ブラック家の御曹司   作:修造

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こんにちは。
感想ありがとうございます!
今回はあの人が登場します。

視点が変わります。

ご意見、感想を待っております!


賢者の石
ダイアゴン横丁


今日はハグリッドと一緒にダイアゴン横丁という、魔法使いたちが買い物をする所にやってきた。

昨夜、急に目の前に現れた大男――ハグリッドに、僕が魔法使いであると告げられたときはビックリした。

だけど、昨日は僕にとって最高の日になった。

初めて僕の誕生日を祝ってくれたのだ。

 

ハグリッドが言うには、なんでもホグワーツに入学するのにあたり学用品が必要らしい。

でも僕はお金なんて持ってない。

バーノン叔父さんに頼んでも、

「まともじゃない」僕には1ペンスすら出してくれないだろう。

ごめんハグリッド、せっかくだけどやっぱり僕はホグワーツには行けないんだ…

そう言うと、安心せい、お前のご両親がお前さんにたーんまりお金を残しておる。と返ってきた。

 

それを聞いても、あのろくでなしだったという両親のことだ。あまり信じることは出来なかった。

最初にやってきた漏れ鍋というパブ ―――僕の寝所と同じくらい薄暗い。にやって来たときは、みんながみんな僕のことを英雄だと言って握手を求めてきた。

今までの生活を振り返ってみても、天地がひっくり返ろうがありえないことだった。

 

当然そんなとは慣れてないし、正直恥ずかしくて居心地が悪かった。

しばらくして僕の気持ちを察してくれたハグリッドが僕を連れ出してくれたけど、彼が言うには僕は魔法界を救った英雄、「生き残った男の子」らしい。

こんなこと勘弁して欲しいと思ったけど、それは叶わなそうだと悟ってしまった。

 

内心憂鬱になりながらやってきたグリンゴッツという銀行では、思わず驚いてしまった。

壁に刻まれた「盗れるもんなら盗ってみろ」的な文言しかり、初めて見たゴブリンという魔法生物しかりである。

 

マグル界の銀行では(もちろん「まともでない」僕をあの家族が銀行に連れて行ってくれる訳なんてないから行ったことはない)当然そんなことは書いていないし、お金を盗られないように警備が厳しい──と聞いていた。

しかし、堅苦しいイメージのマグル界の銀行とは違い、ここグリンゴッツはとても開放的だ。

 

大聖堂のような広い建物の中は、とても気分が良かった。

長いエントランスを進んで受付までやってくると、本人確認を挟んで先に通された。

初めてトロッコに乗った時は興奮したけど、僕のものだという金庫を開けてみたときは思わず感激してしまった。

マグルの世界でもほんのひと握りの人間しか見ることは叶わないであろう金貨の山──

正直、ろくでなしとか言ってすんませんでした。

このとき、確かに僕は両親に感謝した。

 

帰りのトロッコで酔って気分を悪くしたハグリッド(あの時大切そうに抱えていた包みはなんだったのだろう?)と別れ、ホグワーツに必要だという制服とローブが買えるマダムマルキンという店に向かった。

 

 

―――

 

ホグワーツに入ってから2年。

最初は初めて経験する──日常的な人との触れ合いにはなかなか慣れなかったが、戸惑うばかりの僕を色々と察したジャックが助けてくれた。

 

ジャックの家、ハワード家はそこそこの名家らしい。

ブラック家とはそもそも交流が無かったのだから知らなくても仕方ないのだが、純血家系として名を馳せていることを知って以来もう少し視野を広げてみなければと思ったのだった。

ホグワーツの授業はとても面白い。

ホグワーツに入学して初めて自分の力だけを頼りに物事を知るのではなく、人から教わるという大切さを知った。

 

ジャックやみんなが言う通り当たり外れはあるとは思うけれど、僕自身の力だけでは分からないことも後で質問してみると分かりやすいように教えてくださるのだ。

 

生徒のほとんどが睡魔に負けて居眠りしてしまうという

ゴーストのビンズ先生の「魔法史」の授業でさえ楽しく感じてしまう。

所々に挟んでくる先生の雑談は、本だけでは知ることが出来ない当時の時代背景を始めとした、非常に興味をそそるものだった。

さすがはゴースト。

伊達に長生きをしてない。

そして昨年の新学期が始まってすぐ、スリザリンのクィディッチチームから誘いが来た。

父がかつてスリザリンのシーカーだったこともあってか、フーチ先生の飛行訓練の授業で抜群の成績を出していた僕に以前から目をつけていたらしい。

 

