―――そして現在の戦果成績は、意外なことに十六夜の成績は低迷しているのだ。それもそのはず、 "ノーネーム"の評判が広がるということは同時に、十六夜の戦歴が広がってることも意味していた。彼が戦ってきた敵を考えれば参加を断られるのも仕方ない事だ。元魔王にして最強種の星霊・アルゴール。"黒死斑の魔王"の側近にして神格保持者であった悪魔・ヴェーザーと人智を超えた敵を打ち負かしてきた十六夜の自力は最下層に存在していいものではない。 "主催者"も大敗すると知って参加させるわけにも行かないのだ。十六夜自身もそんな弱腰な "主催者"のゲームには興味も無かった。そんな中、十六夜は、白夜叉が用意してくれたギフトゲームを受けるべく世界の果ての滝に足を運んでるとのことだ。
一方何もすることもない天音は白夜叉に呼び出しをくらっていた。どうせ暇なので良いかと思い天音は足を運んでいた
「(それにしても珍しい、白夜叉が私を呼びつけるなんて……いや珍しいというか、私はまだそこまで白夜叉を知らないし、珍しいなんて言えたものじゃないか)」
はぁ、とため息をつき、歩いて行く。しばらく歩くと、白夜叉が居る"サウザンドアイズ"の支店に入る
女性店員は天音が姿を現すと
「お待ちしておりました、オーナーが奥で待っております」
と言った。天音はその言葉を聞き、一礼して白夜叉が待つ部屋に入る。
「来たか、天音、今日はおんしにある事をしてもらうつもりで呼ばせてもらった」
白夜叉が言う机の対岸に座り話を聞く
「それで、私がやる事って?」
「そうじゃな、試練じゃ、おんしだけするのを忘れとったから今から執り行うのだ。覚悟しておけよ……
とまでは言わん。推定五桁の魔王を倒したおんしの実力は知っておる。それにおんしは暇じゃろ?」
暇……と言われた天音は苦笑いする。確かに今の自分は特にすることは無い。するとしても読書位だろう
「わかった、その試練受けるよ、それで、その試練は何なの?」
天音は試練の内容を問う。白夜叉はギフトカードを取り出し、あの日のゲーム盤に天音を招待する。
「そうじゃな、私と手合わせせぬか?全力で来ても構わんぞ?」
余裕そうな笑みで白夜叉は天音を挑発する。手合わせと言っときながら全力で来ても構わないというのだ。
『ギフトゲーム名:"白夜の試練"
プレイヤー一覧 八神 天音
・クリア条件 プレイヤーが白夜叉を認めさせる
・クリア方法 ギフトを使いホストマスターを認めさせる
・敗北条件 プレイヤーの降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、
ギフトゲームを開催します。
"サウザンドアイズ"印』
「ほれほれ、どうした?来ないのか?それじゃあゲームが面白くならないぞ?」
「にゃろう……上等!」
天音は姿勢を低くし、地面を砕く程の勢いで地面を蹴り白夜叉に突貫する。白夜叉は扇子をピシャリと閉じその突貫をわざと紙一重で躱す、天音は読んでいたのかすぐ様蹴りを入れようとするが、白夜叉は片手で止め、思いっきり叩きつける
「っ……ハッ!!」
息が詰まる、背中を思いっきり打ったことで体が酸素を求める。だが白夜叉はそんなことをさせない。すぐ様天音を投げ飛ばす。
天音は凄まじい速度で地面を転がり、バウンドした所で体制を立て直ししゃがみながら踏みとどまる
「……流石、東側最強のフロアマスター、認めさせるがクリア条件……あーどうすれば!生半可な事じゃ『まぁ、おんしなら出来るわな』とか言い出しそう!」
深呼吸して言う。格上の白夜叉、恩恵も実力も未知数、いや未知数なのはこれからゲームでまだ出会うかもしれなプレイヤーだってそうだ。だが目の前の元魔王は違う。白夜叉は仏門に下る際に神格を得て自身の力を抑えている。天音はそれを聞いてる……だからこそその力を抑えた状態でも勝てないと思う天音だ
「(らしくない……と……でもこのままじゃ条件満たせないな……よし……だしてみるかな……私の限界……行ってみるかな!)」
天音は再度、姿勢を低くする、先ほどと違うのは "光"と"雷"を体に纏わせているのだ、白夜叉はそれを見て、愉快そうに
「ほう。面白そうじゃな、来るがいい!天音おんしの力この白夜叉に見せてみろ!」
「(もっと深く……もっと近づく…引き出せ……更に奥のものを……!)」
直後だった、それは雷の如く、一瞬で白夜叉の背後をとる
「!?私の背後をとるじゃと?じゃが甘い!」
白夜叉は攻撃する、だが天音の体は粒子の如く消え去る、ありえないものを白夜叉は見たように驚く
「なんじゃと!?空間跳躍か!?」
「(まだ……体……持って!まだねをあげないで……!)」
これをしている天音は体中が痛むのを歯を食いしばり、移動し白夜叉の再び背後に現れ
「受け取れ、白夜叉ぁあああああああ!!!」
凄まじい速度と光と雷が集約された一撃が白夜叉の眼前にせまるが
パァン!!!
