リリカルな戦闘民族 (ドラゴンボールZ×リリカルなのは) 作:顔芸の帝王
シグナム達との2度目の戦闘から数日経った日、バーダック、フェイト、なのは、アルフの四人は、昼食の材料を買いに行ったエイミィの帰りを待っていた。 その時修行の為に戦闘服を着ているバーダックを見たなのはに、ふとある疑問が浮かぶ。
「ねえバーダックさん。ちょっと気になったんですけど…」
「なんだ」
「バーダックさんってどうしていつも尻尾を腰に巻いてるんですか?」
「…いきなり何を言ってやがる」
「あ、そうそう。それ私も気になってたんだよ。あんたみたいに尻尾が生えてる使い魔は見たことあるけど、腰にに巻いてるやつは初めて見たからさ」
「…サイヤ人は尻尾を握られると力が出なくなる。それこそ立っていられないぐらいにな。だから大体のサイヤ人は捕まれんように腰に巻いてんだ」
「そうなんですか…バーダックさんにも弱点があったんですね」
「へえ…そりゃいいことを聞いたねえ…ええいっ!」
そう言うと子犬状態のアルフがバーダックの尻尾に思い切り噛み付いた。
「
「…言い忘れたがその弱点は克服可能だ。余程のバカ以外は全員鍛えてある」
バーダックは冷たく言い放つと、アルフの頭を鷲掴みにする。
「…今度はてめぇの尻尾で試してみるか。うっかりもげちまっても文句言うんじゃねえぞ」
「あはは…な、何を言ってんだい。ちょっとしたジョークじゃないか。そんなに本気にならなくても…」
(アルフ…今のはどう考えても自業自得だよ…)
その時、絶体絶命のアルフを救う救世主が現れる。
「たっだいまー!牛丼買って来たよ!」
「やっと帰ってきやがったか」
バーダックが牛丼に気を取られている内にアルフは脱出する。
「ナイスだよエイミィ!」
「チッ…命拾いしたな」
そう言いいつつ既にバーダックの興味はアルフには無く、淡々とエイミィから大量の特大牛丼を受け取る。
「バーダックさん相変わらずすごい量食べるんだね…見てるだけでお腹いっぱいになっちゃいそう…」
「ホント…あんなの見せられるこっちの気持ちも考えて欲しいもんだね…」
バーダックの相変わらずの食事量に呆れつつ、なのは達も食事に移るのだった。
〜〜〜
「そういえば艦長はもう出かけちゃった?」
「うん。アースラの武装追加が済んだから試験航行だって」
「武装って言うと…アルカンシェルか。あんな物騒なもの…最後まで使わずに済めばいいんだけど……あれ?そういえばユーノ君はどうしたの?」
「ユーノ君はクロノ君にお願いされた調べ物を探しに本局へ行ったみたいですけど…」
「クロノ君に頼まれたってことは…今頃ユーノ君無理難題を押し付けられてるんだろうな…かわいそうに…」
「そのクロノ君もいないですから、戻るまではエイミィさんが指揮代行だそうですよ?」
「お〜責任重大だねぇ」
「…ははは…確かにねぇ…まあでもそうそう非常事態なんて起こるわけが…」
そうエイミィが言いかけた瞬間、緊急事態を示すサイレンが鳴り響き、部屋の空気が一変する。
「う、嘘!?み、みんな、とりあえず管制室に!」
〜〜〜
管制室のモニターを見ると、そこには蒐集を行う騎士達とパラガスが映し出されていた。
「文化レベル0…人間は住んでない砂漠の世界だね…。結界を張れる職員の集合まで最速で45分か……うう…マズイな…」
「そんな奴らを待つは必要ねえ。…この俺が片付けてやる」
「エイミィ、私とアルフも行くよ」
「……うん…お願い!なのはちゃんはバックスで待機で!」
「分かりました」
「皆お願いね!絶対逃がさないで!」
***
蒐集を行うシグナムとパラガスの前に現れたのは、大型の蛇のような怪物だった。その体長は裕に100mを超え、今までの蒐集対象の中でも最も巨大な相手だった。
「くっ…ヴィータが手こずる訳だ」
「…長引かせればこちらが不利になるだけだ。シグナム!一気に決めてしまうぞ!」
「ああ。分かって…」
その瞬間、シグナムの背後に無数のワイヤーの様な尻尾が迫る。
「くっ…!させるかっ!」
数本はパラガスが撃ち落としたものの、回避した残りの尻尾がシグナムを拘束し、体中を締め上げる。
「ぐっ…しまった……がぁぁぁぁっ!」
「シグナム!クソッ…こいつ…!」
パラガスが助け出そうとしたその時、上空から無数の光の槍が降り注ぎ、怪物の体に突き刺さる。パラガス達が上を見上げると、そこには魔法陣を張っているフェイトとバーダックの姿があった。
「…ブレイクッ!」
フェイトがそう叫び腕を振り下ろすと、突き刺さっていた槍が全て爆発する。分厚い皮膚は簡単に打ち砕かれ、怪物は呆気なくその場に倒れ込む。
「…なかなかやるじゃねえか」
「あ、ありがとうございます。バーダックさん」
『ちょ、ちょっとフェイトちゃん!助けてどうするの!捕まえるんだよ!』
「あっ…ごめんなさい…つい…」
「へっ…そんなもん気にする事はねえ。どうせ遅かれ早かれアイツはぶっ倒すつもりだったからな。順番が少し変わっちまっただけだ」