スリザリンのキャプテン、マーカス・フリントは、聖28一族のフリント家の出身で僕とも遠い血縁である。

僕は勝手に、クィディッチは貴族の嗜みだとか威張ってきそうだなとか思っていたがとんでもない。

 

彼は身内には優しい(身内=寮)というスリザリン気質を受け継ぐ立派な好青年であった。

少々クィディッチというものに熱くなりすぎる

(そこは宿敵"グリフィンドール"チームのキャプテン、オリバー・ウッド氏と張るらしい) きらいはあるが、気さくに声を掛けてくれたり、相談に乗ってくれるとても良い先輩である。

 

僕が1年生のときは、勝利のためなら手段を問わない戦い方でスリザリン生を湧かせていた。

最初はそんなクィディッチの花形であるシーカーなど僕には荷が重いと思っていたが、フリント先輩の熱心な勧誘でシーカーの選抜に参加することになった。

 

そこでは、以前からシーカーを務めていたテレンス・ヒッグス先輩を始めとした多くの先輩方がいた。

結果的には多数の候補者の中から僕が選ばれ、晴れて昨シーズンからスリザリンのシーカーとなった。

 

(その際使う箒に悩み、ブラック家の倉庫から引っ張り出したお古でいいかと思ってそれをフリント先輩に見せると、これは「シルバーアロー」

──現在の大量生産の箒とは違い、かつての手作りの箒のもので、今でもトップクラスの性能を誇るそうだ。

であると判明。貴重な箒に狂喜した先輩にはしゃぎながら殺されそうになったのは余談だ。)

そしてまた1年が過ぎ、昔から家族ぐるみの付き合いをさせてもらっているマルフォイ家の御曹子、ドラコがこの度ホグワーツに入学する運びとなった。

 

ドラコの入学祝いの家族パーティに招かれた日、ブラック邸には新学期に使う学用品のリストが届いていた。

この時期のマルフォイ氏は何やら忙しいらしく、ドラコと2人で学用品を買いに行くことになった。

(頼まれた際、今度からルシウスと呼びなさいと優しく言われたが…なんでだろうか。)

 

正直そんなことよりもその時の喜ぶドラコの顔を見てこっちまで嬉しくなった。

 

 

しばらくして迎えた今日、僕とドラコはダイアゴン横丁にいた。

グリンゴッツ銀行でお金を下ろし、商店街の入り口まで入ってきた。

 

僕たちは検知不可能拡大呪文がかけられたバック

(ドラコのは入学祝いに贈ったものだ)を持っているため、荷物がかさばることはない。

自由に買い物できるのはいいことだが、滅多にくることはないダイアゴン横丁は賑わっていて、ドラコはあちこちのショーケースに目を奪われているようだ。

 

このままだとウィンドウショッピングで一日が潰れると思ったので、丁度目に入ったマダムマルキンの店にドラコを引っ張っていった。

 

「こんにちは。」早速店に入ると、店主のずんぐりとしたマダムがとびっきりの笑顔で迎えてくれた。

「いらっしゃいませ。お客様、1年ぶりでございますね。そちらのお坊ちゃんは新入生かしら?」

ブラック家の人間は総じて背が高い。

アズカバンの叔父しかり、ドラコの母親しかりである。

僕もその部類に入っているため、ドレスローブを始め自分の気に入った服の丈を調整してもらうためにこうして毎年顔を出していた。

 

入学以来、昨年もここに来店しているため、すっかり顔なじみなのだ。

なぜ店に入った瞬間花が咲くような笑顔を見せたかは分からないが。

 

こうして紳士的に先を譲ってくれたドラコ(僕にとっては精一杯背伸びした男の子に見えてとても微笑ましかった)に「ありがとう。」と言っておいて、先に自分の制服の丈を合わせてもらった。

 

「お客様、これ以上制服の丈を伸ばすことは出来ませんね。今年はなんとかなるかもしれませんが来年はとても足りないでしょう。

これからの成長を見越して新しく制服をお買い求めになられた方が良いと思います。」

「そうですか。

それなら新しい制服…とローブを新調します。」

「毎度ありがとうございます。

では仕上がるまで少々お待ちくださいませ。」

 

世間話を交えて楽しくそんなやりとりをしているうちに、後ろに控えて待っているドラコの隣にはくしゃくしゃの黒髪の少年

──丸いメガネに細すぎる体に全くあっていないダボダボの服を着ている。言っては何だがみずぼらしかった──がいた。

2人は何やら話しているように見えたが、近づくなりドラコが一方的に話し掛け、もう一方の少年はうんざりしているのが分かった。

「ドラコ、お待たせ。

次は君の番だよ。」

「長かったねシグ。

ちょっと待っててくれ。」

と言うなりドラコは隣の少年には目もくれずにスタスタと行ってしまった。

 

 

―――

僕はは困惑していた。

魔法使いってこんなのばっかなのか?

