ブラック家の御曹司   作:修造

6 / 17
こんにちは。
今回は複数視点で場面が入れ替わります。

予告通り次回は3月頃の更新になる予定です。

今後ともよろしくお願いします。



伝統の一戦

ハロウィーンが終わり、11月に入ればクィディッチの季節だ。初戦は例年通りスリザリンVSグリフィンドールである。

 

ホグワーツ1000年の歴史の中で常に対立してきたこの2寮の一戦は、互いの不満をぶつけ合う代理戦争のような側面を持っている。

1度白黒ハッキリ付けることによって過剰な衝突を抑えるのである。両者ともに敵視しあっているこのカードは、開幕戦にして最も盛り上がるマッチなのだ。

 

両者の生徒が廊下で火花を散らし合い、クィディッチの選手の周りには、危害が加わらないように同寮の者たちがしっかりブロックする。

 

試合が近づくにつれてよく見られる光景だ。

もちろんシグナスと、今年からチェイサーの仲間入りを果たしたジャックの周りにもスリザリン生が固まって2人を守っている。

 

やはりというか、過去のデータは重要視される。

その選手のクセを見抜き、試合に生かすのだ。

昨年、シーカーとして暴れ回ったシグナスもしっかりと対策されているだろう。しかし、シグナスはそれが使えない。

少なくともグリフィンドールのシーカーは新鋭──しかも1年生の選手だからだ。

 

本来ならば、1年生はチームには参加できず箒の持ち込みすら禁止である。

あの公正で有名なマクゴナガルが規則を捻じ曲げてまで引っ張ってきた選手だ。油断はできない。

 

いつぞの日から取り巻きが引っ付くようになってから、彼らに新シーカーの偵察に行かせたことがある。

しかし、どいつもこいつも

ポッターは大したことありません!

ブラック先輩が負けることなんて無いでしょう?

などと宣ってくる。

正直、禄に相手の戦力分析をしていないのが丸分かりである。

 

いい加減うんざりしたシグナスは、キャプテンのフリントに休みをもらい、単身グリフィンドールの練習会場に向かった。

 

そしてひどく驚いた。

──底が全く見えないのである。

 

スニッチの捜索訓練や急降下訓練を始め、

やっている事はどれも基礎的なことだ。

しかしポッターは、どれもシグナスの予想を上回る動きをしてみせた。

 

(皆の報告で僕はどこか慢心していたらしい。これは予想外だな)

シグナスも試合に向けて万全の対策を整えている自負がある。しかし、実際にやってみないと分からないのだ。

 

直感で"底が見えない"と感じてしまった以上、例え相手が初陣だろうと全力で潰しにいくしかない。

そこでシグナスは、珍しく作戦を練ってフリントに提出していた。

 

「むう。シグナス、お前がそんなにやる気を出してくれてこちらも嬉しい。正直嬉しいがこれはダメだ。」

あれ、不備とかあったかな?

急いで修正してもっと厳しくせねば。

 

「いやいやシグナス?

これ以上厳しくしてどうするんだ。

今のままでも充分過激だというのに…

大体なんだこれ──

開始早々ウロンスキー・フェイントを仕掛けるぅ?しかもこっちの人員駆り出して相手の視界を潰すっておい、ヤッコさんを殺す気か。」

 

心外である。大体反則スレスレのプレーが持ち味と巷では有名なスリザリンチームだが、こいつらは審判の見ていない所では堂々とラフプレーを敢行する。

 

やられる!というときは身体を張って相手を妨害し助けてくれるのは確かだが、そんな過激なプレーをするフリント先輩に止められるとは思ってもみなかった。

あっさり通ると思ったのに。

 

「んなわけあるか。

確かに作戦としてはもちろんアリだ。

でもこれを仕掛ける相手がマズい。

初陣の1年生、しかもあのポッター!

いくらお前でも今回ばかりはバックは向こうについてる。試合が盛り上がる前にさっさと潰すのは流石になぁ…………とにかく、これはダメだ。

当然相手は選手たちの中でも1番緊張しているだろう。それを突くのはいいが、この作戦だと出来次第でポックリ逝っちまいそうだ。」

 

──どうやら外聞的な問題のようだ。

確かに一理ある。それにしてもクィディッチ狂のフリント先輩に止められるなんて!

こいつらといるから頭がおかしくなったんだろうか?自分でも信じられない。

 

「おい、シグナス。」

やばい、考えていることがバレたか?

