リリカルな戦闘民族 (ドラゴンボールZ×リリカルなのは)   作:顔芸の帝王

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第十七話 実力者たち

「フェイトちゃん!あそこ!」

「よかった…ヘリはまだ無事みたいだね」

 

敵の襲撃の前になんとか辿り着いた二人。敵戦力が先に到着している事も視野に入れていただけに、何事も無く飛行している機体を見てひとまず安堵する。

 

『二人共戻って来てくれたのね…!はやてちゃんから話は聞いてるわ。なんとか無事に戻れるように頑張りましょう』

「はい、必ず私達が守って見せますから!」

『なのはさん達二人が居ればまさに百人力!俺も安心して操縦できるってもんです』

(そう…だといいんだけど)

 

フェイトが言い淀んだのは、先程から頭を駆け巡る不吉な予感が関わっていた。普段の彼女は根拠の無い予言や感など、所謂スピリチュアル的な物に頼ったりしないのだが、今回ばかりは明らかに空気感の違いを感じ取っていた。そこはかとなく息苦しくなり、高まる心拍数に意識が向いてしまう。

これまで危険な状況に何度も立ち向かって来たが、こんな感覚は初めてだった。

 

(…大丈夫、落ち着こう。今は近くになのはも居るし、他のみんなもそれぞれ動いてくれてるはず)

 

しかし、予感というものは悪いものに限って当たってしまうもの魔の手はすぐそこまで忍び寄っていた。

 

『っ!九時の方角に飛行体反応2!魔力反応はありません!』

「魔力がない…?まさかっ…!」

 

それ以上の言葉を紡ぐ時間は無かった。放たれた光線は瞬く間にヘリの周辺一体を飲み込み、生存者の存在を許さない。

 

「へっ…終わったか。口程にもない連中だったな」

 

男の一人は既に勝利を確信し、吐き捨てるように呟く。

 

「……!いや、スカウターに反応がある。奴らはまだ──

 

男達の目の前に現れたのは、杖を振りかざしこちらを見据える魔導師の姿。攻撃を受けたにも関わらず体には傷一つ無く、反撃の様相を呈していた。

 

「…こちらスターズ1。ぎりぎりセーフで防衛に成功!」

「なのは、あの二人…前にバビディと一緒に居た男と同じ…!」

「うん。絶対にここで捕まえる!」

 

 

「なんだと…?今のは当たっていたはずじゃ…?おい、どうなってやがる」

「…先程までは戦闘力数千程度だったが、あの二人の戦闘力が一万近くまで上昇している」

「なっ、一万だと…?そんな馬鹿な…」

「…どうやら我々は奴らを見誤っていたようだな」

 

砲撃を防いだ二人は素早く展開し、敵を挟み込む形で包囲する。

 

「…公務執行妨害、及び殺人未遂の現行犯で逮捕します。抵抗した所でそちらにに勝ち目はない」

「貴方達にはレリックの件を含めて聞きたいことが山ほどあります。覚悟…しておいてくださいね」

 

奇襲を受けたにも関わらず、素早く攻撃に転じて有利な状態に漕ぎ着けた二人。長年共に戦ってきたからこそ成せる、これ以上無いほどのコンビネーションだった。

しかし───

 

「フッ…ハッハッハッハッ!」

「…何が可笑しい」

「いや、あまりに好都合だったものでな」

「好都合…?」

「この状況からレリックを奪いに行けると思っているのですか?」

「分からねぇか?俺達はな、レリックを奪いに来たんじゃねぇんだよ」

「じゃあ何を…」

 

「何、大した事ではない。お前達を…殺しに来ただけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あいつらはこの下か。反応からするに地下百メートルってとこだな」

「でもどうするですか?ここの地下水路はかなり入り組んでますから、合流するには時間が…」

「簡単な事だ。邪魔な物があればぶっ壊してやればいい」

「ま、まさか…地面を突っ切るつもりですか?嘱託扱いとはいえバーダックさんは一応局員なんですよ!?公共物をむやみやたらに壊したりしたら……ヴィータちゃんも止めてくださいです!」

