仮面ライダーアギト~四人目の覚醒者   作:晴月

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第1話

今から二年前。

 

未確認生命体と呼ばれた人類の敵が起こした

通称"未確認生命体事件"

 

それから二年の月日が経とうとしたある日、

 

沖縄県の与那国島海岸で謎の箱が発見された。研究者達はこれをオーパーツと考え、研究を始めていた。

 

所変わって、東京都のある町

 

この物語の主人公である青年

 

《望月 暁斗《もちづき あきと》》はもう朝だというのに未だにベッドで寝ていた。

 

「もう!何時まで寝てるのよ ほら起きなさい」

 

此処で暁斗を起こしに来たのは隣の家に住む幼馴染の少女

名前は 浪野 薫《なみの かおり》という

 

彼女が暁斗の家に来る理由は一つ 朝に弱い暁斗を起こしに来るためだ

 

「ほら暁斗!いい加減に起きないと遅刻するよ。」

 

「う~ん。あと5分。」

 

「そういうお約束はいいから早く起きないと本当に遅刻するよ。ほら、起きて」

 

ガバッ、と暁斗が被っていた布団を強引に捲る

 

「ほら、さっさと着替えて降りてきなさい。朝食はもう作ってあるから。」

 

「.....う~い。」

 

まだ寝惚けているのか暁斗はそう返事をした。

 

実は暁斗の部屋は暁斗の家の二階にあり、薫はいつもわざわざ暁斗の部屋がある二階まで登って暁斗を起こしに来ている。まるでよくある漫画のような展開だなと薫が起こしに来た最初の頃、暁斗はそう思った。

 

一階のリビングにて

 

暁斗は薫の作った朝食を食べながらテレビのニュース番組を見ていた。

 

「ニュースをお伝えいたします。昨日、また猟奇的連続殺人事件が起こりました。被害者は工事現場の作業員の男性の......さん。遺体は地中に埋まっており、第一発見者の......さんは.....」

 

 

「....最近こういう事件多いな。」

 

「例の連続猟奇的殺人事件の事?」

 

「..ああ。 被害者は必ずといっていいほど変な場所で発見される。最初は木の中からだったかな、それからこんな殺人事件が頻繁に起こるようになってるな。」

 

「.....」

 

「それともう一つ。この事件が起こるようになった日に俺に起こったこと。覚えてるだろ。」

 

「....うん。」

 

そう、この連続猟奇的殺人事件が起こった最初の日。

 

暁斗はある"能力"に目覚めていた。

 

「この事件が起こった最初の日に俺は"予知夢"を見るようになった。」

 

この日を境にして、暁斗はそれこそ超能力とも言うべき力に目覚めていた。

 

「これは俺の推測なんだけど.....もしかして犯人は俺のように何らかの能力に目覚めている人を殺しているんじゃないかと思う。」

 

「何で、そう思うの?」

 

「....多分、あの時の....あか」

 

「それ以上言わないで!」

 

黙って暁斗の話を聞いていた薫がいきなり大声を出して暁斗の話を遮った。

 

「その話は聞きたくない。だって、それは...」

 

その時、薫はその場には居なかった。暁斗だけが居たのだ。薫はただ、暁斗が体験した話を聞いて もう聞きたくないと暁斗を突っぱねた。ただ、それだけの事だ

 

「...薫、悪かった。もうその話はしない。....それよりも朝飯食べようぜ。でないとホントに遅刻するぞ。」

 

「うん。分かった。」

 

その後、暁斗がした例の話は一切しないで二人は通っている高校へと向かうのだった。

 

・・・・・

 

午後8時頃

 

二人は部活に入っていてそれこそ別々の部活動のため帰るときはバラバラになるのだが、暁斗が帰ろうと校門前に向かうと、

 

「あれ?薫 待ってたのか?...先帰っても良かったんだぞ。」

 

「帰れるわけないでしょ。あんた置いて先帰って痴漢にでも会ったら誰が助けてくれるのよ。」

 

「ハイハイ。分かったよ。....待っててくれてありがとう。」

 