そんな事を話していると、怪物が倒されたことによって解放されたシグナムとパラガスがやって来る。
「…礼は言わんぞ。テスタロッサ。…蒐集対象も潰されてしまったしな」
「ま、まぁ悪い人の邪魔が私の仕事ですから…」
「そうか…悪人だったな、私は。…テスタロッサ、それにバーダック。預けた決着はできれば今しばらく後にしたいが、お前達からこのまま簡単に逃げられるとは思えん。…逃げられないのなら…戦うしかないな」
「…はい。私もそのつもりで来ました…!」
「へっ…当然だ…!」
「…くっ…戦うしかないのか…!」
そう言うと四人は戦闘態勢に入る。
「…フェイト!…負けるんじゃねえぞ」
「はい…!必ず勝って見せます!」
「パラガス…!ああは言ったがあまり無理はするな」
「…善処しよう」
しばらく膠着状態が続いていたが、パラガスの突撃を皮切りに、他の三人も一気に動き出す。
「はあぁぁぁぁっ!」
砂を巻き上げながら滑空し、パラガスがバーダックに正面から肘打ちを放つ。
「遅い!」
バーダックは突っ込んでくるパラガスに右拳を合わせる。しかし、捉えたと思った姿は残像で、バーダックの拳は空を切る。
「何っ!?」
その瞬間に背後に回り込んだパラガスは、バーダックの後頭部に肘打ちを叩き込む。
「でりゃあぁ!」
「ぐっ…!」
よろめいたバーダックに対し、パラガスはすかさず腕を突き出し気功波を放つ。その威力は凄まじく、砂の地面が数百メートル先まで吹き飛ぶ。しかし、パラガスが上を見上げると、一瞬のうちに気功波を回避したバーダックがこちらを見下ろしていた。
「くっ…やはり簡単にはいかんか…」
(あの野郎……想像以上にパワーを上げてやがる……どうやら本気でやる必要があるみてえだな)
「はあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
バーダックが雄叫びをあげると、青いオーラが身体中から吹き上がり、爆発的に気が上昇する。
(ぐっ…奴にはまだあんなに余力があったのか…!)
バーダックが構えた瞬間、パラガスの視界からバーダックが消える。
「……くっ!」
バーダックは超スピードでパラガスの懐に潜り込むと、上を見上げているパラガスの顎を跳ね上げる。
「ぐはぁっ!…クソッ!」
パラガスはダメージを受けながらも、負けじとバーダックの顔面に拳を叩き込むが、バーダックは上体を反らして回避する。その反動を活かして、今度はパラガスの腹部に強烈なアッパーカットを叩き込む。
「くっ…ごぁ……っ……」
かなりのクリーンヒットだったが、パラガスは悶えながらもなんとか堪える。
「今のを耐えるとはな。腐ってもサイヤ人という訳か…」
「…この程度で倒れていたらあいつらに合わせる顔がないからな」
「へっ…それでこそサイヤ人だ!…行くぞ!」
「…こんな所で…終わるわけにはいかんのだ!」
互いにそう言い放つと、二人の体は眩い光に包まれ、その後の戦闘は更に激しさを増していくのだった。
〜〜〜
一方、シグナムとフェイトもバーダック達と同様に互角の戦いを繰り広げていた。互いに腕や脚から血が流れ、いつ勝負が付いてもおかしくない状況だった。
(…ここに来て更に速い…。目で追えない攻撃も出てきた…早めに決めないと不味いな…。シュテュルムファルケン…当てられるか?)
(強い…!クロスレンジもミドルレンジも圧倒されっぱなしだ…。今はスピードで誤魔化してるけど……まともに食らったら叩き潰される…!)
「これで決めるぞ!テスタロッサ!」
「くっ…やるしかないかな…」
二人は武器を構え、互いに相手に向かって突っ込む。赤紫と黄色の魔力光が交わり、再び高速戦の火蓋が切って落とされようとしていた。
〜〜〜
「はぁ…はぁ…チッ…手こずらせやがって……」
「ぐっ…うう……」
激戦を繰り広げていたバーダックとパラガスだったが、ついに決着が付こうとしていた。パラガスは今までの戦闘の中でも最も善戦していたが、バーダックのエネルギー弾の直撃を連続で受け、ついにバーダックの目の前で倒れ込んだ。
「…普通ならぶっ殺しちまう所だが…お前からはいろいろと聞き出さねえといけねえからな。このまま大人しく────
その時だった。少し離れた場所で戦っているはずのフェイトの気が急激に落ち込んでいくのを感じた。普通の攻撃を受けただけではこうはならない。最悪の事態が彼の頭をよぎった。
「クソッ!あのバカ野郎が!」
この状況で気が消えかかる原因は一つしかない。バーダックは悪態をつきながらもフェイトの救出に向かうのだった。
~〜〜
フェイトにとって、また戦っていたシグナムにとっても、それは突然の出来事だった。突然音もなく仮面を付けた男が現れると、フェイトを背後から急襲し、リンカーコアを抜き出したのだ。
「貴様っ…!!なんのつもりだ!」
シグナムは、お互いに消耗した所を狙って自分たちを襲撃したのだと思い、男に剣を向ける。だが、次に男から出た言葉は意外なものだった。
「…さぁ…奪え」
「なっ……!」(そ、そうか…こいつがシャマルの言っていた男か…!)