「へっ、奇遇だな。アタシも同じ考えだったんだ」

「ヴィータちゃんまで…」

「大丈夫。この辺りは廃棄都市区間だ。多少荒っぽく扱っても問題はねぇって。…それに、あんまり悠長な事は言ってられねぇしな」

 

初めは迷っていたリインだったが、隊員達の無事が最優先であるという想いは彼女も同じ。嬉々として賛成はしかねる様子ではあるが、最終的には首を縦に振った。

 

「決まったな。ならとっとと行くぞ」

 

そう告げるとバーダックは拳を地面に突き立てる。するとコンクリートの地面はたちまち崩落し、地下へと続く大穴が姿を現した。

 

「はわわ…地面が…」

「よし…後は降りるだけだ。行くぞ!」

 

ヴィータの一声で飛び立つと、三人は闇の中へと降下していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソ…こりゃ不味いな…」

 

 

アギトは焦っていた。地下で戦闘を繰り広げていたルーテシア達を助けに来たところまでは予定通りだったのだが、想像以上の戦力の前に苦戦を強いられていた。

 

「貴方達に勝ち目はないわ!諦めて投降しなさい!」

「うるせぇ!そんなこと死んでもするか!」

 

(…と強がっちゃ見たものの、ルールーもアギトももう限界だ…。適当にあしらって逃げるつもりだったのに、こいつら思ったよりやりやがる。特にあの黒髪のガキが強ぇ…まさか肉弾戦でガリュウと互角以上に渡り合えるなんて…チッ、レリックがこっちにある内に早く退散したいってのに…)

 

そしてさらに彼女達の不運は続く。

 

「なっ…今度は上空から魔力反応…しかもデケェぞ!」

 

彼女がそう叫ぶと同時に、頑丈なはずの天井が一気に崩落してゆく。

そして瓦礫の中から姿を見せたのは、明らかに戦闘慣れした二人に加え、さらには自分と同じユニゾンデバイスまで従えていた。

 

「ヴィータ副隊長!それにそれにリイン曹長に…バーダックさんまで…!?」

「何とか間に合ったみたいですね」

「ああ。おめぇら怪我はねぇか?」

「はい、何とか大丈夫です」

 

スバル達は援軍を喜んでいたが、アギト達ににしてみればたまったものではない。先程から既に数的不利、戦局も劣勢であったというのに、ここに来て完全に希望が絶たれてしまった。

 

「…今度ばかりは本当に勝ちの目はないわ。だから悪いことは言わない。早いとこ観念なさい」

「くっ…誰がそんな──

「おいテメェら。俺はガキを小突き回す趣味はねぇ。…だがそれ以上に面倒が大嫌いなんだ。命乞いすらできねぇ姿になる前にとっとと投降するんだな」

 

(くっ…ここまでなのかよ…!)

 

「アギト…ごめんね。私のせいで…」

「な、何言ってんだルールー!まだきっと手は…」

 

そんな絶対絶命の状況の中、不意に怪しげな声がルーテシア達の頭の中を駆け巡る。

 

「お嬢様〜、私の声が聞こえますか?」

(ゲッ…この声は…)

「…クアットロ…?」

『何やらピンチのようですが…お邪魔でなければお手伝い致しましょうか?』

 

アギトには明るい声色の裏に潜む不気味さがひしひしと伝わっていたのだが、今は素直に施しを受けるしかなかった。

 

『…お願い』

『分かりましたわ〜。…では今からクアットロの言う通りの言葉をあの赤い騎士に…』

 

「おい、降伏するのかしねぇのか。黙ってないで何とか言ったら───

 

痺れを切らしたヴィータが上げた声を遮るように、ルーテシアがゆっくり口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「逮捕はいいけど」

 

 

 

 

「大事なヘリは」

 

 

 

 

