息抜きで書いたイノベイター転生   作:伊つき

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ガンダム対決

第二世代ガンダム、GNY-004プルトーネ。

本来ならばソレスタルビーイング、その後にフェレシュテへと受け継がれる筈のガンダム機。

ただ元型機とは違い、黒の塗装が施されている。

まるでイノベイドが【GNZシリーズ】の参考とするために『ヴェーダ』のデータから再生させたプルトーネのように。

いや、どちらも塗装を変えただけだ。

なら一緒だろう。

だから、目の前で見下ろしているのはプルトーネ ブラックだ。

 

「プルトーネ ブラック…何故ここに?」

「『ヴェーダ』のデータから再現したの。2年も掛けて作ったんだよ」

「みゆ…レナがプルトーネも作ったのか?」

「そうだよ」

 

す、凄いな…。

こんなにもまじまじとガンダム機を見るのは初めてだ。

俺の目で見た範囲では外見は完璧に再現できている。

本当にレナが作ったのか?

 

「もちろん私だけで作ったわけじゃないよ。資金は援助してもらったし、たった1人じゃ作るのも大変だし」

「そうなのか…」

 

そういえば機体の整備をしている者達がいる。

なんか小柄というか平均年齢が低い気がするのはなんでだ…?

 

「あの子達、気になるの?」

「あぁ…」

 

俺の視線に勘づいてレナが尋ねてくる。

まあ脳量子波で大体筒抜けよな。

 

「あの子達はえーと…超兵機関だっけ。ある施設から連れ出した子達だよ」

「超兵機関!?まさか…5年前に超兵機関を襲ったのはレナか!」

「確かにそれくらい前の話だったかなぁ」

 

超兵機関がアレルヤによって壊滅した際、中佐と見ていた資料。

その中で5年前に超兵機関を襲撃したと思われる機影があった。

白い翼…赤い粒子…間違いなくガンダム機であるMS(モビルスーツ)だ。

 

「お世話になった人に紹介してもらってね。人員としてどうか、って」

「人員って…」

 

ちょっと酷くないか。

超兵機関の子供達は被験体でまともに生きれるような存在ではない。

ハレルヤが言っていたように改造された彼らが日常に混じるなんて無理だろう。

だが、だからといってMS(モビルスーツ)の開発に必要な人員として連れ出すのが得策とも思えない。

 

「レナ、お前…」

「分かってるよ。あの子達はまともには生きられない。でも真っ当に生きようとするのは罪じゃないでしょ?」

「え…?」

「少しずつでも紛争から遠ざけられたらいいなって思って、出来る限り犠牲は出さずに介護したの。でもいきなり普通の生活をしろって言っても無理でしょ?だから、少しずつ遠さげる形で今は機体の整備を手伝ってもらってるんだ」

「そ、そうなのか…」

 

レナ曰く、知識を与え、機体の整備や開発を子供たちに教えたらしい。

それはMS(モビルスーツ)に関することだけでなく、通常の教育や生きる術など普通に生活するための知識も同時に平行して行ってるという。

脳量子波も自身がイノベイドであることを利用してコントロールできるように助力していて。

改造されてしまった子供たちに寄り添っている。

 

まさに手順を踏んで徐々に戦いから遠ざけようとする考えのようだ。

レナにとってちゃんと考えて救い出そうとしている。

そして、そんな話をしているうちに1人知っているやつが近付いてきていた。

 

「お前は…!」

「先生、彼は…?」

「あぁ…紹介するね。お兄ちゃんのレイ・デスペアだよ」

「お兄さん?」

「レ、レナ!なんでここにレオ・ジークがいるんだ!?」

 

金色(こんじき)のロングヘアー、本名レナード・ファインズ。

元人革連の超兵で後にフェレシュテのガンダムマイスターになる男だ。

そんなレオが今、俺の目の前にいる。

 

「な、なんで僕の名前(コードネーム)を…」

「お兄ちゃん、レオのこと知ってるの?」

「なっ…」

 

ファーストネーム呼び!?

なんか心なしか距離が近いぞ!俺には分かる、分かるぞ。

よく分からんがレオの方はレナを先生と呼んでいるが知ったこっちゃない。

いつの間に近くに男を…いや、レナとは会ったばかりだけどさ。

とにかく認めないぞ!

