ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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ミスターサタンの戦い

 

 

 

セルゲーム会場に16号と共に来たスーナはセルが作ったリングの側に降り立つ。リングの周囲にはテレビ局の人間が数人とミスターサタンが居た。リングの反対側にはベジータの姿もある。

 

 

「どうやら、彼等もセルゲームに参加するつもりらしいですね」

「何故戦おうとするんだ?私のパワーレーダーでは奴とセルとの実力は天と地程の差がある。無謀だ」

 

 

スーナがミスターサタンがセルと戦おうとしている事を口にすると16号は不思議そうに口を開いた。

 

 

「相手の実力を測れないのでしょう。ミスターサタンとセルでは天と地どころか地球とナメック星程の差があるでしょうけど……おや、来ましたね」

 

 

ミスターサタンの実力を分析していたスーナ。その途中で神様の神殿から悟空、悟飯、ピッコロ、トランクス、クリリン、天津飯、ヤムチャがセルゲーム会場に降り立つ。

 

 

「お揃いで、ようこそ」

 

 

セルは望んだ面子が揃った事で笑みを浮かべながら悟空達を歓迎した。そんな中、16号はクリリンを見付けると彼に歩み寄る。スーナも悟空達と共に居るつもりだったので揃って歩く。

 

 

「良かった、直ったんだな16号」

「ああ、この通りだ。礼を言いたかった。ありがとうクリリン」

「はは、お互い頑張ろうな」

 

 

直す事を提案してくれたクリリンに礼を告げた16号。その顔は穏やかなもので本心から礼を言いたかった事が伝わる。クリリンと16号の会話に加わろうとした悟空だが16号はギロっと悟空を睨んだ。

 

 

「忘れるなよ、孫悟空。俺は貴様を殺す為に造られた」

「その話は忘れなさいと言った筈ですよ16号」

「ふっ……来てくれた様だな、孫桃香」

 

 

悟空を睨む16号をスーナが嗜めようとした時、セルがリングの上からスーナを呼ぶ。

 

 

「今日は素晴らしい日になるな……孫悟空を殺し、私のプライドに泥を塗った貴様を葬る事が出来るんだからな」

「あの時と変わらない姿をしている段階でプライドも無いでしょう……」

 

 

ニヤリと笑みを浮かべながらセルはスーナを挑発する。スーナは前回、ツッコミを入れた時から見姿が変わっていないセルを鼻で笑う。

 

 

「甘いな……今の私には心強い、コレがある!」

「そんな物を読んでも変わらないでしょう。貴方のビジュアルにそもそもの問題があるんですから」

 

 

セルはドヤ顔で、様々なファッション雑誌を見せつけるがスーナはツッコミを入れると同時に指先から弱目の気功波を放ち、セルの持つファッション雑誌を燃やした。

 

 

「あああっ……私の切り札が……」

「愚か者め……さて、適度にメンタルを傷つけた所で誰から行きますか?」

 

 

床に落ちて灰になっていくファッション雑誌を嘆くセルをスルーしてスーナはセルゲームの進行を進めた。

 

 

「よし、だったらオラから行かせてもらおうかな」

「え、いきなり悟空さんが!?」

 

 

スーナの言葉に悟空がやる気を出しながら一歩前に出る。トランクスは初戦から悟空が出ようとしている事に驚きを隠せなかった。

 

 

「いいだろ、ベジータ?」

「好きにしろ。だが、フィニッシュは俺が決めるがな」

 

 

この場で一番、文句を言いそうなベジータに確認する悟空。ベジータは視線を僅かに動かしながら了承した。順番は兎も角、セルを倒すのは自分だと確信している様子だった。

 

 

「か、勝手に決めるんじゃ無い!」

「そうだぞ、君達!分かっているのかね、これは遊びじゃ無いんだぞ!?素人が口を挟んで良い話じゃないんだぞ!」

 

 

それに意を挟んだのはミスターサタンとテレビ局の人間だった。特にアナウンサーは悟空達を素人と判断している様だ。

 

 

