愛などいらぬ!
入学式から、一週間がたった。
皆そろそろクラスには慣れてきているようで、見ず知らずの生徒だったというのに、もう友達を作っている人もいる。
僕?僕は、仗助君と一緒にいるよ?
まあ、一番最初に知り合った人だから何も不思議じゃないと思うけど。
ただ。
ただね。
もう一人いるんだ。
つまり、僕達は三人グループってことだけど、
誰だと思う?
「フハハハハ!二人とも何ボケッとしておるのだ!」
もうわかるよね。
サウザー君だよ。
あれは昨日のことだった。
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僕と仗助君が一緒に帰っていると、
何やら後ろから視線を感じた。
それは仗助君もわかったようで、
「おい、何か変な感じがするんだが気のせいか?」
僕らが後ろを見るたび何かが隠れているような気がする。
と、いうことで僕たちは待ち伏せをすることにした。
曲がり角を曲がったところで、壁際で待機する。
これで何があるかわかるはずだった。
でも、いつまでたっても姿が見えない。
「?」
二人して顔を見合わせると、何かの気配をまた感じる。
しかし、
「...上?」
おそるおそるみてみると、
塀の上でサウザー君が仁王立ちをしていた。
「嘘だろ!?」
「フハハハハ!やっと気づいたか下郎のお二人!」
いつの間にあんなところに上ったんだ?
しかもなんでサウザー君がよりにもよって僕達なんかのところに!?
「、てめえ、なにしに来やがった?」
仗助君が少し警戒する。
「そう構えるでないわ。おれは貴様達に用があってきたのだ。」
すると、バシッと指を差して、入学式の時に見せたにやけ顔で、
「ズバリ!おれのともd、」
・・・
・・・・・
・・・・・・
「ん?」
サウザー君がフリーズした。
どうしたんだろう。
よくみると、顔がひきつっており、にやけ面を張り付けたままひくひくと震えていた。
「コ、コホン、だから、いや、つまりだな、おれとともd...」
「おい、はっきりいえよ...」
仗助君の顔から緊張は消えて、逆に呆れている様子だった。
「とも...何だって?あ!」
え、何?仗助君もどうしたの?
すると、みるみるイタズラ好きの子供のような表情にかわっていく。
「なんだ、そういうことか。分かったぜ。」
「オメー、もしかして俺たちと友達になりてえのか?」
「んぐう!?」
あ、そういうことか!
そういえばもうそういう時期だよね。
入学式から一週間近くたっているのだから、友達作りにも勤しむ時だ。
サウザー君は、一瞬すごい梅干しを噛んだときのような顔をして、
「フ、フハハハハ!ご名答!よ、よくわかったな下郎!」
「ご名答、じゃねーよ...それくらい普通に言えって。足もガタガタ震えてるしよ。」
本当だ。
滅茶苦茶震えてるし。
やっぱり、馴れてないのかな...?
「てか、そんな調子でせーてーなんとか学園ではどうしてたんだよ...」
「ギクゥッ!!」
あ、察した。
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まあ、そういうわけで、僕の仲間の輪に、サウザー君が加わることになったんだ。
なんというか、高笑いがものすごくうるさいけど、友達が増えるのは悪いことではないからな...。
~サウザー家(聖帝十字陵)にて~(時系列は昨日の夜)
サウザー「...」
ブル(側近)「まあ、結果としてはよかったんじゃないですか?あの時、」
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サウザー「フハハハハ!まあ、お前には教えてやらんこともないぞ?」
ブル「...一応お聞きしますが。」
サウザー「よかろう。学園生活には友達というものが必要不可欠であるらしいな。というわけで」
サウザー「強いやつと友達になっちゃおう作戦!」
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ブル「あれには耳を疑いましたぞ?あの一普通の高校にサウザー様が認めるような強い者がいるのかと。」
サウザー「...」
ブル「よくよく聞いてみれば、東方、という男子生徒がそれらしいと。しかし、それは拳で語り合う強さではなく、もっと他の何かだと。」
サウザー「...」
ブル「正体はわかりかねますが、サウザー様がいうことを信じよう、と不思議にもすぐ思いましたな。」
サウザー「...」
ブル「こうして友達にすることができるなど、限りなく安心ですぞ?しかも、サウザー様にも友達ができたということ自体が感涙物です。」
サウザー「...」
ブル「何か言いましょうよ...。」
この二人は聖帝さんをどう扱うんでしょうか。