「放っておいていいの?」

 

 

 

 

 

「「なっ…!」」

 

彼女が敢えて手の内を明かしたのは、自分達を撹乱するためだという事は分かりきっていた。しかしヘリは本当に危機に瀕しているかもしれない。予てから危惧していた事だが、それでも動揺は隠せなかった。

 

「主力はヘリの方か…!」

「大丈夫…向こうにはなのは隊長達が…」

「ロングアーチ!ヘリはどうなってる!堕ちてねぇよな!?」

『それが…さっきからジャミングが酷くて…向こうの状況が全然分からないんです!』

「クソッ…」

 

慌てふためく六課の面々などお構い無しに、ルーテシアは追い討ちとばかりに衝撃の一言を突き付ける。

 

 

 

 

 

 

 

「貴方はまた…護れないかもね」

 

 

 

 

 

 

「っっ!!」

 

(また護れない…なのはの事か…?ふざけんな…向こうにはなのはもフェイトもシャマルも…はやてだって近くに居るんだぞ…!)

 

「てめぇ…!この野郎───

 

怒りに任せて掴みかかろうとしたその時、歩み寄る彼女よりも先に食ってかかった者がいた。

 

「ぐっ…ううっ…」

「ブ、ブロリー!?」

 

何の躊躇もなく首根っこを掴み上げると、そのまま絞め殺す程の勢いで手に力を込める。

 

「おいてめぇ!ルールーから手を離せっ!」

 

こんなことをされてアギト達が黙っているはずもなく、すぐさまブロリーに攻撃を仕掛ける。

 

「邪魔だっ!!」

 

しかしブロリーは一瞬のうちにアギトを叩き落とし、ガリュウの腹部を抉るように蹴りつける。

 

「かはっ…そ、んな…」

 

先程までとは比較にならない強烈な攻撃によって、一撃の内に戦闘不能に陥る両者。先程まで接戦であった事が嘘のような呆気ない決着に、その場の誰もが驚きを隠せなかった。

 

「答えろ…何を企んでいる…?言わなければこのまま殺してやるぞ!」

 

これ程首を締め付けられては喋りたくても喋る事など出来ないが、そんな判断すら出来ない程に彼は激昂していた。

そのあまりの豹変ぶりにスバル達も声が出ず、初めは同様に怒りを顕にしていたヴィータもすっかり冷静になってしまい、ブロリーを止めに入る。

 

「お、おい…もうその辺にしとけ…死んじまうぞ!」

「落ち着くですよブロリー…!」

 

しかし、彼女らの声と反比例するかのようにブロリーの腕は徐々に力を強めてゆく。ルーテシアの小さく華奢な首はギシギシと音を立て始め、今にもひしゃげてしまいそうだった。

 

「う…あぁぁ…」

 

小さな手を使って必死に逃れようとする彼女の姿は、もはや戦う意志など感じられなかった。

そんな彼女の涙を見ようとも、ブロリーの非情な攻撃は止まることを知らない。それどころか、人間が苦しむ様を見て快楽に浸っているようにすら見える。

 

「そこまでよブロリー君!もうその子は戦えないわ!」

「お願い…正気に戻って!」

「ブロリー!」

 

いくら声をかけても静まる気配のないブロリーの怒りに、ヴィータ達は焦燥に駆られて始める。しかし、こんな状況の中、焦りを感じつつもバーダックは冷静さを保っていた。

 

 

(どうも嫌な予感がしやがる…このガキ共は明らかに不利な立場だったはず。ならさっき言った言葉は?ただの負け惜しみと言えばそれまでだが…まだ増援がいるのか…?だとしたら不味い…戦闘が始まってから十分近くは経っている。少なくともこの近くに来ていても不思議じゃねぇ…!気を探れば近くに──

 

 

 

バーダックが気を探ろうとしたその刹那、背後の暗がりから巨大な影が弾丸の如く飛び出して来た。

 

「どぉぉりゃゃゃあぁぁっ!!」

 

