リリカルな戦闘民族 (ドラゴンボールZ×リリカルなのは)   作:顔芸の帝王

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第九話 才能

「こ、これは…」

「結構凄いことになってるみたいやなぁ…」

「…これは片付けが大変そうだな」

 

屋内の警備に当たっていたはやて達四人が外に出ると、多数のガジェットの破片と穴だらけの地面が目に飛び込んで来る。唖然としている四人の前に、いつも通りの仏頂面のバーダックが現れる。

 

「…やっと終わった様だな」

「バーダック、ガジェット以外の敵にも攻撃を受けたと聞いたが…」

「大した事ねぇ奴らだったがな。だがあの顔はどこかで見覚えが……っとそうだなのは、新人共がお前が来るのを待ってるぞ。さっさと行かなくていいのか?」

「あっ、そうだった…!ごめんはやてちゃん、そう言う訳だから私ちょっと行って来る!」

「了解や。あっ…そういや私もブロリー達の所に行かないと…」

「ならば俺も行こう。すまんがフェイト、この辺りは任せたぞ」

「ふふっ…そう言う訳でフェイトちゃん、私らもちょっと外すからその間頑張ってな」

「えっ…う、うん。大丈夫だけど…」

 

そう言い残して二人はヴィータ達の元へと歩いてゆく。

はやての『頑張って』という意味ありげな言葉をフェイトが理解するのは、もう少し後になってからの事であった。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「あっ、ヴィータ、ブロリー!お疲れ様。このあと調査班を手伝ったら───ヴィータ?」

 

なのは達と別れたはやてとパラガスの目の前に現れたのは、いつも通りの無表情なブロリーと、落ち込んだ表情のヴィータだった。

 

「どうしたんヴィータ?」

「あっ、はやて…実は…」

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

「なるほど…弾き飛ばしたティアナの攻撃がブロリーにな…」

「すまねぇブロリー…私がちゃんと確認しとけば…」

「気にするな。あの状況じゃ確認する事は難しかったんだ。それにあれぐらいの攻撃なら大丈夫。この通り怪我もない」

「でも…」

「ヴィータ。いつまでも過ぎたことを悔やんでも仕方ない。今回は大事に至らずに済んでよかったと言うことにしよう」

「う、うん…」

 

ヴィータはまだ割り切れない顔をしていたが、はやてになだめられしぶしぶ首を縦に振る。

 

「話は変わるがヴィータ。お前ガジェットと一緒に襲撃してきた奴らを見たか?」

「ああ。アタシ達が最初に戦ってた場所にはいなかったんけど、新人達の方にはめちゃくちゃ居たぞ。あと襲ってきた奴らなんだけどよ…あいつらどうも変なんだよ」

「変って…何がや?」

「うーんなんて言ったらいいんだろ……やたら殺気立ってて目的が見えねぇんだ。普通に考えればここを襲うって事はロストロギアが目的なはずだろ?ガジェットを作った奴らの手先ならなおさらだ。それなのにあいつら新人達を必要以上に追い詰めててさ…」

「確かに…ロストロギアが目的なら、手段と目的が逆転してるなぁ…」

「ヴィータ。他に手がかりになりそうな物はなかったか?」

「…ああ。これはバーダックから預かった物なんだけど…ほら。これだ」

「これって…!」

「またスカウターか…」

 

予想外の品を見せられ一同は目を丸くする。はやても驚きつつもスカウターを手に取ると、裏返したりスイッチをを押しながら細部にまで

 

「やっぱり前と同じ物みたいやな…」

「そうみたいだな…これは襲って来た奴らが付けていたのか?」

「あいつの話じゃそうらしい。全員が付けてた訳じゃないみたいだけどな。…あっ、そうだ。あともう一つ、襲って来た奴らは全員頭に変な印がついてたんだ。こう…アルファベットのMみたいな…」

「頭に刻印…考えられるのは宗教的な物か、仲間同士の証といったところだが…はやて、心当たりはあるか?」

「直接見ないことにはなんとも言えませんけど…そんな刻印は聞いたことないです。…せやけど執務官のフェイトちゃんなら何か知ってるかも知れへんな…帰ったら皆を集めて話を聞いてみましょう」

