どうぞ。
いつも通り、なんの変哲もない一日が始まろうとしていた。
しかし、だ。
最近仗助君の様子がおかしい。
じゃあサウザー君はどうなのかって?
言わずもがなだろ?
まあそれはおいといて、仗助君は事あるごとにキョロキョロ周りを見回しては、苦虫を噛み潰したような顔になる。
それでどうしたのかと話しかけても答えをはぐらかして、はっきりと答えない。
まあ...仕方ないっちゃあ仕方ないけど。
一緒にいるとはいえ、まだ出会ってほとんど間もない間柄。
包み隠さず互いを話し合える存在には程遠いからな...。
仗助君は放課後になると、いつもとはうって変わったように慌てて教室から出ていった。
仕方ない、今日は一人で帰るか。
そう思って鞄に手をかけたその時、
バシッ!
「?」
僕の手を思いっきりつかんだやつがいた。
このごつごつとした大きな手は、
「サウザー君!?」
「フハハハハ!呼ばれて飛び出てサウザーです!」
高笑いをしながら現れた彼は、僕の前に立ちはだかった。
「いや、誰も呼んでないし...。一体何の用かな?」
「そんなことはもう決まっているであろう?」
すると、ズビシ、と僕を指さし、
「無論、東方仗助の尾行!」
あー、
あーあー。
何となく予想はできたけどね...。
「僕はそんなことに興味はないけど....。何か事情があるのかもしれないじゃん。」
「フン、未熟者めが。」
「そういうことに首を突っ込んでこそ青春というものだろう?」
...。
「いや知らないよ!というかサウザー君本当にそういう年齢なの!?」
「フハハハハ!外見に囚われてはならんぞ広瀬康一!」
「おれはお師さんの元で幾多にも渡る修行を耐え抜いてきた男だ!並大抵の下郎共とは1つも2つも違うわ!炭酸にびっくりしたのも20歳、いや、10歳...」
「今20っていっちゃったよね...」
完全にアウトだよね今の発言!?
「とにかく、僕は仗助君のプライベートを侵害する気はないからね!やりたいのならひとりでやってよ。」
あーあ、もう付き合ってらんないや。
そしてサウザー君を無視して教室から出ようとすると、
「フハハハハー!」
何と、僕の前を高速移動で先回りし、ドアの前で高速反復横飛びを始めた。
まずい、こいつ、
どうしても帰す気がないらしい...!
「ったく...、何かあったらサウザー君の責任だからね?全部サウザー君に押し付けるからね?」
「心配しなくともよいわ!この聖帝のストーキング能力をなめるでないぞ?」
あの後結局、サウザー君の押しに負けて付き合わされてしまった。
仗助くん、ごめんね。悪いのは僕じゃないんだ。
そう心の中で思いながら、一応ついていってたけれど、
こいつヤバイやつにしか見えないよね?うん、まあ予想はしてたけど。
だって、超薄着の筋骨隆々の大男が街中で笑いながら蛙みたいに壁から壁に、電柱から電柱にピョンピョン飛んでるんだよ?
ほら、周りのおばさん達がなんか僕達を指差しながらこそこそ噂してるよ!一緒にいるこっちが恥ずかしいから!
ん?僕達?え、ちょっと待って、僕もはいってんのこれ!?
あ、目の前の人、携帯電話を取り出して番号おしてる...。
どこにかけようとしてるのか分かっちゃった。
って、呑気に考えてる場合じゃないや。僕まで警察に連行されちゃうー!
そこの人、僕だけは通報しないでー!
そういや、中々結構な騒ぎになってるのに、仗助君全く気づいてないね?
一体どれだけ重要な用事なんだろ?ちょっと気になり始めている僕がいた。