「もう、はじめからそう言いなさい。」

 

二人が校門から下校しようとしたその時、近くで黒い乗用車が止まった。

 

「ん? 何だあの車?」

 

「学校の関係者かな?」

 

二人はそんな呑気なことを言って車から出てくる人を待っていると車から出てきたのは暁斗にとっては忘れられない人だった。

 

「久しぶりですね。暁斗君。」

 

「ひ、氷川さん。」

 

それは、暁斗を例の"事故"から助けてくれた恩人の警察官だった。

 

・・・・・

 

暁斗の自宅にて、

 

「お久しぶりです。氷川さん。....あの時以来ですね。」

 

「ええ。君は変わってないようで安心しました。」

 

二人は再開を喜んでいるようだ。

 

校門前で氷川と会ったあと、此処では人目につくという暁斗の意見で暁斗の自宅に来ている。

 

その氷川に薫はお茶を出す。

 

「それで、氷川さん。話は何ですか?わざわざ世間話をしにきた訳じゃないですよね?」

 

「.....そうですね。実は例の連続猟奇的殺人事件のことで話があるんです。」

 

やっぱりか、と暁斗は思う。

 

「今日のニュースでも報道されていたと思いますけど、この近くで事件が起こってるんです。十分気をつけてください。もし不審な人物を見かけたらここに連絡してください。」

 

そう言って氷川は着ているスーツの懐から自分の名刺を取り出した。

 

「分かりました。十分気をつけます。」

 

「それと、もう一つ。この事件のことなんですけど、」

 

「何ですか?」

 

「僕はこの事件の被害者の共通点は超能力じゃないかと思ってます。」

 

俺の推測と同じだな、と暁斗は思う。

 

「...何で、そう思うんですか?」

 

「...実は被害者の自宅アパートの部屋に百円玉が二枚入った瓶が発見されたんです。」

 

「...それ、俺に話して大丈夫なんですか? 捜査線上そういう証拠になりえる物品って関係者以外には教えてはいけないのでは?」

 

「その点は大丈夫です。...話を戻します。...これがその証拠品です。」

 

そう言って氷川が取り出したのは、本当に百円玉が二枚入った瓶だった。

 

「....この瓶に入ってる百円玉って、紙で出来てる物とかの可能性は考えました?」

 

「....最初に見せた方にはそんな事を言われましたね。」

 

氷川は頭を掻きながらそう答えた。

 

「でももしこの瓶に入っている百円玉が本物の百円玉なら被害者が何らかの超能力を持っていたことの証明になると思ってます。」

 

(相変わらず、この人は真っ直ぐだな。)

 

暁斗はそんな事を考え、氷川になら伝えてもいいかなと考える。

 

(いや、まだ伝えるには早い。もう少し時間を置いてから伝えるとしよう。)

 

「まぁ、被害者のことは分かりました。それで俺はどうすればいいですか?」

 

「いえ、ただ君の友達に超能力に似た何らかの力を持ってると思う子がいたら教えてほしい。ただ、それだけです。」

 

「.....分かりました。その時は連絡します。」

 

「有難う御座います。...では僕はそろそろお暇させてもらいます。」

 

・・・・・

 

氷川が帰った後、

 

「....まさか氷川さんの推測と俺の考えが一致してるとはな。」

 

一人、一階のリビングで事件の考えをまとめていた。

 

「...考えたって仕方ない。ちょっと頭を冷やして来るか。」

 

そう言って近くに置いてあったメモ用紙にドライブに行ってきます。とだけ書き、玄関に泊めてあるスクーターに乗り、ドライブに出掛けた。

 

・・・・・

 

暁斗がドライブに行ってから数分後、薫が暁斗の家に戻ってきた。

 

「お待たせ、暁斗。今日はカレーにしようか。...ってあれ?」

 

リビングには誰も居ない。暁斗は何処に行ったのか。などと考えていると、近くにメモ用紙が書き置きとして残されていた。

 

「....ドライブに行ってきます、か。もしかしてあの刑事さんに言われたこと 気にしてるのかな。」

 

