息抜きで書いたイノベイター転生   作:伊つき

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1万文字超えて読みにくいかなと思ったので分けました。
前話のサブタイトルも変更しています。


否定する者(中)

本拠の防衛のために出撃したガンダムスローネ。

対するアドヴァンスドジンクス率いる編隊は本拠まであと数キロのところまで迫っていた。

アインを駆るヨハンはミハエルとネーナに指示を出す。

 

『中央の敵機はスローネと同じ擬似太陽炉搭載型だ。油断するな』

『『了解!』』

『ネーナ、ドッキングだ。先制を仕掛ける!』

『ラージャっ!』

 

笑顔とピースサインで応えるネーナは指示通り、ドライをアインの背後に回す。

そして、そのままGNハンドガンの銃口をコードでアインと連動した。

 

『GN粒子、転送完了!』

『了解。目標、ジンクスのカスタム機にGNメガランチャー、撃つ』

 

その一言と合図に引き金が引かれ、アインのGNランチャーから遥か遠くにいるアドヴァンスドジンクスに向けて凄まじい威力の粒子ビームが放たれる。

利点である射程の広さはアドヴァンスドジンクスを含んでおり、ヨハンの優れた狙撃の腕は間違いなく敵機を捉えていた。

 

『よし…!』

 

確実に敵機に命中する。

そう確信したヨハンは少なくとも敵機は被弾するとみた。

しかし、粒子ビームをアドヴァンスドジンクスは完璧に避けてみせる。

 

『馬鹿な…!?あの射程範囲を!』

『兄貴!ハイメガに切り替えようぜ!』

『敵機、急速接近…!兄々ズ…!来るよ』

『くっ…時間がない』

 

ツヴァイと接続する時間に粒子を供給する時間。

その両方を満たす余裕はなかった。

ヨハンはすぐに切り替えてGNメガランチャーのまま照準でアドヴァンスドジンクスを追う。

 

『今度は当てる!GNメガランチャー、行け…!』

 

再度粒子ビームを放つスローネ アイン。

GNメガランチャーの狙撃に対し、アドヴァンスドジンクスは加速を止めず、流れるように回転して起動をずらす。

たったそれだけで直撃コースを免れ、粒子ビームはただ横を過ぎただけだった。

 

『くっ…!加速と着弾までの距離を逆に利用したか!やるな!』

『敵機、狙撃範囲を突破…!ミハ兄!』

『言われなくてもわかってるっての!!』

 

ネーナに言われるまでもなくミハエルはツヴァイで躍り出る。

飛び出ると共に気の早い気性からツヴァイはGNファングを6基放った。

いつものミハエルの戦法。

ファングで敵を乱し、自身に有利な条件下での接近戦に持ち込もうとする。

だが、放ったファングは射出したその直後に3基が粒子ビームに貫かれ、破壊された。

 

『なっ!?こいつ…!』

『射出タイミングを読まれただと…!?』

『うそっ!どうやって?』

 

混乱するトリニティ。

先手を打つはずが逆に相手に取り乱されていた。

 

『クソ!てめぇよくもファングを…!』

『────────っ!』

 

残った3基のファングとGNバスターソードで敵機に突っ込むミハエル。

ツヴァイに対し、アドヴァンスドジンクスは装備していた槍――プロトGNランス――を投擲してくる。

これは思わぬ一手で、ミハエルは予測していなかった。

 

『んだと!?くっ…!』

『────────っ!』

 

なんとかプロトGNランスをバスターソードで防いだミハエルだが、ツヴァイに大きな隙が生まれる。

そんなツヴァイに急速接近するアドヴァンスドジンクス。

GNファングがツヴァイの勢いを補うように迫るが、頭部だけをGNファングに向け、GNバルカンから放った弾圧でGNファングを被弾。

被弾したGNファングは細かな軌道修正をされてしまい、機能そのものは墜ちてはいないもののアドヴァンスドジンクスを綺麗に避けて通過してしまう。

当然、頭部以外の動きを取っていないアドヴァンスドジンクスの速度は落ちなかった。

 

『ふんっ』

『がっっ…!?』

 

盾代わりにバスターソードを構えていたことが幸いし、アドヴァンスドジンクスに蹴り込まれるがツヴァイは威力を封じる。

それでも後退してしまい、アドヴァンスドジンクスはそのまま優勢のままツヴァイとの近接戦闘に入ろうとしていた。

 

『させるか!』

『後方支援か』

 

だが、邪魔するように後方から放たれたアインのGNランチャーによる射撃によりアドヴァンスドジンクスはツヴァイとの距離を詰めることを阻まれる。

その隙にツヴァイの懐からGNビームサーベルを持ったドライが飛び出た。

 

『いっただきぃ!』

『伏兵…、思っていたよりはやるな』

『通信…!』

 

斬りかかったドライにアドヴァンスドGNビームライフルに内蔵されたGNビームサーベルで対抗したアドヴァンスドジンクス。

競り合い、火花を散らす中、パイロット同士の通信が繋がった。

 