何かが弾ける音が響き渡る。その音の正体は天音だ、天音の纏っていた物は炸裂音と共に消え去る、天音は気にすることなく白夜叉に振り下ろされる。白夜叉は炸裂音に気を取られたのと、不意打ちに近い一打故にガードをした、光と雷は消え去っても速度まではまだ死んでいなかった、加速していた拳は白夜叉をガードの上から叩きつけ、地面に叩きつける。
地面に叩きつけられた白夜叉は
「なかなかに効いたぞ、天音!やるじゃないか……流石じゃ……どうしたおんしその血は!」
空中では血塗れの天音が浮いていた、天音は肩で息をしている。だが表情は崩れていない。
「やっぱり…まだこれは実用段階には早いか……加減を間違えてしまう」
「全く無茶をする奴だな、ゲームは天音……おんしの勝ちだ。私の部屋に行こう怪我の治療をする」
「りょ…了解です」
天音はよろよろとしながら、地面に着地し、白夜叉は自分の部屋に戻し、女性店員を呼び手当て。そして白夜叉は
「私の試練を乗り越えたのだ、星霊として主催者として恩恵を授けないとな」
そう言い白夜叉は翠と蒼のブレスレット
「ブレスレット?白夜叉一体何?」
「 それは、天馬のブレスレットじゃあ。周りの状況を把握しやすくなるものじゃな。聴力補助と感覚の強化を施してくれる。おんしにはぴったりじゃろ」
白夜叉は胸を張って言う。天音はふむと頷き、ブレスレットを付ける
「うん……うわ…声が凄い聞こえる、人の気配も凄い気持ち悪い……慣れるまでが大変そう……」
「ハハハハ、そうじゃろうな。今日の用事はこれで終わりじゃ。傷の手当ても終わっとるな。」
「そうだね、店員さん、手当てありがと」
「いえ、オーナーの支持ですから」
天音は女性店員にお礼をいうが素っ気なく返された天音はハハと笑いノーネームの本拠に帰る。
十六夜達は既に本拠の大広間に集まっていた。そう三人の戦果を審査するためだ。
「よう、天音どこに行っていたんだ?そんな包帯そんなに包帯をつけて、服装も変わっているし」
「ああ、白夜叉と少しゲームをまぁ試練を受けて新技の反動で……」
「また無茶したと?」
「ええ……うんまぁ大丈夫!」
何が大丈夫か分からない雰囲気になったが、ジンが咳払いして話を始める
「細かい戦果は後に置いておくとして。まずは、飛鳥さんの戦果は牧畜を飼育するための土地の整備と山羊十頭を手に入れたそうです。飼育小屋と土地と準備が調いだ次第ノーネームに連れてくるいていです」
「ふふ。子供たちも『山羊が来る』『乳がいっぱい来た』『チーズが造れる』と大はしゃぎだ。派手な戦果では無いがコミュニティとしては大きな進展だ」
飛鳥は後ろ髪を掻き上げてどんな物よ!っと言いたげな顔をしてる。レティシアは耀の報告書をめくり続ける
「次は耀の戦果だが……ふふ、これはすごいな。"ウィル・オ・ウィスプ"からわざわざ耀に再戦の為に招待状を送ったそうだ」
「"ウィル・オ・ウィスプ"主催のゲームに勝った耀さんは、ジャック・オー・ランタンが制作する"炎を蓄積"出来る巨大キャンドルホルダーを無償発注したそうです」
