リリカルな戦闘民族 (ドラゴンボールZ×リリカルなのは)   作:顔芸の帝王

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第二話 試験

「バーダックさん。貴方の力を私達に貸してくれませんか?」

「……」

 

 

バーダックは目を瞑り、何か考え込んでいる。思い空気の中、はやて達は生唾を飲んで彼の回答を待った。

 

 

 

「…悪いが断らせてもらう」

「…そうですか」

 

小さくそうつぶやくはやて。しかし諦めた訳ではない。真剣な表情を崩さずに話を続ける。

 

「…やっぱり管理局で働くのは抵抗がありますか?」

「…管理局でなくともだ。俺はもうどこかの組織に入るつもりはねぇ」

「ええ。私達も無理にバーダックさんを管理局に引き込もうなんて考えてません。あくまで管理局ではなく私が指揮する六課の協力者になって欲しいんです」

「…だとしてもだ。何故俺である必要性がある?確かに戦闘ではそこらの連中に負ける気はしねぇ。だが俺にはお前らのように魔力はねぇし、パラガスのように知識もねぇ。六課は遺失物の管理が仕事なんだろ?だったら俺よりも適任の奴なんぞいくらでも居るだろうが」

 

バーダックはもっともな意見を述べるが、はやては首を横に振って話を続ける。

 

「…それがそうでもないんです」

「どういう事だ?」

「AMFと言う言葉…聞いたことはありませんか?」

「AMF…そう言えば前に局の野郎がそんなような事を言っていたな…」

「AMFは平たく言うと魔法を無効化するバリアのようなもので、これがあると魔法攻撃が効かなくなる上に飛行や防御にも影響が出てしまうんです。厄介な事にこのAMFはほぼ全てのガジェットドローンが標準装備されています」

(そうか…それで奴らはあそこまで苦戦していやがったのか…)

「そしてこのガジェットドローンは私達が追っているロストロギア、レリックの収集を主な目的として作られています。つまり、私達は必然的にガジェットと多く戦う事になります」

「なるほど…それで魔力に頼らない俺を戦力に加えようって事か。だがそれならパラガスやブロリーで十分じゃねぇのか?」

「最近になってガジェットドローンの数も性能もどんどん上がっている。その内俺たちだけでは手に負えなくなるかもしれんのだ…」

「…お願いしますバーダックさん!バーダックさんの過去を考えれば無理なことを言ってるのは承知の上です!それでも…今は貴方の力が必要なんです!」

「バーダック、俺からも頼む」

「アタシもだ!」

 

そう言ってはやては深々と頭を下げ、シグナム達もそれに続く。その声色は真剣さがにじみ出ていた。

 

バーダックは迷っていた。はやて達の事は信用しているし、今の話を聞く限りは手伝ってもいいと考えていた。一方で過去のフリーザとの一件が、管理局のような組織に手を貸すことを拒む。

 

「…バーダックさん!」

 

そんな時だった。先程まではやての陰に隠れていたリインが声を上げる。

 

「あ、あの!今度の六課を設立するのに何年もいろんな人にお願いしたりはやてちゃん凄く頑張ってたのです!それにバーダックさんを六課に迎えるのはいろんな人に反対されましたけど…あなたを知ってる人はみんな来て欲しいって言って言ってたです!」

「リイン…」

 

「だからお願いです…!今は…今だけは…

 

 

 

 

 

 

 

「はやてちゃんの力になってください!」

『主の力になってはくれないか?』

 

 

 

 

 

 

(……!!)