 

「深雪、レオは優しいやつだが認めないぞ!俺のいない間に深雪に擦り寄る奴は解せん!」

「な、何の話を…?」

「お兄ちゃん…発想が突飛し過ぎだよ…。レオとは何も無いから」

「そ、そうなのか?おい、どうなんだ!」

「えぇ…!?」

 

指をさし問い詰めるがレオは困惑するだけで答えない。

なよなよしやがって、それでも男か!

さらに迫ろうとしたがレナが阻んできた。

 

「もう…今はそんなことしてる場合じゃないでしょ!」

「うっ…そ、そうだがなんでここにレオがいるんだ!?」

「レオは私に協力してくれてるの…!お世話になってる人からの紹介でね」

「おい…それは本当か」

「え?まあ…はい」

 

ほう…まあ嘘はついてなさそうだ。

お世話になってる人、協力者か。

やはり深雪を救ったのはソレスタルビーイング関係だな。

となると(ワン)家か?

フェレシュテのマイスターになった時が19歳だから今のレオは11歳か。

ん?それにしては…背が高くて大人びてないか?

まあ俺の知ってるレオより若干幼さのある顔ではあるが。

 

「おい、今何歳だ」

「ぼ、僕ですか?15歳ですが…」

「なに…?」

 

レオが困った表情で答える。

原作より4つ歳を取ってるのか。

改変か、まあそうだろうな。

何のための改変だよ。

それにしても高身長だな、俺より背が高い。

成長期か?解せねえ。

 

「お兄ちゃん、もういいでしょ」

「あ、あぁ…悪かったって。そう怒るなよ」

「怒ってないですよーだ」

「レ、レナぁ…」

 

スーツに身を包んだレナが俺に目を合わせず移動していく。

機嫌を損ねさせてしまったか。

ちくしょう、レオめ。

 

「お前、帰ったら覚えておけよ」

「えぇっと…何を…」

「お兄ちゃん!」

「うへっ!?」

 

やばい、本気で怒らせてしまう。

これ以上レナの機嫌を悪くさせてしまわないようレオを後にしてプルトーネ ブラックへ向かう。

ワイヤーを掴んで上がっていくとより近くで見ることでガンダムの貫禄を感じた。

 

「これが、ガンダム…」

 

見下ろすとレオが見上げている。

こっち見んな。

そんなレオに近寄る女性がいる。

あれ、デル・エルダじゃないか。

本名はデルフィーヌ・べデリア、人革連の元パイロットでレナードと共にティエレン チーツーを操縦していた。

あいつもいるのか…。

2人とももうソレスタルビーイングに所属していて、レナの協力者が寄越したのか?

 

ふとレナを見遣ると俺同様にワイヤーで上昇していく彼女を捉える。

白い翼を持つガンダム機、機体の塗装は翼とは真逆の漆黒。

5年前、超兵機関を襲撃した機体か。

だが、どっからどう見てもあのガンダムなんだよなぁ。

GNドライヴと夢の共演ってか。

深雪は何を考えてアレを作ったんだろう。

 

『なぁ、みゆ――レナ、その機体って…』

『私のガンダムだよ。ガンダムサハクエル』

『サハクエル…』

 

距離も離れているので通信越しに話す。

レナが新たに開発した擬似太陽炉搭載型ガンダム機。

ガンダムサハクエル。

空を支配する天使か…。

武装はやはりバスターライフルが分離されて装備されている。

それ以外にも豊富な装備だ。

帰ったら何を積んでいるのか聞かせてもらおう。

 

『すまない、レナ。巻き込んで』

『今更だよ。それとレオには帰ったら謝ってね』

『ぜ、善処する…』

『ダメ!ちゃんと謝る!』

『はい…』

 

どうも前世から妹には敵わない。

なんでだ。

とりあえずプルトーネ ブラックに乗り込んだ。

恐らく設備も細かいところは変わってるだろうが本家と大差はない。

うーん…ガンダムを操作したことがないからよく分からんシステムがあるな。

マニュアルくれ、マニュアル。

 

『レナ。ぶっちゃけシステムが分からん』

『私がサポートするから安心して。口頭で伝えられるところは全部教えてあげるから』

『おぉ、それは助かる』

 

優秀だな。

まるでミン中尉がついてるみたいだ。

深雪の助力も得て最低限の戦闘はできるくらいに操縦が可能になった。

後は出撃するだけだ。

グリニッジ標準時間を確認する。

よし、まだ間に合う。

 

『ハッチオープン。GNドライヴ稼働!システム、オールグリーン!各部問題なし!』

 

レナが的確な指示とシステム全てに目を通す。

凄いな…思わず感嘆した。

レナの能力が高い。

俺の知ってる妹とは見違えるようだ。

 

『出撃準備完了!行くよ、お兄ちゃん!』

『あぁ…!』

 

レナの掛け声に俺も応じる。

プルトーネ ブラックも稼働させ、GN粒子を散布し始めた。

いける、このガンダム動くぞ…!