「そうだな…だが今はこの現場を片付けてしまわんとな。疲れてなければでいいんだが…ブロリーとヴィータも手伝ってくれるか?」

「うん。アタシは大丈夫だ」

「俺も大丈夫───」

「ブロリーは無理すんなよ。お前ちょっと調子悪そうなんだから…」

「いや…俺は別に…」

「いーんだよ!疲れてるお前がいても足引っ張るだけなんだ!いいか、ちゃんと休んでろよ!」

「あ、ああ分かった…」

 

ヴィータは声を張り上げてそう告げると、パラガスを連れてどこかへ歩いてゆく。迫力のある少女の声に、少し唖然とするブロリー。そんな様子を見て、はやてからクスクスと小さく笑う。

 

「ふふっ、気を悪くせんといてなブロリー。あれもヴィータなりの優しさなんや」

「そう…なのか?」

「そうや。ブロリーが小さい頃からヴィータはずっと弟みたいに気にかけてるんやで?」

 

 

 

 

(俺を…か…)

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

 

 

「フェイト…」

 

 

はやて達がヴィータと合流した頃、バーダックの元に一人残されたフェイトは、長い金色の髪で熱を帯びた顔を隠しながらバーダックの隣を歩いていた。

 

(ま、まさか急にこんな事になるなんて…もしかしてはやてはこれを見越してあんな事を…そ、そもそも別に私達はそんな関係じゃ───)

「おい聞いてるか…?」

「えっ…は、はい。なんでしょうか…?」

「…お前顔がやたら赤いぞ?」

「へっ…?あっ、そ、そうですか?い、いつも通りだと思います……よ?」

 

バーダックは思った事を口にしただけなのだが、フェイトは自らの思考を見透かされたようで口が上手く回らず、顔の熱がさらに上がって来るのを感じる。

 

「…ならいい。それでさっき言った連中の事だが…」

 

真剣な声色で話し始めたバーダック。フェイトもそれに気付き、今まで俯いていた顔を上げ耳を傾ける。

 

「あの連中の顔…ここに来る途中お前らの言っていた行方不明の犯罪者だ」

「本当ですか!?」

「ああ。写真は少ししか見てねぇが多分な」

「…でもおかしいですね。彼らは基本的に密輸が主な犯行ですから本来ならこんな派手な行動はしないはずなのに…」

「それからバビディって名前に心当たりはあるか?奴らの話じゃどうもそいつが親玉らしい」

「バビディ…ですか?うーん…そんな名前は聞いたことが…すみません…」

「とにかく今夜皆を呼んでみましょう。なのはやはやて達なら何か知ってるかもしれませんから」

「…そうだな」

 

 

言葉とは裏腹に苦虫を噛み潰したような顔を見せるバーダック。そんな中、先程新人達の元へ向かったなのはが二人の名前を呼ぶ。

 

 

「フェイトちゃん!バーダックさん!」

「お前は…」

 

「お久しぶりです。バーダックさん」

 

 

振り返ってみると。いつも以上ににこやかななのはの隣に、丸眼鏡と上質なスーツを身につけた金髪の青年が立っていた。青年は微笑みながら会釈をするが、肝心のバーダックは眉を潜めたまま微動だにしない。

 

「…あの…バーダックさん…?」

「お前…どこかで会ったか?」

「…はぁ…そんなことだろうと思いましたよ…僕です僕!ユーノ・スクライアです!」

「ああ…お前か…!お前も随分とでかくなってやがるな…」

「…貴方は変わってないですね…」

「わざわざ人間の格好で来やがって。分かりづらいだろうが」

「そ、そうですよね…すみません……って、こっちが本来の姿ですってば!」

「…そうだったか?…まぁどっちでもいいだろうそんな事」

(そ、そんな事って…)

 

本気で間違えたのか、はたまた面白半分なのか。バーダックの変化の少ない表情からは読み取る事ができない。どちらにせよこの男にとって人間かイタチかという問題は些細な事のようで、さっさと話を変えてしまう。

 