 

 

 

偶然か、それとも必然か。必死に頼み込むリインの姿に、今は亡きのあの人物が重なる。交わした言葉は僅かだが、その言葉はしっかりと胸に刻まれていた。

 

「…チッ…上の連中が反対しているなら他の奴に頼めば良かったんじゃねぇのか?」

「うっ…そ、それはそう言う意味ではなくてですね…あ、あの…」

 

墓穴を掘ってしまったと感じたリインはアワアワとしていたが、彼の言葉は意外な物だった。

 

「…一年」

「えっ…」

「一年だけだ。仮にそれ以上六課の期間が延びても手は貸さんぞ」

「い、いいんですか!?ありがとうございますです!はやてちゃん!聞きましたか!?」

「うん…!しっかり聞いたで!ありがとうなリイン。バーダックさん、本当にいいんですか?」

「くどいぞ。…一年だけだ」

「(フフッ…こういうとこは変わってへんな)そうですか…ありがとうございます!」

「…話はもう終わりか?」

「あっ、待ってください!お礼と言う程のものではありませけど、ウチで夕飯食べて行きませんか?」

「あっ!それなら私が作──

「……シャマル、今日は私が作るからええよ」

「そうだ!お前が作ったのなんか食わせたらせっかくはやてとリインが説得したのに無駄になっちゃうじゃんか!」

「むっ、ヴィータちゃん!それは言い過ぎよ!私だって少しは成長したんだから!」

「…シャマル、今回ばかりは自重しろ」

「うっ…シグナムまで酷い…パラガスさん!何か言ってあげてください!」

「シャマル、試食なら今度俺とブロリーが付き合ってやるから」

(俺も食うのか…)

「…もういいです…どうせ私なんて…」

「ご、ごめんなシャマル!それじゃあ今度私と一緒に作ろうな?」

 

 

(面倒な事になりやがった…)

 

 

段々と収集がつかなくなって行く状況に呆れるバーダック。ため息をついて一人ベランダに出ると、暖かな風が彼の体に吹き付ける。優しい包み込むようなそれは、まるでこの男の新たな門出を祝福するかのようであった。

 

「フッ…安心しろ。約束の分ぐらいは面倒見てやる」

 

バーダックは空に向かって小さく呟くと、再び柔らかな風がバーダックを包み込むように吹き付けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

翌日、バーダックははやてに連れられ、管理局の訓練施設にあるヘリポートにやって来ていた。眼前には実際に試験を行う広大なビル群広がっており、すぐ側には小型のヘリコプターが配置されていた。

 

「はやて…今日は一体何をするつもりだ?」

「実は今日機動六課に誘う予定の二人の魔導師ランク昇格試験があるんです。それをバーダックさんにも見てもらおうと思って」

「…そんなもの別に俺が判断しなくてもいいんじゃねぇだろ」

「ふふっ…今日はそれだけやないんですよ?今日は────」

 

「…バーダックさん?」

 

はやてが説明しようとした時、後ろから声を掛けられる。聞き覚えのあるその声に振り向くと、そこには一人の女性が立っていた。

 

「やっぱり…バーダックさんだ…!」

「お前…フェイトか?」

「はい…!お久しぶりです!」

 

バーダックが驚くのも無理は無い。彼が最後に見たのはフェイトがまだ中学生だった頃。バーダックの中では戦闘以外ではあどけながった少女だったフェイトだが、今では容姿端麗な女性へと成長していた。

 

「はやて、バーダックさんがここに居るってことは…」

「せや。勧誘成功や!」

「そうなんだ……あっ…あの…私も機動六課に配属になるので…またよろしくお願いしますね」

「…前みたいに手間を掛けさせるんじゃねぇぞ?」

「大丈夫です。あれから強くなりましたから!」

「フッ…それならいい」

 

数年ぶりの再会にしては味気ない会話ではあるが、それでも二人は笑みを浮かべていた。

 

「おっと…そろそろ時間やな。それじゃあ感動の再会も済んだことやし、目的地に移動しよっか。二人共このヘリに乗ってな」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

ヘリに乗り込んだ三人は、試験会場の上空で候補である二人の様子を確認していた。青とオレンジの対照的な髪が特徴の二人。モニターに映る表情からは緊張している様子は見られず、実力が発揮できないという事はなさそうだ。