そう考えたが、今は暁斗の帰りを待つことにした。

 

「暁斗が帰ってくるまでにカレー、作って置かなきゃ。」

 

・・・・・

 

薫が暁斗の家に戻ってきた頃、

 

「.....そろそろ帰ろうかな。」

 

もう満足したのか、帰ろうとしていた。だが、次の瞬間

 

「!!!」

 

明らかな敵意を本能的に感じた。

 

「この感覚。あっちか!」

 

暁斗は敵意を感じた場所に急いで向かうのだった。

 

・・・・・

 

何処かの工場跡地にて。

 

「ここだよな。」

 

暁斗はヘルメットをとり、スクーターから降りて、確認する。

 

その時だった。

 

「はっ!」

 

いつの間にか目の前にジャガーのような頭をした人間とも言いがたい生物が暁斗の行く手を阻んできた。

 

「まさかあの時の...."奴"の仲間か!」

 

暁斗は殺されまいと最近目覚めた新たな"力"を使うことにした。

 

奴に立ち向かい、構えをとった。

 

まず、頭上で両手を交差し、その両手を腹部に向ける。

 

その時、暁斗の腰にベルトのようなものが現れた。

 

暁斗は右腕を右側に、左腕を左側に。その構えは、例えるならば川の流れを表しているようだった。そして眼前で両手を交差し、

 

「変身!」

 

その掛け声を発したと同時に眼前で交差していた両手で、ベルトの両隣のボタンを押す。

 

その時、暁斗の体を淡い光が包んだ。

 

次の瞬間、暁斗の体は鎧の姿へと変化していた。

 

頭には銀色の二本角。顔には赤い目。肩の装甲は金色。胸部の装甲、腕部のブレスレットが銀色。スーツ部分は黒となっていた。

 

「行くぞ!」

 

暁斗はジャガー男に向かって走り出す。

 

先ず暁斗は目前の敵に拳を放つ。が、ジャガー男は拳を防ぎ、暁斗の腹に拳を打ち込む。

 

「ぐっ、まだまだぁ!」

 

ジャガー男が拳を打ち込んだと同時に両手で掴み、右手で拳を作り、ジャガー男の顔面に拳を叩き込む。

 

「グ、ガァ」

 

一瞬仰け反り、そのまま後退りする。

 

暁斗はチャンスとばかりに、更に拳を打ち込む。

 

「オラオラオラァ、どうしたぁその程度か?」

 

そして、ジャガー男は虫の息となり、既に戦えるような状態ではなくなっていた。

 

「決めてやる!」

 

暁斗は右足を半歩下げて両腕を肩幅に広げ、左手を上に向ける。

 

顔を下げ、右手はベルトのボタン付近に、左手は顔の近くまで持っていき、キックの為の構えを作る。

 

そして力を溜めきったところで顔を挙げて跳んだ。

 

ジャガー男の顔に左足でキックを決める。

 

「ガァ、アグァ...ガアアアア!」

 

ジャガー男は苦しみだしたその瞬間。頭上に光の輪が浮かんだかと思うとそのまま爆発四散してしまった。

 

暁斗は変身を解除し、スクーターに乗る。そしてヘルメットを被り、そのまま家に向かって走り出した。

 

(あの姿....あの時、あそこに現れた"あいつ"と似ていたな。)

 

しかし、そんな事は家に着いたと同時に暁斗の頭からはすっぽり抜けていたのであった。

 

「ただいまー」

 

「遅い!何処まで行ってたのよ。ご飯冷めちゃったじゃない!」

 

「悪かった!この通り。」

 

暁斗と薫はそんな事を言い合いながら今日も二人の一日は過ぎていく。この日から二人の運命は大きく変わっていることになど気づかずに.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 




暁斗の変身ポーズはメテオの変身ポーズをイメージして作りました。

イメージは月。

暁斗が変身したアギトについて、

仮面ライダーアギト ダークフォーム

暁斗が変身するアギトの通常フォーム。ステータスはグランドフォームとあまり大差はない。

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