俺はみんながイチャコラしてるのを見ていたいだけ 作:ルーニー
「……ぁふ」
むくり、と寝ぼけ頭でゆっくりと起き上がる。寝ている間首が動かなかったのか左右に傾けるだけでゴキゴキと音が鳴るが寝ぼけ頭にはそれが気持ちいい。
「んあー。あー」
目を覚ますために寝起きに声を出す。何の意味もないただの発声だが、これで幾分か目も覚める。俺だけなのかこれ。
まぁそんなことはさておき。寝ぼけも幾分かマシになったころにあくび交じりに着替えをはじめ、学校に行く準備がちゃんとできているかを確認してかばんを持って下に降りる。
「おはよ~」
あくび交じりにダイニングに入り、椅子に座る。すでに俺の隣にはわが兄こと桃矢兄が座っており、父さんこと藤隆さんが笑顔で朝ご飯を持ってきてくれた。
「おはようございます、椿くん」
「おはよう」
見る人を安心させる優しい笑みを浮かべる父に見る人を見惚れさせるようなニヒルに笑う兄。相変わらずのわが兄と父のイケメン具合にハンパネェなと思いながらも父さんの持ってきてくれた朝食を食べる。
う~ん。毎回思うけどイケメンで料理ができる大学教授とかモテる要素しかないなぁうちの父さんは。
「今日はいつもより早いですね。日直か何かですか?」
「うん。日直があるからちょっと早く出るつもり」
「昨日も結構遅くまで星見てたんだろ?なのによく起きれるな」
あいつとは違って、とまだ誰も座っていない席を横目で見る桃矢兄。それが誰なのかを察する暇もなく、天井から悲鳴が上がった。
「きゃー!遅刻しちゃうー!」
バタバタと廊下からでもあわただしく暴れる音が響く。最近になって寝坊する頻度が高くなってきてるのだが、俺みたいに深夜遅くまで起きてるわけじゃないのにどうしてここまで寝過ごすことができるのかねぇ。
とはいっても、だ。
「これを聞いて朝だなぁと実感できてる俺も俺か」
「相変わらずドタバタしてるなぁあいつ」
このドタバタを聞いて朝なんだなぁとほのぼのできるぐらいには慣れてきれいるこの状況に、俺の隣に座っている桃矢兄はいじわる気に笑みを浮かべる。さくらの寝坊もそんな高い頻度ではないけれど、まぁまぁ寝坊するさくらのドタバタと桃矢兄のいじわるはある意味うちの風物詩みたいになってきてる。
「お……おはよう!」
少し息を切らせてダイニングに入るはくらは、桃矢兄にいじられるのを予想しているのか若干どもる。それを見て桃矢兄はさっきまでのいじわるな笑みをそのままにコーヒー片手にさくらいじりを始めるのだった。
「なにばたばた暴れてるんだ?」
「暴れてないもん」
「歩くだけで怪獣が闊歩してるみたいな音するんだな」
「怪獣じゃないもん!」
腕をぐるぐるさせて桃矢兄に抗議するが、頭にマグカップを置かれて全く意に介してない様子にさらに腕の動きを早くする。う~ん。なんてほほえましいことだ。
「名前は怪獣サクラノドンかな」
「さくら怪獣じゃないもん!」
ほほえましいついでに俺もいじわるを言ってみると握りこぶしを見せてガルルルル、とのどを鳴らして威嚇してくる。が、ちっこい犬が威嚇しているようにしか見えないせいかまったく怖くもなんともない。むしろほほえましい感情すら出てくる。
うん。今日もうちの妹はかわいいな。
カードキャプターさくらの世界で主人公の双子の兄として生まれ変わった俺だけど、原作が始まる前でとても楽しい、そして幸せすぎる毎日を送っているのだった。
桃矢兄のシスコンな行動や言動は見ててホントニヤニヤするのは私だけじゃないはず。
桃矢兄はかっこよくて優しくて料理もできてスポーツ万能勉強できるって最強ですよね。属性もりすぎぃ!だがそれがいい