 

「スバル・ナカジマとティアナ・ランスター…?この二人が候補の魔導師か?」

「はい。二人ともなかなか伸びしろがありそうな子なんです」

「今日の試験の様子を見て、いけそうなら正式に引き抜き?」

「うん。直接の判断はなのはちゃんにおまかせしてるんやけどな」

「なのはだと…?あいつが判断するのか?」

 

思わぬ所で思わぬ人物の名前が挙がり、思わずバーダックははやてに尋ね返す。

 

「そうです。なのはちゃんは凄いですよ?本局武装隊のエースオブエース航空戦技教導隊の若手ナンバーワン」

「今のなのはを管理局で知らない人は居ないと思います」

「あいつがか…?確かにガキの頃から他の連中よりも力はあったが…信じられねぇな…」

「まぁ…バーダックさんが知ってる頃のなのはちゃんを考えればそうかもしれませんね」

「おっと…そんな事言ってる間に始まりそうやな」

「さて…お手並み拝見っと」

 

スタートの合図と同時に二人は隣のビルへと駆け出していく。流れに乗ったままティアナは拳銃型のデバイスから射出したアンカーを利用し屋上へ、スバルは窓ガラスを突き破ってビルへと転がり込む。スバルは内部のターゲットの破壊、ティアナは屋上からターゲットを狙撃するようだ。二人はあっという間に数十体のターゲットを破壊すると、止まることなく次の目的地へと駆けていく。

 

「うん。いいコンビだね。確かに伸びしろがありそう」

「せやけど難関なのはこれからや。特に狙撃型の大型オートスフィアが出てくると受験者の半分は脱落することになる…」

「その前のターゲットの配置もそのまま突っ込んだら集中砲火を受けるようになってるから、まだ油断は禁物だね」

 

そんな二人の心配を他所に、二人は流れるようなコンビネーションで次々とターゲット達を撃破していく。このまま行けば時間的にもかなり余裕がある…そんな時だった。彼女達が撃破し損ねた攻撃機がスバルを背後から狙い撃つ。離れた位置から見ていたティアナは、スバルに回避を促し自らはいち早くそれに気が付き魔法弾で反撃に出る。その内の一発が監視用のサーチャーに命中し、映像が途切れてしまった。

 

「ん…?なんや…?」

「サーチャーに流れ弾が当たったみたいだったけど…」

「一応何かあるとあかんから近くまで行ってみようか」(…さて、こいつらはどうするか)

 

バーダックはサーチャーからの映像が途切れる寸前、ティアナの身に起きた出来事を見逃さなかった。このピンチを二人はどう切り抜けるのか、バーダックは期待を胸に途切れたモニターを見つめるのであった。

 

 

 

 

 

〜〜〜

 

 

 

 

 

一方別の場所から試験を見ていたなのは達もサーチャーの異常に気が付き、その対応に当たっていた。

 

「トラブルかな…リイン、私も一応様子を見に行くね」

『はいです。お願いします』

『マスター、私もセットアップしますか?』

「そうだね。念のためお願い」

「なのは…俺はどうすればいい?」

「うーん…ブロリーちゃんは…」

「前にも言ったが…ちゃんは止めてくれ」

「あっ、そうだったね。それじゃあ…」

「六課に入れば俺は部下だ。呼び捨てでいい」

「そう?でも呼び捨てだとなんだか変だからブロリー君って呼ばせてもらうね」

「…分かった」

(ふふっ…ちょっと前まで子供っぽかったのに…しっかりしてる)

 

 

 

 

 

〜〜〜

 

 

 

 

 

その後の試験の内容は凄まじいものだった。まずはティアナのフェイクシルエットとスバルのウィングロードを駆使して狙撃型スフィアを撃破。その後スバルが負傷したティアナを背負いゴールまで突き抜けたのだ。…止まることなど全く考えずに。

