リリカルな戦闘民族 (ドラゴンボールZ×リリカルなのは)   作:顔芸の帝王

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第二話 目覚め

「ユーノ君…この人大丈夫かな?」

「うん。気を失ってるみたいだけど、とりあえずは大丈夫かな。それよりもなのは…」

「どうしたの?」

「この人の着てる服、海鳴の人とは随分違うみたいだけど…?」

「うん…ボロボロだからよく分からないけど、こんな服は見たことないよ…」

「やっぱりか…もしかしたらこの人、次元漂流者かも…」

「次元漂流者?」

「うん。たまにいるんだ。次元震とかが原因で元の世界から不可抗力で転移してしまう人のことだよ」

「次元震ってことは…もしかしてあの事件が関係してるのかな。そうだとしたら悪いことしちゃったかな…」

「うん。その可能性もあるね…とりあえずリンディさんに相談してみようよ。ここから普通の病院まで行くよりも早いし、本当に次元漂流者だったら一番手っ取り早く解決できそうだしね」

「うん。分かった!ちょっと待っててね…今呼んでみるから…」

 

 

 

 

 

 

〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、なのはから連絡を受けたクロノがなのは達の元へとやって来た。

 

「遅くなってすまない」

「ううん、こっちもごめんね…せっかくフェイトちゃん達の記念パーティだったのに…」

「こればかりはしょうがないさ…仕事だからな。とにかくこの男の事は任せてくれ。なにか分かったらそちらにも連絡する」

「ありがとうクロノ君…」

「し、仕事なんだから当然だ。それよりもうだいぶ暗くなってる。君たちも早く帰った方がいいんじゃないか?」

 

 

「あっ!そ、そうだった…またお兄ちゃんに叱られちゃうよ…じゃあクロノ君またね!」

「ああ。気をつけてな」

 

 

(…さて、僕もこの人を連れて行くか…それにしてもかなりの怪我だな。一体何があったんだ…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それじゃあ検査と治療は任せたよ」

「はい。結果がわかり次第また報告します」

「うん。頼んだよ。…さて艦長に報告に──

「お疲れ様クロノ。何か問題はなかったかしら?」

「艦長、丁度よかったです。今の所は問題見られません。ただ…明らかに普通ではないです。尻尾が生えている所を見て、最初は使い魔かと思ったのですが魔力は0。そしてあの異様に鍛えてある身体と命に関わる大怪我…正直、普通の人間だという方が難しいかと」

「そうね…彼、一体何者なのかしら」

「魔力が無くて尻尾が生えてる…うーん、案外普通の動物で、猿の近類とかだったりして…」

「…エイミィ、それ間違っても本人の前で言うなよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

『これがこの星の…最期の眺めになりますね…』

 

 

 

『ほら見てご覧なさい!ザーボンさん!ドドリアさん!こんなに美しい花火ですよ!ホッホッホッホッ…!』

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…クソっ…フリーザ!?」

 

 

 

辺りを見回すと、どうやら病室のようだった。

しかし部屋に窓は無く、広さもさほど広くはない。どちらかと言えば隔離室という表現が適切だ。

 

(何かの施設のようだが…異星人にでも捕まっちまったか?)

 

警戒心を強めるバーダック。体の痛みはほとんど無くなっていたが、それでも万全には程遠い状態。そのため下手に暴れる訳にもいかず、身体だけを起こして状況の変化を待つことしかできなかった。

 

そしてしばらくすると、緑の髪の女性と黒髪の子供が部屋に入って来た。武器などは持っておらず、こちらを攻撃してくる気配はなかったのだが、まるで…というより事実なのだが、自分が起きた事を見計らったようにやって来た事が彼の不信感を募らせた。

 

「目が覚めたみたいですね」

「…誰だ」

 

目を細めてそう吐き捨てる男を前に、少しでも警戒を解こうとリンディは柔らかな声で語りかける。

 

「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。私はリンディ・ハラオウン。隣に居るのが執務官のクロノ、そしてここは時空航行船アースラです」

(時空航行船だ…?こいつ何を言ってるんだ…?)

「…やっぱり何を言ってるのか分からないって顔ですね。わかりました。今から詳しく説明しますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…つまり俺は元の世界から別の世界に飛ばされてきたと?」

「絶対とは言い切れないが…その可能性が高い」

「そう。ですから貴方のいた世界の事や…貴方本人についても教えて欲しいのです。もし貴方の世界が私たちの管理内の世界なら早く帰れるかもしれないですから」

 

 

信頼できるかどうかは微妙だった。それも当然の事で、自分は死んだと覚悟したと思った矢先、実は自分は生きており、さらには異世界に飛ばされましたと告げられたのだ。はいそうですかと素直に信じられる方がどうかしているというものだ。

それにサイヤ人であるバーダックにとっては、初めて出会った相手が無条件にこちらを助けるというのは信じられない話だった。

 

