リリカルな戦闘民族 (ドラゴンボールZ×リリカルなのは)   作:顔芸の帝王

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第十八話 決戦

「とうとう出やがったな…!」

「皆!予定通りに頼むぞ!」

ついにバーダック達の前に現れた防衛プログラム。幾つもの悲しみの歴史に終止符を打つため、今ここに最終戦の火蓋が切って落とされたのであった。

 

「まずはアタシ達だ!あのウザいバリケードを破壊するよ!チェーンバインドッ!」

「ストラグルバインド!」

 

最初に動いたのはサポート班のアルフとユーノ。二人は闇の書の周囲の海面から伸びるバリケードにバインドを巻き付ける。

 

「バインドには…こういう使い方もあるってことさっ!」

 

本来相手の動きを封じるために使用される技だが、二人はバインドを手足のように操りバリケードを寸断してゆく。さらにもう一人のサポート班のザフィーラもそれに続く。

 

「決まれっ!鋼の軛…!でりゃぁぁぁっ!」

彼が叫び声を上げると、魔法陣から白い魔力光が放たれる。ザフィーラはそれを鞭のように巧みに操ると、アルフとユーノが取りこぼしを残らず切り捨ててゆく。こうして丸裸になった闇の書本体になのはとヴィータが攻撃を仕掛ける。

 

「ちゃんと合わせろよ!高町なのは!」

「ヴィータちゃんもね!」

「フン…!鉄槌の騎士ヴィータと、鉄《クロガネ》の伯爵、グラーフアイゼン!」

『Giganto form』

「轟天爆砕!」

ヴィータがグラーフアイゼンを豪快に振り上げると、先端部分が信じられないほと巨大化する。そのサイズは大猿を上回る大きさを誇る防衛プログラムのさらに二倍程の大きさだ。

 

「ギガント…シュラーーークッ!」

 

ヴィータはその凄まじい大きさのハンマーを防衛プログラムに叩きつける。しかし、物理と魔力の合わさったヴィータの必殺技を持ってしてもバリアを一枚破るのが精一杯だった。しかし、攻撃はヴィータ一人で終わる訳ではない。

 

「高町なのはとレイジングハートエクセリオン…行きます!」

 

ヴィータに続き、間髪入れずになのはが攻撃に移る。だが防衛プログラムもチャージタイムの長いなのはの技を黙って見過ごす訳が無く、バリケードから魔法弾を発射し迎撃を試みる。

 

「エクセリオン…バスターァァッ!」

しかし、なのはの強烈な一撃に魔法弾は呆気なくかき消され、桃色の光はそのままバリアを吹き飛ばしてゆく。

 

「次!シグナムとテスタロッサちゃん!」

 

「剣の騎士…シグナムが魂…炎の魔剣レヴァンティン!刃の連結刃に続く…もう一つの姿…!」

シグナムが剣と鞘を合体させると、レヴァンティンは弓へと変貌を遂げる。そしてシグナムが弦を力強く引くと、周囲に勢いよく炎が立ち上る。その姿はまさに烈火の将と呼ぶにふさわしいものであった。

「駆けよ!隼っ!」

シグナムの放った鋭い一撃はバリアを紙のように貫通し、余波によってバリアを打ち砕いた。

 

「フェイト・テスタロッサとバルディッシュザンバー…行きます!」

 

フェイトがバルディッシュを天に掲げ、魔力を集中させる。

 

「撃ち抜け!雷刃!」

フェイトが黄金色の大剣を振り下ろすと、再生しかけていたバリケード諸共、防衛プログラム最後のバリアもあっさりと破られる。

(よし…!このまま本体に攻撃を…!)

フェイトは最後のバリア打ち砕いた勢いをそのままに本体に攻撃を仕掛ける。

「えっ…!これはっ…!」

 

しかし、フェイトの攻撃は本体には通らず、本来なら存在しないはずのバリアによって弾かれてしまう。

 

「違う!四層式じゃない!」

「くっ…!やはり蒐集した気の影響が出ているか…パラガス!バーダック!」

「ああ!任せろっ!」

「へっ…やっと俺の番か。待ちくたびれたぜ」

今までのバリアよりも数段強力な気の障壁。しかし二人は臆することなく攻撃態勢に入る。

「これがサイヤ人の力だ…!デッド…パニッシャァァッー!」

「見てろよトーマ…!でりゃああああっ!!」

青と緑の光が海面を切り裂きながら防衛プログラムに向かって突き進む。

「オオ…オオオォォォ…!」

防衛プログラムは二人の攻撃を押し返さんと悲鳴のような声を上げる。エネルギー弾はバリアと衝突し、しばらく膠着状態が続いていたが徐々に二人の攻撃が押し込まれてゆく。そしてバリアがバーダック達に押し負け歪な形に変形した瞬間、二人は一気に気を込め威力を倍増させる。

「今だぁぁっ!」

「はあぁぁっ!」

 