全員が気付くよりも速く、ブロリーの背中に向かって猛進し、そのまま反対側の壁まで蹴り飛ばした。

 

(速い…アタシですらほとんど見えなかったぞ…!それに不意打ちとはいえブロリーを吹っ飛ばすなんて…)

 

歴戦の騎士であるヴィータでさえその技が蹴りであることどころか、影の正体が大男であることすら気が付けなかった。それ程に速く、重い一撃だったのだ。

 

 

「ごほっ…ごほっ…」

「おいおい大丈夫かい?やべぇ状況かもとは聞いてたが、3人ともグロッキーじゃねぇか」

「はぁ…はぁっ…貴方が、クアットロの、言ってた人…?」

 

 

「その服と機械…この前の奴の仲間か!」

「この前…?あぁ、隊長の事か」

「隊長…?」

「隊長を知ってるって赤いガキ…って事はあんたがヴィータちゃんか〜」

「ちゃ、ちゃん…?」

「戦闘力は…っと……ほーう。流石副隊長を務めるだけあるじゃないの」

「そ、そんな事はいい!お前らは一体何者だ!何故レリックを集める!?」

「ふっふっふ…聞いて驚け!俺達は天下の───

 

男は奇妙なポージングを取りながら、独創的すぎる自己紹介を始めようとした──その時、

 

「お、おいバカ!何考えてんだ!」

 

先程男が飛び出して来た場所から、しゃがれた声が大男に待ったをかけた。一同声の方に向き直ると、そこには声の主が駆け寄りながら必死で男を止めに入ろうとしていた。

顔を隠した出で立ちは同じだが体格は対照的で、エリオ達よりも身長は小さく、お世辞にも戦闘向きの体型ではないように見える。

 

「なんだよ〜折角人がカッコつけてたってのによ」

「なんだよじゃない!正体をを明かすなってあれほど言われたばかりだろうがっ!」

「おっと、そうだったな。忘れてたぜ。サンキューサンキュー」

「全く…隊長があれだけ言ってたってのにお前って奴は…」

「そう怒るなって〜。今度パフェ奢ってやるからよ!」

「言ったな!絶対だぞ!絶対だからな!」

 

「エリオ君…あの人達…」

「う、うん。ちょっと変わってるよね」

「ねぇ、あの人達敵なんだよね…?」

「そりゃそう…なんだと思うけど…」

 

先ほどの戦いは何だったのかと問いただしたくなるような緊張感のない雰囲気に自然と口が開いてしまう。

 

「くっ…やってくれたな」

「ブロリー君!怪我は?」

「あぁ…大丈夫だ」

(ブロリーは正気に戻ったみたいね…とりあえず安心だわ)

「おぉ〜流石にまだまだ元気そうだな。まぁ腐ってもサイヤ人だしな」

(奇襲が失敗してもこの余裕…この程度は予測済みってことかよ…)

 

とはいえ依然として数の上では圧倒的に有利。相手のペースにさせないためにも、強気な姿勢だけは崩さない。

 

「…これで分かったでしょう?不意打ちでも貴方達だけじゃ私達には勝てない」

「おいおい冗談だろ?そこのサイヤ人達ならともかく、それ以外の奴らが戦力なんかになると思ってんのか?」

「くっ…言ってくれるじゃねぇか。それなら一発…!」

「待てヴィータ!」

「あぁ!?なんだよこんな時に!」

 

男達が来てから寡黙を決め込んでいたバーダックだったが、ここに来て口を開く。

 

「お前は新人共を連れてなのは達の所へ行け。…はっきり言ってお前じゃ到底勝ち目はない」

「なっ、お前まで…」

「お前が弱いと言ってる訳じゃねぇ。だがこいつ…何者か知らねぇが気の大きさが今までの奴らとは桁違いだ。…特にあのでかい方はな」

「お前はどうすんだ。まさか一人でこいつらと…」

「冷静に考えてみろ!あのガキの言うことが本当なら、ヘリの方にはもっと戦力が向かってるかもしれねぇ。なのはとフェイトだけで対処できる保証はない以上、お前達だけでもとっとと向かうべきだ」

