股んGO君を開発した研究員をかめはめ波でオシオキをしたスーナは研究所を壊滅させた。怪しげな研究をしていた事もあるがドラゴンボール探しを優先したからである。培養液の入ったポッドを破壊し、研究員達からドラゴンボールを受け取った。
研究員達には怪しげな研究をすると、ろくな事にならないと告げてから研究所を後にした。
因みにこの研究所を創設した公爵は壊滅した研究所を見て開いた口が塞がらなくなり、更に悪どい事を企んでいたが見事に瓦解したと記しておこう。
ドラゴンボールの一つを回収したスーナはドラゴンレーダーを確認しながら空を飛んでいた。現在では無人の広野を飛んでいた。
「多少のトラブルはありましたが、ドラゴンボールが見付かって良かったです。この調子で……おや、あれは……」
上空を飛んでいたスーナだが地上にあるものを見付けて地上に降りた。その人物はスーナが飛んでいた事も気付かずに上空を見詰めていた。
「ふふふ……楽しそうだな、プーアル」
ヤムチャの視線の先にはヤムチャの子分であるプーアルと同じ様な宙に浮く猫が一匹。その猫はプーアルと同種族の猫でプーアルとは南部変身幼稚園時代の同級生らしく昔話に花を咲かせていた。
ベジータとブルマが結婚するまではヤムチャはカプセルコーポレーションに住んでいたが、破局後はそのまま住むわけにもいかないのでヤムチャは以前、荒野で盗賊をしていた頃の家に戻っていた。そんな寂しさを紛らわせてくれたのは子分であるプーアルの存在が大きい。それ故にヤムチャはプーアルが離れて少し寂しいとは思うものの我慢しようと耐えていた。
「これで良いんだ……小動物は小動物同士、仲良くするのが一番だ」
自分に言い聞かせるように呟くヤムチャ。その頬には一筋の涙が流れていた。
「プーアル!俺の事は気にしなくていいからなー!」
自分を気にせずに旧友との再会を大事にしろと叫ぶヤムチャ。しかし、ヤムチャの声が聞こえなかったのかプーアルは旧友と共に何処かへと飛んでいってしまう。
それを見たヤムチャは自身の右手に気を集中させ左手を右手の手首に添えて気を込めた。
「……むぅん!」
「小動物相手に必殺技を使わないでください」
その一連の流れを見ていたスーナは操気弾を放とうとしたヤムチャを後ろから蹴り飛ばした。
「な、なんだ桃香か……こんな所で何をしてるんだ?」
「悟空さんの代わりにドラゴンボール集めをしてました。ヤムチャさん……仮にセルを倒したとしてもプーアル相手に自分の最大技を使おうとした段階で終わってますよ」
蹴り飛ばされたヤムチャはキリッとした顔をするが数秒前の行動に問題があった為に台無しだった。