「それで、今日は何か用でもあるのか」

「いえ、今日は少し講演を頼まれたんですよ。ここに来たのもバーダックさんの顔を見に来ただけです」

「講演…?」

「ユーノ君、今は無限書庫の司書長をしながらロストロギアの研究もしてるんですよ」

「ほう…ついこの間までガキだったと思えば…随分と偉くなったもんだ」

「…まぁ講演と言ってもオークションの前座みたいなもんですし、研究も司書の仕事の傍らにやっている半分趣味みたいなものですから…」

「それでも凄いよ!あんなに広いの無限書庫を管理しながら研究もしてるんだもん」

「はは…ありがとうなのは。武装隊のエースで教導官も兼ねてる君に言ってもらえると嬉しいよ」

「ふふっ…それって皮肉?」

「あははは…そんなことは──

 

「…バーダックさん。そろそろはやて達と合流しましょう」

「…なんだ急に。別に急ぐ必要は──」

「じゃあなのは、私達は先にはやて達のところへ行ってるね」

「あっ…う、うん…」

 

 

冗談を交えながら子供のような笑顔を見せる二人。そんな二人を見た察しの良いフェイトは、バーダックの腕を引いて別の場所へと歩いてゆく。

 

 

「おい。一体どういう事だ。急にそそくさしやがって

「…分かりませんか?」

「…何がだ」

「ふふっ…分からないならそれでいいです」

「チッ…なんだそりゃ…」

 

いつもなら質問には素直に答えるフェイトのあやふやな言葉に戸惑いを見せるバーダックだった。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「──という訳であ今日は午後の訓練は無しね。いい?みんなにとっては休むことも大事な仕事の一つなんだし、それに明日からはまた訓練があるから今日はしっかり休むように」

 

「「「はいっ!」」」

 

 

仕事を終えた六課のメンバーは、隊舎に戻るとそれぞれ自らの仕事へと戻っていた。新人達も例に漏れず、なのはの言葉通り自らの部屋へと戻っていた。一人の例外を除いて…

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

隊舎の屋上で一人、大仕事の後にも関わらず黙々と修行を行う男が一人。六課の面々がこの場所に戻って来た時にはまだ日が出ていたのだが、現在は太陽も地平線にその姿を隠し、僅かに残った光だけがバーダックの身体を照らすのみである。

 

(教会の連中が見つけた物に続けて二つも…こりゃもう偶然なんかじゃねぇ。俺の居た世界に…サイヤ人かフリーザ軍に関係のある奴が確実に一枚噛んでやがる…。クソッタレ…一体誰が…)

 

 

「あの…バーダックさん!」

「お前は…」

 

 

自らの名前を呼ぶ真剣な声に振り向くと、そこには今まであまり関わる事の無かった新人の一人、ティアナ・ランスターの姿があった。

 

「一体何の用だ。なのはに休めと言われたんじゃねぇのか?」

「…バーダックさん。今日のあなたの戦いを見ました。貴方の使う力の事は分かりませんが…とにかく凄かったです」

「………」

「執務官になると決めた時、弱音は吐かないと決めていたのですが…正直、貴方みたいな才能のある方が協力しているのに…どうして私なんかを六課に呼んだんだろうって思ってしまいました…」

「…御託はいい。用があるならさっさと言いやがれ」

 

 

ティアナの真剣な表情に加え、彼女の今日のミスショットを知っているだけに、バーダックの表情も自然と険しくなる。

 

 

 

 

 

 

 

「…では、単刀直入に言います。私に…ティアナ・ランスターに修行をつけてはくれませんか…!」




どうも。顔芸です。

まずは…更新が遅れてしまい申し訳ありませぇん!
言い訳をさせてもらうと、実はしばらく風邪で寝込んでました。普段めったに風邪などは引かないせいもあり、ここ数日は結構グロッキーでした。もうリンパ腺が痛くて痛くて…


まぁそんなどうでもいい事は置いておいて、今回は前話の事後処理の回+久しぶりのユーノ君でした。
公式でカップルなのかハッキリしない彼の今作でのなのはとの関係ですが、アニメと同じく煮え切らない感じです。
話が少し逸れるのですが、アニメでユーノ君と再会した時、声色が子供の時みたいに明るくなってますよね。分かんねーよって方はぜひまたアニメを見直して見てくださいね。
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