しかし、そんな義理は無いと突っぱねた所で状況が好転する訳でもない。結局、バーダックは最低限の状況だけを話すことに決めた。

 

 

「断る…と言いたい所だが仕方ねぇ。少しだけ教えてやる。お前ら…惑星ベジータやフリーザという名前を知っているか?」

「惑星ベジータにフリーザ…?いいえ…聞いたことがないわ」

「…俺はバーダック。惑星ベジータに住んでいるサイヤ人だ。そこでさっき言ったフリーザってのと戦ってる内にいつの間にかあの場所に来ていた…それだけだ」

「そ、それだけって…あの…もう少し詳しく…」

「………」

 

(これは…無理に聞き出すのは悪手かもしれないわね…)

 

「あ、あぁ…気を悪くしたらごめんなさいね?無理強いするつもりはないんです。誰にだって話したくない事の一つや二つありますから。それに私たちとは初対面の相手な訳ですし。とりあえず貴方のいた世界のことは調べておきます。それじゃ私たちはこれで…」

 

すっかり重い雰囲気になってしまう室内。そんな空気を察したのか、それともプレッシャーに耐えかねたのかリンディは一時退却を試みる。

 

しかし、それよりも先にバーダックの身体は我慢の限界を迎えていた。

 

まるで漫画の効果音をそのまま取り出したかのようなギュルル〜という腹の虫の断末魔が、狭い病室に響き渡った。

 

 

 

「………」

 

 

 

 

「あらあら…ふふっ、気が利かなくてごめんなさいね。今料理を作ってますから、あなたも一緒に食べに行きましょう」

 

(クソッタレ…空腹には勝てねぇか…)

 

 

なんとも節操のないサイヤ人特有の腹の虫に若干の怒りを覚えつつも、今は素直にリンディの後に続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「おい…」

「何でしょうか?」

「…なんだこの服は?」

 

バーダックが着るようにと渡された服は濃い緑のシャツと黒のチノパン、いわゆる地球人の普段着である。

 

「何って…この世界では普通の服なんですが…」

「俺の戦闘服はどうした?」

「あんなボロボロなの着れませんよ。とりあえず特殊な服みたいですから捨ててはないですけど。せめて修理するまでは我慢してください」

「…チッ…仕方ねえ。着てやるから待ってろ」

「…随分と横暴な態度ですね…トラブルを起こさなければいいんですが…」

「大丈夫よ。それよりあの人の言ってたフリーザって人の事…もう少し詳しく聞きたいわ。せめてもう少し心を開いてくれれば良いんだけど…」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

バーダックが食堂の前に着くと、腰まで伸ばした金髪の少女とオレンジ色の髪に獣の耳の生えた女性にに鉢合わせた。

 

「あっ…どうも」

「お、あんたが昨日救助されたっていう次元漂流者かい?」

「………」

「あ、あの初めまして…私はフェイト、フェイト・テスタロッサです。こっちは使い魔のアルフです。あの…貴方の名前は…」

「チッ…ガキは嫌いなんだ…寄ってくるんじゃねぇ」

「えっ…あ、あの…ごめんなさい」

 

バーダックはそう吐き捨てると、さっさと先に食堂に入ってしまった。

 

「な、なんだアイツ…!感じ悪いやつだな!」

「私、なのはみたいにしようと思ったんだけど…初めから馴れ馴れしすぎたかな…」

「フェイトが気にすることないよ…!あいつが性格悪いだけだから!」

「…バーダックさん、もう少し愛想良くしてくれると助かるんだけど…」

「知るかよ。俺はガキが嫌いなんだ。…特に馴れ馴れしい奴はな」

(…随分気難しい人みたいね)

 

後でフェイトには事情を説明せねばと気苦労を重ねるリンディを尻目に、バーダックは一人思考を巡らせていた。

 

(なんとなく状況は掴めて来たが…仮に元の世界に帰った後はどうするか…惑星ベジータはもうねぇが…フリーザはやはり俺がぶっ倒さねぇと気がすまねぇ…)

 

目障りな自分達を消し去って高笑いする仇の姿を思い浮かべると、ふつふつと怒りがこみ上げて来る。

 

「皆さん、お待たせしました〜!あっ、貴方が次元漂流者の方ですね?私はエイミィ・リミエッタです。エイミィって呼んでくださ──

 

「………」

 

彼女なりに場を和ませようとしたのだが、帰ってきたのはバーダックの冷たい視線のみ。そそくさと退散するしかなかった。

 

「アハハ…私は後で休憩とりますので、どうぞごゆっくり〜」

 

 

 

 

 

 

「…随分と豪勢じゃねぇか。お前らいつもこんなもん食ってんのか?」

「そういう訳じゃないさ。昨日少しお祝い事があったんだ。残り物の食材ではあるがそれでもここまで豪華なのは希だよ」

「そうですよ。それもこれもフェイトさんとアルフさんのおかげなんですから、感謝してくださいね?」

「そ、そんなリンディさん…」

「………」

 