「お前、大丈夫か?あんまり寝てないんじゃないのか?こんなに血迷った作戦立てる時間があったらさっさと練習するぞ!」

どうやらバレていなかったらしい。

内心冷や汗をかいたが、"ほら、そんなに思い詰めてなくていいからさっさと忘れろ"と言ってくれるフリント先輩の心遣いがありがたかった。

 

その後、作戦が発表された。

──開始した瞬間にビーターが相手のシーカーを奇襲攻撃し、相手がそれに気を取られている間に総攻撃を仕掛けていく──

 

あれ?これ僕の立てた作戦とあんまり変わんなくね?とボヤいたのは余談だ。

 

 

―――

 

今日はクィディッチの試合がある日だ。

相手はスリザリン。

初めての試合だからか、緊張のしすぎでご飯が喉を通らない。隣の席に座るハーマイオニーが僕を落ち着かせようとしているのか、何やら捲し立てているが全く耳に入ってこない。

ロンやネビルが何か軽いものでも、とパンやヨーグルトを差し出してくれるけど、正直既に吐きそうだ。

やめてくれ、その優しさは僕の良心に効く

やめてくr(ry

 

グリフィンドールの控え室に入った。

極度の緊張で今にも倒れそうだ。

そんな僕に気づいたチームのみんなは、一斉にキャプテンのウッドに目配せをする。

 

意図に気づいたらしいウッドが何やら大声で叫ぶと、みんなで円陣を組んだ。

「俺たちは、今までスリザリンを前にずっと涙を呑んできた。相手は強力だ。ああ、それは認めよう。

でも、こっちには優れたビーターがいる。」

 

視界の端っこでビーターの双子たちがハッキリと頷いたのが見えた。

 

「飛びっきりのチェイサーたちがいる!」

 

今度はチェイサーのアンジェリーナたちが頷いたのが雰囲気で分かった。

 

「そして要は俺!決めてるキーパーだぁ!」

少しずつ元気が出てきた。

 

「そして今年からは優秀なシーカーが参戦する。ハリー、君だ。」

僕は強く頷いた。

その後、絶対に勝つぞ!という掛け声で

円陣を解いたときには、もう緊張なんかしていなかった。

 

「選手の入場です!」

チェイサー3人娘を先頭に飛び立っていく。

真っ直ぐ前を見据えていると、こちらを振り返る双子の兄弟と目が合った。

ニヤリとこっちを見たあと、2人も飛び立つ。

最後に、ウッドが僕の肩を叩いてしっかりと頷くと、自らもピッチに飛び立っていった。

 

(僕には仲間がいるんだ。頑張ろう!)

そして僕も飛び立つ。

横目に見えた"ポッターを大統領に!"

という横断幕を見たとき、さらに勇気をもらった気がした。

 

スリザリンチームと顔を合わせたとき、僕は思わぬ人物と再開した。

 

 

 

 

 

 

―――

 

やれることはやりきった。

相手のシーカー──ポッターの箒はニンバス2000らしい。僕が直接見たわけではないが、ドラコがしっかりと確認してくれた。

僕の愛機──シルバーアローなら充分対抗できる。

心なしかポッターが驚いた表情でこちらを見つめていたが、そんなことよりも今は試合だ。

 

さあ、始めよう──

 

審判のマダム・フーチによって、開戦の火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

―――

 

「あっ、選手が出てきたわ。」

「おお、間に合ったか。

おまえたち、ちぃと詰めてくれや。」

ハリーたちがピッチに入場してきた。

よかった、もう落ち着いているようだ。

安心していると、そこには急いできたと思われるハグリッドがいた。半ば無理ヤリ席に座ったせいで、観客席のシートがギシリと嫌な音を立てた。

僕らも物理的に窮屈に感じる。

 

「やあハグリッド!

この試合、ハリーが勝つぞ!」

「ロンや、お前さん、わかってねぇな。

まだ始まってもねぇのにどっちが勝つなんて誰にも分かんねぇ。ハリーは優秀だが、相手も実績十分だからな。」

「へえ、ハグリッドがスリザリンの肩を持つなんて珍しいね。どういう風の吹き回しだい?」

「ああ、まあな。あいつは特別でな。」

 

「選手たちが向かい合ったわ!

もう始まるのね…あれ?

ねえロン、ハリーとっても驚いてない?

