陸軍より、提督が着任しました!これより艦隊の指揮を執ります!   作:エレ0124

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皆さん、最近アズールレーンの偵察から帰ってきた筆者です。
よろしくお願いします(*^▽^*)

また、プロローグの今回は艦これ成分より説明成分が多いので、苦手な方は素通りをお願いします。
でも、読んでいただいた方が、後々わかりやすい・・・かもしれません。


プロローグ

 朝、食堂はある話題で賑わっていた。それは、昨日大淀から伝えられたあるニュースの話題である。

 

「皆さん、本日、新たな提督が着任されます。」

「だいじょーぶ、だいじょーぶ、それより提督ってどんな人なの?」

「それが・・・」

「うん?」

「なんでも、陸軍から来るそうです。陸軍における艦娘運用の先駆けだとか。」

「陸軍の提督・・・憲兵さんなのです?」

「げっ!憲兵かよ!」

「あ、暁は1人前のレディーなんだから、怖くないんだからね!」

「暁、足が震えてる。」

「響、うるしゃい!」

「あ、かんだ」

「かんだね」

「かんだのです」

「あらあら、皆さん落ち着いて・・・」

「はぁ、不幸だわ」

 

 このニュースが瞬く間に広まった理由は、新たな提督が陸軍から来る、という所だろう。

 これは、海軍が艦娘を運用し始めて、いや、海軍の部隊の指揮を陸軍所属の士官が執る事自体初めてだろう。

 

 ましてや、艦娘は深海棲艦に唯一対抗できる戦力なのだから。

 

 

 これは、そんな情勢の中、海軍に来た陸軍士官の話である。

 が、その前に。この世界の歴史についてお話しよう。

 

 

 第1次世界大戦後、急速に軍拡を進め、東アジアへ進出して行った大日本帝国は、大日本帝国の力を恐れた欧米諸国の包囲網により窮地に立たされ、国家を守るため、東南アジアへの侵攻を始めた。

 そして、この戦いをめぐるアメリカとの交渉が決裂した大日本帝国は遂に対米開戦を決意。

 真珠湾への奇襲攻撃及びマレー半島侵攻を合図に瞬く間に勢力を拡大して行った。

 

 しかし、この戦いの集結は誰も予想だにしない結果になった。

 どこの国家勢力にも属さない正体不明の戦力による軍事介入があったからだ。

 

 それは19412年6月1日。日米両軍は太平洋の覇権をめぐる大海戦に備え、ミッドウェー近海に艦隊を集結させていた。

 

 両軍の戦闘開始まであと数日と迫ったその時、大日本帝国海軍は慌てていた。少し後方で主力艦隊の旗艦戦艦大和含め主力艦隊が戦闘予定日の前に帰投したのだ。

 これには大日本帝国軍は慌てた。

 海軍は敵と交戦すること無く敗走した主力艦隊と主力艦隊への戦闘開始の連絡を最後に消えたミッドウェー奇襲のための空母機動部隊。

 陸軍はミッドウェーでの大海戦に勝利したと発表しつつ帰投した主力艦隊と何故か敵の手にある制海権と制空権に。

 

 これは、隠蔽され、空母機動部隊はアメリカ軍の奇襲攻撃を受けたものとされた。

 

 

 それと、同時期にアメリカでは海軍首脳部は大混乱だった。大日本帝国海軍との決戦に備え、太平洋における戦力を集中させていたはずの主力艦隊が“正体不明の艦隊による攻撃を受け、応戦中”という報告を最後に消息を絶ったからだ。

 しかし、戦闘に勝利したはずの大日本帝国海軍の艦隊は消え、ハワイは無事、大日本帝国からの連絡は何も無い。

 両軍は謎を抱えたまま戦闘を続けることになる。

 

 

 その後、何度か消息を絶つ軍艦が両軍に出たが、それはどれも敵潜水艦や航空機の奇襲攻撃として処理された。

 

 

 その後も両軍は戦闘を続け、被害を拡大しつつ戦局は両軍共に危ない状態だった。

 何故か補給艦隊や哨戒艦隊が消息を絶つ事件が多発していたのだ。

 そんな中、アメリカはこれ以上の損耗は許容できないとして最終決戦を計画した。

 また、大日本帝国海軍も燃料不足、工業力不足により限界に達していた。

 

 

 

 1945年7月。アメリカ軍は作戦を決行。大日本帝国海軍の意表をついての沖縄への電撃奇襲上陸作戦に大日本帝国海軍も残された最後の艦隊を沖縄へ派遣。

 そして、アメリカの沖縄奇襲艦隊と大日本帝国の沖縄防衛のための連合艦隊の壊滅を持って集結した。

 

 講和の場において、両軍の状況を照らし合わせて始めてわかった事実。

 それはアメリカが派遣した艦隊が全滅しているのに大日本帝国の勢力下に無い沖縄、交戦していないのに壊滅した両軍の部隊。

 そして、ドイツ海軍によって撮影された謎の黒い艦隊。各国であがる不明艦隊の情報。

 

 この講和会議で始めて謎の敵がいるという仮説が誕生し、それが確信に変わるまで長くはかからなかった。

 イギリス本土が謎の艦隊と航空部隊の攻撃を受け壊滅。イギリスは仮設国家をロシアに設置。生存者は全てイギリス本土から撤退した。

 

 遂に、謎の敵によって陸地に被害が出たのだ。

 いや、被害ではなく、イギリス本土占領されたのだ。

 

 それに対し、大戦後に疲弊しきった各国はこの事態に備えるため、同盟を、結んだ。

 しかし、同盟とは名ばかりに共有するのは情報のみ。それぞれが自国の防衛で精一杯だった。

 

