「「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」」
「「「え?」」」
“ペルセウス”とのギフトゲームが終わり、レティシアを助けて目を覚まして問題児達が言ったのはこの一言だ
「え?じゃないわよ今回のゲームで活躍したの私たちだけじゃない?あなた達はくっ付いてきただけだもの」
「うん、私なんて力一杯殴られたし、石になったし」
「あ、それ私も」
「つーか挑戦権持ってきたのおれだろ?」
「その挑戦権の情報ともう一つの挑戦権は私だよ?」
「というわけで所有権は3:3:2:2で話は付いた」
「何を言っちゃってんでございますかこの人達!?」
最早ツッコミが追いつかず黒ウサギは混乱する、同様にジンも混乱する
そんな中、当事者であるレティシアは冷静だった
「んっ………ふ、む。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。コミュニティに帰れたことに、この上なく感動している。だが、親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同士にもそれを忘れてはならない。君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」
「レ、レティシア様!?」
黒ウサギの焦りは今までにないくらいだ、尊敬していた先輩をメイドとして扱わなければならないことになるなんて
「私、ずっと金髪の使用人に憧れていたのよ。私の家の使用人ったらみんな華も無い可愛げの無い人達ばかりだったんだもの。これからよろしく、レティシア」
「よろしく……いや、主従なのだから『よろしくお願いします』の方がいいかな?」
「使い勝手がいいのを使えばいいよ」
「そ、そうか。……いや、そうですか? んん、そうでございますか?」
「黒ウサギの真似はやめとけ」
ヤハハと笑う十六夜。意外と和やかな四人を見て、黒ウサギは力無く肩を落としながらうなだれるのであった
それから三日後の夜。
子供達を含めた“ノーネーム”総勢一二七人+一匹は水樹の貯水池付近に集まり、ささやかながら料理が並んだ長机を囲んでいた。
「だけど、どうして屋外の歓迎会なのかしら?」
「うん。私も思った」
「黒ウサギなりに精一杯のサプライズってところじゃねえか?」
「明日から頑張らないとね」
「無理しなくていいって言ったのに……馬鹿な娘ね」
「そうだね」
飛鳥の苦笑に耀も苦笑で返す。
「それでは本日の大イベントが始まります!みなさん、箱庭の天幕に注目してください!」
黒ウサギに言われて天幕を見ると大量の流れ星が流れていた。
「この流星群を起こしたのは他でもありません。我々の新たな同士、異世界からの四人がこの流星群の切っ掛けを作ったのです」
「「「「え?」」」」
「箱庭の世界は天動説のように、全てのルールが此処、箱庭の都市を中心に回っております。先日、同士が倒した“ペルセウス”のコミュニティは、敗北の為に“サウザンドアイズ”を追放されたのです。そして彼らは、あの星々からも旗を降ろすことになりました」
天音達四人は驚愕する、完全に絶句した。
「……なっ……まさか、あの星空から星座を無くすというの!?」
「今夜の流星群は“サウザンドアイズ”から“ノーネーム”への、コミュニティ再出発に対する祝福も兼ねております。星に願いをかけるもよし、皆で鑑賞するもよし、今日は一杯騒ぎましょう♪」
飛鳥の驚きに黒ウサギは笑みを浮かべて返す。天音はいいことを思いついた表情を浮かべる
「こいつはいい目標ができたな」
「十六夜も?実は私もなんだ」
「じゃあ二人で言ってみようぜ」
「良いよ」
「目標でございますか?なんでございますか?」
「「あそこに私達の(俺達の)旗を飾る」」
今度は黒ウサギが絶句する。しかし弾けるような笑い声をあげる。
「それは……とてもロマンがございます」
「でしょ?」
「はい!」
その道はまだまだ険しい。奪われたものをすべて取り返しその上でコミュニティをさらに盛り上げる。ほかの二人は反対しないだろう、そんな予感があった。すべてを捨ててここに来たそれに見合う対価はまだ始まったばかりだ
次回から第2巻
フラグも立てていきたいなぁw