リリカルな戦闘民族 (ドラゴンボールZ×リリカルなのは) 作:顔芸の帝王
「はい。みんなお疲れ様。今日は初めての訓練だったからみんな思う所は色々あると思うけど、明日も朝から訓練だからしっかり休んでおくように。…それじゃあ以上!」
「「「「ありがとうございました!」」」」
新人四人ははきはきとした声で挨拶を行う。表情には疲れの色が見えてはいたが、目の輝きは朝と変わらず輝きを放っている。
「皆いい感じに疲れてますね〜。でも全体的にはよかったんじゃないですか?」
「うん。四人ともまだまだだけど、やる気と負けん気は十分だから大丈夫。四人とも立派な魔導師にしてみせるよ」
「それは何よりですね…あっ!すみません、私はこれでみんなのデータを持って帰らないといけないのでこれで失礼します」
「了解。みんなのデバイス、期待して待ってるね」
「任せてください!四機とも立派に仕上げて見せますよ!」
シャーリーは元気よく返事をすると、駆け足で隊舎へと戻って行った。なのはがその後ろ姿を見送っていると、バーダックもブロリーの訓練を終えてなのはの元へとやって来た。
「…そっちも終わったか」
「バーダックさんお疲れ様です。ブロリー君はもう帰ったんですか?」
「ああ。ついさっきな」
「あっ、忘れてた!バーダックさん、この後お時間あったりしますか?」
「…俺に用でもあるのか」
「私じゃないんですけど話をしたい人がいるんですよ」
「話…?一体誰が───
「なのは、バーダックさん」
なのはの意外な発言に首を傾げていた時、隊舎から聞き慣れた声とともに一人の女性が駆けてくる。
「フェイトちゃんお疲れ様。約束通り話はしたけど…」
「…お前か」
「バーダックさん…あの…」
「…チッ…仕方ねぇ…用事があるならさっさとしやがれ」
「あ…は、はい!」
(ふふっ…フェイトちゃん嬉しそうだな…)
そう言って一人足速に隊舎へと歩いて行くバーダックを追ってフェイトも駆けてゆく。そんな微笑ましい様子に、なのはは思わず顔が綻ぶのであった。
〜〜〜
「あー…疲れた…」
日も沈みかけた夕闇の中で訓練を終えた五人は一人を除きぐったりと肩を落としながら隊舎へと戻っていた。
「なんとなく予想はしてましたけど…凄くハードでした…」
「今までもそれなりに鍛えてきたつもりだったけど、まだまだ甘かったって事かしらね……それにしてもブロリー、アンタは随分元気そうね…」
「体だけは鍛えているからな」
「鍛えてるってあんたねぇ…まぁいいわ。それよりこれから私達は食事に行くんだけど、ブロリーも来ない?」
「…悪いが少し用事がある。だから今日は遠慮しておく」
「そうなの?それなら仕方ないか…それならまた今度だね」
「…ああ」
ブロリーは小さく返事をすると一人自室へと向かう。その道中、修行中にバーダックに言われた事が頭をよぎっていた。
『…いいかブロリー、はっきり言っててめぇの今の状態でエネルギーを抑え込むなんてのは無理だ。だからまず強くなれ。その巨大なパワーを自在に操れるようになるんだ』
今のブロリーは大きな力を行使すると理性が失われてしまい、逆に理性が失われても大きな力が湧き出てしまう。そんな自分を抑えるために今までしてきた修行は、瞑想や少ないパワーで戦うといった“力を抑えて戦う”事だった。だが最早それも限界。溢れ出すパワーを完全自分の物にしなければ暴走は止められないのだ。
(…強くなる…か…これで本当に俺は…)
「あっ、ブロリーじゃねぇか」
そんな事を考えていると、不意に背後から声を掛けられる。振り返ると、そこには仕事中のパラガスと、講演に出掛けたはやてとリイン以外の八神家の面々が揃っていた。
「…皆揃ってどうしたんだ?」
「今から皆で食事に行こうと思ってな。ちょうどお前を探していたところだ」
「はやてももうすぐ帰って来るだろうから先に──
「…悪いが今日はあまり食欲が無い。皆だけで食べてくれ」
「で、でもブロリーちゃん、仕事が本格化すればなかなか全員で集まれる機会もないし、少しぐらい食べないと体調崩しちゃうわよ?」
「…大丈夫だ。食事はちゃんと取る」
そう言うとブロリーはシグナム達に背を向けて歩いて行ってしまう。
「お、おいブロリー!少しぐらい───
「…止めておけヴィータ」
「でもよ…」
「あれは我らがどうこう言って解決するものではない。それに今のあいつの気持ち…ただ主のために戦ってきたお前にも分かるはずだ」