「なーにこそこそ話してんだ?まさか逃げ出す算段じゃないだろうな」

「へっ…てめぇの方こそさっきから無駄口ばかり叩きやがって。不意打ちでガキ一人吹っ飛ばしたのがそんなに嬉しいか、あぁ?」

「お〜、なかなか言ってくれるじゃないの。やる気十分って所かい?なら早速───

 

 

(…来る!)

 

 

 

「行かせて貰うぜぇっ!とぉぉりゃぁぁっ!」

 

クラウチングスタートのポージングから、一直線にバーダックへと突進、そのまま激しい打ち合いが繰り広げられる。

 

「ほらほらどうしたぁ〜!?もっと抵抗してくれなきゃ面白くないぜ!」

「へっ…ならコイツをくれてやるっ!」

 

バーダックは迫り来る拳を払い除けると、無防備の腹に拳を抉り込む。

 

「どおぉぉぉっ!?」

「馬鹿が。油断しすぎだ」

(よし…バーダックさんの本気の一撃…これは効いた!あの強打を受ければどんな相手だって──

「へっへっ…まだまだ元気そうだな!良かったぜぇ!」

「なっ…」

 

ヘラヘラと笑いながら男は仕返しとばかりに同じ攻撃を腹部に叩き返す。適当に振ったように見えたがその威力は絶大で、鈍い音と共にバーダックの背中がくの字に折れる。

 

「バーダック!」

「そ、そんな…あの攻撃が効いてないの…!?」

「チッ…やってくれるな…」

「おお、いいねいいね!こりゃあ本当に楽しめそうだ!」

「お前ら何してる!さっさと行け!」

「くっ…行くぞ!」

「でも副隊長!」

「ここはあいつを信じるんだ…!今はレリックを守り抜いてなのは達の所へ…」

「おっと、そう簡単に逃げられる訳ないだろ?」

 

今度は小男が彼女らの行く手を阻む。

 

「へっ、奪えるもんなら奪ってみろ!」

「そうか?それじゃあ遠慮なく頂くとするか」

「あ、あれ?ケースが…!」

「消えた!?」

 

しっかりとケースを抱え込んでいたはずのキャロだったが、一瞬のうちにケースは跡形も無く消えてしまい、あろう事か目の前の相手の手の中に収まっていた。

 

「そんな…!レリックが…」

「くっ…このっ、返しやがれ!」

 

素早く武器を振り回すが、攻撃は当たる気配すらなく虚しく空を切る。

 

「へへっ、お前らじゃ一生かかっても無理無理!」

 

(さっきの大男のスピードも半端じゃなかったけど…こっちは動いた事すら分からなかった…!ここまで次元が違うのかよ…!?)

 

「おい!もうここに用はない!とっとと帰るぞ!」

「なんだよ〜これからが楽しい所だってのに。もうちょい遊んでからにしねぇか?」

「そう言う事してるとまた隊長に怒られるぞ。それに、コイツらとはその内嫌でも戦う事になるんだからな」

「仕方ねぇな…。聞いたか?そう言う訳だから続きはまた今度だ」

「な、何を…」

「おーい、見てるんだろ?迎えに来てくれ〜」

 

男が叫ぶと、コンクリートを水のようにすり抜け青い髪の女が現れる。

 

「何度見ても気色悪い魔法だな〜そのテープなんちゃらとか言うのは」

「ディープダイバーっす!…てかあんたらなら自分で逃げれるんじゃねーすか?」

「硬いこと言うなって!この通りレリックも手に入れてやったんだからよ〜」

(ぐっ…運ぶこっちの身にもなれっスよ…)

「へへへっ、それじゃあお前ら、せいぜい頑張れよ!」

「あっ、待て!」

 

