問題児たちと天空の御子が来るそうですよ?   作:皐月の王

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北側生誕祭編突入


あら、魔王襲来のお知らせ?
北からの招待状


少女は夢を見る。まるで遠い日の戦争の日々を、互いは何時からか宿敵のような関係だった。決まりを破り敵を討つべく弓を引く一人称視点、戦車が動かなくなってその矢を受ける一人称視点。邪龍と相対する一人称視点。辿ってきた道、血が、全て見ろと、全て記憶せよと、全て身体に染み込ませろと。自分のいた世界では見ることの無かったもの……軌跡が

 

ーーーーーーーーーー

 

「……(最悪……何あれ?いや知らないわけじゃない、だけどあれは)」

 

箱庭に来て1ヶ月が経った、天音は十六夜、ジンとでノーネームの書庫にいた。最近の生活サイクルは毎朝早くに本拠を出て、帰ってきては未読の書籍を漁る日々、十六夜も同様だ、ジンはそれの案内等を行っていた。人並外れた体力を持つ天音と十六夜だが眠気には勝てない

 

「………ん………御チビ、天音、起きてるか?」

 

「………くー………」

 

小さく寝息を立てるジン

 

「………(まだ、眠たい)」

 

「二人とも寝てるか………まぁ俺のペースに合わせて本を読んだんだから当然だな……」

 

天音は十六夜に体を預けるように寝ている、十六夜も同様に天音にもたれるように寝ている。3人が健やかな寝息を立てていると、飛鳥達が慌ただしく階段を降りてくる

 

「十六夜君!天音さん!何処にいるの!?」

 

「……飛鳥?……どうしたの……」

 

「………うん?ああ、お嬢様か……」

 

とうつらうつら頭を揺らして二度寝をしようとする二人に飛鳥は散乱した本を踏み台にして、膝蹴りで強襲

 

「起きなさい!」

 

「させるか!」

 

「グボハァ!?」

 

飛鳥の蹴り対して十六夜はジンを盾にした。盾にされたジンは見事に側頭部を強襲、三回転半して吹き飛ばされる。

 

「ジン君がぐるぐる回って吹っ飛びました!?大丈夫!?」

 

「側頭部に飛び膝蹴りを食らって大丈夫な訳ないと思うな」

 

ジンに駆け寄るリリ、顔色一つ変えず合掌する耀、ジンを吹き飛ばした飛鳥

 

「十六夜君、天音さん、ジン君!緊急事態よ!二度寝してる場合じゃないわ!」

 

「そうかい。取りあえず、側頭部にシャイニングウィザードは止めとけ。俺はともかく御チビの場合は命に関わ」

 

「って僕を盾に使ったのは十六夜さんでしょう!?」

 

「意外にタフだね、ジン君」

 

本の山から起き上がるジン。生きていたらしい

 

「大丈夫よ。だってほら、生きてるじゃない」

 

「デッドオアライブ!?というか生きてても致命傷です!飛鳥さんはもう少しオブラードにと黒ウサギからも散々」

 

「ジン君喧しい」

 

天音はジンめがけて本を投げつける。

その本はジンの頭にクリティカルヒット。しかも角だ。ジンは先ほど以上の速度で後ろに吹き飛び失神する

 

「それで?人の快眠を邪魔したんだ。相応のプレゼントがあるんだろうな」

 

睡眠を邪魔されて不機嫌な十六夜。

対して飛鳥はそんな不機嫌な十六夜を無視して話を進める。それもそのはず二度寝できなかったのは飛鳥も同じなのだから、だが十六夜と天音は知る由もない

 

「いいからコレ読みなさい。絶対に喜ぶわよ」

 

不機嫌な表情のまま十六夜は手紙を読む。天音も目を擦りその手紙を覗く

 

 

「双女神の封蝋……白夜叉から?」

 

「何々?北と東の"階層支配者"による共同祭典"火龍誕生祭"の招待状?」

 

「そう!よくわからないけどきっと凄いお祭りだわ。十六夜君も天音さんもわくわくするでしょ?」

 

「おい、ふざけんなよ。こんなことで人の快眠邪魔して側頭部にシャイニングウィザードを決めようとしたのかよ!?それに、なんだよこのラインナップ!?北側の鬼種や精霊達が作り出した美術工芸品の展覧会および批評会に加え、様々な"主催者"がギフトゲームを開催。メインは"階層支配者"が主催する大祭を予定しておりますだと!?クソが!少し面白そうじゃねえか、行ってみようかなオイ♪」

 

「確かに面白そう!精霊かぁ見てみたいな!」

 

獣のように体をしならせ飛び起き、颯爽と制服を着込む十六夜と天音。

天音はヘッドホンを首にかけ、曲を切り背伸びをする

 

「ま、待ってください!北側に行くにしてもせめて黒ウサギのお姉ちゃんに相談してから、ジン君も起きて!皆さんが北側に行っちゃうよ!」

 

「……北?…北側だって!?」

 

気絶していたジンが「北側に行く」の言葉で飛び起きる。

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!北側に行くって本当ですか!?」

 

「ああ。そうだが?」

 

「何処にそんな蓄えがあると思ってるんですか!?此処から北側までどれだけあると思っているんです!?リリも、大祭の事は皆さんには秘密にと――――」

 

「「「「秘密?」」」」

 

重なる四つの疑問符。硬直するジン少年。失言に気づいた時は時すでに遅し、振り返ると、邪悪な笑みと怒りのオーラを放つ耀、飛鳥、十六夜、天音の四大問題児

 

「そっか。こんな面白そうなお祭りを秘密にされてたんだ、私達。ぐすん」

 

「コミュニティを盛り上げようと毎日毎日頑張ってるのに、とっても残念だわ。ぐすん」

 

「コミュニティの為に骨身を削ってるのに残念だよ。ぐすん」

 

「ここらで一つ、黒ウサギ達に痛い目を見てもらうのも大事かもしれないな。ぐすん」

 

泣きまねをしながらニヤリと笑う十六夜達。ジンは汗をダラダラにながし青ざめる少年。ジンは問題児達に拉致され問題児一行は、東と北の境界壁を目指すのであった

 

「黒ウサギのお姉ちゃぁぁぁぁぁん!大変ーーーー!」

 

「リリ!?どうしたのですか!?」

 

「飛鳥様が十六夜様と耀様と天音様を連れて…………あ、こ、これ、手紙!」

 

『黒ウサギへ。

北側の四〇〇〇〇〇〇外門と東側の三九九九九九九外門で開催する祭典に参加してきます。貴女も後から必ず来ること。あ、あとレティシアもね。

私達に祭りの事を意図的に黙っていた罰として、今日中に私達を捕まえられなかった場合"四人ともコミュニティを脱退します"。死ぬ気で探してね。応援しているわ。

P/S ジン君は案内役に連れて行きます』

 

「………、」

 

「………?」

 

「ーーーーー!?」

 

たっぷり黙り込むこと三十秒、黒ウサギは手紙を持つ手を震わせ悲鳴のような声を上げるのであった

 

「な、ーーーー……何を言ちゃってんですかあの問題児様方あああああーーーー!!!」

 

黒ウサギ達は忘れていた、彼らは世界屈指の問題児集団だったのだと

 

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