「分かってる…分かってるけどよ…」
「ヴィータちゃん…」
背を向けて歩いて行くブロリーを見つめることしか出来ず、ヴィータは思わず肩を落とす。去って行くブロリーとの距離は、まるで八神家とブロリーの距離感を表しているようであった。
***
「ふふっ…こうして二人で話すのもなんだか久しぶりですね」
「………」
隊舎の屋上で二人は言葉を交わす──と言ってもフェイトの問いかけにバーダックが生返事をするだけのものだったが、フェイトの表情はにこやかで、バーダックも無表情ながら嫌がる様子は見せずに受け答えをしていた。
「そう言えば今日は何をされてたんですか?」
「ただパラガスのガキの面倒を見ただけだ」
「ブロリーの様子はどうでしたか?あの子ならバーダックさんが鍛えればきっと凄く強くなると思いますけど…」
「潜在能力は高いが…どうだかな」
「何か気になるところでもあるんですか?」
「俺が強くなれと言った時…あの野郎困ったような顔をしてやがった」
「えっ…でもブロリーも修行には積極的だったんですよね…」
「確かにそう聞いちゃいるがな。俺も詳しい事は知らん。…面倒だが少し手を打つ必要があるかもしれねぇな…」
「ふふっ…なんだかんだ言って優しいところは変わらないですね」
「…勘違いするな。昔のてめぇのようにうじうじされても困るからだ」
「ふふふ…そうですか…そういうことにしておきますね」
「…そんなことより用事ってのはなんだ?」
「い、いえ…実はその…これといった用事は無くてですね…」
「…なんだと」
「その…ただなんとなく話をしたかっただけで…」
「…そんなくだらねぇ事ならなのはかはやてにでも頼みやがれ」
「二人とはこうして呼び出さなくてもいつも話してますからいいんですよ。…それとも私とじゃ嫌でしたか?」
「俺は面倒が嫌いなんだ」
「………」
「…だが今日は来ちまったからな。話があるならもう少し付き合ってやる」
「そうですか…ふふっ…ありがとうございます」
相変わらずなバーダックを見て思わず笑みを浮かべる。バーダックもいつもの難しい表情が変わることは無かったが、心底嫌な訳でもないようだった。しかし、その心中ではブロリーの修行について一抹の不安が芽生え始めていた。
***
「あっ、はやて!パラガス!」
食事をとっていた守護騎士四人の元に、仕事を終えた二人がやって来る。
「あっ、みんなでお食事か?」
「はい。色々打ち合わせがてらに」
「二人はご飯たべたのか?」
「俺はこれからだ」
「私もまだやで。それにお昼抜きだったからもうお腹ぺこぺこや」
「なんだはやてもか。実は俺もなんだ」
「それは大変でしたね。急いで注文してきましょう。パラガス、お前の分も頼んでいいか?」
「ああ、ありがとう。頼むよ」
「私もお茶貰ってきますね」
「二人ともおおきにな。…あれ…そう言えばブロリーは…」
「あっ…」
「そ、それはですね…」
「…そっか…分かったで」
はやての思わぬ質問にシャマルとヴィータは言いよどむ。そんな様子を見てはやては何かを察したのか、小さなため息をついて肩を落とす。
「すまんなはやて…ブロリーが手を煩わせてしまって…」
「そんな…謝らんといてください。悪かったのは私ですから…」
「はやては悪くねぇよ!…かと言ってブロリーが悪いって訳でもねぇけどさ…」
「…ありがとうなヴィータ。でも私がきっかけを作ってしもたのは事実や。そこはちゃんと理解しとかんと…」
「はやてちゃん…」
「…さぁ、食事時にあんまり暗い話をしたらあかん。ブロリーならきっと大丈夫や」
そう言いつつもはやての表情は明るいとは言い難いものだった。八神家とブロリーの間には何があったのか。そしてこの小さな溝が、今後どんな影響を及ぼすのか。周囲の人間はもとより、今は八神家の面々にも予知することはできなかった。
どうも。顔芸です。
更新が遅れてしまい申し訳ないです。
実は今週は引越しがあったのでなかなか手がつけられませんでした。
今までも同じような言い訳をしていたと思うのですが、大体は今回の引越しの準備だったりしました。とりあえず完了したので今まで通り…とはいかないかもしれませんがもう少しマシな頻度で上げられると思います。
内容についてですが、時間がかかった割に字数が少なく分かりづらいかもしれません…
ただ一応重要な伏線ですので、今後の展開に期待していただけると嬉しいです。