「これで早く闇の書を完成させるのだ…」
「…………」
シグナムは迷っていた。フェイトの良質なリンカーコアは是が非でも手に入れたいが、この男の素性や目的がわからない以上、むやみに言いなりになるのは危険だ。それに、これではフェイトを騙し討ちしてリンカーコアを奪い取ったようなものだ。誇り高いシグナムにとって、仮面の男の行動は許し難いものだった。しかし──
(……私は何を迷っているんだ…主のためならば騎士の誇りすら捨てる…そう決めたではないか…!)
「…何を迷っている…さぁ、早く奪うのだ」
「…わかった…お前の提案に乗らせてもら──」
シグナムがリンカーコアを受け取ろうとしたその時、一瞬にして仮面の男の背後に人影が現れ、その頭部を背後から両手でがっちりと掴む。
「…おっと…死にたくなかったら動くんじゃねえぞ。」
「…くっ…!貴様…!」
「バーダック!」
「バ…バーダック……さ…ん…」
「てめぇがクロノの言っていた仮面の男か。…まさかこんな場所にまで来やがるとはな…」
「ぐ…ぐっ……」
「…今すぐそいつを放しやがれ。…少しでも魔法を使う素振りを見せたらてめぇの頭をこのまま握り潰す」
バーダックの手に徐々に力がこもると、ミシミシと頭蓋骨が嫌な音を立て、仮面の男は堪らずうめき声をあげる。
「ぐっ…ああああっ……」
「さっさとしやがれ!」
(くっ…仕方ない…ここは奴の言う通りに……)
仮面の男がフェイトから腕を引き抜こうとした瞬間、追いかけてきたパラガスの研ぎ澄まされたエネルギー弾がバーダックに襲いかかる。バーダックはギリギリで回避するが、エネルギー弾は尻尾に命中し、根元から千切れてしまった。
「くっ…尻尾が…」
「はぁ…はぁ…言ったはずだ!こんな所で終われんとな!」
バーダックはなんとか命中は回避したものの、仮面の男から手を離してしまう。
「さぁ…早く奪え…!」
(これも主の為……すまんな…テスタロッサ…)
「それでいい…必ず闇の書を完成させるのだ…」
そう言ってシグナムにリンカーコアを渡すと、仮面の男はすぐにどこかへ転移してしまった。
「パラガス!こちらも撤退するぞ!行けるか?」
「あ…ああ…なんとか…大丈夫だ…」
「くっ…このまま逃がすと…」
バーダックは逃げる二人を追いかけようとするが、ぐったりと地面に倒れているフェイトが目に留まる。安全な場所ならまだしも、先程のような巨大な怪物がうろついている砂漠にこんな状態のフェイトを一人にしておくわけにはいかなかった。
「…クソッタレが…!」
バーダックがフェイトに近づくと既に意識は無く、苦しそうな表情を浮かべていた。
「おい!しっかりしやがれ!……無駄か」
そんな様子を見て追っては来れないと判断したシグナムは、去り際にバーダックに声をかける。
「バーダック!…言い訳はできないが、テスタロッサにはすまないと伝えてくれ」
そう言い放つと、二人はどこかへ飛び去って行った。
「…クソッ…!」
敵を目の前にしながら逃がしてしまった事と、フェイトを助けてやれなかった悔しさで、バーダックは拳を強く握りしめる。フェイトのリンカーコアを奪われてしまった事で、闇の書完成がまた一歩進んでしまった。この先バーダック達は、闇の書の完成を防ぐことができるのであろうか。
どうも。顔芸です。
最近自分の語彙力の無さを痛感させられます。一応毎回同じような表現にならないように気を使ってはいるのですが…。
それと現時点ではあまり必要ないかもしれませんが、ここでバーダックの設定について書き忘れていた事を書かせていただこうと思います。今作のバーダックは、「銀河パトロールジャコ」に収録されている、「DRAGONBALL 放たれた運命の子供」の設定は基本的に適用しません。ただ、アニメ版で不透明な点は部分的に適用する場合があります。例えば、ジャコの方で登場したギネは登場しませんが、ギネという名前だけは今作でも登場する…という感じです。…いわゆるご都合主義ってやつですね。
次回はいよいよ闇の書事件の核心に迫って行きます。
それまでに私も精神と時の部屋で語彙力向上を図って来ますので、次回も見てくださると嬉しいです。
それでは。