さっき散々相手のシーカーについて教えてあげてたのに!聞いてなかったのかしら?」

「仕方ないかもしれないよ。

今日のハリー、とっても緊張してた。」

「ハーマイオニー、ネビル、大丈夫さ。

相手が誰だろうとハリーなら絶対勝つ!」

 

やがてホイッスルが鳴った。

 

 

 

 

──

 

僕は面食らっていた。

目の前にいたのは、マダムマルキンの店で出会った──にっくきマルフォイと一緒にいた──青年だったからである。

そういえば、たしかハーマイオニーが"相手はシグナス・ブラックよ"とか言ってたような…

(でも、誰が相手だろうと負ける訳にはいかない。負けられないんだ!)

 

ピィーーッ!!

威勢のいい音が聞こえた。

 

 

 

 

──

 

試合が始まると、ビーターのデリック先輩とボール先輩が手筈通りにブラッジャーを打ち込んだ。昨年の試合とは比べ物にならないくらいの速度である。

(散々打ちまくってたもんな…俺に)

 

と感慨深くなるのもつかの間、半ば不意打ちの攻撃をポッターはかろうじてかわしてみせた。

第1目標が外れたので、チェイサーに合わせて急上昇し、スニッチを探すことにした。

 

一瞬遅れてから慌てたようにポッターもついてくる。近くを動き回られてやりづらい。

 

仕方ないので、ウロンゴング・シミー──本来ならチェイサーを交わすための技だが、動きが鬱陶しいポッターを引き離すのにはもってこいだ──を繰り出す。

 

急速な方向転換の繰り返しに歯を食いしばってついてくるポッターであったが、やがて離すことに成功する。そのまま水平飛行に戻ってスニッチの捜索を始めると

 

──ポッターの箒が揺れていた。

 

 

 

 

―――

 

「試合が始まったわ。…やっぱりスリザリンは電撃作戦でくるようね。」

「だからといって開幕ブラッジャーはないだろ!やっぱりスリザリンは卑劣だ!!」

「まあまあロン、落ち着けや。

ちゃんとハリーは躱したぞい?」

「でもハグリッド!あいつらあんなプレーばかりなんだ。あんな卑怯なマネ許せないよ!」

 

ハリーがブラッジャーを躱したのを見届けたスリザリン一同が急速に動き始めた。

特にシーカーは急上昇している。

どうやらスニッチを見つけたわけではないようだが、やはりシーカーの動きには注意しないといけない。

すかさずハリーも追っていく。

 

「やっぱりスリザリンのシーカーも優秀ね、あんな立ち回りはなかなか出来ることではないわ。」

「そうじゃろう?シグナスだからな。」

今僕の目の前に広がっていたのは、動き回って動きを牽制するハリーを嫌がり、ジグザグに高速移動してハリーを引き離そうとするスリザリンのシーカーがいた。

 

「ハーマイオニーもハグリッドもどうしてそんなに敵の肩を持つんだい!?」

何故かスリザリンの肩ばかりを持つ2人にイラつく僕だったけど、次の瞬間──ハリーの箒が暴れ始めた。

 

 

 

―――

 

──何が起きているんだ?

揺れ方が急すぎる、あれじゃ落ちるぞ!

ポッターの様子に気づいた僕は、

思わず彼の元へ急行した。

どうやら近くに展開していたらしいジョージも駆け寄ってくるのが見える。

 

「ポッター、大丈夫か?僕に掴まれ!」

手を差し伸べたが見向きもしない。

「ハリー、落ち着け、

まずは落ち着いて箒を収めるんだ!」

ジョージも呼び掛けているが、

こちらも華麗にスルーされた。

 

今にも落ちそうなポッターに頭がいっぱいになった僕は、競技中ということを忘れたジョージと2人して肩を組み合わせ、ポッターを下ろそうとした。

 

──しかし、その瞬間ポッターの箒が安定を取り戻した。すっかり調子を取り戻した様子のポッターは、完全に隙を晒しているこちらを気にした様子もなく急降下して行った。

 

その先には──黄金のスニッチがあった。

 

 

 

―――

 

ハリーがおかしい!

いや、頭は正常だけどね?

 

「ロン、ちょっとそれ貸して!」

ハリーの箒が乱暴に揺れ始め、その様子を

双眼鏡で見ていた僕だったが、

ソレをハーマイオニーに取られてしまった。

 

「スネイプよ!スネイプが呪いを掛けているんだわ。」

「何だって!?」

「ハーマイオニーや、冗談じゃねぇか?

スネイプ先生がそんなことするわけねぇだろう。」

何やらボヤいているハグリッドをよそに

私、行ってくる!と意気込んでいるハーマイオニーはどこかへ行ってしまった。

 

そっちに気を取られていると、ハリーの前にはスリザリンのシーカーがいた。

どう見てもハリーに向かって手を伸ばして何かを呼び掛けている。その傍らにはジョージもいた。

 

"ハリー!その手を掴むんだ!"