 しかし、イギリス本土での戦闘でわかった事がある。イギリス本土が簡単に占領された理由。それは現存する兵器が全く効果をなさなかったというのだ。

 始め、各国は誰もその情報を信じなかったが、それを証明したのはフランス海軍だった。

 

 占領したイギリス本土から来たと思われる艦隊に対して派遣したフランス海軍はその映像を収め、武器が聞かないことを証明した。

 そして、その映像には船の形だけでなく、人型の敵も確認されたのだ。

 これを機に正式に敵は深海棲艦と命名され、国際連盟の非常事態宣言が発令された。

 

 

 それからしばらく、大戦後消耗しきった僅かな戦力で抵抗するも虚しく各国は本土にまで度々攻撃を受けていたが、ある時を堺に各国は復興へと転向する。

 

 

 1948年、散発していた深海棲艦からの攻撃の頻度は下がり、余裕の出来た各国は大戦と深海棲艦の攻撃で至るところが荒野と化した自国の復興、そして、軍の再興に励んだ。

 また、この脅威に対して国際協調が不可欠とされ、国際連合が発足された。

 

 大日本帝国は日本と名を改めた。

 

 しかし、表向き復興しつつあっても、沖縄やイギリス本土、東南アジアは占領されたままだった。

 

 1980年代になり、膠着した深海棲艦との情勢に2つ、大きな動きがあった。

 一つは、深海棲艦の攻撃が活発になったこと。

 もう一つは、沖縄から来たであろう深海棲艦の部隊と交戦していた日本海軍は深海棲艦の猛攻に晒された。

 深海棲艦は大半が人型やそれに近い大きさで、攻撃が当たらず、仮に当たっても対して効果がなく、なす術なく壊滅しかけた時、1本の通信が入った。それは、女性、それも、若い女性の声だったと記録に残っている。

 

 その時の水兵の記録にはこう残っている。

 

『深海棲艦出現の報を受け、艦隊が佐世保鎮守府を出撃した時、私は死を覚悟した。そもそも、深海棲艦と交戦して帰ってきた例はほとんど無いのだ。 

 やはり、だめだ。玉は当たらず、当たっても対して聞いていないように見える。そもそも、深海棲艦がおとなしかった30年間、どこの国もほかの国に対抗する武器を作るばかりで深海棲艦に対する戦い方をほとんど考えていないのだ。

 砲弾もミサイルも敵の船には当たるが、深海棲艦には意味がない。この情勢で同じく深海棲艦に苦しめられている国と戦争する事を考えて何になるというのか。

 もうダメだと思ったその時、通信が来た。その通信は年端も行かない少女の声であったが、明らかに軍用の回線であったのだ。

“皆さん、よく持ちこたえてくれました。後は私達にお任せ下さい。”

 その声から間もなく、深海棲艦に砲弾が命中した。

 そして、その砲弾は確かにダメージを与えていたのだ。

 やったぞ、だれだ、どの船がやったんだ。誰もがそう思い周りを確認する。

 しかし、どの船も発砲はしていなかった。

 そして、その答えは通信機から聞こえてきた。

“皆さん、はやく撤退を!私達がここは抑えます!”

 始めに見つけたのは誰だったか、見ろ!新手だ!という声がしてもうダメだとこんどこそ決心したその時、別の声が深海棲艦じゃない!彼ら、いや、彼女達は仲間だ!深海棲艦を倒したぞ!と。

 それから、私の船に敵の弾が命中し、私は気を失った。

 

 目が覚め、軍医に進められて甲板に出ると水上を走るように並走する少女達がいた。ただ、唯一少女達が違ったのは軍艦の装備に似たものを背負っていた事だ。』

 

 と。

 

 これが、艦娘の登場だ。

 

 その後、艦娘達は各国へ次々と現れるようになった。

 また、艦娘達と一緒に現れた小人、妖精と呼ばれる者達のてで新たな艦娘やその装備が創り出されるようになり、人類は深海棲艦と対等に戦う力を得たのだ。

 

 

 話を戻すと、なぜ陸軍の士官が海軍所属である艦娘の部隊を指揮することになったのか。

 これは、別に海軍と陸軍の仲が良くなったわけではない。単純に艦娘という深海棲艦に対する唯一の抵抗手段を得た海軍に対して世論も国家予算の割り当ても偏っていたため、陸軍の衰退とその名誉回復のために艦娘を陸軍でも運用できるようにしようという思惑があったのだ。

 

 

 そして、陸軍から派遣されたのは26になったばかりの真田俊一(さなだとしかず)陸軍中将だ。この年で中将というのは異常だが、優秀な指揮能力で陸上兵力のみで深海棲艦を撃退した功績を理由に、海軍に派遣する上での泊付けのために無理やり昇進させられたのだ。

 そして、これは陸軍の上層部が万が一があった時に真田中将が自分で責任を取れるようにした保身の為でもある。

 

 しかし、陸軍上層部は真田中将に期待もしていた為、秘書艦に陸軍に指揮権があるあきつ丸とまるゆの中でも優秀な大本営付きのあきつ丸を無期限貸出としたのだ。

 

 こうして、真田中将は艦娘のことなどほとんど分からないままあきつ丸と共に海軍に送られたのだった。

 

 

「はぁ、なんで私は中将殿と海軍に来ているのでありましょうなぁ。陸軍でも一二を争う優秀さで安全な大本営勤務のはずだったのでありますが・・・」

 

 真田中将に聞こえるか聞こえないか、そんな声であきつ丸はつぶやくのだった。

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