その後なんとかなのはの魔法で二人は激突を免れたが、近くで見ていたリインは黄色い声を張り上げて二人を叱っているようだった。

 

「ふう…なんとか無事でよかったなぁ…」

「あれ?あの子なんか泣いてるみたいだけど…」

「実はあの子な、四年前の空港火災の時になのはちゃんが助けた子なんよ。ちなみにフェイトちゃんはあの子のお姉ちゃんを助けてるんよ」

「そうなの?女の子を助けたのはよく覚えてるけど…」

「そうそうその子や。部隊は別なんやけど今は二人揃って管理局員やってるんよ」

「そうだったんだ…」

 

そんな会話をしているうちにヘリが着陸し、スバル達が駆け寄って来る。三人がヘリから降りると、なのはが驚きの声を上げる。

 

「ああっ!バーダックさん!」

「ふふっ、予想通りの反応やね」

「久しぶりだな。おっと…今は高町一等空尉様だったな」

「うう…からかわないでくださいよ…というかここに来てるってことはバーダックさんも六課に?」

「なんだ、邪魔だとでも言いたげだな」

「とんでもないですよ!皆バーダックさんを待ってたんですから!」

 

「あの…バーダックさんって…もしかして最近噂になってる…というかなのはさんのお知り合いだったんてすか?」

「うん。私がまだ小学生の頃に一緒に戦ってくれたんだよ」

「そ、そうだったんですか…」

 

そんな会話をしていると、なのはの背後に控えていたブロリーがはやてに尋ねる。

 

「そういえばはやて、アレはやるのか?」

「おっと、そうやった!ヘリに乗る前に説明しよう思ってたのにすっかり忘れてもうたな」

「そういや何か言ってやがったな。それで?何をさせようってんだ」

「ふっふっふ…ズバリ!今日はバーダックさんにも試験を受けてもらいます!」

「そ、そうだったの!?私聞いてないんだけど…」

「そりゃそうや。バーダックさんを説得したのは昨日やし、受けてくれるかも分からんかったしな」

「…今のをやればいいのか?」

「それでもいいかと思ったんですけど…バーダックさんがやってもあんまり意味が無さそうなんで今回はある魔導師と模擬戦をしてもらいます」

「魔導師…なのはか?」

「ええっ、き、急に?」

「いいえ。なのはちゃんよりもっと適任の魔導師がいます。そうやねブロリー?」

「えっ、まさか…」

 

はやてと本人以外は心底意外そうな表情を見せる。それもそのはず、ブロリーはまだ10歳。サイヤ人特有の成長ペースも相まって背丈はヴィータより少し大きい程度。そんな少年にこの男の相手をさせるなど普通に考えればありえない事である。

 

「パラガスの倅か…というかこいつは魔導師じゃねぇだろうが」

「一応管理局的には魔導師ってことになってるんですよ。確かに魔力のない魔導師というのも矛盾してる気はするんですが…」

「…まぁいい。それならとっとと始めるぞ。…ブロリー、お前もサイヤ人なら俺を少しは楽しませて見やがれ」

「…ああ」

 

はやての思わぬ発言で、突如開始されることになった模擬戦。本来ならば出会うことすら無かった二人の戦いが今始まろうとしていた。

 

 




どうも、顔芸です。

今回はバーダック説得の回でしたがいかがでしたでしょうか。十年前のバーダックなら即効で蹴ってしまいそうな案件でしたが、少し丸くなったので断りきれませんでしたね。

それと今回はブロリーの目立った登場回でした。 書いていて気づいたんですが、ブロリーって暴走してない時はほとんど喋ってないんですよね…そのため今作では映画で親父ぃにコントロールされている性格に近いイメージで行きたいと思います。もし違和感があるようならば遠慮なく指摘していただけると嬉しいです。

それと次回はブロリーの初戦闘回になります。
個人的には夢のカードなのでより力を込めて書こうと思いますのでまた読んでいただけると嬉しいです。
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