ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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今回の話はアニメオリジナルの話を使っています


スーナ、ベジータとグルドの確執を見る

 

 

 

 

とある惑星で溜まっていた書類を処理していたスーナは、フリーザに書類のチェックをしてもらう為に城の中を歩き回っていた。その最中、スーナは何やら言い争う声を聞いて、その方へと向かった。

 

 

「あれは……ベジータ王子とグルド?」

 

 

二人は廊下で言い争いをして居た。と言うよりかはグルドが一方的にベジータに突っ掛かっている様だ。

 

 

「本来なら貴様等サイヤ人は我等に支配されている種族なんだ……フリーザ様に気に入られているからって調子に乗るなよ!」

「聡明なフリーザ様だが一つだけ間違いをしておられる。それは貴様の様な無能をギニュー特戦隊の一人としてお認めになられた事だ」

 

 

会話から明らかに友好的な内容じゃないと察したスーナは、その場を後にしようとしたが、次の台詞を聞いて足を止めた。

 

 

「ギニューの義娘のスーナの方が見所がある。聞けば、お前等はスーナに書類仕事を任せきりだそうじゃないか」

「な、舐めるな!その気になれば書類仕事くらい簡単だ!」

 

 

ベジータがスーナを誉めた事にも驚いたが、グルドの発言にスーナはタラリと汗を流した。何故なら先程、手直しした書類の中でグルドの物が一番直す箇所が多かったからだ。

 

 

「ふざけやがって……殺すぞベジータ!」

「俺の近くに寄るな。口が臭くて敵わん」

 

 

怒りに身を任せ、ジリジリとベジータに近付こうとしたグルドだが、ベジータは手をパタパタと振ってグルドが近づくのを拒んだ。

 

 

「いいだろう……ならば!」

 

 

明らかに戦闘態勢に入ったグルドにスーナは慌てて止めに入ろうとした次の瞬間だった。

 

 

「避けなさい、スーナさん」

「え………ひゃあ!?」

 

 

スーナのすぐ後ろからエネルギー波が飛んできたのだ。スーナは素早くしゃがんでエネルギー波から身を守った。

 

 

「死……ぎゃひ!?」

「っ!?」

「遊んでる場合じゃありませんよ」

 

 

そして、そのエネルギー波はベジータと戦おうとしていたグルドの背中に命中する。そのままゴロゴロと転がっていくグルドを呆然と眺めたベジータは、エネルギー波を放った主が誰なのか理解すると身を正した。

 

 

「ベジータさん、高く売れそうな星を見つけました。一緒に行きましょうか」

「ハッ、お供させていただきます」

 

 

フリーザはグルドの事を無視するとベジータに話し掛けてそのまま行こうとしてしまう。ベジータはフリーザに姿勢を正したまま頭を下げた。

 

 

「ああ……それとスーナさん。その書類は後でチェックします。貴女が事務仕事をしてくれて本当に助かってますよ」

「はい、ありがとうございます」

 

 

スーナは書類を入れたファイルを胸に抱いたまま頭を下げた。

 

 

「では行ってきます。2日程で戻りますからザーボンさんやドドリアさんにも言っておいて下さい」

「畏まりました。行ってらっしゃいませフリーザ様」

 

 

フリーザはいつもの乗り物に乗ってその場を後にした。そしてフリーザの姿が見えなくなってから、ベジータは床に這いつくばるグルドを見て笑った。

 

 

「命拾いしたな。ハーハッハッハッ!」

「ぐ……ちくしょう!」

「……無駄に偉そうにするからだよグルド」

 

 

グルドをバカにしたベジータは笑った後にフリーザの後を追って居なくなってしまう。グルドは悔しそうにしているがスーナには自業自得に見えていた。そもそもグルドがサイヤ人の事をバカにしなければベジータにバカにされなかったし、フリーザからの評価も下がらなかっただろう。

 

 

「う、うるさいやい!」

「はぁ……後でメディカルルームに行ってね。フリーザ様のエネルギー波を食らったんだから」

 

 

グルドは懲りずにスーナに悪態を吐くがスーナは溜め息を溢しながらもグルドを気遣い、その場を後にした。

 

 

「ぐ……ちくしょう……」

 

 

 

後に残されたグルドは惨めな気持ちになったと同時に、今まで誰にもフォローされなかった自分がスーナに気遣ってもらえたと少し認識を改めていた。

 


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