「これを地下工房の儀式場に設置すれば、本拠とは別の別館にある"ウィル・オ・ウィスプ"製の備品に炎を同調させることが出来きる」
「なのでこれを機に、竈・燭台・ランプといった生活必需品を"ウィル・オ・ウィスプ"に発注することになりました。少し値が張りますが本拠内は恒久的に炎と熱が使えること考えると、大きな戦果と言えます」
「いや意外だったぜ。中々大きい戦果を挙げたみたいじゃねえか」
「上から目線ね…………それで、十六夜君はどんな戦果を挙げたのかしら?」
飛鳥の言葉に十六夜はにやりと笑う。
「なら、今から受け取りに行くか」
「何処に?」
「“サウザンドアイズ”にだ。黒ウサギも向かってるらしいし、ちょうどいい。主要メンバーには聞いておいて欲しい話だからな」
「まさか一日に二度も行くなんて」
白夜叉の所に居れば良かったと小さく呟き大広間を出て、全員で"サウザンドアイズ"に向かった。
「「黙れこの駄神ッ!」」
白夜叉に案内されて店に入り白夜叉の私室に向かう時、黒ウサギの声と聞き覚えのない声が聞こえた、そして水流と轟雷で吹っ飛ぶ白夜叉を見て天音達ご一行は何事かと思い全員で覗くとそこには着物とは言えない着物を着た黒ウサギと女性がいた。因みに白夜叉は天音にキャッチされた。
「………二人とも取り敢えず着替えたらいいよ。黒ウサギもびしょ濡れなんだし」
「何ッ!!?黒ウサギが濡れ濡れだと!!?」
―――――ズドオォォォン!!!と追撃の轟雷が白夜叉とそれをキャッチしていた天音を貫いた
そしていつもの衣装に戻った黒ウサギとまともな着物に着替えたが座った。黒ウサギは反射的とは言え白夜叉の追撃に天音を巻き込んだことを天音に怒られていた。天音に轟雷はダメージはなかった。そして話を聞くと女性は天音が随分前に倒した蛇神が人間に変幻した姿らしい。天音はそれを聞いて目をそらす、白雪姫は詰め寄り「この間はよくもやってくれたな小娘」と言い大きな胸部を押し付ける。天音は精神的にダメージを負っていく。黒ウサギが間に入り白雪姫と天音を引きはがす。白雪姫はゲームに敗れた為ノーネームに隷属することになったらしいし。神格もちを隷属化出来たのは大きな戦力増強と言える。そして本題の十六夜が受け取りに行くと言ったものはゲームでの報酬でその
報酬は
『―― 二一〇五三八〇外門の利権証
――
※階層支配者は本書類が外門利権証である事を保証します。
※外門利権証の発行に伴い、外門の外装をコミュニティの広報に使用する事を許可します。
※外門利権証の所有コミュニティ右記の"境界門"使用料の八〇%を納めます。
※外門利権証の所有コミュニティに右記の"境界門"を無償で使用を許可します。
※外門利権証は以後" "のコミュニティが地域支配者である事を認めます。
"サウザンドアイズ"印』
十六夜と白雪姫と白夜叉は平然としてるそれ以外は固まって言葉が出ない。自体を認識できたジンは驚きで未だ固まっている。黒ウサギは大喜びしている。飛鳥と耀は十六夜と喜ぶ黒ウサギを見ている。何処か遠い場所の事のように見つめ続けていた。