リリカルな戦闘民族 (ドラゴンボールZ×リリカルなのは) 作:顔芸の帝王
「はぁぁっ!」
追いかけてきたパラガスを追い払い、訓練場で一人拳を振るうバーダック。偶然にも自分の元に現れたスカウターによって薄れていた憎しみと痛みが蘇る一方で、本当にフリーザが来ているのかという疑念も生まれていた。
(本当にフリーザの野郎が来てやがるのか…?さっきは奴の名前でカッとなっちまったが…考えてみればパラガスの野郎の言う事も一理ある。スカウターは奴だけの物じゃない上に気も感じねぇ……だが本当に奴が来ていたとしたら──
そこまで考えたところでバーダックはハッとして拳を止める。
(チッ…何を無駄なこと考えてるんだ俺は。奴が来てようが来てなかろうが…いずれ俺がとどめを刺す事には変わりねぇんだ…!俺の今やるべき事は強くなる事…だよな…お前達)
バーダックは一瞬空を見上げると、僅かに芽生えた迷い打ち払うように、再び拳を振るうのであった。
~~~
「はぁ…なんだかえらい事になってしまったなぁ…」
技術部にスカウターを渡し終えたはやては、ブロリーを連れて隊舎の前を歩いていた。先程の喧騒が嘘のように、コンクリートに波が打ち付ける音だけが辺りに響いていた。
「はやて…親父から聞いた。俺に話があるのか?」
「うん…そうやな…でもそんなに堅苦しいことを話そ思ったわけやないんよ」
はやては穏やかな口調でそう話すと、近くにあったベンチに腰を下ろす。それに倣ってブロリーも隣に座りると、はやては再びブロリーに語りかけ始める。
「修行とか仕事は順調か?なんか困った事は無いか?」
「…なんでそんな事聞くんだ?」
「だってブロリー、最近元気なさそうに見えるんやもん」
「…!(そんな風に見えていたのか…)」
はやての思わぬ発言に驚くブロリー。そんな風に見えているとは思わなかった。同時にはやて達や父親に心配をかけてしまったと思うと、申し訳ない気持ちが溢れてくる。
「誰に似たんかブロリーは辛い事とか隠してしまうからなぁ…なんか困った事とかあったら遠慮なく言ってええんよ?」
「心配しなくていい。修行で少し疲れているだけだ」
「そうか…?それならええんやけど…あっ、ほんなら今度──
そう言いかけた時、はやての携帯が軽快な音楽で着信を知らせる。発信元は先程スカウターを預けた技術部からだった。
「もしもし。私やけど…」
『夜分すみませんはやて部隊長。先程のスカウターの件なのですが──』
「…はやて、心配をかけてすまなかった。これからはもっと頑張るから安心してくれ」
「えっ…あっ、ブロリー!」
仕事の電話だと察したブロリーはそう言い残すと一人何処かへ歩いて行ってしまう。はやては引き止めたい衝動に駆られたが、あの大人びた背中をなんと言って止めればよいのか分からず、ついには声を掛けることが出来なかった。
(違う…違うんやブロリー…私は遠慮して欲しいんやなくて──
***
六課の初出動から一週間と数日、はやて達の心配をよそにスカウターに関わるような事件が起こることはなく、今日もいつもと変わらず全員が各々の仕事に向かっている。しかしそんな中でも今日は変わった事が一つある。それを見るためにパラガスは訓練場へと足を運んでいた。そして訓練場の目の前にやって来ると、パラガスの眼前に現れたのはいつもの廃ビルではなく木々が青々と茂る森だった。
(今日は森林か。それにしてもよく出来ているな……っと関心している場合ではないな。さてと、あいつらの気は…)
気を頼りに森を進むと、そこにはなのは達の訓練に必死で付いていく新人達の姿があった。
「くっ…しまっ──」
「ほら!そうやって動いちゃうと後が続かない!」