『私が整理したデータ。そして、授かった情報よりも連携が取れている。この短い間に何があったかは知らないが、成長するキッカケでもあったか?』

『はぁ?そんなの……あんたなんかに教えるわけないでしょっ!!』

 

もう片方の肩部からGNビームサーベルを抜刀し、ドライはネーナの叫びに呼応するように二刀流で相手を四分等に斬り刻む――に、見えたが刃は空を斬ってしまい。

アドヴァンスドジンクスは後退することで見事に回避していた。

 

『そうか。ならば聞くまでもなく殺す』

『簡単に言ってくれちゃって…!』

『舐めんじゃねえ!』

『近接型か…っ!』

 

アインの粒子ビームを支援に、体勢を立て直したツヴァイがバスターソードで斬り掛かる。

それをGNビームサーベルで受け止めたアドヴァンスドジンクスはツヴァイの対応に追われる。

そこにミハエルは横から叩き込もうとGNファングを操った。

 

『ファングなんだよぉ!』

『フッ、狙い通り…!』

『なに!?』

 

敵のパイロットが不敵に微笑んだ瞬間、競り合う方とは別の拳がツヴァイの顔面部へと飛び込んでくる。

右側から突如拳が飛び、ミハエルの驚愕の隙をつき、アドヴァンスドジンクスのGNクローはツヴァイの頭部に見事めり込み突き刺さる。

そして、そのまま力尽くで連れ込まれた。

 

『こいつ何を…!?』

『ミハ兄…!!』

 

ツヴァイを強引に操る敵のパイロット。

目的の見えないその行為だったが、アドヴァンスドジンクスを捉えていたGNファングのうち、2基がツヴァイを背後から襲った。

 

『ぐあああ…っ!?』

『ふんっ!』

『がっっ!?』

 

ツヴァイを盾として扱い、用が済むと蹴り捨てる。

そして、背後から迫るもう1基はアドヴァンスドGNビームライフルを背後に向けて正確に撃ち落とした。

これだけで凄まじい潜在能力(ポテンシャル)を持つパイロットであることが理解させられる。

 

『ミハ兄…!』

『俺に構うんじゃねえ、ネーナ!』

『でも!』

『やれ!!』

『はい…!』

 

ミハエルの叫びに必死に頷くネーナ。

被弾したツヴァイ、苦しむミハエルの仇である敵機を睨む。

 

『よくもミハ兄を!』

『ほう、兄妹か。これは初めて知るな』

『だったら何よ!!』

 

ドライとアドヴァンスドジンクスが衝突する。

敵のパイロットはただ興味対象を観察するように呟き、ネーナはそれに叫び返す。

前者はただ冷酷に、後者のネーナは苛つきをぶつけた。

両者は全く違う。

想いがあるのはネーナだけだ。

 

『あんたなんかに…!』

『否、貴様は負ける』

『きゃあっ!?』

 

双方の力比べ。

競り合う機体はアドヴァンスドジンクスが勝り、ドライが突き飛ばされる。

そして、追い打ちをかけるようにアドヴァンスドGNビームライフルの銃口から放たれた粒子ビームはドライを正確に削った。

 

『ネーナ!』

『ようやく顔を拝めるな。まあ壁を脆いものだったが』

『貴様…!』

 

小破したツヴァイに、中破したドライ。

2機を打ち崩したアドヴァンスドジンクスは後方支援に徹していたアインへと迫る。

アインはGNランチャーで接近を妨害するものの敵は全て軌道から外れ、粒子ビームは虚しくも空に流れ去った。

 

『初撃が遅い。追っていては当たるものも当たらんぞ?』

『そんなことは…!』

 

GNビームライフルも構えるスローネ アイン。

しかし、一歩早く手を打たれていた。

アドヴァンスドGNビームライフルの射撃がGNビームライフルの銃口を上げるよりも早く放たれる。

その粒子ビームがアインのGNビームライフルを引き金を引くことも許さず撃ち抜き、爆散。

手元の爆発の衝撃をスローネ アインは諸に受ける。

 

『ぐあ…っ!?』

『さぁ、休んでいる暇はない』

『くっ…!』

 

間髪空けずに銃剣を振りかざす相手にヨハンは表情を苦くしながらもGNビームサーベルを抜刀して対応する。

再び刃が衝突し合い、両機の間に火花が散った。

 

『私達は…負けるわけにはいかない!この場所を、彼らを守るために!!』

『なるほど。壊し甲斐があるな』

『なに!?』

『貴様らの他にまだいるのだろう…?ならば、こちらとしては都合が良い』

『……っ』

 

脳裏にレナの顔がチラつくミハエル。

敵のパイロットの言動…どうも気になる。

まるで相手はトリニティだけではないと言い張るようだ。

もしかしたらレナの存在に気付いている、可能性はある。

そのことに思い至ったのかは知らないがミハエルは背中に汗が流れるのを感じた。

 

