問題児たちと天空の御子が来るそうですよ?   作:皐月の王

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遅れて本当に申し訳ございません!


少女の異変

ーーーーーーその日の夜。"ノーネーム"では小さな宴の席が設けられていた。普段振る舞われない様な料理を数々並べ、年長組と共に乾杯をした。

黒ウサギが腕を振るった川魚は、表面を軽く焼いてから油で上げたものに、とろみのある餡をかけた料理とテーブルに並んだ。黒ウサギ自身のかなりの力作だった物らしい。主力陣は勿論、子供たちにも好評な料理だったが、十六夜がなにか言いそうになったが、天音が咄嗟に別に食べ物を入れ黙らせていた。そんなおもしろおかしい宴は終わり、その後、天音と十六夜はテラスへ出て夜風に当たっていた。天音は背をテラスの手すりに預け空を見上げて、十六夜は手すり方を向き手すりに腕を乗せている。心地良い風が吹いている、静かで穏やかな夜の世界。そんな中、十六夜は疑問を天音にぶつける。

 

「なあ、天音聞きたいことがあるんだ。答えたくなければ、答えなくていい……お前は何故無茶ばかりするんだ?」

 

十六夜は気にかかるのかそんな事を尋ねた。その表情は表向きは茶化しているように見えるが、そうじゃないというのが目に見える。

 

「ええと……それは……」

 

天音自身がどう答えたらいいのか分からない。なぜ自分はそういう事をするのか……ただ体が動いたから。新しいことが出来るから試したから。そんな領域なのかも知れないが、ふと考えると自分でも分からない。元からそんな人物だったのだろうか?それとも、ギフトの影響を受けているのだろうか?それは天音自身も分からないが、言われて違和感を覚える。

 

「(あれ?私はあんな感じだっけ?無茶ばかりするような……)私にもよく分からない……かな?」

 

違和感は違和感で考えるしかないと、諦めた。十六夜は少しため息をつき

 

「そうか、まぁ分からないなら仕方ないな。だけどな。あんまり無理するなよ?春日部やお嬢さま、黒ウサギだって心配するぜ?」

 

ヤハハと十六夜は笑う。天音もクスクスと笑い

 

「十六夜は心配してくれないの?」

 

少し悪戯ぽく言う天音。しかし十六夜の反応は

 

「心配するに決まってるだろ」

 

当然のように、真面目な表情と声音で天音の方に顔を向け言う。天音はそれを聞き、その表情を見て驚いた。少しの空白の間で顔を赤くして俯きながら

 

「あ…ありがと」

 

十六夜はその様子を見ながら、少し恥ずかしかったのか頬をポリポリとかき、天音の頭をポンポンと叩き

 

「まあそういう事だ。あんまり無茶ばかりするなよ天音」

 

十六夜は笑いながら、テラスから室内に戻る。 天音はその背中を見送る。声をかけそうになるが、その声を奥に押しとどめ。静かに見送り、再び星空を見て呟く

 

「……どうなったんだろ?私」

 

少し考えて、気にするのはまぁいいかと感じではぁと溜息をつき、自室に戻る。確かな違和感を感じながら……

 

ーーーーーーーーーーーー

 

翌日。

 

「十六夜ーヘッドホン見つかった?」

 

「いや、見つかんねーよ」

 

昨晩の入浴のあとからヘッドホンの行方が分からない。

 

「十六夜……こんなに探しても出ない何て」

 

「ああ、出てこねぇ。これだけ捜しても出てこないということは、隠した本人にしか分からない場所にあるんだろう。状況証拠として一番怪しいのは春日部だが……」

 

「耀ちゃんはそんな事は……」

 

「まぁ落ち着けよ。アイツはそういう事が出来るやつじゃない」

 

仕方ないなと十六夜は溜息をつき。順番を譲るしかないと言う。

 

「仕方ないな、春日部に順番譲るか」

 

「いいの?」

 

「そう判断したし、先に行かせる。それともなんだ?一緒に行きたかったのか?」

 

ヤハハと笑う十六夜。天音は少し顔を赤くしてうんと言う。そして十六夜が来た時に見物に行くことになった。

 

「どうしたんですか、それ」

 

黒ウサギは目を丸くし、それを指差す。

 

「頭の上に何かないと髪が落ち着かなくてな。そりより話がある」

 

十六夜は本拠に残りヘッドホンを探す旨を春日部達に伝える

 

「………本当にいいの?」

 

「仕方ねえさ。アレがないとどうにも髪の収まりが悪くていけないんだ。アレがないと困るんだ」

 

春日部は目をパチパチと瞬きをしてしばらくして、ふと小さな華が咲いたように微笑みで十六夜に礼を述べた

 

「ありがとう。十六夜の代わりに頑張ってくるよ」

 

「ああ、別にいいって。俺が挙げれたはずの戦果代わりに挙げてこい。ついでに、友達一〇〇匹作ってこいよ。南側は幻獣が多くいるみたいだしな。俺としたらそっちの期待が大きいぜ」

 

そして、天音達五人と一匹は"境界門"の前に着いた。飛鳥達は門柱に刻まれた虎の彫像を凝視し、溜息をつきた。

 

「この収穫祭から帰ってきたら、いの一番にこの彫像を取り除かないと」

 

「ま、まあまあ。それはコミュニティの備蓄が十分になってからでも、」

 

「何言ってるのさ黒ウサギ。この門はリーダーのジン君を売り出すために重要な拠点になるから。まずはジン君の全身の彫像と肖像画を用意……」

 

「お願いですからやめてください!」

 

ジンが青くなって叫ぶ。幾ら何でも恥ずかしすぎるのだろう。天音は残念そうにため息をつく。

 

「じゃあ………黒ウサギを売り出しましょう」

 

「それだ!」

 

「それだじゃありません!!!黒ウサギを売りに出さないでください!!!」

 

スパン、と軽めに黒ウサギは天音と飛鳥にツッコミを入れる。飛鳥はむぅっと口を尖らせた。耀は小首を傾げ

 

「じゃあ……黒ウサギを売りに出そう」

 

「何で黒ウサギを売るんですかああああああああ!!!」

 

スパァーンっと会心のツッコミが耀に炸裂する。心の叫びとともに。十六夜が欠けても三人が問題児である事は変わらない。溜息をつきつつ、三枚の招待状を取り出す

 

「我々がこれから向かう場所は南側の七七五九一七五外門。"龍角を持つ鷲獅子"が主催する収穫祭でございます。しかしそれとは別に、舞台主である巨軀の御神木"アンダーウッド"の精霊達からも招待状が来ております。両コミュニティには前夜祭のうちに挨拶へ向かいます。それだけ気に留めといてください」

 

「了解」

 

「うん」

 

「分かったわ」

 

「皆さん、外門のナンバープレートはちゃんと持ってますか?」

 

天音達は手に持ってる鈍色のナンバープレートを見る。ここに書かれた数字が"境界門"の出口となる外門に繋がっているのだ。

 

耀はナンバープレートを見つめた後、本拠の方を見た。

 

「どうしたの?」

 

「うん、ちょっと………十六夜の事が気になって」

 

「そうね…まさか、十六夜君がヘッドホン一つで辞退するなんてね」

 

「YES。あれほど楽しみにしていましたのに」

 

「あの十六夜が目の前の楽しみを投げ出してまで探すんだから……きっと大事なもののはずだよ」

 

「………見つかるといいね」

 

耀のその言葉に同意して三人は頷く

"境界門"の準備が整ったのは直後だ。

 

 




恋愛描写?アレが思うように書けないです……
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