「まずは動き回って狙わせない……それから攻撃の当たる位置に長居しないこと」
「「はいっ!」」
今日から始まった個人スキルの練習。ヴィータやフェイトも教導に参加し、以前よりもさらに高度な訓練が行われていた。
「いいか。防御ごと潰す打撃はアタシの専門分野だからな。ぶっ叩かれたくなかったらしっかり守れよ!」
「はい!」
「よしそれじゃあ……あ、パラガスじゃねぇか」
「あっ、パラガスさん!お疲れ様です!」
「お前が一人でここに来るなんて珍しいな。どうしたんだ?」
「時間があって少し様子を見にな。邪魔だったか?」
「いや、そういう訳じゃねぇんだけど…これから昼休憩だから午後まで訓練はねぇぞ」
「ん…そうだったのか。なら今日は諦めるとするか…」
「そういやなんか今日はやてと用事があるんだったな」
「ああ。午後にナカジマ三佐のところに行くことになってな」
「えっ、父のところに行くんですか?」
「そうだ。何か伝言はあるなら伝えておくが…」
「あ、いえ大丈夫です。一応個人的に連絡は取り合ってるので…」
「そうか…分かった。という訳だヴィータ。今日は少し様子を見たら戻るよ」
「ふーん…まぁ別に構わねぇんだけどさ……折角来たならブロリーの様子も見てってくれよ。あいつとバーダックの訓練最近すげーハードみたいでさ…あの二人はケロッとしてるからなんか止めづらいし、第一言って素直に止めるような性格じゃねぇし…はぁ…バーダックの奴はともかく、ブロリーはちょっと心配なんだよな…」
「俺がなんだって…?」
「だからお前は…ってうわっ!お、お前いつの間に…」
突然背後から現れたブロリーにヴィータは思わず体を反らす。
「今さっきだ。バーダックに休んで来いと言われたから休みに来た」
「そ、そうか。そんじゃあアタシはなのは達を呼んでくるから…」
「いや、俺が呼んで来る。ヴィータは待っててくれ」
「ん…そうか?じゃあ頼むよ」
「ああ…すぐ戻る」
そう言うとブロリーはふわりと宙に舞い上がり、なのは達を探しながら飛んで行った。
「…ほらな。あいつそこまで戦いは好きじゃねぇはずだし、スバル達よりずっとキツイ訓練のはずなのにこの調子だ。へばるどころか息を切らした所もほとんど見せねぇんだ。本当に疲れてねぇならいいんだけど…あの時なねなのはみたいになっちまうんじゃ…」
「そうだな…いくらブロリーが強くてもあいつはまだ子供だ。あまり無理をするようならなんとかしなければな…」
「あの、なのはさんに何かあったんですか?」
「えっ、ああ…その…あれだ、大した事じゃねぇんだ。忘れてくれ」
「は、はぁ…分かりました…」
(危ねぇ…なのはから言うなって止められてるんだった…)
うっかりなのは負傷事件を口に出しかけてしまうヴィータだったが、スバルは忘れてくれという言葉を素直に受け取り、これ以上は追求しなかった。しかしヴィータは安堵する一方で、密かにある決意を固めるのであった。
(いざとなったら私が守ってやるんだ…なのはもはやても…そんでブロリーも…)
***
個人スキルの訓練が始まってからさらに一週間後、六課のメンバーは六課自前のヘリで任務に向かっていた。機内にはサイヤ人の三人に加え、隊長を含めたスターズとライトニングの六人。さらにはシグナムとヴィータを除いた八神家の面々に、機首を握るヴァイスや犬形態のザフィーラを含めれば計十一人の大所帯だ。これだけの人数が乗っていても流石は最新型のヘリ。一人一人がそれなりのスペースを取ることができていた。
「はやて部隊長、もうじきヘリが到着しますよ」
「そうか。ほんなら改めて今の状況と任務のおさらいや」