 

『ガンダムサハクエル、レナ・デスペア。飛ぶよ!!』

『ガンダムプルトーネ ブラック、レイ・デスペア。出撃する…!』

 

黒ハロはサハクエルに搭乗している。

俺とレナは各々叫び、ガンダムを飛ばした。

レナの隠れ蓑こと基地施設から出現した2機の機影、2対のガンダム。

サハクエルは白き双翼を広げ、降臨する。

赤い粒子を散布させる機体は互いに顔を合わせ、目標方向へと向き直る。

 

『準備はいい?お兄ちゃん』

『もちろんだ!』

『行くよ…!』

『あぁ…!』

 

レナの合図で基地上空から出力全開で飛行を開始する。

サハクエルとプルトーネ ブラック。

2機のガンダムがユニオンのアイリス社軍需工場へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニオン領土へと侵入。

目的地であるアイリス社軍需工場まであと2000km地点をガンダムプルトーネ ブラックとサハクエルは通過する。

擬似太陽炉があればスローネの急襲にギリギリ間に合うだろう。

だが、ガンダムサハクエル――レナは突如推進を止めた。

 

『レナ…?アイリス社の軍需工場までまだ距離があるぞ。何故止まる』

『お兄ちゃんはこのまま向かって。作戦プランを転送するから道中に目を通してね』

『はぁ…?』

 

おいおい、単独で行けってか。

なんでついてきたんだよ。

文句を言おうとしたらサハクエルは眼下にある山岳へと降下してしまった。

心中で悪態をついていたが、レナからデータが転送される。

プルトーネの端末に渋々そのデータを表示する。

 

作戦プランとやらか。

いつの間に練ったんだ?もしかしてここまでの移動中だったりするのか。

出撃は急な話だったからその期間しかないよな…。

そういえば道中スローネの武装を聞いてきたがそういうことだったのか。

そんな即興で作ったもので大丈夫なのかよ。

とりあえず目を通す。

これは…。

 

『嘘だろ…?』

 

目的地へと着々と近付いていく中、コクピット内で思わず驚愕の声を漏らす。

いやいや、この作戦ほんとに上手くいくのかよ。

深雪のやつ、自分の力を過信し過ぎじゃないのか。

真顔でこんな作戦プランを出してくる程自信過剰な性格じゃなかったと思うんだが。

まあ作戦プランに目を通している間にレナとは離れたし、最悪俺が1人でなんとかする方向でこのまま向かうとしよう。

 

プルトーネ ブラックが目的地周辺空域に到達した。

一応作戦プランは実行する。

後で深雪…じゃなくてレナに怒られたくないからな。

 

『アイオワ上空域に入った。GNメガランチャーによる偽装の準備完了』

『了解。粒子圧縮率98%、GN粒子蓄積量目標に到達』

『モニター内に先行する機体を捕捉した。機影3機、一定範囲の通信遮断の確認によりスローネと推測。メインモニターにも映っている』

『前方モニターの映像をハロちゃんに転送して』

『分かった』

 

遂にスローネを見つけた。

アイン、ツヴァイ、ドライの3機を視界に捉えている。

間違いなくトリニティだ。

 

レナに指示された通りにスローネの映像を転送した。

今頃黒ハロが俺の視界を映し出した映像をサハクエルのモニターにリンクし、レナがスローネの座標を確認しているだろう。

正直上手くいくとは思えないが、自慢の腕を見せてもらうとするか。

 

『スローネ確認。サハクエルの座標固定、照準確定、照準までの道筋の一定重力演算完了。狙撃態勢に入るよ』

『はいよ』

 

後半になるにつれて何を言ってるのか理解出来んがもはや聞き流している。

昔から言って聞くタイプじゃないからな。

好きにやらせるさ。

作戦プラン通り、プルトーネ ブラックはGNメガランチャーを構える。

照準はガンダムスローネ アイン、ヨハン・トリニティ。

 