――レナが狙われている。

 

普段難しいことを考えるのが苦手なミハエルでもその発想には至った。

快楽であった蹂躙も捨て、そこまで自身が変わってでも守りたいと思った者。

たった彼女のためだけに好んできた奪い合いを拒絶したというのに。

今、目の前の敵がそれを奪おうとしている。

 

『んなこと…』

 

ツヴァイのコクピット内で、操縦舵を握る手に力を込めるミハエルがいる。

そして、スローネ ツヴァイは自身も感情に奮い立たされるように加速した。

 

『んなことさせっかよ!!』

『敵機の急速接近…近接型か!』

『ミハエル!』

『うおおおおおおおおっ!!』

 

アインと競り合いを続けていたアドヴァンスドジンクスにツヴァイはGNバスターソードを振り下ろす。

アインの対応に追われていたアドヴァンスドジンクスもこれには後退以外の手段はなく、下がることでバスターソードは空を斬る。

 

『兄貴…!』

『了解。同時に攻める』

『いけよ、ファング!』

 

残った2基のファングを射出。

左右同時に迫るファングにアドヴァンスドジンクスはアドヴァンスドGNビームライフルで1基を撃ち落とすものの右から来るものは避けざる負えない。

 

『チッ!』

『斬り刻んでやるぜぇ!!』

『行くぞ、ミハエル!』

『おうよ!』

 

ツヴァイがバスターソード、アインがビームサーベルを手にアドヴァンスドジンクス相手に斬り掛かる。

さらにGNランチャーの銃口はアドヴァンスドジンクスへと向いており、間合いを詰めるまで粒子ビームを放ち続けた。

 

『これで…!』

『甘いな』

『なに!?』

 

全力の攻めに対し、アドヴァンスドジンクスは回避でもなく守りでもなくあちらも攻めで出てきた。

まず僅かな機体体勢のズラしで粒子ビームの殆どを意図的に当たることもなく、加速し、他は右肩のGNディフェンスロッドで防ぎつつ迫り来る。

次にアドヴァンスドGNビームライフルに内蔵されたGNビームサーベルを横に薙ぎ払い、アインのサーベルを牽制し、弾き飛ばした。

 

『くっ…!』

『兄貴!ハッ、対応に負えてねぇじゃねえか!』

『問題ない』

『なっ…こいつ、片手で…』

 

処置しきれなかったツヴァイのGNバスターソード。

その刀身をアドヴァンスドジンクスは左手で受け止めた。

受けた瞬間、左手は損傷したが最低限に抑えられ、掴めるだけの指も健在。

それ故でも驚きを隠せない。

 

『この…!』

『遅い』

『クソ…っ!』

 

ツヴァイの左腕に装備されたGNビームライフルを使おうとすると一手早くビームサーベルで腕ごと切断される。

銃口を向けてから放つビームライフルより予め刃を形成しているビームサーベルの方が零距離では優位だった。

 

『この距離ならば剣は銃より強し、だな』

『うるせぇんだよ!!この澄まし女…!』

『短気だな、ガンダムのパイロット』

 

睨む合う両者だが、アドヴァンスドジンクスはツヴァイのバスターソードを離さない。

恐らくツヴァイの最大の武器であるのを把握しているのだろう。

その点でいえばファングを先に出してくれたのは相手にとって好都合だったのかもしれない。

そして、バスターソードとファング、ハンドガンの使えないツヴァイの行動は限られていた。

 

『ハッ、ツヴァイの武装はまだあんだよ』

『ほう。では見せてもらおうか』

 

バスターソードを手放し、後退するツヴァイ。

だが、すぐに加速して肩部からGNビームサーベルを抜刀して肉迫する。

さらにスローネのビームサーベルはエクシアなどが使っているものより高出力の刃を有していた。

 

『ぶった斬ってやるぜ!』

『出来るのならな』

『なにっ…!』

 

振り下ろされたツヴァイのビームサーベル、それを受け止めたのはアドヴァンスドジンクスがツヴァイから奪取したバスターソード。

刀身を掴んでいた手は鞘へと持ち替えられ、斬撃を防いだ。

 

『てめぇ!人の武器を勝手に使ってんじゃねえ…!』

『使い勝手が悪いな。刀身がデカ過ぎる。盾にも化けるのは良いが、私には合わんな』

『んだとっ!?』

『どれ。斬り味も試してみるとするか』

『ぐあっ…!』

 

そう呟くと敵のパイロットはツヴァイを蹴り飛ばし、接近してくるドライに目を向けた。

 

『あんたなんか…!』

『フッ、丁度相手もいる』

『ネーナ!!』

 

下方から接近するドライにGNバスターソードを構えるアドヴァンスドジンクス。

ネーナはGNハンドガンで先制するが、それらはバスターソードを盾にして防がれてしまう。




中途半端ですが、続きます。
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