「あら、みんな揃ったみたいだし…さぁ、食べましょうか」

 

「「いただきます」」

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

「お味はどうでした?」

「…まぁまぁだな」

「そ、そりゃどうも。褒め言葉として受け取っておきますね。…それと一つ聞いていいですか?」

 

「あなたって人はどんだけ食べてるんですか!?」

 

結局並べられた料理だけでは足りず、追加で数十人分の料理を平らげたため、バーダックの前には彼の頭よりも高い皿の塔がいくつもそびえ立っていた。

 

「…今回は数日何も食って無かったからな」

「それにしたってこの量は常人の数十倍はあるぞ…どういう身体の構造なんだ…」

「これでも満腹じゃねぇんだ…なんならもっと食ってやってもいいんだぞ」

「あはは…悪い冗談はよしてくださいよ。まさかこれ以上食べられるわけ…」

「………」

「…食べれらたとしても勘弁してください。このペースで食料を食べられたらその内アースラで餓死者が出そうだわ…」

 

頭を抱えるリンディ達。しかし当の本人はどこ吹く風。適量食べただけだと言わんばかりにを全く気にしていないようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、バーダックは休憩室で一人体を動かしていた。

リンディに少し休んだら艦長室に来て欲しいと頼まれたため、病室には戻らず食堂近くの休憩室で一人腹ごなしをしていたのだ。

すると、聞き覚えのある声で背後から話しかけられた。

 

「あ、あの…!」

「…なんだ?」

「…み、水も飲まずに物凄く食べてたから…お水をと思って…これを…」

「………」

「あ、あとさっきはごめんなさい…私、最近まで友達とかもほとんど居なかったから接し方とかも分からなくて、それで…」

 

喋るにつれてフェイトの声はどんどん細くなってゆく。そんな様子に痺れを切らしたのか、バーダックはフェイトからコップを奪うと一気に飲み干した。

 

「ったく…だからガキは嫌いなんだ」

「………」

「…バーダック」

「えっ…」

「…俺の名前だ」

 

そう告げるとフェイトの表情がぱぁっと明るくなる。

 

「バーダック…バーダックさんですか…」

(…変なガキだ。名前を言っただけだってのに)

 

 

ぎこちない二人を陰から見ていた一同は安堵の表情を浮かべる。

「…とりあえずトラブルにならなくてよかったですね」

「ふふっ…大丈夫だったでしょ?アルフさんも少しは彼の事見直したかしら?」

「ぐぬぬ…で、でも私はまだあいつの事は信用してないからな!」

(バーダックさん、気難しい人だけど…どうやら悪い人ではないみたいね)

「あ、そうだ…バーダックさん、さっき提督がそろそろ艦長室に来て欲しいって…」

「…その必要はねぇ。…おい!そこに居るならさっさと来い」

(ゲッ、バレてる…)

「へっ…覗きとは随分いい趣味してやがるじゃねぇか」

「なっ…」

「そ、そういうつもりじゃないわよ!?ただ貴方がなかなか来ないから様子を見に来ただけで…」

「そ、そうだ!私はフェイトが心配だから監視をしに来ただけだ!」

(アルフ…それじゃ言い訳になってないよ…)

「…御託はいい。それより、俺に聞きたいことがあるんだろ?」

 

バーダックとリンディの表情が真剣なものに変わる。

 

「…えぇ。さっきも言ったように、貴方のプライベートな部分を無理に詮索するつもりはないわ。ただ今のままでは貴方の世界について分からない事が多すぎるし、何より貴方にあれほどの怪我をあなたに負わせたフリーザって人のことについて聞かせて欲しいの」

「…君は僕達のことはあまり信用してないのは分かるし、その気持ちはむしろ当然だ。管理局と聞くだけで拒絶する人もいるぐらいだからね。だが管理局も不可抗力で飛ばされて来た次元漂流者に理不尽なことを強いるほど、冷血な集団じゃないことは分かって欲しいんだ」

「………」

 

黙り込むバーダックを息を飲んで見守る一同。そんな彼らの誠実な想いが少しでも届いたのか、バーダックもようやく腹を決める。

 

「…少し…少しだけだが、お前達になら話してやろう。ただし、このことは気安く他人に話すんじゃねぇぞ。分かったな…?」

そう言うとバーダックは自らの壮絶な出来事を少しずつ話し始めるのであった。




めでたく2話が投稿出来ました。
それにしてもテンポが悪い…結構書いた割に話が進んでないです()
三話目も比較的すぐあげられると思います。…ただ一応次回は戦闘回の予定なのでいつも以上に読みにくいかもしれないです。ごめんなさい<(_ _)>

次回も期待せずに待っていていただけると嬉しいです。
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