「実技総合、成績出ました。」
暗闇の中、声が響く。
「
「
「対照的に
「思わずYEAH!って言っちゃったからなーーー」
「でもまさか、
「あぁ、一位と二位の奴な。えっと、ポイントは…」
順位 名前
一位 御東 霞 56 60
二位 赤黒 血早 41 60
三位 爆豪 勝己 77 0
・
・
・
「圧倒的だな! しかしまぁ、両方同じ中学か。そんなヒーロー進学校って訳でもねぇだろ?」
「…成程」
「どうしたイレイザー?」
「あの二人は、【ドライアド】んとこのだ」
「マジか! だがそれなら納得だな!」
「「ただいまー」」
「おかえり、血早くん、霞ちゃん。雄英から封筒が来てるわよ。」
「お、合格通知かな?」
「そうみたいよ〜」
「「「にいちゃん(ねえちゃん)見せて!!」」」
子供達がキラキラとした目で見上げてくる。
ゴソゴソ…「なんだこりゃ?」
封筒の中には書類と、変な機械が入っていた。ガチャガチャと弄っていると、どうもスイッチかなんか押したらしく、ブゥン…と起動音がして立体映像がついた。
『私が投映された!!!』
「「「オールマイト!!?」」」
アイエエエエ!オールマイト!?オールマイトナンデ!?
『実は、今年から私は雄英に勤めることになったんだ』
MA☆JI☆KA
『驚いたかい?』
そりゃあ、もう。コクコクと首を縦に振る一同。
『ええ何だい!?巻きで!?後がつかえてる!?あーあーわかったO.K…』
妙に生々しい一幕。
『さて!本題に入ろうか!赤黒少年、御東少女、
しかし!!我々が見ていたのは
赤黒少年、御東少女共に60P!!首席と次席だぜ!?
来いよ少年少女、
春
「それじゃ血早くん、霞ちゃん、いってらっしゃい。サイコーにかっこいいわよ」
「「…いってきます!」」
「「…迷った」」
よし、落ち着いて状況を整理してみよう。ここは雄英高校内部。しかし高校とは思えないほどに広い校舎内で、二人揃って迷子になった訳だ。
…うん、整理したところでたいして何も変わらないな。そんな事より教室探そう。1-A、1-Aっと。お?人が集まってるぞ?ここか?
「おはよう!お前らもB組か?」
「いや、俺らA組だけど…」
「A組ぃ〜?ここはB組だぞ?」
「いや、その、恥ずかしながら迷いまして…」
「あはは、成程ね。A組ならこっち行って突き当たりを右だよ」
オレンジの長髪をサイドテールにした女子生徒が、快活に笑いながら教えてくれた。
「ありがとう。それじゃ」
「あ、ちょい待ち。私は拳藤 一佳。お前らは?」
「俺は赤黒 血早。んでこっちが」
「御東 霞…」
「おう!じゃあ赤黒と御東、またな!」
拳藤と別れて教えられた方に行く。
…ドアでっか。バリアフリーってやつだな。あれ、ユニバーサルデザインだっけ?まぁどっちでもいいや。
スイ…
あれ、ドアがガラッてならない。なんか変な感じ。
「おう、おはよう!お前らもA組か?」
「ああ、そうだ」
「俺は切島 鋭児郎ってんだ。お前らは?」
「俺は赤黒 血早。んでこっちが」
「御東 霞…」
「おう!赤黒と御東か!よろしくな!」
ドアを開けるとツンツンした赤髪の少年に話しかけられた。如何にもコミュ力の高そうな少年である。
と言うか非常によく似た会話をさっきしたような…
えっと、席はっと…俺が通路側前から二番目、霞が窓側の前から四番目だな。
しっかし、席少ないな…1、2、…22個しかないじゃん。あの頭おかしい倍率はこう言うことか…
霞と別れて席に着く。うーん、椅子も机も高級感。ここホントは大学とかじゃないよね?
まだ半分ちょいしか来てないな…と思っているうちにお一人様ご登場〜
なんか金髪イガグリヘッドの不良感半端ない少年が入って来た。うーん、あれは「高校と同時に不良デビューしました」って感じじゃないなぁ。あれはきっと筋金入りの不良。って、イガグリ君の席霞の前じゃん。大丈夫かな…
霞が問題起こさなきゃ良いんだけど。
イガグリ君は席に着くと、ドカッと足を机にかけた。すると、眼鏡をかけた大柄な少年がイガグリ君に注意を始める。あ、あのメガネ君入試の時質問してた奴だな。うん、溢れ出る真面目感。不良VS委員長だー、と馬鹿なことを考えていると、またドアが開いた。…ワカメ?違った、髪の毛だ。ワカメ君は教室内の風景(不良VS委員長)を見て固まっている。それに気づいたメガネ君がワカメ君に自己紹介をしながら話しかけた。どうやら入試試験の構造、
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」
モスラ?
違った、おっさん入りの寝袋だった。モスラは寝袋からゼリー飲料を取り出し、一気に飲み干した。
寝袋にくるまったまま立ち上がるモスラ。器用だなぁ。
脱皮して…いや違う、寝袋を脱いで出て来たのは、ボサボサの髪を肩まで伸ばし、無精髭を生やしたぬぼーっとしたおっさんだった。
「担任の相澤 消太だ。よろしくね」
(((担任!!?)))
その瞬間クラスの気持ちが一丸となった。入学初日でこれとは。以心伝心だね。
相澤先生はゴソゴソと寝袋を漁って体操服を取り出した。
「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ」
〜グラウンド〜
「「「個性把握…テストォ!?」」」
あ、今度は声が揃った。仲良いクラスだね。
「入学式は!? ガイダンスは!?」
ほんわかさんが相澤先生に尋ねる。
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は”自由”な校風が売り文句。そしてそれは”先生側”もまた然り」
「中学の頃からやってるだろ?”個性”禁止の体力テスト」
まぁ文部科学省の怠慢だよ、と相澤先生は呟く。
「御東。中学の時ソフトボール投げ何mだった」
「55mです」
「じゃあ”個性”を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ」
円の中に入った霞は全身から瘴気を放出し、それでソフトボールを包み込んだ。ついでに翼みたいなのもつけている。そのまま45度の角度で打ち出した。ボールはぐんぐん上がって行くが、見えなくなると霞が「あ…」と声を漏らした。コントロールが途切れたらしい。てかなかなか落ちてこないな。あ、翼つけてたのはこうやって飛距離を稼ぐためか。考えたな。1分ほど経つと、相澤先生の手の中からピピッと音がした。相澤先生は持っていた機械を俺達に向ける。〔906,6m〕とそこには記されていた。
「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
「何だこれ!! すげー
「906mってマジかよ」
「”個性”思いっきり使えるんだ!! さすがヒーロー科!!」
クラスメイト達から声が上がる。
「………面白そう…か」
「ヒーローになるための三年間。そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
いきなり相澤先生は殺気を放つ。
「よし。トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し
除籍処分としよう」
「「「はあああ!?」」」
相澤先生は髪を掻き揚げて嗤う。
「生徒の如何は
ようこそ。これが雄英高校ヒーロー科だ」
主人公のあだ名センスの無さは見逃してくださいお願いします。