実際はGNメガランチャーなんてのは見た目だけでただの贋物(ガラクタ)だがな。

カモフラージュのために用意したものらしい。

サハクエルは未だに晒したことのない機体、レナにとっても隠し通したいとのこと。

形状こそGNメガランチャーと瓜二つだが真実は鉄屑、武装ですらなくGN系の砲撃どころか実弾すら出ない。

まったく…茶番で終わらないといいけどな。

 

『アイリス社軍需工場が見えた。スローネ アイン襲撃態勢。俺は行くぞ…!』

『了解、作戦開始!GN粒子解放!超長距離射撃、発射(ファイア)…っ!!』

 

作戦の成功を信じていないので表面上従いつつ、スローネへと迫る。

だが、切迫しようとする俺のプルトーネ ブラックの背後から巨大な粒子反応があった。

 

『なっ…!?』

 

一応知っていた俺でさえ驚く。

信じてはいなかったからな。

しかし、プルトーネ ブラックの横を過ぎていった粒子ビームは一直線にスローネ アインを捉えていた。

馬鹿な…あの距離から本当に!?

 

『粒子反応…っ!これは!』

『なに!』

『粒子ビーム…!?』

 

男女3組の音声を拾う。

当然トリニティ兄妹だ。

ヨハン、ミハエル、ネーナの順に驚愕し、完全に不意を突かれている。

サハクエルの粒子ビームは不意を突き、咄嗟の緊急回避を行ったスローネ アインを捕捉していた。

だが、さすがはヨハン。

優れた反射神経での回避で直撃コースを免れている。

まあ最初からスローネ アインの機体()()は狙っていないが。

 

『ぐあっ…!?しまった、長距離砲が…っ!』

 

機体の衝撃に苦痛を訴えるヨハン。

レナの狙いは最初からGNランチャー、そしてGNランチャーは粒子ビームによって大破した。

もはや粉砕と言っていい程跡形も残ってはいない。

ヨハンは回避したが、こちらの狙い通りにGNランチャーを奪うことが出来た。

これはまさか、回避後の座標すら読んでるのか。

いや、わざと回避コースを誘導している。

 

『ミハエル!来るぞっ!』

『え…?』

 

ヨハンのダメージに気を取られていたミハエルは第2射の粒子ビームに気付かなかった。

なんとか回避行動を取るもレナはそれを読んだ上での狙撃コースを選択している。

次の狙いはGNファングの収容ユニット。

二つあるうちの片方に粒子ビームが直撃し、破壊する。

 

『ぐああ…ッ!』

『くっ…我々の武装ばかりを…!』

『ヨハン兄!接近する機体が…!』

『あれは、ガンダム?――っ!粒子ビーム、ミハエル避けろ…!』

『無茶言うなっての!!』

 

トリニティの混乱の隙を狙った第3射。

俺のプルトーネ ブラックは偽装GNメガランチャーを構えているだけだ。

ネーナがプルトーネ ブラックに気付いた時には第3射の粒子ビームが俺を通過した後。

タイミングは完璧、カモフラージュは依然成功だ。

 

『ぐあっ…!またファングかよ!』

『収容ユニットを完全破壊だと…?なんていう正確な()()…!』

『ヨハン兄。敵機、急速接近!』

『くっ…迎え撃てネーナ!』

『了解!』

 

GNランチャーによる長距離砲撃とGNファングによる遊撃を封じた。

ここまで作戦通り。

正直驚きのあまり唖然としている。

レナによる超遠距離からの狙撃で的確にスローネの主武装を破壊し、攻撃力を奪う策略。

俺は作戦プランに目を通したその時から、まずレナの狙撃は不可能だと思った。

 

確かにレナの狙撃は凄まじいのは身をもって2度も体験した。

だが、いくらなんでも超長距離からありったけのデータを元に狙撃するなんて。

それもおよそ戦場付近(エリア内)とは思わせない距離。

撃ってきた方向を把握したところで追いつけない。

必ず逃げ切れるレナのガンダム サハクエルの姿を戦場で見るものは誰もいない、できない。

 

狙撃中は機体の座標と姿勢固定のために動けなくなるため、迷彩システムを稼働している。

つまり、粒子ビームを目撃する者がいてもサハクエルの機体を目に焼き付ける者も出ない。

全てはレナの技量で成り立つ作戦プランだ。

 

『凄い…』

『この…!』

『……っ!』

 

