セルが完全体になった事で、現段階では誰も勝てないと絶望していた。
「一先ず、セルは逃げ出しましたが……武道大会を開くと言うなら時間は稼げましたね」
「ちっ……俺達で遊んでやがる」
スーナが今後の事に悩んでいるとベジータがセルに対して悪態を吐いていた。
「そもそもベジータ王子が余計な事をしたから問題が大きくなったのでしょうが。トランクス、貴方にも言い付けた筈ですよ。ベジータ王子は絶対に余計な事をするから阻止しなさい、と」
「す、すいません……」
「……ふん」
ベジータのした事を咎めるスーナ。ベジータの事を予見していたからトランクスにも注意を促したと言うのに結局、セルを完全体にさせてしまった事を指摘するとトランクスは縮んだ。
「さて……一度、神殿に戻りましょう。セルが武道大会を開くと言うなら対策も考えなければ」
「そうですね……悟空さん達が出てきたら俺はもう一度、精神と時の部屋に入ろうと思ってます」
スーナが神様の神殿にも戻ろうと提案するとトランクスは更なる修行を考えていた。
「貴様もカカロットも必要ない……後は俺が使わせて貰う」
「生憎ですが、精神と時の部屋は合計で48時間しか使えないそうです。さて、そちらの方はどうされますか?」
「お、俺をカプセルコーポレーションに連れていってくれ……修理してくれれば必ず役に立ってみせる」
ベジータが精神と時の部屋を独占しようと考えていたが、スーナはピッコロから聞いた知識を伝える。そしてスーナが会話を打ち切るとスーナ達の方に歩み寄る人造人間16号。
「ふ、ふざけるな……お前もDr.ゲロの人造人間だ。信用できない」
「やめなさい、トランクス。今は少しでも戦力が必要です。クリリンさん、申し訳ありませんが彼をカプセルコーポレーションへ連れて行って下さい」
「ああ、任せろ。トランクス、コイツはそんなに悪い奴じゃないんだ……やっぱ、お前のいた未来とは少し違うんだよ」
トランクスが人造人間16号の事を否定しようとしたが、スーナとクリリンが人造人間16号を両脇から支え、立たせる。トランクスは納得していない表情だったが、スーナに言われて黙るしかなかった。
スーナとクリリンは人造人間16号をカプセルコーポレーションに運び、ベジータとトランクスも同行した。
そして翌日、セルがテレビ局を放送ジャックし、全世界に向けて『セルゲーム』の開催を宣伝した。
セルゲームのルールは天下一武道会と同様であり、違うのは戦うのはセル一人であり、後はサドンデス方式であると言う事だ。
セルを倒せば、世界は平和になるがセルが代表戦士を全員、倒した場合は人類皆殺しと一方的な宣言を降す。
この放送をカプセルコーポレーションで見ていたスーナは『あのナマモノは調子に乗ってますね』と無表情でテレビを見ていた。
セルのテレビ放送を見た後、スーナ、ベジータ、トランクス、クリリン、天津飯は神様の神殿に集まった。すると悟空と悟飯はまだ時間が余っているのに精神と時の部屋から出てきたのだ。
悟空と悟飯はスーパーサイヤ人の状態を維持しながら通常の精神状態になっていた。
悟空は修行はやれるだけやったから後は精神と時の部屋は使わないと宣言。ベジータは根をあげたのかと笑うが悟空は現段階では伸び代を感じないから無理はしないとの事だった。そこでスーナが口を挟んだ。
「でしたら……悟空さんと悟飯が使う時間は私が使わせてもらいます」
「桃香、お前も戦うと言うのか?普段の修行とは訳が違うのだぞ?」
スーナの発言にピッコロが待ったを掛けた。
「私が修行に専念できなかったのはカプセルコーポレーションや普段の仕事の事があったからです。私もサイヤ人ですから鍛えれば少しは戦力になれると思います」
「貴様もスーパーサイヤ人になれる様になっているからな……だが、無駄に終わると思うがな」
「いやぁ。そんな事はねぇと思うぞ。やってみっといいさ、桃香」
スーナは初めて修行に専念すると決意。ベジータはスーナが少しは戦力になるとは思っていたが、鼻で笑う。悟空は笑顔でスーナの修行を受け入れ進めていた。
悟空と悟飯は戦闘服を脱いで、それぞれ胴着に着替えた。着替えた悟空は瞬間移動でセルの様子を見に行ってしまう。数分後、戻ってきたが悟空は首を傾げていた。
「どうだ、悟空……セルには勝てそうか?」
「今のまじゃキツいかもな。でも9日もあれば大丈夫だ。それとよ……セルの奴、なんかファッション雑誌読んでたぞ」
ピッコロが悟空に訪ねると悟空は勝てるかは分からないが可能性はあると告げる。そして悟空はセルの現在の状態を説明するが、セルはファッション雑誌を読んでいたと言う。スーナは『あの一言』が効いたのだと確信していた。