問題児たちと天空の御子が来るそうですよ?   作:皐月の王

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対魔王宣言

飛鳥、耀、ジン、そして黒ウサギと十六夜と天音と三毛猫はフォレス・ガロのコミュニティの居住区を訪れる道中、六本傷の旗が掲げられたカフェテラスで声をかけられた。

 

「あー!昨日のお客さん!もしかして今から決闘ですか!?」

 

三毛猫がニャー、ニャーと言う、内容が伝わったのか、ウェイトレスの猫娘が飛鳥達に一礼する

 

「ボスからもエールをたのまれました!私達のコミュニティも連中の悪行にはアッタマ来てた頃です!二度と不義理な真似が出来ないようにしてやってください!」

 

ブンブンと両手を振り回しながら応援する鉤尻尾の猫娘

 

これは誤字ではないですが誰かしら返事を書かないと後のの台詞は不自然です→「おお!心強い御返事だ!」

 

満面の笑みで返す猫娘。だかしかし、声を潜めてヒソヒソと呟く。

 

「実はみなさんにお話があります。フォレス・ガロの連中、領地の舞台区画では無く、居住区画でゲームを行うらしいですよ」

 

「居住区画で、ですか?」

 

答えたのは黒ウサギ。初めて聞く言葉に飛鳥は尋ねる

 

「その舞台区画とは何かしら?」

 

「名前からして、ゲームを行う為の専用的な区画じゃないかな?」

 

「天音さんがおっしゃった通りです。各コミュニティが保有するギフトゲームを行うための土地のことです。白夜叉様の様に別次元にゲーム盤を用意出来る方々は極めて少数派なのでございます。しかも!傘下に置いているコミュニティや同士を全員ほっぽり出してですよ!」

 

「………それは確かにおかしな話ね」

 

「でしょ!?なんのゲームかはわかりませんが、とにかく気おつけてください!」

 

熱烈なエールを受け、一同はフォレス・ガロの居住区画へと歩を進める

 

「あ、皆さん!見えてきました……けど、」

 

黒ウサギは一瞬目を疑った。他のメンバーも同様だ。それは居住区がジャンルの様に豹変していたのだから。ツタの絡むもんより、鬱蒼と生い茂る木々を見て耀は呟く。

 

「虎の住むコミュニティだしな、おかしくはないだろ」

 

「ありえない話じゃないけど、少し様子が変じゃない?」

 

「おかしいです。フォレス・ガロのコミュニティの本拠は普通の居住区だったはず……それにこの木々まさか」

 

天音はその木々に手を伸ばしみる

 

「何これ……生物のように脈打ってる……」

 

「やっぱりーーーーーー鬼化してる?いや、まさか」

 

「ジン君。ここに契約書類が貼ってあるわよ」

 

『ギフトゲーム名:"ハンティング"

プレイヤー一覧:久遠 飛鳥

        春日部 耀

        ジン=ラッセル

・クリア条件 ホストの本拠地に潜むガルド=ガスパーの討伐。

・クリア方法 ホスト側が用意した特定の武具でのみ討伐可能。

      指定武具以外は"契約"によってガルド=ガスパーを傷つけることは不可能

・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

・指定武具 ゲームテリトリーにて配置。

 

先生 上記を尊重し、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

"フォレス・ガロ"印』

 

「ガルドの身をクリア条件に……指定武具で打倒!?」

 

「こ、これはまずいです!」

 

「このゲームはそんなに危険なの?」

 

「ゲーム自体は単純です。ですか、このルールに問題があります。これでは、飛鳥さんのギフトで操ることも耀さんのギフトで傷つける事も出来ない事になります……!」

 

「どういう事?」

 

飛鳥の疑問に天音が答える

 

「 "恩恵" では無く "契約" で身を守っているの。多分フォレス・ガロのリーダーさんは、自身の生命をクリア条件に入れることによって、飛鳥と耀の恩恵を克服したという事……」

 

「"恩恵" では無く "契約"で身を守ることは、神格ですら手が出せません!」

 

「すいません、僕の落ち度でした。初めに契約書類を作った時にルールをその場で決めておけばよかったのに……!」

 

ルールを決めるのが "主催者" である以上、白紙のゲーム受諾は自殺行為に等しいものだ。ギフトゲームに参加した経験が無いジンは、ルールが白紙のゲームに参加する愚かさがいかに恐ろしいか分かっていなかった。

 