そう言うとはやてはテキパキと言葉を並べていく。今まで出どころの分からなかったガジェットドローンの製作者、ジェイル・スカリエッティという男についてや、今回の任務の目的と担当箇所。出発前に全員が聞いている情報だったが、戦闘になる可能性が高い任務のため、殆どが真剣に耳を傾けていた。
「後は…あっ、そうや。これは隊長達以外にはまだ話してなかったな…みんなにも念のため話しておくか…」
「もしかして…例の魔導師大量失踪の事?」
大量失踪という言葉に一同の表情が強ばる。今まではやての言葉を流して聞いていたバーダックも、はやてに向き直って耳を傾ける。
「失踪事件…ですか?」
「そう。しかも失踪する人には規則性があって、ある程度実力のある魔導師ばかりが失踪してるんや」
「そうなんですか…?でも…僕達の周りではそんな話は全く聞きませんけど…」
「うん。今のところ管理局の職員が被害にあったって話は出てないんだ。今失踪が相次いでるのは…次元犯罪者や違法魔導師と言った法を犯す魔導師達ばかり。どこかにまとまって身を潜めているのか…あるいは──
フェイトがそこまで話したところではやて達は新人達の表情が不安そうな表情を浮かべ始めている事に気が付き、諭すように声をかける。
「まぁ今回の任務とは直接は関係ないからそんなに気に病まんでもええよ?」
「うん。この世界でも失踪者が出てるから一応伝えただけ。私もガジェットはともかくとして、失踪者まで関わってくる可能性は低いと思うよ」
「は、はい…」
なだめるフェイト達を横目に、小さな声でバーダックは本音を呟いてしまう。
「へっ…どうだかな。こう言う時に限ってとんでもねぇ野郎が出てくるもんだ」
「ちょ…ちょっとバーダックさん…脅かすようなこと言わないでください…!せっかくはやてちゃん達がフォローしてるのに…いいですか?それ思ってても皆には言っちゃ駄目ですからね…!」
「事実を言ったまでだ。嘘は言って──
「事実でも言っちゃいけない時はあるんです!分かりましたか バ ー ダ ッ ク さ ん ?」
「お、おう…」
さしものバーダックもなのはの怒りの片鱗を垣間見て、今回は引き下がる事を決める。こういう時の妻──もとい女性に弱いのは、サイヤ人の特性なのかもしれない。
「全くもう…パラガスさんもそう思いますよね…?」
「ん…?あ、ああ…そうだな…」
突然話を振られたパラガスは、一応肯定しつつも生返事を返してしまう。そしあこのままでは自分ももとばっちりを食らうと思ったのか、すぐに話をすり替える。
「そ、それはそうとなのは。さっきから気になってたんだがそのスーツケースはなんだ?」
「これですか?これは今回の仕事着です」
「あ?なんだそりゃ?俺はそんなもん聞いて───
「ふふっ…ちゃんとお二人の分も用意してますから心配しなくても大丈夫ですよ?」
「そうだったのか…わざわざすまんな」
「いえ…用意したのははやてちゃんですから」
「そうだったのか…言ってくれれば自分で用意したのだが…聞いたかバーダック。お前も礼を言っておけよ」
(嫌な予感がしやがるぜ…)
どうも顔芸です。
今回せっかく書き溜めて早めに投稿しようと思ったのに結局書き直して一週間以上かかってしまい申し訳ないです。話の落とし所がわからぬぅっ!
それと今回は話の進め方について一つだけアンケートを取ります。
なお、コメント欄で回答していただくのは規約違反ですので回答はメッセージ等でお願いします。またこれによって話の内容が変わることはありません。
現在よりも日常パートは…
①もっと入れた方がよい
②今より少なくしてサクサク進めて
③今のままででえじょうぶ。
番号のみでも大丈夫ですのでお時間あれば回答よろしくお願いします<(_ _)>