──ハグリッドに言われたマダムマルキンという店に入ると、魔法界に来たという高揚感がたちまち失せてしまった。

 

僕より前に並んでいる、順番待ちをしている様子の金髪の少年(僕と同じ新入生らしい)の自慢話にうんざりしたのである。

鼻にかけた話し方をする彼は、僕とは違って随分と育ちがいいようだ。

 

前の人が長く掛かっているようで時間が経っていたのか、いつの間にか店の外に待機していたハグリッドを見るなり今度はハグリッドの悪口を言い始めた。

少年曰く本当のことらしいが、彼は初めて僕を認めてくれた友人だ。

僕のことをバカにするのは構わないけど、彼をバカにするのは許せない。

 

少年の言い分にいい加減怒りが爆発しそうになったとき、

「ドラコ、お待たせ。

次は君の番だよ。」

と金髪の少年に声が掛かった。

「長かったねシグ。

ちょっと待っててくれ。」

ドラコというらしい少年はそのまま行ってしまった。

 

入れ違いでこちらに来た人は、なんというか今まで見てきたなかで1番美しい少年だった。

中性的な顔だちながら線が細く整った顔、僕とは比べ物にならないくらい高い身長、僕のとは違って艶のあるサラサラした黒髪、灰色をした瞳は優しそうで、何やらこちらを心配している様子だった。

「大丈夫かい?君、ちゃんとご飯食べてる?」

思わず発したと思われるその言葉は、さっきの少年の同伴が掛けるだろうと思っていたこととはまるで違ったので思わず面食らってしまった。

 

―――

「大丈夫かい?君、ちゃんとご飯食べてる?」

思わず声を掛けてしまった。

やばい、この子めっちゃ戸惑ってる。

 

やがて、落ち着いたと思しきメガネの子は、

「うん、大丈夫だよ。」

と絞り出すように言ったが、そのか弱い声にかえって心配になってしまった。

「そんなことないじゃないか。

それに君、元気がなさそうだ。

君さえよければお昼一緒に食べないかい?」

「大丈夫、これから入学するまでハグリッドの言ってた所に泊まることになったんだ。」

 

淡々と答えられる中に、気になるワードがあった。

 

ん?ハグリッド?あ、店の外にいるのは──

「ハグリッド?ああ、ハグリッドじゃないか。

君、ハグリッドの付き添いで来た新入生の子だね?

僕はシグナス・ブラック。ホグワーツの3年生だよ。彼の紹介なら安心だね。

 

つあーさっきの子、ドラコっていうんだけど、

本当はとてもいい子なんだ。どこか素直じゃなくてね。

どうか、悪く思わないで欲しい。

さてと、またホグワーツで会おう。」

 

少年は少し機嫌が悪い様だったので、さっさとお暇することにした。

丁度仕上がった服を持って店を出た。

 

「やあハグリッド。久しぶりだね。」

「おお、シグナスじゃねぇか。 久しぶりだな。

ここで会えたのは何だが今はあの子のお使いでな。」

「ああ、分かってるよ。

それと、今年は中々小屋に行けそうにない。

この前言ったお世話になっている家の子どもが入学するし、色々と忙しくなりそうだからな。」

「分かっちょる。

たまに顔出してくれたら俺ぁ嬉しい。」

「うん、今度また会いに「おーい、シグ。何やってんだ?」ああ、ごめんハグリッド、また今度ね。」

「ああ、またな。」

ハグリッドとの会話に夢中なっていると、いつの間にかドラコの買い物が終わったようだった。

 

「シグ、何だってあの木偶の坊とはなしているんだか。あいつは危険だっていうじゃないか。」

「まあまあドラコ、彼は魔法生物にとても詳しいんだ。スネイプ先生の課外授業…といっても個人的に使わせてもらっているだけだけど、先生には頼みづらいくらい貴重な材料も色々と融通してくれるんだ。」

「そうだとしてもあれと付き合うのはどうかと思うんだ。」

「そうだね。ドラコ。今年はクィディッチに加えて選択教科が増えてしまってね、スネイプ先生の課外授業はできそうにないんだ。だからもう彼とはあまり顔を合わせないと思うよ。」

「そうか、それならいいんだ。」

ハグリッドと話しているところを見て不機嫌になったドラコを宥めつつ、商店街を歩いていった。

尤も、課外授業うんぬん関係なくハグリッドの所には行っていたので、もう顔を合わせないというのは嘘である。

 

