ドラゴンボール ギニュー親子の物語   作:残月

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間話 その頃、ギニュー

 

 

 

時間は少々巻き戻り、カプセルコーポレーション。

普段は静かな温室である、この部屋は本日騒がしくなっていた。

 

 

「ゲコォ!ゲコォ!」

 

 

温室に設置されたモニターに叫び続けるカエルが一匹。それはカエルになったギニューだった。モニターでセルとの戦いを見ていたギニューは気が気じゃなかった。

何故ならば愛娘であるスーナがセルと戦い始めているのだから。

 

 

※此処からはカエルの言葉を翻訳して、お伝えします。

 

 

「何故、孫悟空は戦いを放棄した!何故、ベジータが戦わん!スーナは貴様らよりも戦闘力が遥かに低いんだぞ!」

「あのカエルは桃香ちゃんが可愛がっていたカエルだねぇ。モニター見て叫んでるなんてよっぽど心配なんだねぇ。あ、そうだ」

 

 

スカウターで計測していないので現在のスーナの強さを知らないのだが、それを差し引いてもスーナがセルと戦っている事が許せなかった。

温室で叫び続けるギニューに偶々通りがかったブリーフ博士が何かを思いついたかの様に呟く。

 

 

『す、凄まじい戦いです。少女とセルの戦いは我々の予想を遥かに超えた……わぁぁぁぁぉぁっ!?』

 

 

更に不幸は続く。突如、中継の映像が『ただ今、中継が繋がらなくなっています』と映し出されたのだ。中継していたテレビ局のカメラが戦いの余波で吹っ飛ばされて撮影が出来なくなってしまったのだ。マイクは無事だったのか音声だけの中継が続いた。

 

 

「な、なんだ!いったい何が起こっているんだ!?」

『セ、セルが少女を苦しめ始めています!』

『う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』

 

 

モニターは相変わらず『ただ今、中継が繋がらなくなっています』と表示されているだけだった。しかし、アナウンサーの実況とスーナの苦しむ叫び声だけが鳴り響く。

 

 

「お、おのれ……俺の体がマトモならば今すぐにでも助けに行くと言うに……」

 

 

そう呟いたギニューだが、心の奥底では自身の不甲斐なさを嘆いていた。自分よりも強い肉体を見つければチェンジして奪う。自身の強さを誇っておきながら自分に危機が迫れば逃げる様に他の肉体を得ようとした。これでは泥棒ではないか。そんな思いがギニューの心を縛る。

その想いを自覚させたのはスーナの存在だった。父の今の姿が良いから、チェンジは不確定要素が多いからデメリットの事も考えるべきだと言われていたがフリーザの為にとチェンジを使用して今はこのザマだ。

だが、フリーザの事は単なる免罪符ではなかったのか?結局の所、自分自身の為にチェンジを使用した……それがギニューの戦士としてのプライドを傷つけ、今の無力な状態の自分の姿はそれに対する天罰なのではないかと感じていた。

 

 

 

『セ、セルが突如膨らみ始めました!いったい、何が起こるのでしょうか!?』

『あ、慌てるな!唯のトリックだ!』

「膨らんだだと……まさか……」

 

 

思考の海に沈んでいたギニューだが、中継されている現場で更に動きがあった様だ。アナウンサーの叫びとミスターサタンの叫びにギニューの意識は再びモニターに向かう。映像は無いがアナウンサーの解説からセルが膨らみ始めたと言う事だけは理解出来た。数々の惑星を制圧してきたギニューにはその状態に嫌な予感を走らせる。種族の差はあるが、追い詰められた際に自爆したり特攻を仕掛けてくる者の特徴は体が膨らんだり、発光したり、戦闘力を爆発的に高めたりと様々だった。その事を考えればセルとやらは自爆しようとしているのではないだろうかと歴戦の記憶からそう判断したギニュー。その間に事態は更に進んでいた。

 

 

『き、消えてしまいました……セルと少女の姿が……忽然と……』

「消えただとっ!?な、何が起きているんだ!?」

 

 

アナウンサーからの発言から消えたのはスーナと自爆寸前のセルである事は間違いなかった。ギニューが、その事に戸惑いを隠せないでいるとブリーフ博士が何かを手に温室へと戻って来た。

 

 

「お待たせ、カエル君。この翻訳機があればキミが何を言いたいのか分かるよ」

「翻訳機だと……」

 

 

ブリーフ博士が持ってきた翻訳機に視線が釘付けになるギニュー。頭の中に一瞬『チェンジ』の文字が横切った。

 

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