問題児たちと天空の御子が来るそうですよ?   作:皐月の王

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遅れて誠に申し訳ございません

後書きに質問があるので出来ればコメント下さい!


アンダーウッド

「わ、…………!」

 

「きゃ……!」

 

丘陵に吹き込む風に悲鳴をあげる飛鳥と耀。多分に水分を含んだ風に驚きながらも、吹き抜けた先の光景に息を呑む

 

「…………す、凄い!なんて巨大な水樹…………!?」

 

丘陵に立つ外門を出た天音達は、すぐに眼下を覗き込む。彼女達の瞳に飛び込んだのは、樹の根が網目模様に張り巡らせた地下都市と、清涼とした飛沫の舞う水舞台だった。

 

「飛鳥、天音、下!水樹から流れた滝の先に、水晶の水路がある!」

 

耀が今までにないぐらいの歓声を上げ飛鳥と天音の袖を引く。巨軀の水樹から溢れた水は幹を通して都市へ落下し、水晶で彩られた水路を通過して街中を駆け巡っている。水路は加工された翠色の水晶で出来ていた。飛鳥と天音は何処かで見た記憶がある

 

「(………あら、あの水路の水晶……翠のガラス?確か北側でも)」

 

「(テクタイト結晶?北側でも見かけたよね……確かサラマンドラの……)」

 

「飛鳥、天音、上!」

 

えっ?と二人は上を見上げる。飛鳥は上下に忙しないと思ったが、すぐに考えが変わった。

遥か空の上に、何十羽という数の角の生えた鳥が飛んでいた。唖然と見上げる飛鳥、苦笑いをしている天音、耀は熱っぽい声を上げながら鳥の群れを見つめている。

 

「角が生えた鳥………しかもあれ、鹿の角だ。聞いたことも見たこともない鳥だよ。やっぱり幻獣なのかな?黒ウサギは知ってる?」

 

「え? え、ええまあ……」

 

「ちょっと、見てきていい?」

 

珍しく熱い視線を向ける耀。

 

「待って耀あれはペリュトンだよ」

 

「ペリュトン?」

 

天音の言葉にハテナを浮かべる。天音はペリュドンの説明をする。

 

「そうペリュトン、アトランティス大陸に棲んでいたとされる怪鳥の一種だよ。地中海でも目撃例があるみたいで。鳥の胴体と翼、雄鹿の頭と脚を持った姿をしていて、自身の影を持っていないんだけど、光を浴びると人間の形の影ができるらしいんだ。一説では故郷から離れた場所で息絶えた旅人の霊だと言われてるんだよ」

 

「そうなんだ」

 

「でも問題はここからなんだ。ペリュトンは、先天的に影に呪いを持っているんだよ。自身の本来の影を取り戻すことができるために人間を狙っている。影を得れば、また影が無くなるまで人は襲わない。また群れで人間に襲い掛かるとされている」

 

天音の説明に耀は少し震える。第一幻獣の秘密が殺人種で呪いを持っているのだから震えるのも致し方ない

 

「もし、私がその幻獣からギフトを貰ったらどうなってた?」

 

「考えない方がいいよ、仮に私が知らなくても、黒ウサギが全力で止めていただろうしね。だからペリュトンと関わらない方が一番なんだよ。気おつけてね」

 

「うん、気を付ける」

 

『友よ、待っていたぞ。ようこそ我が故郷へ』

 

巨大な翼で激しく旋風を巻き上げて現れたのは、サウザンドアイズのグリフォンだった。巨大な頭を寄せると、耀も応えるようにグリフォンの喉仏を優しく撫であげた

 

「久しぶり。此処が故郷だったんだ」

 

『ああ。収穫祭で行われるバザーには "サウザンドアイズ"も参加するらしい。私も護衛で戦車を引いてやって来たのだ』

 

見るとグリフォンの背には試練の時よりも立派な鋼の鞍がと手綱が装備されていた。グリフォンは黒ウサギ達にも視線を向け、翼を畳み前足を折る

 

『"箱庭の貴族"と友の友よ。お前達も久しいな』

 

「YES!お久しぶりなのです!」

 

「お、お久しぶり……でいいのかしら、天音さん、ジン君?」

 

「多分あってると思うよ」

 

「き、きっと合ってますよ」

 

言葉の分からない三人はその場の雰囲気でとりあえずお辞儀をする。グリフォンは嘴を自分の背に向け一同に乗るように促す。

 

『此処から街までは距離がある。南側は野生区画というものが設けられているからな。もし良ければ私が背で送っていこう』

 

「本当でございますか!?」

 

喜びの声をあげる黒ウサギと、言葉は分からず首を傾げる飛鳥とジン。天音はグリフォンの仕草から

 

「飛鳥。グリフォンは多分背中に乗れって言ってるのかも」

 

「天音さん分かるの!?」

 

「いや、何となくニュアンスで」

 

「ありがとう。よかったら名前を聞いてもいいかな?」

 

耀はグリフォンから一歩距離を置き深々と頭を下げたあと名前を聞く

 

『無論だ。私は騎手より"グリー"と呼ばれている。友もそう呼んでくれ』

 

「うん。私は耀でいいよ。それでコッチが飛鳥と天音とジン』

 

『分かった。友は耀で、友の友は飛鳥、天音、ジンだな』

 

バサバサと翼を羽ばたかせて承諾する。その間に事情を説明された飛鳥とジンは頭を下げてグリフォンの背に跨る。天音は自力で飛べるので、背には乗らなかった。

 

『それにしても彼奴らめ、収穫祭中は外門に近づくなと警告をしたというのに。よほど、人間を殺したいと見える。普段なら哀れな種と思い見逃すが、今は収穫祭がある。再三の警告に従わないなら…………耀達には今晩、ペリュドンの串焼きを馳走することになるな』

 

ニヤリ、と大きな嘴で笑うグリー。翼を羽ばたかせて旋風を巻き起こすと、巨大な鍵爪を振り上げて獅子の足で地面を蹴った。"空を踏みしめて走る"と称されたグリフォンの四肢は、瞬く間に外門から遠のいていく。

 

 

 





PS:アナザーコスモロジー使いたいが難しすぎ
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