「敵は命がけで出来レースを五分に持ち込んだのか……観客にしてみれば面白くていいけどな」

 

「気軽に言ってくれるわね……条件はかなり厳しいわよ。指定武具が何も書かれていないし、このまま戦えば厳しいかもしれない」

 

彼女が挑んだゲームに責任を感じているのだろう。厳しい表情で契約書類を覗き込んでいる。それに気づいた、耀と黒ウサギは手を握り、天音は側で励ます。

 

「だ、大丈夫ですよ!契約書類には『指定』武具としっかり書いてあります!つまり最低でも何らかのヒントが無ければなりません。もしヒントが提示されなければ、ルール違反でフォレス・ガロの敗北は決定です!この黒ウサギがいる限り、反則はさせませんよ!」

 

「大丈夫。黒ウサギもこういってるし、私も頑張る」

 

「絶対飛鳥達なら勝てるから、完膚なきまでに勝ってきて!」

 

「……ええ、そうね。むしろあの外道のプライドを粉砕するためには、これくらいのハンデが丁度いいかもしれないかもしれないわね」

 

愛嬌たっぷりに励ます黒ウサギ、やる気を見せる耀、檄を飛ばす天音。飛鳥も三人の檄で奮起する。これは売った喧嘩で買われた喧嘩、勝機があるのなら、諦めてはいけない。

 

その陰では

 

「この勝負に勝てないと俺の作戦は成り立たない。負ければ俺はコミュニティを去る。予定に変更はないぞ。いいな御チビ」

 

「………分かっています。絶対に負けません」

 

参加者三人は門を開けて突入した。

 

「行ったね……」

 

「そうだな」

 

二人は三人の背中を見送ってた、天音は耳に入ったことを聞く

 

「そう言えば、ジン君と何を話してたの?」

 

「ああ、男同士の話だぜ、まぁ面白くなるからこのギフトゲームが終わったらわかるから楽しみにしとけ、天音」

 

十六夜はヤハハと笑う、天音はクスクスと笑い

 

「じゃあその話、楽しみにしてるよ」

 

心底楽しみしている表情だ、誰の目にも見て取れるような笑顔だ。二人は雑談を交わしながら時間を潰す、だが二人にとっては、有意義な時間であった。互いの呼ばれる前の話など色々と知った。門前で待っていた黒ウサギ、十六夜、天音の元に

 

「ーーーーーー………GEEEEEYAAAAAAaaa!!!」

 

獣の咆哮が届く。森に忍び込んだ野鳥達は一斉に飛び立ち、一目散に逃げ出す

 

「今の凶暴な叫び声は……?」

 

「ああ、間違いない。虎にギフトを使った春日部だ」

 

「あ、なるほど。ってそんなわけないでしょ!?幾らなんでも今のは失礼でございます!」

 

ウサ耳を立てて怒り十六夜の頭めがけ黒ウサギはハリセンでツッコミを入れる

 

「じゃあジン君だね」

 

「ボケ倒すのも大概にしてください!!」

 

今度は天音にハリセンでツッコミを入れる。

 

「でも、今の咆哮といい、舞台といい、前評判より面白いゲームになってるじゃねえか。見に行ったらまずいのか?」

 

「事前に取り決めにない限りは駄目です。お金をとって観客を招くギフトゲームも存在しますが」

 

審判権限(ジャッジマスター)とそのお付きってことにすればダメなの?」

 

「駄目なのですよ。ウサギのステキ耳はここからでも大まかな状況がわかってしまいます。状況が把握出来ないような隔絶空間でもない限り、侵入は禁止です」

 

チッ、と舌打ちした十六夜は手の中で蠢く樹を縦に引き先ながら呟く。天音は大きくため息をして

 

「「………貴種のウサギさん、まじ使えない(使えねぇ)」」

 

「御二人さんせめて聞こえないように言って下さい!本気で凹みますから!」

 

状況がわかる黒ウサギは内心ハラハラする。だが中に入れない以上、天音と十六夜は状況を知ることが出来ない。ただ仲間の勝利を信じるだけだった。しばらく時間が経つと、何かが燃える煙が見えた、ゲームが終了したのはそれから間もなくであった。

 

ゲーム終了と共に木々は一斉に霧散した。樹によって支えられていた廃屋は倒壊していく音が聞こえて、黒ウサギ、十六夜、天音は一目散に走り出す。

 

「そんなに急ぐ必要はねぇだろ?」

 

「大ありです!黒ウサギの聞き間違いで無ければ耀さんはかなりの重症です……!」

 