スローネ ドライ、ネーナ・トリニティがGNビームサーベルを抜刀して迫ってくる。

ちっ、意識を割いている余裕はないか。

俺もプルトーネ ブラックのGNビームサーベルで迎え撃った。

 

『はあっ!』

『……!』

 

競り合い、火花を散らすGNビームサーベル。

ちなみにメガランチャー(鉄屑)は背中に収容した。

ガラクタだが捨てると拾われた際にカモフラージュがバレるからな。

これもレナが考えた。

 

『ちょっと待って!?この機体、もしかしてプルトーネ…!』

『なに!?』

『嘘だろ、フォン・スパークのやつ生きてやがったのか!』

『そんなことは…!』

 

競り合うネーナが俺の機体に気付いた。

確かトリニティは過激な武力介入の前にフェレシュテのGNドライヴを回収しようとプルトーネに乗ったフォン・スパークと戦っていたな。

 

現在ガンダムプルトーネを所有するのはフェレシュテのみ。

ならフォン・スパークと疑うのは当然か。

嬉しい勘違いだな。

 

『塗装を変えて我々の邪魔を…?いや、あの状態からの修復は不可能、フォン・スパークも例え生きていたとしても動ける状態ではない筈…』

『どうするんだよ兄貴!』

『プルトーネのパイロットの正体を探りつつ応戦する』

『了解!GNファングの分取り返してやるぜ!』

 

スローネ ドライの相手をしている間、ヨハンが結論をまとめたのかアインとツヴァイも動き出した。

遅かったな。

やはりヨハンは緊急事態に弱い。

 

『きゃあ!?』

『……』

 

スローネ ドライを蹴り飛ばし、アインとツヴァイに備える。

2機のガンダムが相手か…。

以前なら余裕で死んでたな。

 

『プルトーネ ブラック、目標を蹂躙する!』

 

『野郎…っ!よくもネーナを!』

『ミハエル、同時攻撃を仕掛ける』

『分かったぜ兄貴っ!』

 

スローネ アインがGNビームサーベル、スローネ ツヴァイがGNバスターソードで左右に展開する。

挟み撃ちか。

プルトーネ ブラックの近接武器はGNビームサーベルが4本のみ。

レナが予備として置いておいただけあって武装が乏しいな。

まあ我儘は言えない、ガンダムを用意してもらっただけ有難いしな。

 

『墜ちろよっ!』

『プルトーネのパイロットよ、素性を晒せ。応答願う』

『……』

 

ミハエルは殺る気満々だが、ヨハンは正体を探ってくる。

俺が乗ってるのがガンダム機だからな。

連合軍も発足されておらず、擬似太陽炉の流通によるGN-X大量生産もまだ起きてはいない。

ガンダムを有するのは未だソレスタルビーイングやフェレシュテなどのイオリアの計画を知る組織だけだ。

ならばヨハンの問いも納得はできる。

当然、答える気はないがな。

 

『クソ!避けんなよ!』

『再度応答願う、プルトーネのパイロット』

『……』

『そうか…。ミハエル、プルトーネを紛争幇助対象と断定。破壊する』

『へっ。やっとかよ!そうこなくっちゃなぁ!つまんねえぜ!!』

 

左右双方向からのGNハンドガン、GNビームサーベルの射撃を避け続けていたが、スローネ アインとツヴァイは一気に距離を縮めて接近してくる。

手にはGNバスターソードとGNビームサーベル。

 

『切り刻んでやるよ!』

『その機体は元々我々のものだ。返してもらおう』

『……っ!』

 

GNビームサーベルを2本抜刀して防ぐが、各々押してくるのでかなり辛い。

くっ…耐えてくれ。

 

『オラオラァ!』

『諦めろ』

『ぐっ…!』

 

さすがにきつい…。

2基のGNドライブによる推進力に挟まれるのがここまでとは。

ティエレンだったら耐える間もなく両断さるている。

これがガンダム戦か…!

 

『ネーナ、今だ!』

『了解!』

 

しまった。

ヨハンの指示で動きの取れないプルトーネ ブラックの元にスローネ ドライが接近してくる。

GNハンドガンの銃口は確実に俺を捉えている。

スローネ アインとツヴァイを相手にしている今、ドライまでは手に負えない。

 

『貰ったぁ!!』

 

スローネ ドライのGNハンドガンから粒子ビームが放たれる。

3機のガンダムを相手に絶体絶命の危機が迫っていた。

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