「素人判断と言うなら貴方達もでしょう。此処に居る人達は昔、天下一武道会に参加している人達ですよ。それにミスター、貴方も格闘技を嗜む身ならば彼等の力が並では無いのは分かっているでしょう」

「「え……」」

 

 

スーナの発言にミスターサタンとアナウンサー、カメラマン等は唖然となる。悟空やクリリン、天津飯、ヤムチャ、ピッコロは嘗て天下一武道会に出ているし、悟空や天津飯は優勝経験すらある。それを知らないとなればメディアに関わる者として無知である事を晒したも同然。ミスターサタンに至ってはチャンピオンであるのに彼等を知らず、実力も測れない愚か者であると宣言してしまった様なものだ。

最も悟空はスーパーサイヤ人状態なので気付かれなくても当然なのだが。

 

 

「も、勿論知っていたさ……だが、戦う順番は公正に決めるべきだろう?は、ははっ……」

「ええ、それも道理です。ですのでミスターも話し合いに参加してください」

 

 

咄嗟に誤魔化そうとするミスターサタンにニコリと笑みを浮かべながら答えるスーナ。ミスターサタンが虚勢を張っているのを見抜いていたスーナだが、話を円滑に進める為に指摘はしなかった。

 

 

「では、どうしますか?」

「過去に天下一武道会に出ていたとしても現役チャンピオンはこのミスターサタンだ。私から行かせてもらおう」

「おおっと!ミスターサタンが現役チャンピオンとして、一番にリングに上がりました!過去の猛者達よりも今は俺がチャンピオンなんだと言わんばかりの姿です!」

 

 

スーナがミスターサタンに話を促すとミスターサタンはマントを勢い良く脱ぐとリングに上がる。その様子をカメラマンはカメラに収め、アナウンサーはその様子を中継している。先程の失態を無かった事にしたいらしい。

 

 

「お、おい……止めた方が……」

「やらせてやれよ、悟空。あのバカは死んでもドラゴンボールで生き返れるんだぜ」

「そうだな。痛い目を見た方が奴の為になる」

「先にやらせた方が後腐れが無さそうですので。大丈夫、事が済めば邪魔にはなりませんから。それにあの人のペースならセルのモチベーションを更に下げる事でしょう」

 

 

それでも危ないから止めた方が良いと言う悟空だが、クリリン、天津飯が否定し、スーナは合理的な判断を下した結果、ミスターサタンに先にやらせる事を促していたらしい。

 

 

「やれやれ……誰かの掌で踊らされているのに気付かないとは愚かな……」

 

 

ファッション雑誌の灰を風に流したセルは、立ち上がりながらリングの中央でキリっとした顔に戻っていた。

 

 

「よーし、来い!この世界チャンピオンのミスターサタンが貴様を倒してくれるわっ!喰らえぇぇぇぇいっ!」

「………」

「おーっと決まった、ダイナマイトキックだ!」

 

 

ミスターサタンの飛び蹴りがセルの顔面に入る。セルは微動だにしなかったがアナウンサーは効いたと思っている様だ。

 

 

「セル、なす術がありません!滅多打ちにあっています!これは勝負あったかー!」

「がーはっはっはっ!」

「うるさい」

 

 

ミスターサタンの猛攻(笑)を受けていたセルは鬱陶しそうにミスターサタンを平手で払い除けた。ミスターサタンは数十メートル先の岩まで弾き飛ばされ、リングアウトになった。

 

 

「今、俺ちょっとセルを応援しちゃった」

「お、痛……いだだだだ……」

「ちっ……生きていたか。流石のセルもあんな奴を殺すのは嫌だったらしいな」

「伊達に現役チャンピオンを名乗っていませんね。セルの一撃に耐えた上に意識がまだ有る様ですし」

 

 

クリリンはバカなミスターサタンがやられて多少はスカッとしたらしい。しかし、ミスターサタンは生きていた。岩の瓦礫に埋もれながらも生存していて起きあがろうとしていた。

ピッコロはミスターサタンが生きていた事に舌打ちをして、スーナはセルの一撃に耐えたミスターサタンの強さの評価を改めていた。

 

 

 

 

 

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