と願っていると、

"ダメだハリー!それはワナに決まってる!"

と叫ぶ声が聞こえた。僕自身のものだった。

 

手に目もくれていない様子のハリーは、

今にも落ちそうだ。

 

すると──驚いたことに、敵どうしであるはずのスリザリンのシーカーとジョージが向かい合わせに肩を組み始めた。

ハリーを救助するらしい。

喧騒に包まれてハリーを見守っていた観客たちもホッとしていくのが分かる。

 

──その瞬間、ハリーの箒が元通りになった。

ハーマイオニーが上手くやったらしい。

素早く体勢を立て直したハリーは、

ポカンとした様子の2人を尻目に急降下していった。

 

その手の先には──スニッチがいた。

 

いきなりの急展開に僕も周りの観客席もついて行けていないが、とにかくハリーがスニッチを見つけたらしい。徐々にスニッチに近づいていく。あと少し!

 

次の瞬間、観客席から怒号が響いた。

スリザリンのキャプテン──マーカス・フリントがハリー目掛けてタックルを仕掛けたのである。

 

 

 

 

 

―――

 

思わず冷や汗が出た。

フリント先輩に助けられたのはこれで何回目だろうか?

 

僕がジョージと助けようとした直後、ポッターの箒が元に戻った。良かった、とひと息つく前に、ポッターはこちらには一切声を掛けることなく急降下して行ったのである。

 

は?思わず口を開けてその挙動を見ていた。

未だに肩を組んでいるジョージも口をあんぐりと開けている。

その先には金色の輝きが見える。

 

(クソ!やられた!)

敗北を悟った僕を救ったのは、頼れるキャプテン、フリント先輩だった。

 

「シグナス、ボサっとするな!」

怒り心頭のフーチに口頭で注意を受けたフリント先輩が、こちらに檄を飛ばす。それにスピードを上げることで応えた僕は、気を取り直してどこかへ消えたスニッチを探し始めた。

 

 

 

──しばらく時が経った。

スニッチは幾度となく発見されているがそれはどれもポッターの近くであり、その度にみんなの妨害で事なきを得ていた。

(今日はどうやらツイてないようだな。)

もはや猶予はなかった。

 

覚悟を決めた僕は、今度は低空でスニッチを飛ばしたらしいポッター目掛けて急降下していった。速度を活かして脇を通過した僕は、観客席の上段あたりで1度機首を立て直して急上昇した。

 

何やら競技場全体がザワついているが、知ったことではない。慌てて急上昇してきたポッターを認めると、今度はターンを決めて再び急降下に移る。

ものすごいGだ。

身体を鍛えていなければ背骨が折れるレベルである。

 

急激な動きに身体が悲鳴を上げるが、それを無視して降下していく。

ポッターとすれ違う瞬間、僕は手を前に伸ばしてみせた。

 

僕に比べるとやや緩やかに再び機首を下に下げたポッターは、上から手を伸ばして突っ込む僕に合わせたように急降下する。

 

──その瞬間、シルバーアローを最高速度まで上げでポッターの前に躍り出た。当然ポッターは慌てて加速する。

急降下している中、さらに加速していくのはなかなか度胸が必要だ。加速度的に上昇する速度に耐え抜かねば、乗り手はたちまち失神してしまう。

 

当然そのままだと立て起こしに失敗して最悪逝ってしまう。──だが、ここにいる2人はそんなことなど気にせんとばかりに堕ちていく。

 

怒涛の展開に盛り上がる観客だが、次の瞬間再び凍りついた。

 

完全にポッターの前に立ち、視界を塞いでいたシグナスが地面ギリギリで機首を立て直し、自分の高度が分かっていないポッターを尻目に急上昇したのである。

 

見事なウロンスキー・フェイントだ。

 

鮮やかに決めたシグナスに、スリザリンからは今日1番の歓声が上がった。他は凍りついている。

 

技を決めてしまった僕は、急上昇の勢いそのままにフリント先輩もとまで駆け寄った。

 

「すみません。

ああするしかありませんでした。」

「いや、良くやったぞシグナス。

今まで見てきた中で1番鮮やかだった。

そんなに思い詰めた顔をするな、

スニッチも気まぐれだ。あのままではいつ負けたか分かったもんじゃなかったからな。

お前の覚悟は分かってるつもりだ。」

 