エネルギー弾は見事にバリアを破壊し、更には闇の書本体の一部の破壊に成功する。

 

「よし…バリアは全て破った!はやてっ!」

「彼方より来たれ…宿木の枝。隠月の槍となりて打ち貫け!石化の槍…ミストルティン!」

はやての詠唱が終わると、白銀の光柱が闇の書に突き刺さる。するとたちまち防衛プログラムの体は石像へと変貌し、更にはその一部が崩れ落ちる。

「よし…!このまま…」

 

しかし闇の書の驚異的な再生能力によって、今までのダメージや石化もすぐに元通りに修復されてしまう。欠損した足はより強靭なものとなり、傷口のあった背中部分からは大猿の首が皮膚を突き破って生え始めていた。

 

「うわっ…なんだいありゃ…」

「なんだか凄い事に…」

「やっぱり並の攻撃じゃ通用しない…ダメージを入れてもすぐに再生されちゃう!」

「だが攻撃は通ってる!プラン変更は無しだ!行くぞ…デュランダル!」

「Okay boss」

 

クロノは慌てるエイミィを諭すと、グレアムから預かったデュランダルで凍結を試みる。

 

「悠久なる凍土…凍てつく棺の地にて…永遠の眠りを与えよ…」

 

クロノが詠唱を始めると、防衛プログラムを周囲の海面ごと凍りつかせてゆく。

 

「凍てつけっ!」

『eternal cofin』

究極の氷結魔法が防衛プログラムを完全に凍りつかせ、全く身動きが取れない状態になる。

「…あいつもなかなか出来るじゃないか。」

「へっ…パラガス、驚くのはまだ早いようだぞ。」

「行くよ!フェイトちゃん、はやてちゃん!」

「「うん!」」

『starlight Breaker.』

「全力全開!スターライト…」

「雷光一閃!プラズマザンバー…」

「(ごめんな…おやすみな…)響け終焉の笛…!ラグナロク…」

 

「「「ブレイカーァァァァッ!!」」」

 

極限まで高められた三つの魔力が同時に放たれる。防衛プログラムは最期まで抵抗したが、耐えきれずに光に飲まれてゆく。この圧倒的な威力の魔法の前にはさしもの防衛プログラムも防ぎきれない────誰もがそう思っていた。

 

「あれ…?本体コアが無い………」

「シャマルさん!本体のコアは…」

「それが見当たらないの……っ!まさか!」

 

徐々に煙が晴れ、防衛プログラムの姿が見え始める。そこにはバラバラになった怪物達の残骸が浮かんでいた。

「みんな気をつけてっ!防衛プログラムはまだ────」

 

シャマルがそう言いかけた瞬間、辛うじて胴体と繋がっていた大猿の頭から轟音を立ててエネルギー波が発射される。防衛プログラムの最後の足掻きとも取れる攻撃の矛先は────

 

「えっ…」

 

 

──皮肉にもはやてに向けられていた。

 

 

「おい!まずいぞ…!」

「はやてちゃん!避けてぇぇ!」

「主っ!」

「はやてっ!」

しかし、戦闘経験がほとんどないはやてに突然の攻撃を回避するのは無理があった。まして今は慣れない力を使って判断力が低下している状態。はやては回避どころか防御すら出来ずに光に呑まれてゆく。

 

(私…死んでしまうん……?)

 

はやての脳内を走馬灯が駆け巡る。

 

(せっかくみんなで家に帰れそうやったのに…)

 

思い出すのは騎士達との穏やかな日々。

 

(やっぱりあの人達の言う通りやったんか…?)

 

『君はもう助からない』

『はやてちゃん…運命って残酷なんだ』

 

それははやてを絶望の淵へと追い込んだ二人の言葉。その言葉通り、運命は無慈悲にもはやての命を奪い去ろうと迫る。

 

(それでも嫌や…こんなところで終わりたくない…)

 

それは少女の小さな願い。今その願いを聞き届ける者は────

「誰か…助けてっ…!こんな運命…“ 壊してっ!”」

「うっ…うああああぁぁぁぁっ!」

 

「嘘…はやて…ちゃん…」

「はやてっ!はやてぇっ!ううっ…クソッ…!あの野郎!」

「落ち着けヴィータ!あれを見てみろ!」

「えっ…あっ…!」

 

聞き覚えのある泣き声に目をやると、防衛プログラムの攻撃を受けていたはずのはやてが、緑のバリアを纏い佇んでいた。

 

「これは一体…」

「はやてちゃん大丈夫!?怪我は──」

『皆!防衛プログラムがまた再生しちゃいそうだよ!誰か攻撃を…』

 

エイミィの通信で一同ははっとして視線を移すと、防衛プログラムは既に再生を始めていた。

 

