Rouge et Noir   作:隠神刑部

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申し訳ございません、隠神刑部です。

えー、無事進級できたのですが、やはり去年とは勝手が違い、課題とか課題とか課題とかに追われておりました。

よく考えたら去年もそうでした。









すまんかった。


第6話

轟音。

 

ビルの一部が跡形も無く吹き飛んだ。

 

なんなんだアレは?!

おかしい。勝己の個性は確かに爆発系だったが、あんな大規模な爆発は見ていない。出来たとしても恐ろしい程の反動があるはずだ。何か戦闘服(コスチューム)に仕掛けがあるのだろうか。

 

「授業だぞコレ!」

「緑谷少年!!」

鋭児郎とオールマイトが声を上げる。

 

「先生止めた方がいいって!爆豪あいつ相当クレイジーだぜ殺しちまうぜ!?」

「オールマイト、ありゃほっといたら出久が死んじまう。俺もそう思います」

 

鋭児郎と合わせて訴えるも、オールマイトは次同じことをしたら強制終了だと告げる。それを聞いた勝己は両手を爆発させ、出久に接近。タイミングを合わせて反撃を試みる出久だが、勝己は目の前で爆発を起こして目眩しと同時に背後を取り、空中で出久に爆撃を浴びせる。更に、硬直した出久に籠手での打撃。よろめいた出久の腕を掴み、もう片方の手を爆発させて推進力を生み出し、回転しながら地面に叩き付けた。

 

息もつかせぬ連続攻撃。

あまりの惨さにリンチだ、ヒーローじゃないなどと声が上がる。

出久は勝己から距離を取ろうとするも、壁際に追い詰められてしまう。

 

はて、妙だな。どうして出久は個性を使わない。何か理由があるのか?

 

二人は向かい合い、何事か叫んでいる。音声が伝わって来ないので内容までは分からないが、二人共感情を剥き出しにしている。

 

出久の腕に緑のスパークが走り、勝己の手に紅蓮の爆発が宿る。

互いの拳が交わる、と思ったその瞬間。

出久はその腕を真上に振り抜いた。

その衝撃は四階にまで到達し、床が砕け散る。飛び散った瓦礫を、待ち構えていたお茶子ちゃんが柱を振り回して吹き飛ばした。飛んでいった先には天哉。その隙を突いて、自身を浮かせたお茶子ちゃんが核兵器(ハリボテ)にタッチ。

 

 

『ヒーローチーム…WIIIIIN!!』

 

 

出久の身体が、ドサリと崩れ落ちた。

 

 

『保健室へ』『I know』

 

気絶した出久は小型搬送用ロボ(ハンソーロボ)に運ばれていった。

 

 

〜地下モニタールーム〜

 

「まあつっても…今戦のベストは飯田少年だけどな!!!」

「なな!!?」

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

「何故だろうなあ〜〜〜? わかる人!!?」

オールマイトが霞むような速度で拳を天に突き上げた。張り切る新米教師といった風情である。

 

「「ハイオールマイト(先生)」」

おや百ちゃんも手挙げてる。

 

「どうぞどうぞ」

「あ、いいんですの? コホン。では失礼してーーー」

正に立て板に水。流れるような弁舌はとどまるところを知らない。誠に遺憾ながら、長かったので割愛する。

 

 

場所を変えて第二戦。

 

「お次は…Eチーム(赤黒・芦戸)が『ヒーロー』、Hチーム(御東・常闇)が『敵」だ!!」

 

マジかー。

 

 

「アタシ芦戸三奈! 個性は【酸】!体から酸を放出できるよ!」

「俺は赤黒血早。個性は【血】だ。主に血液の硬化とかができるぜ。よろしく、三奈ちゃん」

「入試の時はありがとう!すごいね、あのデカロボ倒しちゃうなんて!」

「あーその、俺が好きでやったことだし、そんな気にしなくてもいいぜ?」

「うん、わかった。それで、作戦どうする?」

「ああ、俺に考えがある。聞いてくれるか?」

「もちろんだよー!」

 

〜少年説明中〜

 

「私は御東霞。個性は【瘴気】。粒子を放出して、固めたり動かしたりできるよ」

「俺は常闇踏陰。個性は【黒影(ダークシャドウ)】だ」

『ヨロシクナ!』

「入試の時は助かった。あの時お前があの傀儡を倒してくれなければ、俺は疾うに冥府の門をくぐっていただろう」

「私が好きでやったことだから、そんなに気にしてくれなくてもいいよ」

「ああ、承知した。それで、何か策などはあるか?」

「うん。私に考えがある」

 

〜少女説明中〜

 

「それじゃあ少年少女、スタートだ!」

 

 

ザグ、ザグ、ザグ、ザグ。

短めに固めたパタをビルの壁に突き刺し、登る。

「こっち側にはいねえな…」

 

ザグ、ザグ、ザグ、ザグ。

ーーぴちょん。

「うわっぷ!?」

雫が顔に直撃した。

「なんだ、雨か? いや、今日は一日晴れだったはず…」

 

ザグ、ザグ、ザグ、ザグ。

「よいしょっと」

ありゃ、貯水タンクが水漏れしてる。オールマイトに報告しとこう。

 