「黒ウサギ!早くこっちに!耀さんが危険だ!」

 

風より早く走る3人は瞬く間にジン達の元に駆けつけた。廃屋に隠れていたジンは三人を呼び止める為に叫ぶ。黒ウサギは耀の容体を見て思わず息を飲んだ

 

「すぐにコミュニティの工房に運びます。あそこなら治療器がそろ……」

 

「いや……ここで治す!」

 

雰囲気の変わった天音はギフトカードを取り出し言う

 

「天音さんのギフトには治療系が無かったはずです!?いったい何で治すのですか!」

 

「まかせて、絶対に助けるから……日輪よ(カヴァーチャ)……」

 

ギフトカードが光り輝く、その光は、黄金で黒ウサギも知っている。その太陽の如き光は耀を包むように光が集まる

 

「……具足となれ(クンダーラ)!」

 

耀を神々しく染め上げ、黄金の鎧をまとわせる。

 

「まさか!スーリヤの恩恵の鎧を持ってるなんて!?でも名前が異なります!」

 

天音はふぅと息をつき

 

「黒ウサギ耀を居住区の部屋で寝かせてあげて今すぐ!」

 

「わ、わかりました!」

 

天音の凄みのある言葉で鎧をつけた耀を抱え黒ウサギは本拠に帰る

 

「やっぱり天音はおもしれえ、俺並みでよ、黒ウサギも"ノーネーム"の中じゃ明らかに別格だ」

 

十六夜の興味の対象は同郷の天音とコミュニティの黒ウサギだ

 

「黒ウサギのあれが、恋愛感情ならわかるが肝心のリーダーがこれじゃあな」

 

ジンの方を見ると頭を下げていた

 

「ジン君なんで頭を下げているの?」

 

「だって、僕は結局……何も出来ずじまいでした」

 

「だが、お前は勝っただろ?」

 

十六夜の言葉は皮肉でもなく、嘲りでもなく、賞賛でもないが、かと言って慰めでもない。不思議そうに顔を上げるジン、十六夜は続けて補足した

 

「お前達が勝った。なら、御チビにも何らかの要因があったんだろ。春日部が生き残ったのは御チビが適切な処置を施したからだ」

 

「は、はい」

 

「ならそれでいいじゃない。初めてのギフトゲームはどうだったの?楽しめた?」

 

「いえ……」

 

苦い顔で首を振る。勝利を飾ったが、ジンにとってデビュー戦は危機の連続ばかりで華やかさとは程遠い。内容は幼いのもあるだろうがそれを差し引いて自身の無力さを痛感している

 

「昨夜の作戦……僕を担ぎ上げて、やっていけるでしょうか?」

 

「他にも方法はないと思うけどな。御チビが嫌だとおっしゃるのなら、止めるデスヨ?」

 

ジンは首を振り

 

「いえ、やっぱりやります。僕の名前を全面に出す方法なら、みなさんの被害を軽減できるかも知れません、僕でも風避けにはなれるかもしれない」

 

「……まだ作戦は知らなけど、頑張ってねジン君」

 

天音はジンを応援する、十六夜は本当に面白いところに来たと哄笑を必死に噛み殺していた。そしてフォレス・ガロに奪われていた、旗を持ち主に返還し、十六夜が言う

 

「知ってるだろうが、俺達のコミュニティは"ノーネーム"だ。魔王に奪われた名と旗印、それらを自らの手で奪い返すために今後も魔王とその傘下と戦う事はあるだろう。しかし、組織として周囲に認められないと、コミュニティは存続出来ない。だから覚えておいてほしい。俺達は、 "ジン=ラッセル の率いるノーネーム" だと。そして名と旗印を取り戻すその日まで、彼を応援してほしい」

 

「(随分と饒舌だこと)」

 

途中で合流した飛鳥が笑いを噛み殺す。天音も同様だ、普段の彼を知っているのならこの演説はムズ痒いものだ。ジンは複雑な表情でたっていたが天音に背中をたかれハッとする。

 

「ジン=ラッセルです。今日から聞くことも多くなると思いますが、よろしくお願いします」

 

衆人から歓声が上がる。激励の言葉を贈られた彼らの作戦は、一先ず成功を果たしたのだ

 

「(本当に、面白い事になりそう)」

 

天音はこれからのことを楽しみにしてるといった表情だった

 

 




後半急ぎすぎておかしくなってますがご了承ください!
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