苦虫を噛み潰したような顔のヴィータ達を嘲笑いながら、三人は地中へと消えていく。

 

「そうだ…最初の三人は…!」

「いないわ。恐らく戦いの最中に先程の女が逃がしたのね…」

『こちらロングアーチ!ヴィータ副隊長聞こえますか!?』

「ああ。すまねぇ…こっちは最悪だ。敵に逃げられた上にレリックまで…」

 

 

『それより大変なんです!なのはさん達が…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そらよっ!」

「ぐっ…」

「さっきまでの勢いはどうした?戦闘力も下がってきているぞ」

「調子に…乗るなっ!」

 

フェイトがバルディッシュを振りかざすと、無数の鋭利な弾丸が出現し、敵を貫かんと飛翔する。しかしその殆どは明後日の方向に飛んでいき、当たりそうになった弾も苦もなく躱されてしまう。

 

「へっ、当たらねぇな!そんなつまらねぇ技に頼る様じゃ、いよいよ万策尽きたようだな」

「それは…どうかなっ!」

 

再び別方向に武器を振るうと、外れたと思われた弾丸達が、方向を変え再び急襲する。流石にこれは予測できなかったのか、男は避ける事が出来ずに爆発に巻き込まれる。

 

(よし…どうだっ!)

 

油断した所に寸分の狂いもなく技が命中し、確かな手応えもあった。しかし、煙の中から現れたのはバリアに身を包み、傷一つない敵の姿だった。

 

「効いて…ない?」

「この野郎…やってくれるじゃねぇか。そんなに死に急ぎてぇなら…今すぐに殺してやるぜっ!」

 

「まずっ…防御が間に合わな──

 

咄嗟に受け身で防いだものの、ほとんど無防備な所にエネルギー波をまともに受けてしまい、アスファルトの地面に叩きつけられてしまう。

 

「うっ…」

 

『フェイトちゃん!』

「…私は大丈夫だから。なのはは自分の戦いに集中して』

「大丈夫って…その傷…!」

 

攻撃が命中したであろう右腕は肩から肘の辺りまで出血し、力なくだらりとたれ下がっている。さらに不運にもダメージは脚部にまで及んでおり、それはスピードを信条とする彼女にとっては致命的であった。

 

(限定解除してもここまで一方的にやられるなんて…)

 

「そうだ、死ぬ前にいい事教えてやる。お前達が逃がした連中だが、今頃はもう堕とされているだろうぜ」

「なっ…」

「俺達はレリックに興味はないが、戦闘機人共は相当ご執心のようだからな。まぁどうせすぐにあの世で会えるんだ。そう悲観することもねぇだろ」

 

皮肉のこもった言葉を吐き捨てると、エネルギーの溜まった手を向ける。先程までより明らかに力のこもったそれは、弱りかけの命を刈り取るには充分すぎる威力。もはや彼女には一刻の猶予もなかった。

 

(バーダックさん…すみません…私…!)

「フェイトちゃん!避けてっ!」

「消し飛べっ!」

 

幼なじみの叫び声が僅かに聞こえる中、迫り来る光に飲み込まれた所で彼女の意識は途絶えた。




どうも顔芸です。
毎度毎度書いてる気がしますが遅くなってしまいすみませんでした!今年は…今年は忙しいんですわ…(言い訳)

そこで少しお知らせ(というか一方的なお願い)なのですが、これから先、後書きやコメント返信は少なめで行きたいと思います。というのも実はこれの内容を考えるのに、無駄に気の利いたことを書こうとしてるため結構時間を取られてまして、考えてるうちに寝落ち…なんて事も何回かありました。その割に大したことは書けてないので、そんな事ならいっそ本編を書く時間に当てたい…という事で、今までより後書き、返信は簡略化という方向で行きたいと思います。

ただ頂いたコメントや評価は必ず見させて頂いてますので、気軽に書いて頂けると励みになります。今後とも読んで頂けると嬉しいです。
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