事後報告をする2人の遥か下方には

──愛機のMaxスピードよりも速い速度で地面に突っ込んだハリー・ポッターと、急いで群がっていくグリフィンドールチームの姿があった。

 

 

 

 

 

 

―――

 

「知らない天井だ。」

気がつくと、辺りは真っ暗だった。

「あれ?どうなって…」

確か箒が暴れて、頑張って抑えていたらスニッチを見つけて、追いかけるのに夢中になって──

 

「──ッ!イテェェェ!!!」

起き上がろうとすると、とんでもない痛みが首に走り、思わず叫び声を上げる。

ダドリーのパンチの方がマシだ。

 

僕の叫び声に気づいたマダム・ポンプリーが駆け寄ってくるが、そんなことはどうでもよかった。

 

「僕、負けたんだ…負けたんだぁ」

何やら話し掛けてくる先生の声は聞こえなかった。

ずっと近く待機していた様子のチームのみんなや、ロンとハーマイオニーも駆け寄ってきたが、そんなものは目に入らない。

 

──負けたことがただただ悔しかった。

 

 

 

 

―――

 

例年荒れに荒れるホグワーツ伝統の一戦は、やっぱり今年も酷かった。

電撃戦を仕掛けるスリザリン、

途中で制御不能に陥ったハリー・ポッター、

敗北を阻むための度重なるラフプレーに、

初陣のシーカーに仕掛けられた、無慈悲なウロンスキー・フェイント──

 

 

この日を境に、試合を決定づけたシグナス・ブラックには2通りの評価が下された。

──鮮やかなウロンスキー・フェイントを決め、数少ないチャンスをものにした彼を賞賛する者

──シーカー対決に焦り、堂々と勝負せずに全力で潰しにきた卑怯者

 

後者は明らかにグリフィンドールの勝利を願っていた者たちからふと上がった負け惜しみの認識だが、人は都合よく解釈したがる生き物である。

 

 

──翌日から"卑怯者"シグナスに対して、スリザリンと一部を除く者たちからの攻撃が始まる──

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
クィディッチ回でした。
ここから辺が駄作者の限界です。

視点の切り替わりが過剰ですかね?
そこら辺の意見も欲しいです。

動きの描写って表現するのが難しいんですね。
次回はスリザリン席側からの視点とその後のシグナスの行方についての予定です。
←ドラゴンは…まだか?
その次に投稿します。
字数的にドラゴンとくっつけるかも。

感想心待ちにしております。

用語解説
*ウロンスキー・フェイント
スニッチを見つけたふりをして地面に急降下し、激突寸前で上昇する。敵のシーカーに後を追わせておいて、地面に衝突させる作戦。
*ウロンゴング・シミー
チェイサーを振り切るため、高速でジグザグに飛ぶ。

・伝統の一戦
このカードじゃなくとも対戦する寮同士によるいがみ合いは発生する模様ですが、この2寮の場合は度を越す傾向があるようです。
1000年にも渡る対立って根深い。怖い。
・過激な作戦を立てるシグナス
いつも過激な練習をしているので感覚が麻痺したようです。その後しっかりとフラグを回収するあたりはさすがです。
・喉にご飯が通らないハリー
グリフィンドールと他2寮からの期待を一身に受け止めています。戦い切った君は最高だ!
・不憫なハー子
1度登場して以来、活躍の場を所々カットされています。ファンのみなさま、ごめんなさい。
まあ今回はファインプレーですが無駄にスネイプが被害受けてるだけですし…ねぇ?
・箒が暴れるハリー
ニンバス2000「あれーおっかしいなー?」
ハリーは開放されるまで2人が心配して寄ってきたことに気づいていなかったのか?詳しくは次回。
・肩を組むシグナスとジョージ
目の前で命の危機に瀕しているひとを放っては置けません。結果的に盛大な肩透かしを食ったわけですが。
・覚悟を決めるシグナス
スニッチの登場がいつもハリーの近くだったので、結局最初の作戦通りに相手シーカーを無力化することにしたシグナス。
一体どこまでこの後の展開が読めていたのか――
勝利を収めるためなら手段を選ばないスリザリン生らしく、独断専行ながらフリントたちも納得しています。

また、 ハリーに仕掛けられた数々の妨害は、ビーターやフリントを始め、ジャック含めた集団リンチ気味になっております。負けるくらいだったらペナルティシュートなんてへではありません。
・"卑怯者"シグナス
そこまで認識が変わるほどハリーにかかった期待は大きかったようです。一体どんな目にあってしまうのか。乞うご期待。

ちなみに、ハリーはその日のうちに意識を取り戻しています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。