「俺がやってやる。この状態なら俺一人で十分だ!」

そう言うとバーダックは右手に全てのエネルギーを集め、エネルギー弾を生成してゆく。

「はあああぁぁぁぁぁぁぁっ…」

バーダックが気を高めると、彼の周辺に電流が流れ大気が震え始める。

 

「行けっ!バーダック!」

「お願いバーダックさん!」

 

「これで最後だあぁぁぁぁっ!」

 

バーダックの渾身の力を込めたエネルギー弾は海を引き裂きながら対象に向かって突き進んで行く。そして防衛プログラムの胴体部分に命中すると、内側から凄まじい大爆発を引き起こす。弾け飛んだ肉体の内側からは美しい七色の光が発せられ、溜め込んでいた魔力が吐き出された事を示していた。

 

「きゃあっ!な、何…?」

「くっ…!やりすぎだバーダック!こっちにまで余波が…」

バーダックの規格外の威力の技に近くにいたパラガス達は狼狽えていたが、離れた場所で待機していた転送班の三人はしっかりとコアを捉えていた。

 

「…今度こそ本体コア露出……捕まえた!」

「よし!長距離転送!」

「目標軌道上!」

 

三人がコアの位置を確認すると、防衛プログラムの残骸の上部に巨大な魔法陣が現れる。

 

「「「転送ぉぉっ!」」」

 

三人が声を合わせて言い放つと、一瞬にしてコアを宇宙空間まで移動してしまう。すると先程までの戦闘が嘘のように辺りには静寂に包まれる。

 

「終わった…のか…?」

「…僕達にできることは全てやった。後はアースラから連絡を待つだけだ。」

 

そして上を見上げると、遥か上空で強烈な光が放たれ、アルカンシェルが発射された事が分かる。辺りには重苦しい空気が漂っていたが、しばらくするとエイミィから明るい声で通信が入る。

 

『みんなっ!もう大丈夫!防衛プログラムの完全消滅を確認したよ!本当にお疲れ様!』

「はぁ…終わったか…」

 

エイミィの通信を聞いた一同は、思わず安堵のため息を漏らす。

 

「そうだはやてっ!はやては大丈夫なのか!?」

「うん。大丈夫やでヴィータ。…この子が守ってくれたからな」

「ブロリーちゃんが…?じゃああの緑のバリアって…」

「あれはブロリーが作ってくれたんよ。あれが無かったら私は今頃ここにおらんかったと思う」

「そうでしたか…ブロリーが…とにかく、ご無事で何よりです」

「ふふっ…みんなありがとうな…」

 

 

〜〜〜

 

 

「…バーダックさん、お疲れ様です。その…」

「全く…お前は相変わらず手間を掛けさせやがって…」

「…そ、それは…ごめんなさい…」

「…だがまぁ…さっきの攻撃はなかなかだった…お前にしては良くやったな、フェイト」

「…あっ…はいっ!」

 

「やれやれ…相変わらず不器用な奴だ……」

 

そんな様子を見ていたパラガスがポツリと呟く。

 

「アンタもそう思うかい?」

「ん…お前は確か…アルフだったな。今あいつはお前達の所にいるのか?」

「ああ。…と言ってもほとんど修行だとか言って部屋にこもってるけどね」

「そうか…まぁなんだ…俺が言う事でもないかもしれんが悪いヤツじゃないんだ。できれば良くしてやってくれ」

「へへっ…言われなくても分かってるよ。ちょっとぶっきらぼうなとこもあるけどいざと言う時は頼りになる奴だからね。それよりそろそろアースラに行かないかい?私もう疲れちゃってさ…」

「ハハ…そうだな。じゃああいつらにも声を───」

その時、パラガスの声をかき消すようにヴィータ達が大声を上げる。

「はやてっ!」

「はやてちゃん!」

 

声の方を振り向くと、そこには気絶してシグナムに抱えられたはやての姿があった。

 

「どうした!」

「急に主が倒れてしまってな…闇の書の侵食は止まっているはずなのだが…」

「…前のように苦しんでいる様子はない。単に慣れない事をして疲れたんだろう」

「そうか…なら良いのだが…」

「とにかくすぐにアースラに行こう。あそこならある程度検査もできる」

「ああ…よろしく頼む」

 

こうしてバーダック達と防衛プログラムとの戦いは終わりを迎えた。しかしまだ事件の全てが解決した訳ではない。新たな始まりを迎えるために、バーダック達は区切りをつけなければならないのであった。

 




どうも顔芸です。
今回はA's最終戦でしたがいかがだったでしょうか?正直なところ、私は敵が防衛プログラムだったので、今までで一番書くのに苦労しました(笑)そのためバーダック達の動きが一段と想像しづらいところがあったかもしれません。もし気になる点やおかしな点がありましたら遠慮なくコメントして頂けると嬉しいです。

それと全く話は変わるのですが、今年はDBとなのはの両方で劇場版があるみたいですね!いやー今から楽しみです!皆さんも是非映画館に足を運んでみてはいかかでしょうか。
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