「こちら血早。屋上に到着。どうぞ」

『こちら三奈!核兵器らしきものと霞ちゃんを発見!どーぞ!」

「ん? らしきもの?」

『なんか大きなのが黒いのに覆われてるよー?』

「成程。多分霞の個性だ。今そっちに向かう」

『イエッサー!』

 

「この部屋か?」

「うん」

「んじゃ打ち合わせ通り」

「イエッサー!」

 

屋上の手すりに手を掛け、思いっ切り体を振り上げる。その勢いで今度は体を振り下ろし、メタルブーツで窓ガラスをブチ破る。

ガラスの破片が飛び散る中、前転して着地する。

 

「こちら霞、血早と遭遇。戦闘を開始する」

「こちら血早、霞と遭遇! 戦闘を開始する!」

全身から血液を迸らせると、白銀の鎧が紅く染まる。俺の個性因子を混ぜてあるため、俺の血液と融合して性能が上がるのだ。両手の籠手から剣を伸ばし、霞に斬り掛かる。

 

ガキィィィン!!

 

甲高い音を立てて紅剣が弾かれる。

「まぁ、んな楽に行く訳がねえか!」

霞の背から黒い霧が溢れ出し、蛇のように蠢いている。いっつも思うけど、メデューサみたいだな。いや、どっちかってーと八岐大蛇か?

 

「りゃああぁぁぁ!!」

 

斬り上げ。避けられる。

 

斬り下ろし。弾かれる。

 

薙ぎ払い。逸らされる。

 

袈裟斬り。止められる。

 

全く攻撃が通じないが、通じる必要はない。

「今だ!!」

「とうっ!!」

俺が蹴り破った窓から、三奈が飛び込んで来た。

「核を!」

「ラジャ!」

三奈が黒い壁に手を当てると、そこから壁が溶けていく。

 

「っ!」

それを見た霞が核の方に近づこうとするが、それを黙って見てる訳がない。全身の力を振り絞って霞を抑え込む。時間を稼げば俺達の勝ちだ!

 

「うわあぁ!?」

なんだ!?

 

思わず振り返った俺の目に映ったのは

 

 

 

なんか黒いやつだった。

 

 

 

「まさか…」

「その通りだ、赤黒」

 

霞は、核兵器じゃなくて、常闇を覆ってたんだ(・・・・・・・・・)

「くそっ!!」

霞の横をすり抜け、部屋を飛び出す。

 

どこだ、核兵器はどこだ!?

この残り時間じゃ虱潰しに探しても見つからない!!

 

 

いや、まてよ?

 

 

窓を開けて剣を外壁に突き刺し、屋上まで登る。右手の剣を長く伸ばし、貯水タンクを切り裂くが、水が出てこない。

やっぱりだ!!

貯水タンクを切り開くと、そこに核兵器が鎮座していた。

 

 

 

「させない!」

 

 

 

「クソ、まぁそう来るよなぁ…」

仕方無い、ここで霞を倒すしかないか。

 

 

「行くぜェ!!」

 

 

『ヒーローチーム、WIIIIN!!!』

 

 

「あらら?」

走り出していた俺の体はいきなりの音声に止まれず、つんのめった。

 

 

 

 

柔らかい。それが最初に抱いた感想だった。

 

 

 

 

「ち、血早…それはちょっと、ほら、三奈ちゃんもいるし…」

「ごごごごめん!! その、なんというか全く悪気は無く、あくまで不慮の事故であって」

「ううん、別にいいよ血早なら…

「なんか言った?」

「な、なんでもない!!」

 

 

「え〜っと、アタシはどういう反応すればいいのかな?」

「「見なかったことにしていただけると大変ありがたいです」」

「ん、わかった! それにしても息ぴったりだねぇ」

 

 

〜少年少女移動中〜

 

 

「よし、それじゃあ今回の総評だ!…と言っても、屋上にはカメラ設置してなかったからね、四人に話を聞こう」

 

「先ず、我々は屋上の貯水タンクの水を抜き、核兵器を其処に隠した。そして屋内に御東の個性で囲いを作り、俺がその中に潜んでいた、という訳だ」

「んで俺がそれに気づいて貯水タンク開けたら、霞が追っかけて来てなんか終わった」

「アタシ常闇くん倒したから上に登って来たの!そしたら誰も気づいてなかったからさー!裏からこっそりタンク溶かしてタッチしたの!」

「なるほどそれでか。ありがとう三奈ちゃん」

「そう言えば、どうして貯水タンクに気づいたの?」

「壁登ってたらさ、雲一つ無いのに雫が落ちて来たんだ。んで上着いたらタンク水漏れしてたんだけどさ、明らか勢い弱かったんだよ。漏れるっていうより垂れてるって感じ。だから中が空だと思ったんだ」

俺がそう言うと霞と常闇は顔を見合わせた。

 

「やっぱり全部抜いた方が良かったね」

「いや、あの時間で其処までするのは無理だろう。あれが我々にとっての最善だ」

 

 

「成程、それじゃこの話を踏まえて、今戦のベストは誰だ!?」

「はい、オールマイト先生。常闇さんの奇襲をいなし、なおかつ戦いにピリオドを打った芦戸さんですわ。御東さんは見事な作戦を立案されましたがーー」

 

 

キング・クリムゾン!!

 

 

冗談です、ハイ。

 

 

「そんじゃ、次行ってみようか!」

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