かろうと構えた。そしてDr.コーチンが合図しようとした瞬間……バイオマン達は次々に倒れ始める。

 

 

「な……何が起きた!?」

「私は未熟ですが……サイバイマンの強さにも届かない兵士に敗けはしませんよ」

 

 

Dr.コーチンは信じられないと言う風に叫ぶと最後のバイオマンを倒したスーナがパンパンと手を払っていた。




いつからスーナが人造人間と戦うと錯覚していた?
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