さて、今年からは教科選択が増える。

とりあえず占い学といった将来的に使わなそうで興味のないものは落としていこうと考えていたシグナスであったが、

「君の成績ならばクィディッチとも両立出来るだろう」と寮監に全ての教科の選択を迫られたのである。

 

実のところ、全ての教科を取っている生徒は少なからず存在する。

しかし、そうすると全体で12教科まで膨らんでしまうのだ。勉強…というよりは授業を受けるのが好きなシグナスにとってはその申し出は嬉しかったのだが、流石に12教科も取ることは御免である。

明くる日も明くる日も課題に追われそうなのは目に見えているからだ。

 

面倒なことになったとため息をつくシグナスであったが、最後に全ての教科を取っていたのはグリフィンドール生である――ということから、スネイプが対抗心を燃やしているのは明らかだった。

 

結局、今年は全ての授業が被らないように調整するという嬉しくない申し出もいう追加攻撃を受け、なし崩し的に全てを受講することになったシグナスであった。

どうやらスネイプだけでなく、優秀なシグナスに対する他の先生たちの計らいも含まれているようだ。

 

そういった経緯で今年の平日は空き時間が一切ないシグナスであったが、双子によると兄弟の1番上と3番めも全ての教科を取っているらしい。

3番目のパーシーは現在5年生であり、せっかくなので相談に乗ってもらった。

ウィーズリー様様である。

最初はスリザリン、しかも相手はブラック家ということもあってどこか警戒した様子だったが、双子と戯れている姿を見て色々と思うことがあったらしい。

その後は熱心に相談に応じてくれた。

 

なお、自分と同じ境遇の人が周りにいなかったようで嬉しかったらしく、その後も交流は続いている。

 

 

──シグナスにとってはドラコは実の兄弟のような存在だ。だから基本的にドラコには弱い。

シグナスも彼の両親同様、ドラコのことを溺愛しているのである。

―――

シグナス・ブラックという青年(2歳しか違わないなんて信じられない!)

との出会いは、僕にとって思いがけない出会いとなった。

 

「まともじゃない」と言って邪険に扱う叔父さんと叔母さん、そんな2人を見て育った従兄弟のダーズリーに彼の態度を見て自分に暴力を振るう取り巻き、そな様子を遠巻きに見つめるそのほかの人たち──

 

彼らは今まで1度だって僕のことを心配してくれたことはなかった。

初めて僕のことを認めてくれたハグリッドでさえ両親を通して僕を見ている節があったし、さっきのパブで出会った魔法界の人たちに至っては僕ではなく、「生き残った男の子」に話し掛けていた。

誰も僕のことは見てくれていない。

 

それなのに──

この人は初対面で素性も知らない僕のことをこんなにも心配してくれる。

そんな人は今まで1人いなかった。

11歳にもなって!

初めて僕のことを気にかけてくれた!

 

僕が誰かも分かっていない打算抜きのこの状況で、彼の取った態度はとても嬉しかった。

本当に嬉しかったけど、あまりに突然のことで呆然としてしまった。

だから思わずぶっきらぼうに返事をしてしまったんだ。

彼はそんな僕をみてどう思ったのか、さっさと自己紹介をして丁度出来たと思われる商品を持ち、外へ出ていってしまった。

慌てて彼を目線で追うと、今度は僕を連れて来てくれたハグリッドと話していた。

 

さっきまでの端正な顔をどこか悲しそうに顔を曇らせて心配していたのに、今ではとても楽しそうに変わっているのを見て、僕は少し切なくなった。

先ほどまでのことを名残惜しく思っていると、いつの間にかドラコという少年が制服の採寸を終え、真新しいカバンにそれを突っ込む!(どう見てもカバンの方が小さいのに!)と、

ハグリッドと話しているシグナス・ブラックと名乗った少年を見つけてわかりやすく顔を顰めた。

 

さっき言っていた通り、ハグリッドのことが気に入らないようだ。

彼とは付き添いで来たようで、たまらず店の外に飛び出した。

 

やがてハグリッドから引き離すのに成功したようで2、人は弾んだ声でその場から遠ざかって行った。

それを目線で追っていると、

「あらあら、お坊ちゃんは新入生かい?」

どうやら僕の順番がきたようである。

 

やがて僕の採寸が終わり、それからどこかボーッとした感じで買い物を続けていた。

ハグリッドにはどうかしたのか?

と聞かれたけど、何でもないよとしか答えられなかった。

 

買い物が終わってもどこか我ここにあらずといった調子の僕を見かねたのか、ハグリッドは僕への誕生日プレゼントとして真っ白くて美しいふくろうを買ってくれた。

「ヘドウィグ」と名付けたそのふくろうを見たとき、僕は心からの笑顔を浮かべた。

さっき金庫でもそうしたはずなのに、笑顔になったのは随分と昔のことのようだった。

 

―――

最後に訪れたオリバンダーの店でドラコが杖を買い求めたあと、(サンザシ僕バラ科の植物だ。

に一角獣のたてがみ。25cmらしい。)

折角なので自分の杖を点検してもらった。

状態は至って良好とのことだ。

 

その後、マルフォイ家の屋敷しもべ妖精

──ドビーを呼び出し、妖精式の付き添い姿くらましでマルフォイ邸まで戻った。

基本的にシグナスもドラコも無意味に汚れる煙突飛行が嫌いなのである。

ドラコはドビーのことも嫌いなようだ。

 

「父上、母上、ただ今戻りました。」

「おかえりドラコ。

ルシウスは今いないの。疲れたでしょう?

紅茶を淹れるわ。シグナスもよ。」

「ありがとうございますおば上。」

「あらあらシグナス、"おば上"なんて私はそんなに年老いて見えますこと?」

心なしか周囲の温度がさがった気がした。

「すみません、あなたはまだお若いのに──

これからはシシーと。」

「ええ、それでいいわ。」

 

こうしてマルフォイ邸でのお茶会を楽しんだあと、クリーチャーに夕食を家で食べると言ってしまったと告げてブラック邸まで戻った。

それでも家で食べていけばいいじゃないか、と頬を膨らませるドラコは非常に微笑ましかったが、一言謝って帰ることにした。

 

シグナスにとって、マルフォイ家にいることは楽しかったが、それと同時に居心地が悪かった。

自分があの場にいると、どうしても死んでしまった両親のことを思い出していたたまれなくなるのだ。

 

マルフォイ家はシグナスから見た理想の家族像だ。

家族のために奔走する父、愛する夫と息子を慈愛の目で見つめる母、父と母を慕ってすくすくと育つ息子。

ああ、もし父と母が生きていたら

──そう思わずにはいられない。

少し切なくなったシグナスはその晩、クリーチャーとお喋りすることで忘れようとした。

 

────心にポッカりと空いた大きな穴を、埋めることは出来なかった。

 

 

 




いかがでしたか?
今回はハリーと初接触です。
しかし、シグナスは相手が「生き残った男の子」とは気づいていない模様。


・初めての魔法界に動揺するハリー
今までの生活では考えられないくらいの優遇っぷり。思わず目を疑います。
・シーカーになったシグナス
彼の父はシーカー(※公式設定)なので、天性の才能を受け継いでいます。
ハリーとの対決フラグが経ちました。
・優秀なブラック家の倉庫
そりゃ名家だから何でもありです。
シルバーアローが出てきてもおかしく…ない?
✾シルバーアローはこの後魔改造予定なので、最終的には後のファイアボルト並の性能になります。
・検知不可能拡大呪文
有能。
・ハリーを心配するシグナス
そりゃ弟のように見ているドラコと同じくらいの子がいかにも苦労している様子だったら声を掛けます。
・さっさと行ってしまうシグナス
若干ぶっきらぼうに返ってきた答えに、まだドラコのことを怒っていると勘違い。
咄嗟にフォローをしてハグリッドのもとへ。
・ハグリッドとお友達なシグナス
人との交流を通して、社交的な思考になったシグナス。愉快な動物を紹介してくれるハグリッドが気に入っているようです。
・ハグリッドを毛嫌いするドラコ
※公式設定。
・シグナスの闇
シグナスはマルフォイ家を通して幸せな家族というものに憧れています。両親がいないシグナスは自然と愛に飢えているので、自分の知らぬ間に真の友達を求めていたようです。(組み分けにて)
同じ理由で、何の打算もなく自分に尽くしてくれるクリーチャーのことを心から自分の家族だと思っています。
・シグナスに無自覚系主人公と、勘違い系主人公のフラグが立つ
彼は実際自分の顔がハンサムであることに気づいていません。比較的良い方だとは理解しているようですが、それが武器になっているとは思っていません。
まあ自分の容姿について褒めてくれる相手がいなかったこともありますが──
クリーチャーは例外。
そもそも人の容姿には触れなさそう。


ハリーの様子を不機嫌だと勘違い。
ドラコと何を話していたのか分からなかったので表面的なフォローしか出来ませんでした。
つまり、原作通りドラコと決別するフラグ建設です。
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